帰ってきたウルトラマン、団次郎、団時朗、郷秀樹、円谷プロ、円谷英二、ドラゴンクエスト、ウルトラマンジャック、すぎやまこういち、ザ・ピーナッツ、なかにし礼、宮川泰、恋のフーガ、ガロ、学生街の喫茶店、資生堂、MG5、昭和歌謡、歌謡曲。

 

にほんブログ村 音楽ブログ 好きな曲・好きなアルバムへ  

 
 

音路57.ヒーローは帰ってゆく…帰ってくる!(The ウルトラ.2)

~団 時朗さんを偲んで~



2023年3月22日に、テレビドラマ「帰ってきたウルトラマン」(1971・昭和46)で、ウルトラマンである 郷秀樹(ごう ひでき)役を演じられた、俳優の団 時朗(当時:団 次郎・だん じろう)さんが74歳でご逝去されました。
謹んでお悔やみ申し上げます。
ご逝去を悼み、「The ウルトラ」と題して連載で書いております。

今回は、コラム「音路56.ウルトラマンがいてくれる!(The ウルトラ.1)」に引き続き、連載の第二回になります。
2021年に書きましたコラムに加筆修正して掲載させていただきます。

実は、ウルトラシリーズという子供向けの映像作品は、当初から、使用する音楽に並々ならぬ思いが込められており、そうしたウルトラ音楽のお話しも書きたいと思います。


◇団 時朗さん

2023年3月22日に74歳でご逝去された 俳優の団時朗さんは、1949年(昭和24)に京都で生まれました。
日本人の母と、アメリカ人の父の間に生まれたハーフです。
父親は、アメリカ空軍の軍人で、朝鮮戦争で戦死されました。
母親は、長唄のお師匠さん。

太平洋戦争の終戦が1945年(昭和20)ですので、戦後まだわずか4年後のお生まれです。
戦後、ハーフのタレントさんがたくさん登場してきましたが、昭和の戦後すぐの時代は、特にアメリカ人の血をひく方々のご苦労は並大抵ではありませんでしたね。

1966年(昭和41)、母の口添えで、日本映画に端役で出演します。
1967年(昭和42)には、上京し、その端正なマスクと高身長から、資生堂の男性化粧品「MG-5(エムジーファイブ)」のテレビCMに起用され、ファッション・モデルとしてブレイクします。

* * *

あの「変形・市松模様」のボトルの男性化粧品「MG-5(エムジーファイブ)」は1967年(昭和42)に誕生し、1970年(昭和45)誕生の化粧品「マンダム」と並び、昭和の時代を一世風靡した商品で、今でもしっかり販売されています。

ちなみに、「MG-5(エムジーファイブ)」の名称は、「Modern Gentlemen(モダン・ジェントルメン)」の頭文字の「MG」、「5」は五つの特徴を示しています。
「ベタベタしない」、「テカテカ光らない」、「ソフトに仕上げる」、「栄養を与える」、「簡単に洗い落ちる」の五つです。

「MG-5」が爆発的にヒットしたのは、斬新な名称と、忘れることのない あのボトルデザイン、そして団時朗(当初は団次郎)さんが三代目のCMタレントとして起用されたことが大きな要因でした。
ハーフというよりも、まるで外国人そのもののようなマスク…。
男性はみな、MG-5があれば、団時朗さんになれると思い込んでいました…?

1960年代後半のテレビCMです。

 

 

後に資生堂の「ブラバス」のCMで活躍した俳優の草刈正雄さんが、団時朗さんの、まさか引き立て役に…。

 


今の時代も、ファッションモデルから俳優さんになる例はたくさんありますね。
やはり、存在感が少し違います。
それにしても、草刈さんのウルトラヒーローも見てみたかった!

* * *

 

団時朗さんは、「MG-5」での実績を引っさげて、このCMのカッコいい姿のまま、1971年(昭和46)に「帰ってきたウルトラマン」に出演されます。
歴代のウルトラヒーロー俳優の中でも、抜きに出たスタイルとマスク…、変身後のウルトラマンよりカッコよかったかも…。


◇ややこし怪獣、登場!

ウルトラマンに変身する「郷 秀樹(ごう ひでき)」は、「マット」という特殊任務の地球防衛隊の隊員です。
郷 秀樹(ごう ひでき)…、何か妙でいて、忘れそうにない名前!

この名前は、当時の人気アイドルの「郷ひろみ」さんと、「西城秀樹」さんの二人の名前から作られたという噂も沸き起こりましたが、実は、「帰ってきたウルトラマン」のほうがデビューが先!
郷さんと西城さんには、それぞれに命名の理由があると思われますので関係性はないと思います。
ですが、偶然としたら、まさに ウルトラ C!
ウルトラマンに変身する歴代の隊員名は、奇妙でいて、それでも忘れることのない名前が多いですが、郷秀樹とは、まさに忘れない名前です。

