オールシーズンタイヤの走行性能や耐久性は?中途半端で割高になる?

全天候型タイヤ タイヤに関して

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北米やヨーロッパではスタンダードなタイヤとして普及しているオールシーズンタイヤ。

読んで字のごとく「夏用タイヤと冬用タイヤの両方の性能を備えたタイヤ」で、

冬用タイヤ規制が出されていても、地域によってはそのまま通行を許可してくれます。

 

そのいっぽうで「オールシーズンタイヤって中途半端なタイヤじゃないの?」

というご質問もお客様から受けることがあります。

そのうえ、スタッドレスタイヤに近い柔らかいゴム質なので「耐久性はよくないのでは?」

という鋭いご指摘もあります。

 

今回は、オールシーズンタイヤの実力はどれほどなのか、

またどんな使用用途に適しているのかについて整備士としての意見をお話していきます。

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オールシーズンタイヤの走行性能は?

オールシーズンタイヤ サイドウォール

グリップ力は可もなく不可もない

オールシーズンタイヤの舗装路でのグリップ力はそれなりにあり、一般道から高速道路まで周囲の車の走行ペースに合わせて走行することができます。

スタッドレスタイヤのようなコーナリング時でのゴムがよれるような、地に足がついていないような感じもそれほどひどくありません。

夏用タイヤとして過信するのはよくありませんが、ごく普通に安全運転をするうえでは及第点は付けられるでしょう。

経年劣化が早いかも

ただ、整備士として車検などで点検していると、オールシーズンタイヤは古くなって硬化すると、ひび割れがびっしりとできていて本来のグリップどころか、溝があっても滑るという印象があります。

タイヤがロックするようなブレーキングを試したことはありませんが、三年以上経過したオールシーズンタイヤは乾いた路面でもグリップにはやや不安を感じると思います。

静粛性は夏用タイヤよりうるさい

オールシーズンタイヤのパターンは溝の幅が広くなっているモデルが多いのですが、タイヤのロードノイズに関しては溝の幅が狭いほど静かです。

そのため、夏用のオンロード専用のタイヤよりも走行中のノイズは大きく、カーオーディオのボリュームを上げてしまいたくなるほどです。

とくにセダンやクーペのように車高が低い車種の場合はタイヤのロードノイズや振動はハンドルや室内に伝わりやすく、オールシーズンタイヤではうるさいと感じるでしょう。

雪道ではスタッドレスタイヤに軍配があがる

これはもう、いたしかたないといえますが、雪道でのグリップはオールシーズンタイヤよりもスタッドレスタイヤが優れています。

やはり専用設計にはそれなりのメリットがありますし、逆にいえばスタッドレスタイヤは夏用タイヤとしての性能は切り捨ててしまっていることが多いです。

そのため、オールシーズンタイヤならわりと快適な舗装路での走行ではデメリットが目立ってしまうのがスタッドレスタイヤとも言えます。

新雪路や初期の圧雪路では「そこそこ」頼りになる

オールシーズンタイヤが冬用タイヤとしての役割を発揮するのは、雪が降った直後の新雪路や、少し踏みしめられた状態の圧雪路です。

これらの降り始めのころの雪は、夏用タイヤでも残り溝がかなり残った状態なら走行することはできますが、オールシーズンタイヤならスタッドレスタイヤと遜色ない性能を発揮してくれます。

