フランク・ミルズ「夢見るピアニスト(ピーター・パイパー)」、NHK朝ドラ「カムカム・エブリバディ」、フィギュア選手の伊藤みどりさん、ボクシング選手の入江聖奈さん、カエル愛、世界初のトリプルアクセル、アルプスの少女ハイジ、ペドロ・アンド・カプリシャス「五番街のマリーへ」「ジョニィへの伝言」、前野曜子「別れの朝」、高橋真梨子さん、早口言葉、東京オリンピック、新語・流行語大賞、ハイジブランコ、フルート演奏、岡山、平川唯一さん、英語講座、英語教育、上白石萌音さん、NHK、イージーリスニング、ピアノ、昭和歌謡、洋楽。
 
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各コラムで紹介した曲目リストは、「目次」で…

  

あの曲や動画はどこ… 音楽家別作品

 

*今後の予定曲

音路 昭和の香り【3】

ぴょこぴょこ、ピクぺプ、早クチ言葉に噛むカム!
(昭和の ”カムカム” 英語講座)



◇フランク・ミルズ

前回コラム「音路(58)昭和の香り【2】イージーリスニング・ミルズカフェ」では、フランク・ミルズさんの、わりと、かわいらしいタイプの楽曲を紹介しましたが、今回は、彼の少し趣きの異なるタイプの楽曲を紹介します。
70年代当時は、クラシック音楽の世界から、ジャズ音楽界にいく者…、ロック音楽界にいく者…、ポップス音楽界にいく者…などがいて、成功者もたくさんいましたね。
今現代でも同様です。

ポップス音楽界で単身で活動していたピアニストの中には、70年代当時に、世界中で大流行した「プログレッシブ・ロック」音楽のバンドのメンバーに入っていく者もたくさんいました。
ピアノの技量やセンスが、それらのバンドで開花したミュージシャンもたくさんいましたね。

私は、フランク・ミルズさんも、ELPのキース・エマーソン、イエスのリック・ウェイクマン、ピンク・フロイドのリチャード・ライトなどのように、どこかのプログレッシブ・ロックバンドに加入していたら、相当に活躍したようにも感じます。
フランク・ミルズさんには、プログレッシブ・ロックのような雰囲気を持った、チカラ強い楽曲も、たくさんありますね。


◇トリプルアクセルの陰に、あの名曲あり!

下記に、昭和の世代には、忘れることのできない、ミルズさんのロックのようなチカラ強い楽曲を紹介します。

昭和から平成初期の時代の女子フィギユア・スケート選手として、忘れられない選手のひとりが、伊藤みどりさんです。

日本では、メダルを獲得した女子フィギュア選手が何人もいますが、彼女は、その中でも特別な存在です。
通常、オリンピックなどでは、日本国民が、選手がどうか転倒しないでほしいと祈りながら、心配の心持ちでテレビ中継を見たりするのですが、彼女の場合は少し違いました。

視聴者の頭の中に、あまり転倒の心配が浮かばず、転倒しようが、壁をぶち壊して外へ飛び出そうが、とにかくパワー全開でイケイケと叫びたくなるのが、彼女の演技でしたね。
こんな女子フィギュア選手は、後にも先にも、他に思い浮かびません。

彼女は演技中に、喜びのあまり、こぶしを突き上げることも多かった選手で、中継するアナウンサーもよく笑っていましたね。
階段を駆け上がっていく、飛ぶ鳥を落とす勢いの頃の18歳の伊藤選手…
こぶし上げ…、勢いあまって回り過ぎ…、まさにパワー全開!の映像ですね。

1988年のカナダ・カルガリー・オリンピックの伊藤選手

 

この翌年の1989年(昭和64 / 平成1)に、彼女は、女子選手として世界で初めて、大技の3回転ジャンプ「トリプルアクセル」を成功させます。
この時の「世界選手権」では、これを含め、フリーの演技で6回の三回転ジャンプをすべて決め、見事に逆転優勝しました。
彼女のすさまじいスタミナにも驚かされましたね。
本人にも、転倒する心配など微塵もなかったのかもしれません。
それより、挑む気持ちが勝っていましたね。
9人の審判員の中の5人が、技術点で6.0満点をつけた驚異の演技でした。

世界大会での金メダルの優勝は数々ありますが、「世界初の成功」は、まさに歴史の残る偉業ですね。
私には、オリンピックの「金メダル」獲得以上の価値があると感じます。

1989年「世界選手権」の伊藤みどりさん(英語実況)

 

1989年「世界選手権」の伊藤みどりさん(日本語実況)