ちょっと、ややこしい…。

ちなみに、前述の「ウルトラC」とは、1964年(昭和39)の東京オリンピックの際に、NHKアナウンサーが、体操競技の実況中継の時に使用した言葉で、世の中で大流行しました。
円谷プロを創設した円谷英二は、この言葉が気に入り、1966年(昭和41)に自身のドラマ「ウルトラQ」で初めて「ウルトラ」を使用します。
それが「ウルトラマン」に進化していきましたね。
「ウルトラ」という言葉のお話しは、後で書きます。

* * *

「帰ってきたウルトラマン」では、ドラマに登場する重要な少年がいましたが、その少年の名が「次郎」(演:川口秀樹さん)です。
つまり、郷秀樹 役の俳優である 団 時朗さん(当時は団次郎)の「ジロー」です。
「秀樹」と「次郎」を入れ替えてありますね。

ちょっと、ややこしい…。

この少年の存在が、当時の視聴者の主体であった男子小学生にどれほど影響を与えたことか…。
そして、最終回の、郷秀樹の台詞が…、後で書きます。

70年代当時、子役で大活躍された川口秀樹さんは、「帰ってきたウルトラマン」でも、「仮面ライダーV3」でも、重要な役回りで出演され、日本の二大ヒーローに出演するという二刀流でしたね。

ちょっと、ややこしい…。

* * *

さて、私の記憶では、たしか、ウルトラマンに変身する主役は、当初、別の俳優の池田駿介さんで決まっていたと思います。
(故)池田駿介さんは、ドラマ「仮面ライダー」のショッカー戦闘員や怪人で大活躍した「大野剣友会」の創設者の(故)大野幸太郎さんの息子さんです。
実は後に、東映の「仮面ライダー」こそが、円谷プロの「ウルトラマン」の最大のライバルになりましたね。

「帰ってきたウルトラマン」では、ウルトラマンに変身する郷秀樹 役が、急きょ、団時朗(団次郎)さんに変更され、池田駿介さんは、マット隊員のひとりとなったと大昔に聞いたことがあります。
すでに公表されている内容です。

存在感のある池田さんも、ウルトラヒーロー役になっていても不思議ではありませんでしたね。
池田さんは、後に「キカイダー01(ゼロワン)」の主役を演じました。

もし、団時朗さんのほうが、ウルトラマンではなく、マット隊員のひとりのほうになっていたら、どのような展開になっていたでしょうか…。
テレビ放送した「TBS」は…?
「MG-5」の資生堂は…?

いろいろ事情があったことでしょう…、なにか、ややこしい…。

* * *

ちなみに、「帰ってきたウルトラマン」に登場する「MAT(マット)」とは、「Monster Attack Team(モンスター・アタック・チーム:怪獣攻撃部隊)」の略です。
今の陸上自衛隊の対戦車攻撃兵器類に使用する用語「MAT」とは関係ありません…たぶん。
むしろ、「MG-5(エムジーファイブ)」の「Modern Gentlemen 5」のほうに近いのかも…。

これも、ややこしい…。

* * *

さて、「帰ってきたウルトラマン」では、主役の郷秀樹の恋人である「坂田アキ」役を、当時 人気急上昇中のアイドルの「榊原るみ」さんが演じていました。
彼女の人気が猛烈に上昇していた時期で、70年代には、「お嫁さんにしたい女優」ランキングでナンバーワンになり、超アイドル女優となりましたね。

「帰ってきたウルトラマンに出演している場合ではない(?)」と、ドラマの中では、そんなアイドル女優を、何とか星人がクルマで事故死させ、番組を途中降板させてしまいました。
視聴者の憎しみは頂点に… 復讐だ、いけ~ウルトラマン! 恋人を奪われた郷秀樹!

榊原るみさんは、「帰ってきたウルトラマン」の途中の回で、このドラマを去ってしまいます。
そして、その直後から放送を開始した、昭和の大人気ドラマシリーズ「石立鉄男シリーズ」のドラマ「気になる嫁さん」に出演されました。
さらに人気が上昇!

「帰ってきたウルトラマン」の前半の回では、榊原るみさんの存在は相当に大きなものでしたので、途中回での降板は、かなりの影響を与えただろうとは思います。
実は、「帰ってきたウルトラマン」では、マットの隊長も、途中で交代しました。

いろいろ事情がありそうですが、ややこしい…。

ともあれ、地球人の大人の社会には、いろいろあります。
地球人は、いろいろな「ややこし怪獣」と戦いながら 前に進んでいきますね!

* * *

放送から44年後の 2015年(平成27)に、「帰ってきたウルトラマン」が、ブルーレイ作品になって帰ってきたときのPR映像です。
この映像内で、団時朗さん(66歳)の他に、ドラマ内でマット隊員の同僚として、なにかと もめる役回りをした俳優の西田健さん(70歳)、榊原るみさんが出演。

 

 


◇帰ってきた…

さて、「帰ってきたウルトラマン」の「帰ってきた」って、いったい何?

