日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

講演会シリーズ「世界の書棚から」第11回「世界に広がるスペインの絵本の今」に行ってきました(2023.1.13)@板橋区立中央図書館

2023年02月05日 | イタリアの本・絵本・雑誌

講演会シリーズ「世界の書棚から」第11回「世界に広がるスペインの絵本の今」に行ってきました(2023.1.13)@板橋区立中央図書館

 

昨年クリスマス直前のイタリアに続き 年明けの最初の回はスペインです!!

私は西検3級を取って こちらの絵本館でスペイン語絵本も読み聞かせを続けているので 早速読み聞かせできそうな絵本を探したり いただいたスペイングッズを眺めたり💕

  いただいた大使館のスペイングッズ💕

 

今回は スペイン大使館の方がお話くださいました

スペインの2021年の出版タイトルは9千近く うち児童書は15%を占めています (日本は7%くらい)

 

New Spanish Booksというプロジェクトについて お話くださいました

日本向けおすすめ書籍を日本に紹介するもので 2011年に日本版がスタートしました 

スペインブックフェア Liber これはフランクフルトのブックメッセの1週間前の10月開催とのことで マドリードとバルセロナで交互に行われてます

4月23日は サン・ジョルディの日で 世界本の日なのです 

この日はセルバンテスやシェークスピアの命日でもあり 女性が男性に本を そして男性が女性に赤いバラを贈るそうです🌹

 

スペイン内戦時代のことを描いた 「FRANK」という絵本も象徴的でした 独裁者について子どもに問いかけるのです 

1975年にフランコが亡くなるまで 1936年の内戦からずっと スペインの文化は約40年間閉ざされていたようなものでした 

この作者はベトナム旅行でポルポト政権について人々が語るのを知り 自分も伝えなくてはと思ったそうです

「日ざかり村に戦争が来る」 (田舎の村にじわりじわりと内戦が近づき...)や   「灰色の服のおじさん」  (歌う自由を奪われた男の話)などもそうです

 

そして終戦後の反動で Movidaが生まれ パンクロックが一気にはじけました!

Ana Maria Matute の「Los niños tontos 」(まぬけな子どもたち) や 「El Polizón Del Ulises  」 (ユリシーズ号の密航者)  そして

Elvia Lindo の 「Manolito Gafotas 」(めがねっ子のマノリート)  ← このキャラとっても可愛い💕 

 

Elena Odriozola画の 「天のおくりもの」 「あくびばかりしているお姫さま」

 「アリアドネの糸」等...

「En el bosque (森のなかで)」 2010年に女性では3人目のセルバンテス賞を受賞したアナ・マリア・マトゥテは スペイン王立アカデミーで《En el bosque(森のなかで)》と題した入会の講演を行いました そのスピーチが収録されているこの本には 8枚のイラストカードがついています イラストカードにはすべてオレンジの道が描かれていて 様々な並べ方でもって 30万種類のお話が作れるとのこと

 

和訳出版について:

1. 弱者・多様性への目

マルコとパパ ダウン症のある息子とぼくのスケッチブック」 ダウン症の子供が生まれたことを受け入れられるようになるまでの葛藤が描かれています 

「Mi Lazarilla, mi Capitan   (私のガイド、私のキャプテン)」 目の見えない私のパパは 車の音を聞いただけでどの車か当てることができる すごいパパ... 

移動するものたち」 動物になぞらえた難民たちのお話で 文がありません 17か国語で出ています

Paginas del diario de Simon (シモンの日記のページ)」  自閉症の子供が主人公のお話です

Lo dificil  むずかしいこと Vicente García Oliva作 場面緘黙症の子供が主人公です

 

「皺(arruga)」 第15回文化庁メディア芸術祭漫画部門優秀賞受賞作品 

老人ホームを舞台にお年寄り達の切ない回想等がつづられていますが このアニメを私はイタリア文化会館で見たことがあります😊 

 

2. デザイン性

「 ¡A dormir Gatitos!  (子猫たち さあ 寝ましょう!)」  ページをめくると 前のページで出てきた猫ちゃんの色が穴から見えて 最後は...?😸

Paisajes perdidos  (失われた地球の景色)」  あまりに美しく緻密なデザイン画なので 各国版をまとめて印刷することでコストを抑える等の工夫が...

秋に日本語版が発売予定の 「Robos de leyenda (伝説の強盗)」の他にも 「Geograficos(地理学)」 や「Besos(キス)」 (パーツをめくるとキスをする💕)等 楽しい工夫いっぱいのデザイン性あふれた絵本が続々...!!  ちなみに キスは 三浦太郎の「くっついた」を思い浮かべました😊

Perdido en el museo(美術館で迷ったら)」 「エイハブ船長と白い鯨」 このワールドライブラリーは 病院に定期的に絵本をレンタルする活動等もしているそうです

La barca de Hanielle (アニエリェの船)」 これは 添付のルーペで見ると 見えないはずのもう一人の主人公(黒人の女の子)が見えるそうです もうひとつの物語ですね

私のちいさなおしゃれ工房 オオノマユミ 

ティーとカメレオンはきょうだい」等 

 

ノンフィクションの絵本について:

「はなみずの秘密」 これは「からだのひみつ、げんきのしくみ!」シリーズのひとつです ほかにもウィルス げっぷ くしゃみ等あります😊

「はじめまして相対性理論」 「はじめまして量子力学」は 化学同人が出していますね

 ¡QUE BUEN ROLLO EL DESARROLLO!  (発達っていいかんじ)」は 思春期の身体の成長を描いています

 

最後に インスティテュート・セルバンテス東京の フェデリコ・ガルシア・ロルカ図書館 そして

スペイン教育・文化・スポーツ省の翻訳出版助成金 のことををご紹介いただき ボリュームたっぷりの講演会は無事終了となりました 

一気にスペインの絵本の世界が身近になりました📖 

 

第12回は 中国です

開催のお知らせは こちら

 


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