このトリプルアクセルの成功の瞬間に、演技のバックで流されていた音楽こそ、フランク・ミルズさんの楽曲でした。
まさか、あの楽曲「ミュージック・ボックス・ダンサー(愛のオルゴール)」の作者のフランク・ミルズさんの別の曲だったのです。
偶然!?
私は、ミルズさんの音楽が、この偉業を導いたのかとさえ思ってしまいました。

* * *

楽曲「ミュージック・ボックス・ダンサー」は、当時、幼少のかわいいバレエダンサーたちが、発表会のステージでよく演技する楽曲でした。
まさに、幼少の女子ダンサーのために用意されたような音楽でしたね。
その作者が作った別の曲で、伊藤選手はこの偉業を達成しました。

伊藤選手はこの時に、ミルズさんのある2曲をひとつに組み合わせて、演技に使いました。
「クラシカル・ロック」と「コンチェルト」の2曲です。

演技冒頭では、楽曲「コンチェルト」のファンファーレのような雄大な音楽の中で、あいさつがわりのジャンプを一発決めてから、楽曲が高揚感いっぱいの「クラシカル・ロック」に切り替わり、さあこれから跳ぶぞ感が、会場に充満します。
その中、このトリプルアクセルのジャンプが見事に決まり、さらに音楽のビートは激しくなり、会場が大盛り上がりになります。
まさに、演出の勝利でもありますね。

それに、この音楽は、選手に「跳ぶぞ 跳ぶぞ」としか頭に思い浮かべさせないかもしれません。
この時の伊藤選手に、挑戦する気持ちしか与えないような音楽にも感じます。
私は、見事な選曲だったと感じます。

はたして、別の音楽だったら、跳べたでしょうか…。
伊藤みどりさんの、あのあふれ出るエネルギーと、明るく元気な人間性に、このエネルギッシュな楽曲はピッタリだったように感じます。
伊藤みどりさんは、ミルズさんの「ミュージック・ボックス・ダンサー」を、見事に演じて見せてくれた気がします。

それにしても、彼女と、この曲と、ミルズさんの組み合わせが実現したのは、今考えても不思議です。
偶然とは思えません。
羽生結弦さんといい、荒川静香さんといい、浅田真央さんといい、やはり、メダリストたちには、必ずというほど、相性ぴったりの「黄金曲」がついていましたね。

* * *

今や、テニスにしても、ゴルフにしても、チームスポーツの野球やサッカーでさえ、世界のトップのプロ選手たちは、選手とひとりのコーチだけでは、なかなか勝てない時代になりましたね。
ひとりの選手を勝たせるために、いくつかに分業されたチームがつくられています。
ゴルフの松山選手も、唯我独尊の方向から、強力なチーム体制に方向転換しましたね。
オリンピックでも、その競技団体のバックアップ体制や戦術分析体制が、メダルに直結しています。
フィギュアも、おそらくは、それに近い体制をとっているのだろうと思いますが、チーム力で向かってくる相手に、選手とコーチだけで立ち向かうのは、たいへんなことですね。
ちょうど今、フィギュアの「NHK杯」が行なわれていますが、昭和の時代のような個人どうしの闘いとはまた違う、総合力どうしの闘いが行なわれているのかもしれませんね。

私は、フィギュアの演技者にとって、音楽は、単なる盛り上げ役だとは、到底 思えません。
音楽も、しっかりとチームの一員…。
成否を…、栄冠を…、人生をも左右する存在かもしれません。
さあ、試してミルズ!?

♪クラシカル・ロック

 

♪コンチェルト

 


◇ミルズ・ワールド

先ほど、70年代に、プログレッシブ・ロックの世界を目指した多くのピアニストがいたと書きましたが、ミルズさんは、ロックとは少し違う方向性を求めていたのかもしれません。
いずれにしても、あの楽曲「ミュージック・ボックス・ダンサー」をロックバンドが演奏するとは思えませんね。

前回コラムでは、彼の、どちらかというと、かわいらしいポップス路線の楽曲を紹介しましたので、今回は、彼の、幅広く、奥深い音楽性を感じる楽曲を少しだけご紹介します。

♪プレリュード・トゥ・ロマンス

 

♪ストーム・ワーニング

 

♪サンデー・モーニング・スイート

 

♪ムーヴィン・オン

 

♪インタールード

 


◇ピーターとペドロ

さて、フランク・ミルズさんの代表曲のひとつに、楽曲「夢見るピアニスト(ピーター・パイパー / Peter Piper)」があります。
この楽曲は、国やミュージシャンによっては、「ペドロの歌」とか、「ピーターの歌」と表現されることがあります。