オールシーズンタイヤのタイヤパターンには「V字パターン」などと呼ばれる、方向性があるパターンが多いです。

このV字パターンのメリットは、排水性をアピールした訴求力アップのデザインともいわれていますが、実際に排水性にも貢献しているといえます。

とくにオールシーズンタイヤの場合、それぞれの溝の幅を広く取っているので、溝の中から水を掻き出しやすくなっています。

シャーベット状にとけた雪を効率よく出していくには方向性があるほうがメリットも多いです。

アイスバーンでは役に立たない

オールシーズンタイヤとスタッドレスタイヤとの大きな違いは、タイヤに使われるコンパウンドの柔らかさやサイプと呼ばれる「氷を掴むひだ」の多さです。

雪国では圧倒的なシェアを誇るブリジストンの「ブリザック」シリーズでは、発砲ゴムと呼ばれる非常に柔らかい材質を使用しています。

それに対してオールシーズンタイヤは、外見でこそ似たようなパターンに見えなくもありませんが、指で触ってみて比べるとその違いに驚きます。

まず発砲ゴムのような柔らかさはなく、サイプの数も少ないことが多いです。

凍結路やアイスバーンでは、まさにこれらの要素がグリップ力に大きな違いを生んでいます。

輸送業界ではミックスタイヤとも呼ばれる

ブリジストンのラインナップも豊富

ブリジストンでは、オールシーズンタイヤのことを「ミックスタイヤ」と呼んでいて、おもにトラックなどの貨物車のためにラインナップされています。

輸送業界の場合は長距離を通年走行するため、タイヤの入れ替えの手間やコストをかけられないことが挙げられます。

それらのニーズに応えるかたちで貨物車にのみミックスタイヤとして販売しているのではないでしょうか。

とはいえ、タイヤ業界での技術力やシェアでも圧倒的なノウハウを持つブリジストンがオールシーズンタイヤをプロ用にリリースしていることは、そのメリットを認めているということでもあります。

ただし、さまざまなタイヤメーカーから出ているオールシーズンタイヤなので、雪道での性能にはかなりバラつきがあると思います。

夏用タイヤに近いオールシーズンタイヤもあれば、スタッドレスタイヤとしての性能に重きを置いているモデルもあります。

スノーフレークマークがあれば安心

オールシーズンタイヤにもさまざまな使用用途があるので「オールシーズンタイヤだから」と一言でくくることはできません。

路面に降り始めた雪が積もり始めた段階での「路面との一部接触だけ可能な性能」を有しているオールシーズンタイヤもあります。

それに対して、スノーフレークマークと言われる国際表記が付いているオールシーズンタイヤの場合は、路面を覆うほどの積雪路でもスノータイヤとしての性能を発揮するものもあります。

【外部リンク】ブリジストン公式ページ|冬用タイヤ安全性確保のルール化

オールシーズンタイヤが新車装着されることも

オールシーズンタイヤはスタッドレスタイヤに近いタイヤパターンになっていて、雪をつかむ力には優れています。

これにはデメリットもあり、ブロックが大きく溝の幅も広いことでロードノイズが大きくなってしまいます。

その点でSUVのような悪路走破性に重きを置いているような車種の場合は、もともとノイズの大きなタイヤを新車装着していることも多く、オールシーズンタイヤの装着を希望するユーザーも少なくありません。

スバル|フォレスターに採用

スバルのフォレスターでは一部のモデルにオールシーズンタイヤを新車装着しています。

本格的なSUVとして購入する顧客のニーズにもマッチさせたうえでの選択なのかもしれません。

また、スバルではオールシーズンタイヤについて、こんな位置づけをしています。
【外部リンク】スバル公式サイト|オールシーズンタイヤについて

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オールシーズンタイヤの参考動画

 

オールシーズンタイヤの耐久性は?

オールシーズンタイヤ 溝 パターン

柔らかいコンパウンドと耐久性の関係

スタッドレスタイヤと夏用タイヤの違いを感じるとすれば、トレッド面を指で直接触ったときに感じる柔らかさではないしょうか。

スタッドレスタイヤがとても柔らかいのと同じ理由でオールシーズンタイヤも夏用タイヤよりもかなりトレッド面が柔らかいです。

少し乱暴に言ってしまうと、ブロック周辺が柔らかいものほど、雪道ではしっかりと路面を掴んでくれると言えます。

オールシーズンタイヤは夏用タイヤよりもかなり耐久性では劣るものの、スタッドレスタイヤの耐久性の低さを嫌ってオールシーズンタイヤを選ぶユーザーもいるのです。

やたらと溝が深い理由

とくに海外製のオールシーズンタイヤは、かなり溝の深さがあり、スタッドレスタイヤに近いくらいの、新品なら約10㎜くらいの溝になっています。

雪道でしっかりとグリップさせるには、タイヤの溝の周辺にあるサイプが車重でつぶれ、より広い範囲で路面との接触面積を増やすことができます。

海外製のオールシーズンタイヤの中には12㎜近いタイヤの溝のものもあり、これは僕の予想ですが、摩耗性を犠牲にしているぶん溝を深くしてタイヤの耐久性の伸ばしているのではと思っています。

結論|夏用タイヤよりは減るが冬用タイヤより長持ち

これまで読み進んでいただけた方からすれば「そりゃそうでしょ。」という、いたって当たり前すぎる結論となってしまっています。

ただし舗装路での耐久性にはバラつきがある

オールシーズンタイヤには冬用タイヤと夏用タイヤの二つの性能を併せ持つことが求められます。

実際には、「ほぼ夏用タイヤに近いモデル」と「夏冬兼用のバランスを取っているモデル」があり、夏用タイヤに近い性能を持たせたものは耐久性も夏用タイヤに近い傾向にあります。

 

オールシーズンタイヤは中途半端?