次回以降のコラムで、円谷プロの初代「ウルトラマン」、「ウルトラセブン」、「ウルトラQ」、「快獣ブースカ」、東映の「キャプテン・ウルトラ」の話しを書きますが、1968年(昭和43)9月に「ウルトラセブン」の放送が終了します。

そして、1970年(昭和45)にウルトラマンの生みの親、円谷英二さんが、病気により68歳で亡くなります。
円谷プロ初代社長の円谷英二さんの本名は、円谷英一。

「帰ってきたウルトラマン」は、円谷英二さんの発想から生まれた企画で、初代ウルトラマンが地球を去ってから30年後に地球に戻って来るというものでした。
当初は、「続・ウルトラマン」というタイトル案もあったようですが、英二さんが「帰ってきた」に変更しました。

その後、1970年1月に英二さんが病気で亡くなり、一年間の喪が明けた1971年4月に、彼の後継者たちが作った、新しいウルトラマンが地球に、お茶の間に帰ってきました。

「帰ってきたウルトラマン」は、実は、「喪が明けた…。ウルトラマンが帰ってきたぞ!」でもあったのです。
英二さんの付けた名称「帰ってきたウルトラマン」を、変更できるはずはありませんね。
英二さんはいなくなりましたが、ウルトラマンは帰ってきてくれました。

* * *

「ウルトラマン」という名前の前に、妙なキャッチコピーがついているのは、この「帰ってきたウルトラマン」だけですね。
いかに「帰ってきた」という言葉の意味が重要で、重みのある言葉だったのかがわかります。

私はこう思います。
他の誰でもない、あのウルトラマンが「帰ってきた」ことが、最も重要な意味だったと…。

そう…、ウルトラヒーローは、地球の危機の時、しっかり帰ってきてくれる!
私たち地球人を、見捨てるはずはありません。
それは、今の時代も同じですね。

* * *

「ウルトラマン」、「ウルトラセブン」、「帰ってきたウルトラマン」、「ウルトラマンA(エース)」の主題歌4曲の歌詞の作者である「東 京一(あずま きょういち)」とは、ウルトラマンの生みの親で円谷プロ初代社長の円谷英二さんの長男の「円谷一(つぶらや はじめ)」さんの別名です。

円谷一さんは、父の英二さんを助けていましたが、英二さんの死去により、1970年に二代目社長となり、「帰ってきたウルトラマン」や「ミラーマン」などを制作し、「ウルトラマンA(エース)」制作中の1973年に、病気により41歳の若さで亡くなりました。
円谷英二さんの死去という危機を乗り越え、70年代の盤石の地盤を作ったのは、一(はじめ)さんであったのだろうと感じます。

長男の一(はじめ)さんの死去により、英二さんの次男の皐(のぼる)さんが三代目社長となり、経営を引き継ぎます。
皐(のぼる)さんの社長時代は、「ウルトラマンタロウ」からです。
ですが1995年(平成7)に、皐(のぼる)さんも、60歳の若さで病気で亡くなり、皐さんの息子の一夫さんが4代目社長に就任しますが、2003年に辞任。
その後、社長は入れ替わっていきます。

* * *

90年代以降、テレビ局との関係、海外利用権問題、多くの訴訟問題、資金問題、多くのライバルヒーローの登場など、ビジネス上の大嵐の中に突入していきます。
ウルトラヒーローたちに、休む暇は今もなさそうです。
近年は、少し落ち着いた印象を受けますが、ウルトラシリーズは、もはや世界ブランドですから、ウルトラマンと怪獣たちの激しい戦いのように、まだまだビジネス上の戦いは続くのかもしれません。

ひとつの企業体で、これだけ多くのすさまじい激震が続くとは、昭和の栄光の時代を知る世代は想像もしていませんでしたね。
そうしたビジネス上の大嵐の中でも、ウルトラシリーズの素晴らしい作品が作られ続けています。
そして「円谷(つぶらや)」の名が今も残されていることは、誠にうれしい限り…。

日本から、円谷の名も、ウルトラヒーローも消滅してほしくないと私は強く思います。
やはり、円谷とウルトラマンは、不滅! 不死身!

* * *

1963年(昭和38)に設立された円谷プロは、今年2023年4月12日で、創立60周年をむかえます。
いよいよ還暦!
ウルトラマンは、赤色の「ちゃんちゃんこ」を着るのか!?
2023年11月25~26日には、東京で大きなイベントを開催する予定だそうです。
還暦祝い… 楽しみ!


円谷プロ・サイト

 

 

◇ウルトラマン・ジャック

さて、ウルトラマンには、その名の下に別の名がついているのが普通ですよね。
ウルトラセブン、ウルトラマンエース、ウルトラマンタロウ、ウルトラマンレオ…。
「帰ってきたウルトラマン」のウルトラマンには、当時、最終的に付けられませんでした。

「ウルトラマン・ジャック」という名は、「帰ってきたウルトラマン」の海外向け、あるいは、後の時代に区別する必要性から付けられた名前です。
ですから、放送当時には付けられてはいません。

「ウルトラマン・ジャック」という名称は、「帰ってきたウルトラマン」の放送が終了してから13年後の、1984年のウルトラ映画用に付けられました。
海外向け作品でも使用されたようですが、最初の頃からの昭和世代のファンをはじめ、世の中には定着したとはいえなかった気がします。
今も、初代ウルトラマンと区別する意味で、「ウルトラマン・ジャック」と表現されていますね。