ペドロの元は「ペトロ」で、イエス・キリストの12使徒のリーダーの名前ですね。
ペドロ(Pedro)は、スペイン語やポルトガル語の男性の名前で、英語のピーター、ドイツ語のペーター、フランス語のピエール、イタリア語のピエトロ、ロシア語のピョートルに相当するお名前です。

* * *

日本にも、昭和の1970年代初旬に、楽曲「五番街のマリーへ」、「ジョニィへの伝言」などを大ヒットさせた、「ペドロ・アンド・カプリシャス」というグループがいましたね。
ペドロとは「ペドロ梅村」さんのことで、このグループ名を直訳すれば、「ペドロと、気まぐれ屋さんたち」ということかもしれません。

この両曲を作詞した阿久悠さんはこんなことを言っていましたね。
「五番町というと日本の街になるが、五番街というと外国の街になる…日本語は不思議だ」。

この両曲の頃の、このグループの二代目リードボーカルは、高橋まり(高橋真梨子)さんです。
高橋真梨子さんの歌の表現力は、当時から、まさに美しい流れのメロディアスボーカルそのもの!

ヒット曲「別れの朝」の女性ボーカルは、初代ボーカルの前野曜子さんですが、このグループの歴代の女性ボーカリストは皆、ムード満点のメロディアスな大人の歌唱力でしたね。
グループ脱退後の80年代に、前野さんは、この曲を収録し直しますが、すごみが各段に増していましたね。
デビューした頃は個性の強い方でしたが、80年代は、何かが変わったようにも感じます…。
私は、この別れの曲のボーカルについては、このグループの歴代ボーカリストの中で、一番合っているようにも感じます。
彼女は、1988年に亡くなりました。

80年代の歌唱バージョンです。
♪別れの朝

 

* * *

前野さんに似た部分も持ちながら、さらに幅広い歌唱力をお持ちなのが、高橋真梨子さんですね。
たしか、高橋真梨子さんの旦那様のヘンリー広瀬さんが、当時のグループ演奏で、笛(フルート)を吹いておられたような記憶があります。
やっぱり、そこには「笛吹き(パイパー)」がいる!

高橋真梨子さんのボーカルです。

♪五番街のマリーへ

 

♪ジョニィへの伝言

 

日本のペドロ(ピーター)曲をお聴きいただいたところで、楽曲「夢見るピアニスト(ピーター・パイパー)」のお話しに戻ります。


◇クチん中、なんか 酸っぺえ!

ミルズさんの楽曲のタイトルは、「夢見るピアニスト(ピーター・パイパー)」です。

「ピーター」は人の名前で、この英語のタイトルを直訳すると、「笛吹きのピーター」となります。
日本の楽曲タイトルでは、「笛吹き」が、なんと「ピアニスト」に変更!?

それはいいとして、この「ピーター・パイパー」という言葉表現を耳して、たいていの英語圏の外国人の方は、ある「早クチ言葉」を思い出すはずです。

Peter Piper picked a peck of pickled peppers.
A peck of pickled peppers Peter Piper picked.
If Peter Piper picked a peck of pickled peppers,
Where’s the peck of pickled peppers Peter Piper picked?

(意味)
ピーター・パイパー(笛吹きのピーター)は、1ペック(ひとかけら)のペッパーピクルス(唐辛子の酢漬け)をつまんだ。
ピーター・パイパーがつまんだ 1ペックのペッパーピクルス。
もし、ピーター・パイパーが1ペックのペッパーピクルスをつまんだなら、
ピーター・パイパーがつまんだ1ペックのペッパーピクルスは、いったいどこいった?

私の想像では、それはきっと、クチの中…。

日本語訳にしたら、なんやねん、これ?
早クチ言葉は、どこの国でも、そんなもの…。
おそらく、日本の英語教室あたりでも、一度は、早クチ言葉で遊ぶのでしょうね。

女の子ふたりによる「ピーター・パイパー合戦」

 

* * *

フランク・ミルズさんの楽曲「夢見るピアニスト(ピーター・パイパー)」のメロディは、まさに、少女ふたりが「早クチ言葉合戦」をしているように聴こえてきませんか?
この曲の冒頭あたりでは、ピアノの音が、まさに早クチ言葉のように、早く軽やかに転がっていきますね。

笛を吹くピーターちゃんは、まさに早クチ言葉の名手のようです。

下記の音楽動画には、おそらく中国語読みで、「吹笛手」と記載されています。
どのように発音するのかわかりませんが、日本人でも読みにくい「早クチ言葉」のような漢字の羅列ですね。

ピアノなんだか、笛なんだか、ピクルスなんだか、ピーターなんだか、ペドロなんだか、吹笛手なんだか…、何でもいいから、とにかく「早クチ言葉」を言えるようになりたい…。

クチん中が、酢漬けのせいで… なんか 酸(す)っペえ!

