米国高配当ETF【HDV】が2022年9月の銘柄入れ替えを実施。さらばジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】、有名銘柄を大量放出!(iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF)

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ブラックロック社のiシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF【HDV】は、モーニングスター配当フォーカス指数に連動したETFです。財務の健全性が高く、持続的に平均以上の配当を支払うことのできる、質の高い米国籍企業75銘柄前後で構成されています。

毎年3、6、9、12月の計4回組み換えがあります。直近では、2022年9月16日頃に銘柄の入れ替えを行いました。16銘柄が除外、16銘柄が追加となりました。前回の2022年6月の入れ替えでは9銘柄が新加入だったので、今回は多いですね。

 

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新たに組み込まれた銘柄は?

新たに追加されたのは16銘柄です。セクター別では金融が4銘柄と最多で、一般消費財が3銘柄です。除外された銘柄と比較すると地味な銘柄が多く、全体に占める割合も9%と少ないです。除外銘柄は全体の20%でした。

メドトロニック【MDT】は医療機器メーカー。今年5月に0.63ドルから0.68ドルに増配を決めています。ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】が除外されたため、セクター比率を考慮して、穴埋めのためにヘルスケア・セクターの当該銘柄が新加入となった可能性が考えられます。

デボン・エナジー【DVN】は独立系のエネルギー会社。配当は期によってバラバラで特別配当のようなものも出しています。なので利回りの計算はサイトによって異なっています。

トゥルイスト・ファイナンシャル【TFC】は金融持ち株会社。2022年3月に除外され、今回復帰となりました。

新加入銘柄の組込比率を加味した平均利回りは5.04%。なかなか高いです。新加入銘柄の全体に占める割合は9.33%でした。

 

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除外された銘柄は?

除外されたのも16銘柄です。セクター別の数では金融が5銘柄、公益事業が3銘柄です。

ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】はヘルスケアセクターの世界最大手。医療機器や医薬品で世界トップクラスです。利回りは3%弱とそれほど高くないです。昨年スピンオフが決まったAT&T【T】もその後、【HDV】から出たり入ったりしていたので、似た理由かもしれません。

ペプシコ【PEP】テキサス・インスツルメンツ【TXN】ロッキード・マーチン【LMT】も利回りは3%弱ぐらいです。ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】も含め、【HDV】はこのくらいの利回りの銘柄を頻繁に入れ替えて、ETF全体の利回り上昇を図っている気がします。

除外された銘柄の組込比率を加味した平均利回りは3.86%

先ほどの新加入銘柄の組込比率を加味した平均利回りは5.04%だったのに対し、除外は3.86%でした。この部分での比較では、1.2%ほど新加入の方が高く、新加入によってETFの利回りを上げようとしている意図が見えます。

なお、除外された銘柄の全体に占める割合は20.56%とかなり大きいです。これが今後どのような影響を与えるのか注目が集まります。

 

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【HDV】全組込銘柄がどのように変化したのか?

下の表は【HDV】全組込銘柄を、組み換え前後の2022年9月15日と2022年9月21日で比較したものです。保有比率の大きい順に並べました。左側(6月15日)の表の一番左側に背景が灰色で「除」と書かれているのが今回除外された銘柄です。右側(6月21日)の表の一番左側が背景ピンク色で「新」と書かれているのが、今回新たに組み込まれた銘柄です。

目立った新加入は、組込順位15位のメドトロニック【MDT】です。

除外された銘柄では組込順位2位だったジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】、同11位のペプシコ【PEP】、同13位のアルトリア・グループ【MO】、同17位のテキサス・インスツルメンツ【TXN】などがあります。

除外された銘柄の比率が大きかったため、既存銘柄の上位は軒並み比率が上がっています。首位のエクソン・モービル【XOM】は入れ替え前の比率が7.71%から、今回のリバランスで8.90%に増えました。2位のシェブロン【CVX】は5.54%から6.93%に、3位のベライゾンは4.88%から6.42%、4位のアッヴィ【ABBV】5.43%から6.26%になりました。

セクター別では、組込上位はエネルギー、ヘルスケア、生活必需品、情報技術が多いです。2番手集団に資本財公益事業、金融が目立ち、中より下は一般消費財が多いですね。

 

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2020年以降の主な銘柄の入れ替えは?

【HDV】は75銘柄前後で構成されていて、4半期に1回銘柄の入れ替えが行われます。新加入や除外の組込比率1%以上の銘柄についてまとめました。他のETFに比べると、上位陣の入れ替わりが激しいのが特徴です。

アルトリア・グループ【MO】は前回2022年6月に復帰して1期で除外となりました。2021年9月以降も出たり入ったりを4回繰り返しています。

今回復帰したドミニオン・エナジー【D】も入れ替え銘柄の常連です。2020年12月に大幅減配がありましたが、その後は着実に増配しています。

新加入のトゥルイスト・ファイナンシャル【TFC】、除外されたペプシコ【PEP】やロッキード・マーチン【LMT】も出入りの激しい銘柄です。

利回りが2%台後半ぐらいの大型銘柄が、株価や増配によって頻繁に入れ替えが行われている傾向にあります。

※なお比率は、入れ替えの直前と直後のドンピシャのタイミングではなく、数日ずれている場合もあります

これまでの銘柄入れ替え数は?