* * *

聞いたところによると、団時朗さんは、13年後に付けられた「ウルトラマン・ジャック」という呼称があまり好きではなかったようです。
でも、「帰ってきたウルトラマン」だけが、下に固有の名前がない寂しさも語っていましたね。
後の時代に付け加えられた「ジャック」でしたので、違和感は、団さんにも、視聴者にもありましたね。

私は、この「ジャック」という名称について、関係者に尋ねたことがなく、実は命名理由を知りません。
ここは、私の想像で少し書いてみます。

* * *

さて、個人的な印象ですが、今でこそ認知されている「ウルトラマン」を、初めて海外進出させるときに、外国の方に、この奇妙なデザインの姿で、不思議な名称「ウルトラマン」で、何かをイメージしてくれるだろうかとも思います。

米国には「スーパーマン」「スパイダーマン」「アイアンマン」など、古くから多くのヒーローがいますが、たいがいは人間の顔が見えていたりします。
ですが、「ウルトラマン」には人間の顔の一部すらありません。
人間が、何かの衣裳を かぶっているわけでもありません。
人間が変身するにしても、変身したら、まるで違う巨大な生きものになります。

「スーパーマン」も「ウルトラマン」も、宇宙の別の星から地球にやって来た宇宙人ですが、スーパーマンは地球人の顔をしており、非常に人間的に見えます。
「ウルトラマン」は、人間の顔風ですが、まるで宇宙人の顔ですね。
「ウルトラマン」は、人間の身体の中に宿り、ここという時に変身する宇宙人です。

* * *

そもそも、この「ウルトラマン」という妙な名は何だ!?

スーパーマンの衣裳にある「S」の文字は、もちろん「SUPER〔スーパー〕」の頭文字です。
「SUPER〔スーパー〕」の意味は、すばらしい、一流、特別、特大、超越、ものすごい…などですね。
役職の場合は、その現場のトップの管理監督官のような方々のことです。
「supernatural(超自然)」、「superstition(迷信)」、「supervisor(スーパーバイザー)」などの単語もありますね。
「supermarket(スーパーマーケット)」って、どれだけすごいお店の呼び名でしょう。

よく似た意味あいの用語に「ウルトラ(ultra)」というものがありますが、こちらには、「あんた、ちょっと、やり過ぎだろ」感が少し含まれていますね。
「スーパーマン」が「すごいやつ!」であるのなら、「ウルトラマン」は、良くも悪くも「やりすぎ男」というイメージになってしまうのかもしれませんね。
「ウルトラ」は、「スーパー」に似た「超越」の意味ではありますが、日本人と西洋人では、少し とらえ方に違いがあるかもしれません。
必殺技や武器の思想の違いにも つながっているのかも…。
どっちが強力…?

* * *

日本人は、「ウルトラマン」を「スーパーマン」と同じような印象で感じますが、ウルトラマンに変身した姿には、人間の雰囲気や感情をあまり感じないかもしれませんね。
だいたい「ジュワ」とか「シュワッチ」しか言いません。

日本の正義のヒーローキャラには、あまり人間の顔のような表情がありませんね。顔が固まっていますし…。
ただ、ウルトラヒーローたちにも、「帰ってきたウルトラマン」の頃からか、「父母」や「兄弟」など、家族感が強く打ち出されてきました。
「同僚」「先輩後輩」かと思っていたら、何… みな「兄弟」だったのかよ!

「ウルトラマンタロウ」って、「あんた日本人か…」とも思ってしまいます。
世の中の「太郎ちゃん」たちが、歓喜した名前でしたね。

ともあれ、「ウルトラマン」という名前から、何か やり過ぎなほどのエネルギーを持った強力な「マン」だと、海外に伝わるかもしれません。
さて、このウルトラマンとやらは、いいやつなのか…、悪党なのか… どっちだ?

* * *

円谷プロでは、1971年(昭和46)に「帰ってきたウルトラマン」が登場する前の1968年(昭和43)に、ドラマ作品「マイティ・ジャック」(1968年4月6日 ~ 6月29日)」という制作しました。
「ジャック」という名称が登場していますね。

この子供向けアクションドラマ「マイティ・ジャック」は、万能戦艦「マイティ号」に乗り込み、悪の組織Qの野望を打ち砕く、秘密組織「MJ(マイティ・ジャック)」の隊員たちの活躍を描いたものです。

「ジャック」とは、トランプに描かれている、あの「J(ジャック)」からであろうと思われます。
トランプには、王様(キング)と妃(クイーン)を守る兵士の「ジャック」がいますね。
通常は、勇敢な戦士や、防衛する兵士を意味する「ジャック」という名称です。

「ジャック」という名がつけば、外国人の方々にも、勇敢な兵士、強力な戦士をイメージしてくれるかもしれません。
この「ウルトラマン・ジャック」というやつは、戦士だったのか…。
いったい何と戦っている…。

* * *

実は「帰ってきたウルトラマン」の放送終了後に、次に登場してきたウルトラマンは「ウルトラマン A(エース)」です。
はは~ん、トランプつながり…。
それでは、トランプの「エース」の前だから、「ジャック(戦士)」で…?