♪夢見るピアニスト(ピーター・パイパー)

 


◇カエル ぴょこぴょこ…

日本にもたくさんの「早クチ言葉」が、ありますよね。

日本の早クチ言葉集

 

カエルのケーロン君がシンボルキャラの本ブログ「歴音 fun」としては、やはり早クチ言葉「カエル ぴょこぴょこ…」が、イチオシ!
上記映像の九つ目(2分8秒)のところにあります。

さあ皆さん… 早クチ言葉を言えるかな…。

♪カエル ぴょこぴょこ みぴょこぴょこ
♪カエル ぴょこぴょこ みぴょこぴょこ
♪あわせて ぴょこぴょこ むぴょこぴょこ

ようするに、3匹のカエルと、3匹のカエル、足すと6匹のカエルという意味です。
何や それ!?
またまた、クチん中… なんか 酸っペぇでケロ!

* * *

昭和の時代に、ドリフターズもやってましたね。

ドリフの早クチ言葉

 

さて、志村けんさんの「アイ~ン」の銅像が、「立派な殿」となって、先日、東京都東村山市に完成しました。

早クチ言葉の「生麦、生米、生卵…」、そして生水は、戦国時代の武将が、兵士たちに、軍事行軍の際、絶対にクチにしてはいけないと通達した内容でしたね。
冷蔵庫のない時代でしたが、兵士たちは、行軍中に一瞬でも、早クチ言葉で笑うことができたでしょうか?
さあ、殿に敬意と感謝を込めて、アイ~ン!


◇那須のチャーリーとご主人様

さて、今回の私のフランク・ミルズさんの執筆内容につながるかたちで、あるブロ友さんが連携してくださいました。
北関東の「那須のカエルのチャーリー」のご主人様の、翠(すい)さんのアメーバブログです。

私のアメブロ「歴音 fun」もお世話になっている、心音ブログの翠さんです。
翠さんのブログでは、カエルの「那須のチャーリー」が時折登場します。
翠さんは、「那須のカエルのチャーリー」のご主人様。
私…天乃は、「東京のカエルのチャーリー」といったところ…。

翠さんが、ピーター・パイパーの楽曲にあわせて、素敵な「ピーター・ラビット」の世界を写真と文章で描いてくださいました。

翠さんの、連携アメブロ記事


翠さんのこのブログ記事にあります、カエルのチャーリーと、キノコのテーブルセッティングの写真撮影は相当にたいへんだったそうです。

私は、「那須のカエルのチャーリー」から、地元の「けぇる語」で、そっと聞きました。
「最後は、ご主人様の写真撮影の熱意に観念したでケロ」。

翠さんのブログには、他にも、「カマキリのロビン」、「散髪好きのナマケモン」なども、時折 登場します。
那須の美しい風景と、たくさんの花々、愉快な昆虫たちが登場します。
そして、なにより、情感たっぷりの文章や俳句短歌、見事な選曲の音楽、さらにご主人様の「ちゃちゃと一皿」料理の写真です。
写真の腕も見事!
「心音」の音色が響く、ブログも、ぜひどうぞ…。

翠さんには、重ねて、厚く御礼申し上げます。


◇ゴー・ゴー・ゴー・アンド・ゴーズ・オン!

私が今回の連載「昭和の香り」の中でとりあげています、フランク・ミルズさんを始めとするピアニストたちの楽曲は、日本の昭和の時代に、テレビやラジオの番組内でBGMとして、あるいはCMで、よく流されていた楽曲です。

今回、翠さんからは、昭和の時代から長く続いているラジオ番組「オールナイトニッポン」を、70年代頃に、ご家族と一緒に聞いていたとお伺いしました。
イージーリスニングのたくさんの楽曲も、自然と耳にされていたそうです。

フランク・ミルズさんの楽曲も、もちろん、ラジオ番組「オールナイトニッポン」で、たくさん使用されていましたね。
そこで、次回コラムでは、ラジオ番組「オールナイトニッポン」のことを少し書きます。
そうそう、オープニングは、やはりこの言葉…。

