NHKラジオ深夜便、オールナイトニッポン、クイーン「レディオ・ガガ」、マリトッツォ、ビタースイートサンバ、ドナ・サマー「オン・ザ・レディオ」、バグルス「ラジオスターの悲劇」、糸居五郎さん、城達也さん、ジェットストリーム、クロスオーバーイレブン、走れ歌謡曲、ボビー・ヴィントン「ミスター・ロンリー」、アジムス、口笛天国、FM放送とAM放送、ラジオ番組ジングル、ラジカセ、ソニー、SONY、イージーリスニング、洋楽。
 

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各コラムで紹介した曲目リストは、「目次」で…

  

あの曲や動画はどこ… 音楽家別作品

 

*今後の予定曲

音路 昭和の香り【5】

イージーラジオ深夜便 ~ 本当に相思相愛?



◇マリちゃんの誘惑

前回コラム「音路(60)昭和の香り【4】天使のおしり ~ ベートヴェンのマカロニチーズ」の中で、白パンやラクレットチーズの映像をご紹介しましたら、多くの読者の方々に「幸せ感」を感じていただけたようです。
多くのご感想等、誠にありがとうございました。

今回のコラムも、冒頭で、「幸せ感」いっぱいの菓子映像を少しだけお届けします。

* * *

私は、もっぱら食べるだけのパン好きですが、お店で窓越しにパン職人がつくる光景は、よく足を止めて見ています。
「パン教室」の生徒にはなれないと思いますが、見ているだけの見学者になれたら、たいへんうれしいのですが…。

ここで、告白です!
前回コラムで「白パン」のことを「パン愛」を込めて書いたのですが、実は私…、どちらかというと、いわゆる「黒パン」のほうが好き…かも。

「ライ麦パン」や「フランスパン」などの黒色や茶色系で固めの食感の「ハードパン」や、もちもち・ねちねち食感の「セミハードパン」が大好きです。
もちもち ねちねち系では、何もつけない「ナン」だけを食べに、インド料理店に入るくらい好きです。
今回、あらためてパン好きの方々のアメブロを見ていて、世の中に、私と同じようなパン好きが多いことに、たいへんうれしく思いました。

パンの世界は、もはや、地酒や地ビールと同じで、各地にどれだけの種類が存在するのかわからないくらい、進化、多様化していますね。
手間のかかった豪華なパンから、あまりにも素朴なパンまで、パンワールドは不滅です!

* * *

さて、パン好きに対して、ケーキなどの洋菓子好き、饅頭などの和菓子好き、おしるこなどの甘味好き、バリバリ食べるせんべい好き、徹底的なチョコレート好きなど、世の中にはたくさんの美食探求者がいますね。

今回のコラムも、前回に引き続き、「幸せ感」いっぱいになる菓子映像をお届けします。
この食品…、よくよく考えてみると、パン? ケーキ? 洋菓子? 和菓子?… いったいどの種類に入るのでしょう?
白い歯を目いっぱいにむき出したその表情…、まるで宇宙人が私たちをあざ笑っているようなお菓子です。
その歯のむき出し方が、本当にさまざま…。
今回のコラムも、どうぞ「幸せ感」を味わってみてください。

そのお菓子の名は、マリトッツォ!

* * *

今年2021年のヒット食品のひとつに、イタリア生まれのお菓子「マリトッツォ」が、おそらく入るでしょうね。
徐々にブームが拡大し、今や、デパート、コンビニ、スーパーなどでも見かけます。

このブーム…、まだまだ猛烈とはいえませんが、レストラン、ケーキ屋さん、パン屋さんがのらない手はありません。
今や和菓子屋さんまでが、そのブームにのっかっていますね。
こぞって、メニューに加え、オリジナリティにしのぎを削っていますね。

私は、初めてこの菓子を見た時に、何かの冗談かと思いました。
ダイエットブームとは真逆の方向に向かう、何かのお遊びかと思っていましたら、今や一大ブームの兆しもあります。
こうした現象は、日本で流行したとたんに、ますます商品が多様化して、種類を増やしていくのが、日本の特徴ですね。
その通り、中味の種類が猛烈に増え、見た目がどんどん変化していますね。

日本では、パン屋さんやケーキ屋さんの陳列棚を見てもわかるとおり、相当にたくさんの種類が存在し、「マリトッツォ」の強豪ライバルはたくさんいます。
日本のマリトッツォは、今、パワーを蓄積している最中なのかもしれませんね。

このお菓子「マリトッツォ」に一貫して守られているルールは、大量に何かを詰め込むこと…。
大量の何かを、両側から挟み込むこと…。
まさに、この大量の詰め込み量こそが、インパクトであり、醍醐味!
詰め込む基本はクリームですが、あふれんばかりに、これでもかと、詰め込む…、詰め込む…、挟み込む…。

この「ぜいたく感」は、コロナストレスへの反応なのかも?
とはいえ、この強烈な見た目といい、どうやって食べてたらいいのかという不安とワクワク感といい、まさに「幸せ」の瞬間を味わえるような気がしますね。