トランプのジャック(兵士)…、勇敢な戦士のジャック…、マイティ・ジャック…、エースの前の…、それで「ジャック」だったのかも…?
あくまで、つぶらな「空想」です。

とはいえ、昭和世代には、「ジャック」というより、やはり「帰ってきたウルトラマン」ですね。


◇極細の赤色二重線

ウルトラヒーローに関心のない方や、後の時代のウルトラファンには、あまり気づかれていないことですが、初代ウルトラマンと、帰ってきたウルトラマンは、パッと見で同じ姿に見えます。

ですが、よくよく見ると、赤と銀色の配色のデザインが若干異なります。
さらに、「帰ってきたウルトラマン」には、細い赤色のラインが付け加えられています。
昭和のウルトラヒーローたちは、とにかく、赤色と銀色!

ウルトラヒーローの人気が世の中に定着してきたことで、人形などの関連グッズが爆発的に売れるようになってきており、初代ウルトラマンが帰ってきたという設定のままで、配色のデザインまで初代と同じでは、それぞれの存在を区別することができません。
細かな違いではあっても、そこに明確な区別が必要になることは、いつの時代のビジネス感覚も同じですね。

人間でも、同じ人物が20年ぐらいしたら、顔も、見た目も、ファッションも、体型も、大きく異なりますよね。
ウルトラマンも同じです。

ですから、初代ウルトラマンと、帰ってきたウルトラマンは、姿がそっくりでも、別々のヒーローという存在になります。
ドラマも、初回から、「帰ってきた」とは言いつつも、別の生きものという扱いに作り変えられたと記憶しています。

* * *

初代ウルトラマン、ウルトラセブンに続く、三代目のヒーローとなった「帰ってきたウルトラマン」ですが、ドラマ内容も、前二作品よりも、主人公である郷秀樹(ウルトラマン)の人間性や人間ドラマに主眼を置いていくようになります。

ですから、郷秀樹とその周囲の人間たちとの「人間ドラマ」が深く描かれ、若い青年の人間的な成長物語も含んでいたようです。
恋人役の榊原るみさんと、恋人の兄で、郷秀樹の師匠のような存在(演:岸田 森さん)は、重要な人物として描かれました。

このウルトラマンは、ウルトラヒーローにしては、怪獣や宇宙人たちに、時に負けてしまいますが、人間たちが助けたり、兄のウルトラヒーローたちが、宇宙から助けにやって来ます。
「家族」「兄弟」「ウルトラマンと人間」という関係性が、ドラマの中に深く描かれるようになった気がします。

今のウルトラシリーズの作品でもそうですが、当初から、このシリーズでは、それぞれの時代の社会問題や社会意識、人間の思想などが、深く描かれてきました。
昭和のウルトラシリーズの作品の中には、社会問題を強く描き過ぎて、今、再放送できない回もあります。
今も昔も、ウルトラシリーズには、さまざまな「理想」「意志」「問題提起」が含まれていますね。

ウルトラヒーローたちは、人間たちが「大切なもの」を忘れそうになってきた頃に、必ず、帰ってきてくれるのかもしれませんね。


◇すぎやま こういち さん

ウルトラシリーズでは、円谷プロの音楽への「こだわり」も相当なものでしたね。
「初代ウルトラマン」は、少し前の時代の米国のジョージ・ガーシュイン風のアメリカン・サウンドで、「ウルトラセブン」は壮大なクラシック風音楽を使用しました。
連載の「第三回」コラムで、「初代ウルトラマン」「ウルトラセブン」の音楽の話しを書きます。

「帰ってきたウルトラマン」の音楽は、クラシック音楽風の「ウルトラセブン」の音楽を踏襲(とうしゅう)しながらも、壮大な映画のように、さらに劇的に雰囲気を盛り上げる内容に進化していきましたね。

* * *

「帰ってきたウルトラマン」の主題歌の作詞は、前述の「東 京一(円谷 一)」さんで、作曲は「すぎやま こういち」さんです。
日本の偉大な音楽家「すぎやま こういち」さんは、2021年(令和3)に亡くなりました。

すぎやまさんの代表音楽作品「ドラゴンクエスト(ドラクエ)」は、テレビゲーム用のBGM音楽として制作されましたが、ゲームの世界を越えて、音楽として世界的に評価されましたね。

すぎやまさんは、東京都台東区生まれで、彼の父は中央官庁のお役人。
後に、すぎやまさんも、政府関連の仕事をたくさんされましたね。

少青年期は千葉や名古屋でも暮らした経験があり、独学でクラシック音楽を学んだようです。
高校時代は、部活オーケストラの指揮者・作曲者・編曲者をされ、服部克久さんは同じ部員。
音楽大学を目指すも、ピアノ演奏が少し苦手で、東京大学に入り、その後 開局準備中のフジテレビに入社、後に、その音楽の才能で音楽家となった方です。

私は、すぎやまさんの作った音楽の中に流れる共通のものを強く感じます。
ある意味、エネルギッシュな強いパワーと、やさしく温かい愛情や人間性という、両者をあわせ持ったような雰囲気の音楽性を、彼の音楽の中に感じます。
だからこそ、後に「ドラクエ」や「帰ってきたウルトラマン」の主題歌などの音楽が生まれてきたと思っています。
そして、競馬のあの壮大なファンファーレも…。

すぎやまさん作曲の、関東の競馬のGIファンファーレ!