ゴー・ゴー・ゴー・アンド・ゴーズ・オン!
夜更けの音楽ファン… このお話しは次回で!
by 糸居G


◇カエル愛

さて、この時期は、この話題にふれるしかありませんね。

今年2021年の「新語・流行語大賞」選考のノミネート30語の中に、なんと「カエル愛」という言葉が入っていました。

今回はやはり、「東京オリンピック・パラリンピック」関連の言葉がたくさんがノミネートされていましたね。
「カエル愛」、「エペジーン」、「ピクトグラム」、「スギムライジング」、「チキータ」、「チャタンヤラクーサンクー」、「ぼったくり男爵」がありました。
さすがに、あのドイツのお方のことである「ぼったくり男爵」に、大賞は無理でしょうね…。
日本国民のひとりとしても、大賞までは…、国際問題に発展したら大変たいへん男爵イモ!?

近年は、その言葉が社会で流行した度合いよりも、その時代の社会において、どのような意味や意義があったのかのほうが重要視されているようにも感じます。
単なる意味のない流行語ではなく、その時代に生まれた意味や、その意義、そして背景を持つ、その時代の象徴の言葉であるように私は感じています。

「カエル愛」とは、女子ボクシングで金メダルを獲得した 入江聖奈(いりえ せな)選手の、生きもの好きの趣味であり、彼女のカエルたちへの果てしない愛情の意味です。

かわいいカエルキャラの小物を集めたりということだけでなく、まさに生きたカエルの表情や生態そのものを深く理解し、愛している彼女の言動に、私も深く感動しました。
まさに、本ものの「カエル愛」ですね。

* * *

私の勝手な深読みかもしれませんが、単なる「カエルへの愛情」や入江選手の人気だけが、ノミネート理由とは思えません。
彼女の金メダル獲得直後に起きた、耳を疑うような女性蔑視発言問題と、それへの社会全体の大きな怒りと反発という現象が、この言葉をノミネートさせたようにも感じます。
この「カエル愛」という言葉には、どうしてもこの問題が脳裏に浮かびます。

人間には、さまざまな思想があり、性格がありますが、時代によって、国によって、人間の公(おおやけ)の言動で許される範囲が変わってきますね。
人間の持つ悪意の質や度合いも、時代によって変化していくのかもしれません。
恐怖心・猜疑心・嫌悪感も人によってさまざま…、悪意がなかったとしても、人間が使う言葉には「愛」もあれば、同時に「魔物」も同居していますね。

人は時に、それまで専門分野の最前線で活躍してきたとしても、いつしか社会やビジネスでの「ウケ」や「成功」、「満足感」を必要以上に求めてしまっていたり、自身のエゴやストレスが自身の言動に影響してしまっていることがありますね。
本来は、そんなことを言う自身ではなかったのに、自身で気がつかないうちに、早クチで、罵詈雑言、誹謗中傷をクチにしているということがあります。
今回のコロナ禍では、人間の本性があらわれてくる場合もあれば、ストレスから何か別の自分があわられてきたというケースも少なくなかったようです。
人は、そのような状況に陥ってしまうと、目で見るもの、耳で聞く内容が、正確さや本質を見失ってしまうかもしれませんね。

「カエル愛」は、まさに、見た目の外見には惑わされない、蔑視する意識のない、単なるひとりよがりのイメージではない、真の「愛」を意味しているのかもしれませんね。

本ブログ「歴音 fun」としては、この「カエル愛」と入江聖奈(いりえ せな)選手を、全力でイチオシ!

今回は、大谷翔平選手の「リアル二刀流」「ショータイム」という、金メダル級の、あまりにも強いライバルがいますが、日本中の「カエル愛」を持つ方々が、彼女を支えてくれることでしょう。

* * *

これまでのオリンピックでも、メダルを獲得した日本人選手はたくさんいましたね。
でも、私は、メダル獲得後のインタビューで、これほど素晴らしいコメントをたくさん残した選手を、入江選手の他に思い出せません。
よくこれだけ、心の伝わる、泣かせるコメントを、たくさん言えたものです。
人間の言葉の中に「善意」が見えてくるとは、こういうことなのかもしれませんね。
まさに「カエル愛」があってこそ…。

故郷の鳥取県だけでなく、まさに日本人の鏡ですね。
「うちの会社に就職してほしい」と、企業が殺到するのも、よくわかります。

入江聖奈さんのコメント集

 

* * *

カエルは、神話によっては、天上界の神様が、地上の人間界に遣わした使者とされていますよね。
「カエルたち…人間たちをよく見て、時には叱ってやりなさい。そして私に報告しなさい…」と神様たちが言ったとか、言わなかったとか…。

カエルは、日本中の、野や山、田畑、川、池、湖にいます。
今でも、多くの神社の境内で、石像となって守ってくれています。

神話の時代、そのカエルたちは、天上界の神様に報告しに帰ることなく、地上にたくさん残ってくれました。
歴史好きの私の勝手な想像では、「アマガエル」は、「雨蛙」ではなく、本当は「天蛙」「天帰る」ではないかと思っています。
その大きな鳴き声は、人間たちに「喝(かつ)」を入れるため…?

