去年(2019年)8月の終わりのケニア旅行について、バルーンサファリとチーターについて書きましたが、追加で今回の旅で気付いたことを少しご紹介しようと思います。

我々がよくテレビなどで見るシーンに「アフリカのサバンナで幼いシマウマやインパラがライオンの群れに襲われて餌食になるシーン」がありますね。こういうのを見ると「可哀想に!」とか「幼い子を襲うなんて卑怯」などと思ってしまうのが人情ですが、今回の旅で「これは自然界の食物連鎖として仕方ない事」と実感しました。

何故なら、「肉食動物の個体数は草食動物のそれに比べて圧倒的に少ない」からです。

ケニアに入った翌日にナイバシャ湖を渡ったクレセントアイランドでウォーキングサファリをした時は、次々に現れるヌー、シマウマ、インパラ、トピ、キリンに感動しました。(このクレセントアイランドには大型の肉食動物がいないので、ウォーキングサファリが楽しめるのです)

その後マサイマラ自然保護区に移動しゲームドライブを行いましたが、ここでも肉食動物にはなかなか遭遇できませんでした。




これはマサイマラで見たヌーの群れです。


草食動物は沢山いるので、こんな動物図鑑のような写真も撮れました。(これもマサイマラ)

気球に乗って上から見ると、ヌーやシマウマ、トムソンガゼルなどは群れで何十頭単位でいて、それはそれで眺めとしてはとてもいいのですが、対して肉食動物はなかなか現れず、出て来たとしてもハイエナが数頭群れている程度。




これが気球の上から撮った映像です。

バルーンサファリの後偶然チーターに出会えたのは以前書いた通りですが、帰国前日に出会ったライオンと水牛の睨み合いについて書きたいと思います。

帰国前日ですからゲームドライブはラストチャンス、なんとしても雄ライオンを見たかったのでドライバーさんは必死に探してくれました。彼らはドライバー同士無線で互いに情報を伝え合っていますが、そうこうしているうちに「ライオンの群れ発見」との情報。

行ってみると既にサファリカーが数台集まり群れの様子を観察中。


この写真の左上にいるのは水牛の大人。
水牛がライオンを睨み付けていて、水牛がライオンに近づこうとするとライオンの方が逃げます。水牛は牙はないとはいえ身体はライオンより大きいので、1対1なら水牛の方が強いのです。


ライオンはここに3頭いますが、実は水牛を挟んで左側や後方にも数頭いて、総勢8頭くらいの群れでした。ドライバーさんによると、この8頭は兄弟で、お母さんは既に死んでいないとのこと。(これに限らずですが地元のドライバーは動物を見るだけで彼らの相互の関係がわかってしまうんです。凄いですね)

水牛は3頭くらいいました。

私はドライバーに「彼らは何をやっているのか聞いたところ、答えはこうでした。

「ライオンは兄弟が協力してもし隙があればこの大人の水牛を襲って食べようとしている。ただ、相手は強敵なので下手に手を出してケガをしてしまうとその後生きていけなくなるので、慎重に頃合いを見計らっている。水牛の方はライオンは自分達を襲う憎い敵なので、挑発して相手が襲って来たらやり返してやろうと思って近付いている」

水牛からすると「にっくきライオンどもめ、かかってくるなら来やがれ、返り討ちにしてやる」ですね。

いやーまさに自然界のサバイバル。

睨み合いは20分ほど続き、ライオンの一頭が水牛の後ろに回り込んで襲撃の機会を伺う場面もありましたが、結局何もなく終わりました。「緊張する場面が続くものの結局何も起こらない」というパンクブーブーの漫才みたいないきさつと結末でした。この下がその「何か起こりそう」だった場面です。



最後にバルーンサファリでのパイロットのある一言がすごく印象に残ったのでご紹介します。あるアメリカ人の女の子の「ライオンがなんでも一番じゃないの?」という質問に対する言葉でした。

ライオンはどの分野でも一番じゃない。でも奴らはそれを全然気にしてないんだよ。それが奴らが百獣の王でいられる所以なんだ。
Lion is not No.1 in any area. But they don’t care about it and that’s why they can be a King.

これって人間界にも通じるものがありませんか?

以上、ライオンと水牛の睨み合いのお話でした。




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