世界最大の電子タバコ製造都市・深センは息を潜めて次の機会を伺っている

1年前にスタートアップを始めたエドウィン・ウォンにとって、電子タバコのオンラインストアは、有望な産業のように見えた。 34歳の彼は2012年から深センのビジネスと製品を研究しており、この産業に賭けるのは、確実な賭けに見えた。彼はすぐに、600名以上の安定したユーザーベースを創り、ビジネスは安定軌道に乗った。

しかし、突然、すべてが変わった。 彼のスタートアップ・KiwiPodへの220万元(£240,000)の投資は一晩で消えた。

「これまでビジネスについて何も知らなかった多くの人々がこのビジネスに参加しました。彼らはただお金を投入しました。最も熱いと思い、非常に収益性が高いと考えていたが、今では全くそうではなくなっている」と彼は言う。

TaobaoやJD.comなどの中国のECプラットフォームで「電子タバコ」を検索しても、検索結果には何も表示されない。(通常、どんな検索ワードでも数千の結果が表示される)まるで電子タバコのオンラインショップは存在しなかったかのようになっていた。ビジネスモデルが消滅したのは、大多数の小規模なショップで、少なくとも2人の自殺が噂されていた。

すべてが変わった日は11月7日で、中国当局が突然電子タバコの事実上の禁止を強行し、オンライン販売を停止して子どもを喫煙の危険から守る命令を出した。この命令は、中国最大のECの祭典になっている「独身の日」の11日前に発表された。

中国電子タバコ商工会議所によると、中国は電子タバコの世界最大の製造国で輸出国だ。 2018年には、200万人以上がこの業界で働いており、年間売上高は337億元(37億ポンド)、輸出は287億元(32億ポンド)になっている。

香港のすぐ北にある深センでは、世界の電子タバコの約90%が約1,000の工場で設計および製造されている。広東省と中国全体でさらに数千の企業がサプライチェーンを形成している。

業界は、全米で39人の死者を出したEVALI発生後、被害を最小限に抑えようと動いている。アメリカ疾病管理予防センター(CDC)は、一部の電子タバコ・リキッドに使用されてたビタミンEアセテートの添加剤を非難しており、大部分の症例はマリファナの主な精神活性化合物であるTHCを喫煙時に使用したことに関連している。

アメリカのドナルド・トランプ大統領は、アメリカが最終的に健康問題と経済問題のバランスをどう取るかを考えて、業界と健康問題の代表者に会っている。だが既に、アメリカの市場規模は約4分の1に縮小している。

深センでは、大規模なプレーヤーが小規模な販売者よりも優れており、今のところ、彼らの通常どおり運営が続いている。

テスラシグスの6階建ての工場の内部では、約400人の作業員が、清潔でほこりのない、温度制御された環境で新しいポッドやその他の電子タバコのデバイスを静かに組み立ている。

工場に減速の兆しは無い。中国市場にはまだ潜在的な可能性があると工場長は言うが、多くの人はアメリカの動向に注目している。

「アメリカの規制がどうなるかを期待しています。中国は規制があっても、最終的には最大の市場になり、東南アジア、中東といった他の市場が成長していくだろう。」とテスラシグスの副部長であるシャン・ジーは語る。

現在、アメリカは最大の市場だが、どっちにも転びうると中国の業界の人々は考えている。製造業者は、アメリカがフレイバー付き電子タバコを禁止するかどうか、また、アメリカ食品医薬品局(FDA)の規制方針がどうなるか注目している。

FDAは、来年5月に決定される審査プロセスの費用は最大で約46万ドルになると述べているが、深センの業界の人々はそれを大きく上回ると予想している。

ある製造業者は、事業登録や事前審査に1,000万ドル、その後、アイテムごとに約500万ドルかかると予想している。

しかし、中国電子タバコ商工会議所の深セン支店長のアオ・ウェイヌオの見通しは明るい。 「電子タバコ産業は、世界、特にアメリカと中国で大きな懸念が顕在化しており、多くの否定的な報道があ​​りますが、電子タバコ自体は止められないトレンドだと思います。課税、製品の品質と安全性、未成年者を保護するための対策の問題を一つ一つ解決していけば、業界は明るい未来を持っています。」

参考:Guardian

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