「入江聖奈」という漢字のお名前…、私は、まさに天上界の神様が、彼女に与えたお名前にも感じてしまいました。
そして、彼女に金メダルをカエルに届けさせたのではと思っています。
私にとっては、今回の東京オリンピックの多くの金メダルの中で、最高の「金メダル」でした。

「カエル愛(帰る愛)」が、日本中に届きますように…。
♪カエル ぴょこぴょこ 入江ぴょこ…。

那須のカエルのチャーリーも、東京のカエルのチャーリーも、ちゃんと セナ!


◇「ハイジ愛」おしえて…

さて最後は、「カエル愛」とともに、さわやか気分で…
この子たちと一緒に、ヨーロッパアルプスで…。

「ペーター!  口笛吹いてよ! 私 吹けないのよ! おんじも、クララも、犬のヨーゼフも、子やぎのユキちゃんも、誰も教えてくれないのよ!」。
「仕方がないなあ ハイジ! 早クチのヨーデル風でも いいかい…」。
「おしえて… ペーター・パイパー!ピックト・ア・ペック・オブ・ピクルドゥ…」。
「ハイジ… 酢漬けが食べたいの?」。

宮崎駿さん、高畑勲さんらの、1974年(昭和49)の名作アニメ「アルプスの少女ハイジ」…。
世界の多くの国々でテレビ放送された、日本が誇る名作アニメでしたね。
この「アルプスの少女ハイジ」の物語の中には、今の時代の私たちにも十分に伝わる、生きるための、ちょっとしたヒントがたくさん散りばめられていました。
後の80年代以降の「ジブリ」の世界につながる精神は、こうして築かれていきましたね。

* * *

今や、このアニメの「ハイジ」を知らない世代が、日本の半分くらいにもなってしまいました。
日本のヤギさんたちに、「ユキちゃん」の名前が多い理由を知らない世代も増えました。
「ハイジ」という店名のパン屋さんが、日本中に相当数存在する理由を知らない世代も増えました。
アニメ「ムーミン」の流れをくみ、70年代から始まった毎週日曜夕方のアニメ番組「世界名作劇場」が、当時のペット業界やパン業界、教育現場、医療分野に絶大な影響力があったことを知らない世代も増えました。
ハイジ、子ヤギ、あらいぐま、大型犬のワンちゃん、チーズとろ~りパン、クララの車いす…。
もちろん「ハイジ ブランコ」の「ハイジ」の意味を知らない、「ハイジって誰?」の世代も多くいますね。

この時代の、日本のメルヘン系、癒し系の、独特のかわいい系の一連の音楽作品が、ジブリ音楽へとつながり、日本人の心の支えになっているのかもしれませんね。

誰か…、若い世代に「ハイジ愛」をおしえて…。
昭和世代が「チーズとろ~りパン」を、ハイジを思い浮かべながら食べていることも…。

歌は伊集加代子さん。ヨーデルは、ネリー・シュワルツさん。
元祖ハイジブランコ!

♪「アルプスの少女ハイジ」主題歌「おしえて」

 

* * *

実は、この楽曲「おしえて」は、いろいろな楽器のアンサンブルで演奏されることが非常に多い楽曲で、今でも、プロも、一般のミュージシャンも、日本のいろいろなステージで演奏されています。

今回は、やはり笛である「フルート」の演奏をご紹介します。
素晴らしい「パイパー(笛吹き)」の皆さんの演奏です。
5種類のフルートで、6人グループの「Candy」の皆さん… かわいらしいハイジが6人も!


♪おしえて

 

Candyさんのサイト

* * *

今回のコラムに登場いただきました、伊藤みどりさん、入江聖奈さん、高橋真梨子さん、翠さん、Candyの皆さん、ハイジ…、世界は「女性愛」にあふれていますね。
「愛」は、誰かに教えてもらわないと、自身の中で育っていかない… のかも?