 

2021年(令和3)、すぎやまさんは90歳で永眠され、ウルトラマンの故郷の星に帰ったのかもしれませんね。


◇すぎやまサウンド

私はテレビゲームをしませんが、すぎやまさんの「ドラクエ」は、音楽だけを楽しんで聴いてきた者のひとりです。
すぎやまさんは亡くなる直前まで、「ドラクエ」の新曲を作っておられたとのことです。
最後まで、音楽に情熱を燃やした、ウルトラ級の方でしたね。

先般の2021年(令和3)の東京オリンピックのセレモニーでも、世界の人たちが知っている、すぎやまさんの楽曲「ドラクエ」が高らかに流されていましたね。
すぎやまさんの人生最後の花道の舞台が、東京オリンピックとは…。
きっと、すぎやまさんも、見てくれたはず…。

「ドラゴンクエストⅪ」より序曲

 

* * *

ここで、すぎやまさんの他の代表曲を 少しだけご紹介します。

1967年(昭和42)、名古屋の双子姉妹のザ・ピーナッツが歌って大ヒットした歌謡曲「恋のフーガ」があります。
「フーガ」とは、音楽技法のひとつの手法のことで、双子姉妹のザ・ピーナッツは、この楽曲で、それぞれの歌声を使って、フーガ手法をチラッと表現しています。
クラシック音楽技法を習得した、すぎやまさんだからこそ生まれた曲ですね。

この楽曲は、作詞が「なかにし礼」、作曲が「すぎやま こういち」、編曲が「宮川泰(みやがわ ひろし)」です。
スーパートライアングルですね。

* * *

「帰ってきたウルトラマン」主題歌の中でも、楽器ティンパニが大活躍していますが、私は、演奏冒頭に、あのティンパニ音のない「恋のフーガ」は認めたくありません。

この楽曲「恋のフーガ」全体を貫いている、楽器ティンパニの大迫力は、あの楽曲「宇宙戦艦ヤマト」を後に生んだ宮川泰さんのアイデアです。
後のザ・ピーナッツの別のヒット曲「恋のバカンス」の作曲も、宮川さんです。

まさか、人間の歌声と、ティンパニの打音、管楽器の音を、まさにフーガのように、連携させるとは… その発想力は、やはり戦艦ヤマト級!
宮川さんの音楽は、聴く人を、ズームインで「瞬殺!」させましたね。
テレビ番組「ズームイン朝」のテーマ曲も、宮川さんの作品です。

ようするに、すぎやまさんの美しいフーガに、宮川さんのチカラ強い打音パワーが加わりました。

〔「恋のフーガ」のティンパニと歌声の部分 〕
♪パヤッ (ドドドドドン)!
♪パヤッパヤッ(ドドドドドンッドンッ)!
♪ドゥ~・ドゥビ・ドゥバ!
♪ドゥ~・ドゥ・ドゥビ・ドゥ~バ!

曲の冒頭や中間では、管楽器と弦楽器が、♪パヤッや、♪ドゥビ・ドゥバ部分を演奏します。
双子のザ・ピーナッツが、声で、それに続きます。
こんなフーガのアイデアは、どうしたら生まれてくる?

日本中のティンパニ奏者が狂喜したであろう曲…
解散する1975年(昭和50)の…
♪恋のフーガ

 

「すぎやま こういち」さん、「なかにし礼」さん、宮川泰さんの長男で音楽家の「宮川彬良(みやがわ あきら)」さんが、この楽曲のその部分のお話しをされています。
 

解説動画

 

まさに、大阪生まれの宮川さんのド派手な ウルトラ・サウンド!
東京のすぎやまさん、大阪の宮川さん、満州国生まれのなかにしさん、名古屋のザ・ピーナッツによる 合体フーガ!
やはり日本人は、協力しあうと、ものすごいパワーを生み出します!

* * *

すぎやまさんが作る、優雅さを感じるメロディは、こんな昭和の喫茶店の雰囲気の歌謡曲にも、見事に表現されました。
りました。
三人組のグループ「ガロ」が歌った楽曲「学生街の喫茶店」です。

当時のシングル曲は、レコードの表面「A面」に売り出す本命曲、裏面「B面」が、一緒に入れる二番手、三番手の曲でした。
楽曲「学生街の喫茶店」は、当初、B面に入っていた曲です。
たしかに、パッと聴くと、なんとも暗い地味な印象を受ける楽曲ですね。
この地味な楽曲タイトル「学生街の喫茶店」が、まさか歴史に残る楽曲名になるとは想像もできませんね。
ですが、当時のラジオ放送局は、いい曲だと判断し、A面、B面にこだわらず、オンエアで何度も流します。

昭和時代は、実は、当初B面だった曲が、超大ヒット曲になった例も少なくありません。
ある意味、昭和の時代は、既定路線を打ち破るような「ビジネス突破力」があり、それが多くのヒット曲やヒット商品を生んだ時代でしたね。
既存の既定路線に乗っているままでは、それ以上の成功は生まれてこない… いつの時代も同じでしょうね。

