日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

「アウシュヴィッツの小さな姉妹」(タチアナ&アンドラ・ブッチ著、丹羽秀文訳/アストラハウス)を読みました

2023年02月02日 | イタリアの本・絵本・雑誌

「アウシュヴィッツの小さな姉妹」(タチアナ&アンドラ・ブッチ著、丹羽秀文訳/アストラハウス)を読みました

 

世界の書棚から」のイタリアの児童書ブックトーク(2022.12.23)で紹介された「アウシュヴィッツの小さな姉妹」を読みました

折しも1月27日の「記憶の日」(Giorno della Memoria)に イタリア文化会館の「記憶の日2023」の配信映像で イタリアの若者たちがアウシュヴィッツを訪れて感想を述べるビデオを見ていた時に読み 本のラストとまさにオーバーラップしました 

これは わずか6才4才でアウシュヴィッツ・ヴィルケナウ収容所に入れられた イタリア系ユダヤ人の幼い姉妹の 奇跡のような生還と家族を襲った悲劇 そして 二人のその後の人生を綴った手記です

ホロコーストの犠牲となったユダヤ人600万人のうち子供は150万人 そのうちアウシュヴィッツに送られた子供は21万6千人 うち生存者はわずか451人でした

姉妹の親族14人のうち 生き延びたのはわずか4名だったそうです  一家の家系図がありますが 人体実験に使われ殺された子どももいて 胸が締めつけられました

母方の祖母はユダヤ人で ロシアの迫害(ポグロム)を逃れてハンガリー経由で 当時オーストリア・ハンガリー帝国のリエカ(現クロアチア領)に移住しました

父方のイタリア人の祖母はクリスチャンで ユダヤ人の嫁やユダヤ人の血が流れる孫たちを受け入れるのに抵抗があり この姉妹が解放後 長じて家庭を持ちますが そこにも葛藤がありました 

姉妹はホロコーストの証人として 50年を経てようやく 収容所を若者たちと再訪する等の活動を始めますが 今社会で起きている様々な差別に心を痛めます 

そして 過去に起こったことの記憶が 差別や偏見をなくすための指針になるべきではないかと二人は信じます 

 

     *    *    *

内容:  

1944年4月4日  アウシュヴィッツ・ビルケナウ絶滅収容所に到着したイタリア系ユダヤ人の6歳の姉タチアナと 4歳の妹アンドラは   最初の選別をくぐり抜け  子ども用バラック「キンダーブロック」に収容される

その後  ナチスによる人体実験のモルモットになる運命から奇跡的に生き延び 1945年1月27日に解放を迎える

だが姉妹のアウシュヴィッツはまだ終わらない

アウシュヴィッツを生き延びた6歳と4歳の小さな姉妹が見た  アウシュヴィッツと戦争が家族にもたらす悲劇の物語

訳者は 第23回いたばし国際絵本翻訳大賞 “Che cos'è un bambino?”の翻訳でイタリア語部門特別賞を受賞された翻訳家の丹羽秀文氏です 

 

アウシュヴィッツの小さな姉妹」の本は こちら

 


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