誰か、おしえて…。


◇ハイジ ブランコ

ここで、日本各地にあります、いわゆる「ハイジ ブランコ」から、映像を少しだけ…

〔長野県白馬村 / ヤッホー・スウィング〕

 

長野県白馬村の「ハクバ・マウンテン・ハーバー」にあるブランコ…、ブランコの先に見えるのは、北アルプスの「白馬三山」です。
アルプスとハイジブランコ…、なぜ昭和の時代に作られなかった…。
私は、一度くらいは乗ってみたいのですが、ハイジというより「おんじ」の年齢で、重量級…、ブランコに乗って「ヤッホー」できる余裕はあるだろうか?

「ヤッホー・スウィング」

 

やっぱり、観光名所は、見え方、見せ方、びっくりの仕方が… 命!
展望観光名所、山岳の楽しみ方は、ついに新しい時代をむかえた…?

昭和世代の私は、こんな山岳の場所で、ハイジ、ペーター、おんじ、クララ、犬のヨーゼフ、子やぎのユキちゃんに、ぜひ会いたいものです。

 

どうぞ、あなたのお孫さんのハイジと一緒にお出かけください。
チーズとろ~りパンを一緒に食べようね!


白馬岩岳マウンテンリゾート

 

野生動物たちも、きっと森の向こうで聴いている…
スキマスイッチ、ISEKI、熊木杏里、吉田山田、GAKU-MC …ほか


音楽イベント「2020 ヤッホーFESTIVAL ~白馬ノ音~」ダイジェスト

 


〔大分県 玖珠町 / 伐株山〕
 

次は、大分県玖珠町(くすまち)の伐株山(きりかぶさん)山頂のブランコ。
ここは、お城ファンにも知られた難攻不落の山城「玖珠城」の城跡でもありますね。
山城とブランコの組み合わせ… これから増えていくのでしょうか?
大分県の伐株山(きりかぶさん)の存在を、世界の映画製作者たちは、まだ知らない?

下記の動画は、大分を中心に、観光や映像に尽力されています「せいさん」様のyou tube動画です。
故郷愛あふれる、誠実な語り口調に魅了されます。
今回の「せいさん」様のご厚意に感謝申し上げます。

伐株山(きりかぶさん)のブランコ

 

「せいさん」の you tubeチャンネル


〔静岡県 富士宮市 / まかいの牧場〕

 

次は、静岡県富士宮市の富士山麓にあります「まかいの牧場」のブランコ。
朝霧高原の朝霧の中で乗ったら、何かが見えてくるのかも?
朝の霧の中から聞こえてくるのは、ホルスタインの「も~」!
近年、富士山周辺の地域の静岡県や山梨県では、大きな観光関連アトラクションが次々に生まれていますね。

武田信玄も、今川義元も、北条早雲もびっくり!
次は、あの妙な櫓(やぐら)を奪いにいくぞ!

富士宮市の「high ハイジのブランコ」

 


〔岡山県 赤磐市 / ドイツの森〕
 

岡山県赤磐市(あかいわし)の「フォレストパーク ドイツの森」にあるブランコ。
この映像は何年の放送内容かは不明ですが、今は相当にしっかり整備され、人気スポットのようです。

日本には、いったい幾つの「ドイツ〇〇」があるのか?

「東京ドイツ村」は、実は千葉県にある…、東京なんだか、千葉なんだか、ドイツなんだか…はっきりせえよ!
そんな時、前述の入江聖奈さんなら、きっとこう言うでしょう。
「そんなに目くじらたてなくても…、そこはハイジが暮らすメルヘン村よ」。
日本人が一番好きなのは、いったい、どこのドイツだ!?

花畑や巨大ドッグランがすごいらしい…。
NHKの「朝ドラ」ファンの方々も、どうぞ、カムカム「ドイツの森」!


「ドイツの森」のブランコ

 


◇岡山 カムカム…

岡山つながりで、ちょっとだけ、NHKのテレビ番組「連続ドラマ小説」について書きます。
ちょうど始まったばかりの、今のNHK「朝ドラ」である「カムカム エブリバディ」は、岡山の地から始まるお話しですね。
このドラマの重要なキーワードが「ラジオの英語講座」。
なんと三人の主役?(演:上白石萌音さん・深津絵里さん・川栄李奈さん)。
NHKの人気テレビ番組「ファミリー・ヒストリー」みたい…。

終戦の翌年1946年(昭和21)から始まるNHKラジオの英語講座番組「(通称)カムカム英語」の平川唯一(ひらかわ ただいち)先生(通称、カムカムおじさん)は、岡山県高梁市(たかはしし)のご出身。
このラジオ番組は、NHKを経て、TBSラジオや文化放送などでも、1950年代まで続いていたようです。
80年代には、復刻版のカセットテープが発売されたほどの人気番組でした。