* * *

2000年よりも前の頃だったと思いますが、私は、たまたま入店したお酒を出すライブ飲食店で、歌手グループ「ガロ」のメンバーだった大野真澄さんだけで歌っている光景に出くわしました。
いろいろな楽曲を歌われていましたが、やはり、この楽曲「学生街の喫茶店」を歌う姿をよく覚えています。
昭和時代の姿のガロのメンバーのひとりが、目の前におられました。

その店では、私はウィスキーを飲みました。
飲み物を、コーヒーから、ウィスキーに変えても、その楽曲の不思議な魅力はまったく変わっていませんでした。
時は流れても、その歌の中にあったものは、生き続けていましたね。

地味な音楽のような始まりですが、あまりにもチカラ強い芳醇な香りを備えています。
昭和の少し薄暗い喫茶店には、何か不思議な魔力がありましたね…。

「帰ってきたウルトラマン」放送の翌年の楽曲です。

ガロ(1972・昭和47)
♪学生街の喫茶店

 

 

◇俺は帰ってきたぞ…

実は、私は、2021年に すぎやまさんがご逝去され、まず頭に浮かんだのは、ヒット歌謡でもなく、ドラクエでもなく、競馬ファンファーレでもなく、「帰ってきたウルトラマン」の主題歌でした。

私は、すぎやまさんご逝去の報を聞いて、まさに、すぎやまさんが地球での自分の使命を終えて、自分の星に帰っていったように感じたのです。

私は、この曲の中に、後のドラクエも、彼の歌謡曲の要素も、すべてが凝縮しているように感じています。
私の個人的な考えではありますが、この主題歌「帰ってきたウルトラマン」は、後にさらに大発展するウルトラシリーズの主題歌の方向性を決定づけたと思っています。

* * *

この「帰ってきたウルトラマン」の歌詞は、それまでの「初代ウルトラマン」と「ウルトラセブン」の歌詞とも、少し違う印象を私は受けています。
先ほど、「ウルトラマン」、「ウルトラセブン」、「帰ってきたウルトラマン」、「ウルトラマンA(エース)」の主題歌4曲の歌詞の作者は「東 京一(あずま きょういち)」さんで、ウルトラマンの生みの親で円谷プロ初代社長の円谷英二さんの長男の「円谷一(つぶらや はじめ)」さんの別名だと書きました。

それまでの「ウルトラマン」、「ウルトラセブン」の歌詞にあった、必殺技紹介のような、割と淡白な子供向けの歌詞内容から、まさに使命感、希望、勇気が、歌詞の中にみなぎっている内容に変化した気がします。
なにより、ヒーローは強い意志を持って、ある場所に「帰ってきた」のです。

子供向け用に歌詞はわかりやすくなってはいますが、あなどることなかれ…、この一番の歌詞については、完全に大人にも何かを感じさせるメッセージソングです。
当時も、素晴らしい歌詞だと感じたものです。

歌の1番の歌詞の意味あいを、別表現で言い換えてみます。

故郷(ふるさと)の星をひとり離れ、目的のため、使命のため、俺はその場所に向かう!
炎が燃えさかる過酷な戦場に…。
みんな… 俺はもう少しで、そこに たどり着くよ!
俺は、みんなの苦しい叫び声を聞いて…、そうさ…帰ってきたんだ!

子供向けの歌ではありますが、なかなかハードな内容に感じます。
今、こんな政治家がどこにいるでしょう…?

やはり、すぎやまさんの、パワーと愛のメロディが、ぴったりですよね。

* * *

楽曲冒頭の歌詞「♪君にも見える、ウルトラの星」に、当時、日本中のどれだけの子供たちが、夜の星を眺めながら、自分の未来に夢を託したことか…。
僕にも見えるぞ! 感じるぞ!

ヒーローものの子供向けドラマでしたが、隠れ「女の子ファン」も急増しましたね。
これで、ウルトラのヒーローたちと「ウルトラの星」は、完全に、切っても切り離せない存在になりましたね。

私は、ドラマ「帰ってきたウルトラマン」が駄作であったなら、ウルトラシリーズは、そこで終わったのかもしれないと感じます。
内容にこだわり、理想にこだわり、音楽にこだわった、円谷英二の精神が受け継がれていたからこそ、途絶えることなく続いているのだろうと感じます。

温かく美しいメロディの中に、夢と希望、パワーがつまっている楽曲…
愛と正義の使者は、地球に帰ってきた…
すぎやまサウンド炸裂!

歌:団時朗(団次郎)& みすず児童合唱団
♪帰ってきたウルトラマン

 

天国のすぎやまさん…、昭和世代も、平成世代も、きっと令和世代も、ウルトラマンとその音楽を愛していますよ。
天国では、阿久悠さん、川口真さんなど多くの音楽家といっしょに、ウルトラ音楽同窓会を開いているかな…。
「ウルトラシリーズの音楽依頼を引き受けておいて、よかった」…と。

阿久悠さん、川口真さんのウルトラ楽曲のお話しは、次回以降に書きます。

ウルトラシリーズの音楽家たちは、音楽を通じて、夢、希望、愛、勇気…を、たくさん残していってくれましたね。
音楽家の皆さん…、みなウルトラ・ファミリー!