オールシーズンタイヤ 外観

海外では標準装備されることが多い

日本でも一部のSUVなどに新車装着でが採用されていますが、海外ではスタンダードな扱いを受けているオールシーズンタイヤ。

新車装着されるということは、万人向けで多くのユーザーから不満が出ないということで、なにかに特化しているわけでもないと言えます。

「中途半端」ととるか「不可がない」と考えるか

オールシーズンタイヤは中途半端なタイヤであることは否めません。

日本では考えられないような広いエリアを「舗装路」「雪道」「未舗装路」という違った環境の道を走破する海外ならではのニーズに応えているからです。

「中途半端」の強み

どの環境下でもそこそこの性能を発揮してくれるということは、タイヤの履き替えをせずにすむことになり、予備のタイヤをストックしておく場所もいらなくなります。

また、南北を縦断するような長距離の移動となると、雪道や悪路だけでなく高速道路も同じタイヤで走行することになり、オールシーズンタイヤだからこそのメリットを感じることができます。

スタッドレスとの履き替え時期を気にしなくていい

毎年夏用タイヤと冬用タイヤの入れ替えの時期になると、タイヤショップなどが混雑します。

とくに春になってスタッドレスタイヤを夏用タイヤに戻すタイミングをずるずると引っ張ってしまうと、柔らかいスタッドレスタイヤは舗装路では異常なまでの早さですり減ってしまいます。

その点、オールシーズンタイヤならなんの問題もなく冬から春にかけて、そのまま夏のなってもそのままで走行でき、タイヤの入れ替えの手間とお金をかけなくていいのです。

「こないだまで正月がとか言ってたのになー。もうゴールデンウィークかぁ・・」

という感じで、時間の流れがやたらと早い感じながら、すでにタイヤの入れ替えになど頭から消えているという、ずぼらな方にもオールシーズンタイヤは合っているのかもしれません。

サボカジ
サボカジ

確かに・・時の流れは早いです。

おじさんになると季節の流れについていけない・・。

まとめ

オールシーズンタイヤの特長・メリット・デメリット

■特長
・走行性能は『雪道も走れる夏用タイヤ』という位置づけ
・スノーフレークマークがついたものを選ぶと雪道に強い
・高速道路では夏用タイヤに近い走行ができる
◎メリット
・濡れた路面にも強い
・冬用タイヤの規制でも通行許可がもらえる・SUVやクロカン四駆との相性がいい
・全天候型なので南北を縦断するような長距離移動に向いている
・シーズンごとのタイヤの入れ替えのコストと時間がかからない
×デメリット
・アイスバーンでは走行不可
・ロードノイズは夏用タイヤよりうるさい
・古くなるとひび割れがひどくなりグリップ力もかなり落ちる
・耐久性は夏用タイヤに劣る

最後に・・・

タイヤの価格は整備工場やタイヤショップ、量販店などでもかなりバラつきがあります。

ですが、名の知れたメーカーのタイヤであれば、どこで購入しても性能や品質に違いはなく、精密機器でもないので長距離の輸送にも向いています。

そのため、タイヤをなるべく安く購入したいのであれば、ネットで購入するのがお得なです。

製造年月日に注意する必要がありますが、そこだけを注意しておけば、かなりいいお買い物ができるでしょう。

今回はオールシーズンタイヤについてのお話ですが、春先や秋の季節の代わりにタイヤの交換をする際にはネットでのタイヤ購入を検討してみるといいでしょう。

今では持ち込みでタイヤ交換をしてくれる整備工場やショップもかなり増えてきましたのでタイヤはネットで購入し、

交換作業は近くの「持ち込みタイヤ交換OK」なショップなどに依頼するのがコスパ最強かもしれません。

オールシーズンタイヤ、スタッドレスタイヤ、有名メーカータイヤなど、タイヤとホイールをネットで購入するならオートウェイがおすすめです。

海外製のアジアンタイヤも扱っていますが、とにかくその価格の安さに驚くことでしょう。

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