過去10回の銘柄入れ替え数です。上の棒が新加入、下の棒が除外です。今回の16銘柄の変更というのは、近年では多いです。

2020年6月は入れ替え数が多いです。これはコロナ・ショックで株価や業績予想に大幅な変化があったためです。

 

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セクター比率はどう変化したか?

【HDV】に組み込まれている銘柄のセクターの割合を、今回の入れ替え前後で比較してみました。少し変動がありました。

前回との比較ではエネルギーが増えて首位になりました。エネルギーは除外された銘柄がなく、新たにデボン・エナジー【DVN】が加わり、パイオニア・ナチュラル・リソーシズ【PXD】の比率が増えたためです。

一方、首位だったヘルスケアは少し減って2位になりました。組込2位で比率6%台のジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】が除外されたことが原因です。

生活必需品も大きく減らしました。ペプシコ【PEP】、アルトリア・グループ【MO】という比率3%台の上位銘柄が除外されたためです。

組込銘柄数とセクター比率の比較

【HDV】の組込銘柄数は金融が16銘柄で最多で、公益事業が13銘柄です。どちらもセクター比率はそれほど高くありません。ちなみにセクター比率だと金融は6番目で7.6%、公益は5番目で8.8%で全体から占める割合は小さいです。

セクター比率の首位のエネルギーは、組込銘柄数9、2位ヘルスケアは組込銘柄数では6と、それほど多くないです。この両セクターは、時価総額の大きく、上位組込銘柄ばかりです。

逆に公益事業と金融は規模の小さい銘柄が多く、それらをたくさん組み込んでいるのが【HDV】の特徴ともいえます。

 

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【HDV】の上位組込銘柄はどんな会社か?

【HDV】の組込比率1%以上の9月21日のデータです。全部で27銘柄あります。ベンチマークは、モーニングスター配当フォーカス指数です。上位27銘柄で、全体の約87%を占めており、かなりの集中投資といえます。上位10銘柄でも全体の約53%、20銘柄で約77%なので、上位銘柄の影響が大きく出るETFと言えます。

【HDV】は配当金の総支払額によって加重平均しています。つまり、並び順は時価総額と配当利回りを掛けた数値のほぼ大きい順になります。下の表の右から2列目です。

【HDV】は財務の健全性が高く、持続的に平均以上の配当を支払うことのできる、質の高い米国籍企業が対象です。そのため、上位組込銘柄の多くが連続増配年数10年を超えています。表の一番右側の列です。

 

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2020年5月以降の上位銘柄の推移

上位組込銘柄の推移です。【HDV】は毎年3、6、9、12月の中盤から後半にかけて銘柄の入れ替えがあります。下の表ではすべての期間で銘柄の入れ替えが行われています。

上位銘柄の顔ぶれはあまり変化がなかったです。常連組の最近の変化はAT&T【T】、ファイザー【PFE】がいなくなったぐらいでした。ただ、今回はジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】、ペプシコ【PEP】が除外となりました。

【HDV】は年4回銘柄を入れ替えていますが、コアの部分は比較的同じメンバーで固められており、比率が高いのが特徴です。

 

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【HDV】の期別分配金は?

直近の分配金は、2022年9月16日に発表されました。1.2312ドル(厳密には1.231175ドル)です。1年前の同期は0.7641ドルでしたので、1年前の同期と比べて61.1%増です。

【HDV】は2022年に入ってから、2回続けて分配金が前年同期より少なかったので、その反動が出たのかもしれません。

 

分配金大幅増は前回6月の銘柄入れ替えがポイントか

さて、なぜ今回のHDVが大幅な増配になったのかを考えてみましょう。

【HDV】は年4回、3、6、9、12月に銘柄入れ替えをします。直近は9月16日頃に入れ替えが行われました。分配金が決定したのは23日なので、今回の分配金には関係ない可能性が高そうです。

前回の銘柄入れ替えの影響がありそうです。下の表は前回2022年6月の新加入9銘柄。右下の赤い数字に注目してください。

新加入銘柄の組込比率を加味した利回り、いわゆる加重平均利回りは5.79%です。かなり高いです。新加入銘柄の全体に占める割合は9.1%でした。

 

こちらは前回2022年6月除外された9銘柄。右下の赤字に注目してください。加重平均利回りは3.31%です。除外銘柄の全体に占める割合は12.02%でした。新加入と除外の単純比較だと、利回りは約2.5%もプラスになります。

前回6月の銘柄入れ替えで、利回りの低い銘柄を除外して、利回りの高い銘柄を加入させたのが、今回9月の分配金大幅増の理由の一つと言えそうです。

 

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まとめ

いかがでしたか? 入れ替えは16銘柄と多かったです。

セクター別では、エネルギーが首位になり、ヘルスケアが2位に陥落、3位だった生活必需品も比率を落としました。

前回はプロクター・アンド・ギャンブル【PG】、JPモルガン・チェース【JPM】など、やや利回りの低い連続増配銘柄を外して、ETF全体の利回りを上げた成果が、今回9月の分配金に反映されたようです。

今回の銘柄入れ替えでも、利回りがそれほど高くないジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】、ペプシコ【PEP】、テキサス・インスツルメンツ【TXN】、ロッキード・マーチン【LMT】などを外し、既存銘柄の比率を大きくしました。次回12月の分配金も今回同様に期待できそうです。

 

 

 

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