平川先生は、学校の英語の先生ではなく、アナウンサー出身のいわば素人英語教育者でしたが、その発音のものまねから入る「赤ちゃんクチまね方式」は、当時かなり画期的であったようです。
「カムカム英語」「家族英語」と呼ばれたこの英会話習得術は、昭和の戦後の経済復興でも、大きく貢献したといわれていますね。
英語が読めなくても、書けなくても、まずはカタカナで覚えて、楽しく会話してみよう…、外国人とお話ししてみよう…、そして日本を復活させよう。
英語の言葉を上手く言えなくて、噛んでしまっても、まさに ウェルカム・噛む噛む・イングリッシュ!

その英会話教育ラジオ番組の初期のテーマ曲です。
今聞いても、この動画後半部の、まったりとした、やさしい雰囲気の英語の授業は、何かすごくいい…。
昭和の学校の英語の授業とも、何かが違う…、これなら当時の日本国民は、楽しい気持ちで、はまりますね。
ドラマの上白石萌音ちゃんも、ラジオ英語講座にはまってます…。
もう数年で、終戦後のあの番組が…カムカム!。


♪カムカム・エブリボディ

 

この曲の原曲は、「証城寺(しょうじょうじ)の狸(たぬき)ばやし」。
証城寺(證誠寺)は、実は千葉県 木更津市のお寺。


♪証城寺の狸ばやし

 

平川先生…、なぜ「♪も~もたろさん、ももたろさん…」の岡山の「桃太郎」の歌を採用しなかったのか…?
きっと当時のNHK内部で大激論をしたはず… Why? NHK!

まさかとは思いますが、狸ばやしの「こい こい こい」からの「カム カム カム」…オヤジのだじゃれ!?

それも いいカム!

私は、岡山の衣料製造販売企業の「カンコー学生服」を中学生の頃に着ていました。
江戸時代からの老舗の「カンコー」を着ることが、とても うれしく、誇らしかったですね。
そこは、学問の神様、菅原道真公(すがわらの みちざね こう)の「菅公(かんこう)」にあやかって…。

源平の時代以前から、この岡山の地は、瀬戸内の最重要地域、生糸の大産地、貿易拠点、源平合戦の勝負の分かれ目、名刀の産地、「鬼滅の刃」といえば岡山の神社、剣士の宮本武蔵に北条早雲 それと桃太郎、桃を食べた後は吉備だんご、大和でも出雲でも九州でもない古代の大文明地域、日本のジーンズの発祥地、あの巨大学生教育企業といえばこの地、法然、栄西、雪舟、和気清麻呂、ゴルフの渋野日向子さん、岡山湯郷ベル、亡き星野監督、朝ドラに登場するお城は岡山城…、 エブリバディ・カムカム オカムヤマ(岡山)!


◇おんじの格言

お話しを、「ハイジ ブランコ」に、カムカムバック!

「ハイジ ブランコ」は、日本各地に、まだまだ増えていきそうですね。
でも、設置管理者には、くれぐれも「安全」と「ハイジ愛」をどうか最優先でお願いします。
ちょっと、ブランコの上から目線で失敬!
すぐに降ります…。

アルプスの「おんじ」の「おしえて」格言…
「そこに ブランコを造ればいいだけでは、いつか人は来なくなる。カムカムしてほしかったら、その先へ、ゴー(行け)!
…そうじゃろ、ハイジ」。

「うん、おんじ。 あれ、ペーターはどこ? あれあれ、何かクチん中が、カムカム サワー(来る 来る 来ちゃった… 超 酸っぺぇ)!」。

* * *

次回のコラム「昭和の香り(4)」は、ビターで、スイートのお味で…、そう サンバのリズムで!?

 

コラム「音路(60)昭和の香り【4】イージーリスニング深夜便」につづく

*急きょ「音路(60)昭和の香り【4】天使のおしり&ベートーヴェンのマカロニチーズ」に変更しました。



【追伸】
本「音路シリーズ」では、番外編として、以前にこんな内容も書きました。
カエルの「イメージアップ大作戦」のお話し、カエルの楽曲、織田信長の本能寺のカエルのお話しなどです。
どうぞ、よろしかったら、のぞいてみてください。

コラム「音路・番外編 / イメージアップ大作戦 ~ 本能寺の信長のカエル」


2021.11.13 天乃みそ汁
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