SPXLの積立投資はいつから始めればよい?いまでしょ!!【データをもとに解説】

先日「積立投資はいつから始めればよい?いまでしょ!!【データをもとに解説】」を書きました。

反響が皆無の無観客解説でしたが、積立投資を始めるべきタイミングは来月でも、来年でも、市場が暴落するタイミングでもなく、いまだ!ということを数字で語る、という大きな意義のあるものでした(自賛)。

一方私は「SPXLの超長期積立投資」という一風変わった投資法を推奨しています。

興味を持ってもらった皆さんにも、ぜひ実践してもらいたいなと思っています。

そこで今回は

「SPXLの超長期積立投資はいつはじめたらいいの?」

「レバレッジ投資は短期で使うものだからタイミングって重要だよね?」

と悩んでいる読者のみなさんの答えとなる記事を書きたいと思います。

積立投資はいつが「始めどき」?

積立投資の「始めどき」はいつなのでしょうか?

「積立投資はいつから始めればよい?いまでしょ!!【データをもとに解説】」の記事を要約すると、

  • 投資開始を後回しにすればするほど、買付単価は割高になる
  • 投資を始めるタイミングを図る必要がないので、思い立ったときに積立を開始すれば良い

ということでした。

レバレッジ投資はタイミングを図るもの?

今回の記事のテーマはレバレッジ投資です。

「レバレッジ投資は短期投資で、タイミングをみてやるものでは?」

と考えている方が多いのではないでしょうか?

しかし株式相場の波を読むというのは意外と難しいものです。

長期のレバレッジ投資だとすれば、果たして本当に始める時期が重要になるのでしょうか?

検証の対象:SPXLの長期積立投資

本記事で検証の対象とするのは、私が提案するSPXLの長期積立投資です。投資方法は次のとおりです。

 

投資方法

① 15年間、毎月一定額でSPXLを積み立て購入

② 15年後から毎月、15年前に買った株数を順次売却

例:

2000年1月からSPXLを定額購入し、2000年1月は5株、2000年2月は4株、2000年3月は6株・・・買えたとします。それを15年続けます。

2015年1月からは売却。2015年1月は5株、2015年2月は4株、2015年3月は6株・・・売却していきます。

 

いつからSPXLの積立投資をはじめたらよいか、データをもとに考える

ではSPXLの積立投資のはじめどきを、シミュレーションから考察していきたいと思います。

シミュレーションの条件

先ほど示した方法で毎月1万円入金していったとします。

30年後(15年間積立購入、15年間順次売却)にいくらになっているでしょうか。

利息のない貯金だと180万円(12万円/年×15年)になります

投資の条件は次のとおりとします。

投資先 SPXL SPXLは2008年に運用開始された商品です。S&P500のデータ、SPXLの経費率をもとに、1950年以降の仮想SPXLの評価額を計算しています。
経費率 1.01% 現状のSPXLの経費率です。
配当 無視 本来はETFの投資だと分配金がありますが、少額なのでここでは無視します
税金 無視 運用終了時に売却すると運用益に20%程度課税されますが、無視して比較することにします
期間 1950~1991年の任意の日に投資をはじめ、30年間(15年間積立購入、15年間順次売却)かけて運用したこととします

シミュレーションの結果

運用結果の確率分布

私が提案するこの投資法を説明するのに、もっとも重要なグラフです。

横軸が運用によって何倍になるか、縦軸が累積頻度です。少し難しくてすみません。

つまり上記の投資法で運用すると、中央値(縦軸0.5)で10.1倍になります。

ちなみに過去データでは最悪ケース(縦軸0)で2.3倍、最高ケース(縦軸1)で44倍です。

手堅く、大きなリターンが得られるということです。

 

始めるタイミングと運用結果

では、この投資によるリターンと始めたタイミングの関係を見てみましょう。

グラフは、上記の積立投資を始めた日とリターンです。

かなり興味深い結果だと思っていて、次のことが考察されます。

 シミュレーションから分かったこと
    • SPXL(S&P500の3倍連動ETF)積立投資のリターンは、常にVOO(S&P500連動ETF)積立投資を上回る。
    • SPXL積立投資は、1950年代~60年代前半に開始した場合にリターンに恵まれず、1970年代~80年代前半に開始した場合にリターンに恵まれた。
    • SPXL積立投資のリターンの変動は10年程度で変動するものであり、数ヶ月から数年程度で大きく変わるものではない。
  • SPXL(S&P500の3倍連動ETF)積立投資のリターンは、常にVOO(S&P500連動ETF)積立投資を上回る

グラフの赤線(SPXL)は、常に青線(VOO)の上にあります。

つまり、いつ投資を始めたとしても提案する方法のような超長期投資である限り、SPXLの方がVOOよりも合理的であるということになります。

  • SPXL積立投資は、1950年代~60年代前半に開始した場合にリターンに恵まれず、1970年代~80年代前半に開始した場合にリターンに恵まれた

投資開始から15年~30年後の株式相場の影響が大きいのだと思います。

しかし、15年~30年後の株式相場の状況なんて誰にもわかりませんね。

  • SPXL積立投資のリターンの変動は10年程度で変動するものであり、数ヶ月から数年程度で大きく変わるものではない。

ここが本記事でもっとも重要な部分です。

SPXL積立投資は、確かにリターンの幅は広いですがそれは10年単位くらいで変わるものであり、決して数ヶ月や数年で大きく変わるものではありません。

結論:SPXLの超長期積立投資を始めるタイミングはどうでもいい

このシミュレーションをもとに、SPXLの超長期の積立投資をはじめるタイミングはいつでもいいと、私は考えます。

「いまは株が高過ぎて怖い」「いまは様々なリスクがあるからもう少し様子を見てから始めよう」

みたいな考えは、超長期の投資にとってほとんど意味がありません。

では、超長期の積立投資はいつ始めればよいのでしょうか?

 

 

「いまでしょ!」(タイトル回収)

考える必要なんかないのです。

思い立ったときに始める。ただそれだけで良いと思います。

おわりに

本記事では、過去の株式市場のデータをもとに独自のシミュレーションを行い、SPXLの超長期投資の始めどきを考えてみました。

投資開始を考えている方に参考にしていただけるとありがたいです。

また、SPXLの超長期投資を始めている方に続けていく勇気を提供できたならば、大変嬉しいです。

 

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