◇ヒーローは、時代を越えて、世代を越えて…

主題歌だけでなく、「帰ってきたウルトラマン」に使用された多くの音楽曲は、今だに、テレビのいろいろな番組で、時折耳にしますね。
きっと昭和世代のウルトラマンファンが、番組制作をしている…。

冬木透さん作曲。
冬木さんのお話しは、次回以降に詳しく…。
♪帰ってきたウルトラマンの「ワンダバ」

 

♪夕陽に立つウルトラマン

 

世界中で愛された、「帰ってきたウルトラマン」音楽でしたが、こんなピアノ演奏も…

 

こんなメタル演奏も…

 

ベーシストたちが、意外とはまった…

 

ウルトラマンには なれなかったけれど、ピアニストにはなったぞ!
帰ってきたピアニスト!

 

ウルトラマン世代の映像好きの大人は、こんなテレビCMまで作っちゃいました。
私は初めて見た時…ワロタ!笑た!
歌詞も最高!
このお二人のタレントさんも、本物のウルトラシリーズに出演したかった…?
俳優の反町隆史さんなら、今からでも、できそうな気が…。
隊長のほうかな…。

個人的には、この缶ビールのデザインを、赤色と銀色にしてほしかった…。
日本のテレビCMは、ここまでやるか! まさにウルトラ級!

「帰ってきたマグナムドライ」のCM

 


◇昭和のウルトラの誓い

「帰ってきたウルトラマン」の最終回の冒頭シーンでは、「幻の結婚式」のシーンが登場しました。
本来であれば、放送の途中で降板した、前述の恋人役の女優の榊原るみさんが登場していても不思議ではなかったシーンですね。
「幻の結婚式」シーンの新婦名は「ルミ子」でした。

ドラマ内で死別した、郷秀樹(演:団時朗さん)と坂田アキ(演:榊原るみさん)は、37年後の2008年(平成20)の映画「大決戦!超ウルトラ8兄弟」で、夫婦役で再登場!
団 時朗さん59歳。
なんと、その映画では、榊原さんの実の娘の女優の松下恵さんが、夫婦の娘役で出演。
37年も経ってから、円谷プロの粋な計らい… さすがウルトラ・ファミリー!
昭和のウルトラファンたちも、何か ひと安心!

郷秀樹(演:団時朗さん / 当時22歳)と坂田アキ(演:榊原るみさん)のシーン集

 

* * *

放送終了から35年後の2006年(平成18)の映画「ウルトラマン メビウス&ウルトラ兄弟」で帰ってきた 郷秀樹(ウルトラマン・ジャック)です。
団時朗さん57歳。

 

* * *

 

団時朗さんは、「帰ってきたウルトラマン」に出演後も、多くのテレビや映画、舞台で活躍されました。

 

今回、俳優の団時朗さんが74歳でお亡くなりになり、芸能界はもちろん、かつてのウルトラマン関連の方々からも、多くの追悼の寄稿がされています。
多くの一般の方々からも、想像を超えた多くの寄稿が、ブログ等に寄せられていますね。
どれほど、思い出の中に深く刻まれた作品であったのでしょう。

私も、そうした内容をたくさん読ませていただきましたが、その中で驚いたことを書きます。
それは、多くの方々が、ドラマ「帰ってきたウルトラマン」内で語られていた「ウルトラ五つの誓い」を覚えており、そのシーンのことを書いていたことです。

子供の頃に耳にした昭和のベテラン世代は、今でも、その誓いを守っています…きっと。

* * *

最終回のそのシーンでは、実際に、アメリカ人と日本人のハーフとして生まれた団 時朗さんの、ウルトラマンとしての最後の台詞があり、それは 英語で「グッバイ」でした。
それも「グッバイ、ジロー!」… つまり「さようなら、(団)時朗!」。

下記は、「帰ってきたウルトラマン」の最終回映像(公式)です。
下記映像の21分50秒からが、ウルトラマンが地球を去るシーンで、その後に「ウルトラ五つの誓い」が登場します。

ウルトラマンこと 郷秀樹 隊員は、今頃、M78星雲の「ひかりの国」に到着したでしょうか…。

 

本当に… グッバイ、ジロー!
ありがとう…、ウルトラマン!

でも、きっと帰ってきてくれますね…。

* * *

昭和の時代は、ヒーローたちを多く生み出し、未来に、理想に向かって突っ走った、たくさんの大人たちがいましたね。
多くの先人のヒーロー人間たちにも…、そして故郷(ふるさと)地球にも…、シュワッチ!

そこにある言葉…、シュワッチ!
意味は何でしょう?

意味は、ひょっとして…、また帰って来るぞ!?
シュワッチ!

地球に、もうすぐ帰るよ!
みんなのもとに…!
あなたのもとに…!

* * *

コラム連載「第三回」に つづく…。

2023.4.8(初回執筆 2021.10.23)
天乃みそ汁

Copyright © KEROKEROnet.Co.,Ltd, All rights reserved.