さて、このお菓子の名「マリトッツォ」…、昭和オヤジの私としては、まぁ言いにくい…、覚えられない…。
私は、いつからか、「マリちゃん」という呼び名でもういいや…となってしまいました。
昭和世代には、やっぱり「マリちゃん」ですよね。

* * *

ワンちゃんや、ネコちゃんと、単身の身の上によるご家庭も、今年の12月は、もうひとり「マリちゃん」も呼んでみますか…。
ワンちゃんもネコちゃんも、それを見たら、きっと人間と同じで、目の色が変わる…、よだれが…!?
12月は、人間も、ペットも、太りそう…。

最近は、ケーキや洋菓子の多くも、クリームたっぷり系になってきているような気もしないではありません。
来年も、この「クリームたっぷり」ブームはさらに続き、種類も増えていくのでしょうか?
皆が、自身の体重増に気づいた時、このブームは終わるのかもしれませんね。

でも、このマリちゃんの見た目は、それをも忘れさせるものがあります。
もう、やけくそで… マリちゃんと心中!?

血糖値高め、体重過多の方は、くれぐれも気をつけて…。

* * *

そそられる「マリちゃん」の誘惑映像を3つ…

この映像の冒頭と最後に登場する、コップに入った白い飲み物にもそそられる…これはマリちゃん以上に、甘く危険な誘惑…。
この白いコップは、もはや飲み物なのか、食べ物なのか…?
マリちゃんとの、最強のコラボ…。
マリトッツォ映像(1)

 

BGM音楽にのって、さあ、このたまらない白い積雪と、舞う粉雪の競演を…
マリトッツォ映像(2)

 

洋と東西を問わず、やはり、詰め込む…、挟み込む…は、食の醍醐味!
マリトッツォ風どら焼き

 


◇オールナイトニッポン

ここからは、昭和のイージーリスニング音楽がたっぷり詰まった、昭和のラジオの深夜放送を、マリちゃんといっしょに…。

ニッポン放送のラジオ番組「オールナイトニッポン(ANN)」は、1967年(昭和42)に始まり、もちろん今でも放送されていますね。

歴代のDJたちを思い出してみます。
当時の顔写真が懐かしい…。
あなたは、どの時代の誰の「オールナイトニッポン(ANN)」?

1967年から2013年まで…
「ANN」の歴代 DJ 紹介

 

* * *

本コラムは、洋楽ファンの方々に多く読んで頂いていますが、特に、このDJ(ディスク・ジョッキー)の方に、愛着と思い出をお持ちの方も多いと思います。
今はなき、糸居五郎さんです。
私も、ほぼ毎週聞いていました。
彼の命日である12月28日は、日本で今、「DJ(ディスクジョッキー)の日」となっていますね。

下記映像の1分あたりから、ラジオ深夜放送の王様「オールナイトニッポン」(ニッポン放送)の、彼の名台詞「ゴー・ゴー・ゴー・アンド・ゴーズ・オン!」。

糸居五郎さんのDJ

 


◇ビタースイートサンバ

この番組のテーマ曲が、1967年から現在も使用されている楽曲「ビタースイートサンバ」です。
もう54年も、同じ曲を使っていることになりますね。
ある意味、この楽曲も、元気のいいイージー・リスニング音楽…。

1965年に誕生した、この曲が、まさか今でも、日本で元気に生き続けていることなど、世界はおそらく知らないでしょうね。
この曲はおそらく、ニッポン放送とともに、これからも生き続けることでしょう。

生涯を閉じる瞬間に、この楽曲とともに逝きたいと思っている、深夜ラジオ放送ファンもいるかもしれません。
昭和時代のラジオの「深夜放送」の独特の醍醐味は、昭和の世代にしか、わからないかもしれませんね。

とはいえ、各世代の個人によって、この深夜ラジオ番組「オールナイトニッポン」は、それぞれの思い出があると思います。
それぞれの「ANN(オールナイトニッポン)」のイメージがあり、お気に入りの「DJ」や「パーソナリティ」がいるはずです。

関西地域には「ヤングタウン」という、やはり長い歴史を持つ夜間帯の人気ラジオ番組があり、この番組も、「オールナイトニッポン」と同じ1967年(昭和42)に始まりましたが、今や、ラジオ放送において、50年を越えるようなご長寿番組は、そうそうありません。
両者とも、終わってほしくないラジオ番組ですね。

昭和の世代は、「ANN」の番組エンディングにもう一度流される、この曲「ビタースイートサンバ」を聴くと、「さあ朝だ! このまま起きているか…、それともちょっと寝るか…」と迷いましたね。
懐かしい「昭和の朝の迷い」の思い出です。

ハーブ・アルパートさんの名曲…
「マリトッツォ」にも負けない、大量の、深くて、ほろ苦くて、甘い… 複雑で濃厚な味わいです。

♪ビタースイートサンバ

 

ハーブ・アルバートさんについては、この「昭和の香り」の連載の最後に、もう一度登場いただきます。


◇規制に負けない、若いチカラ…

次は、この番組「ANN」の初期から80年代頃までの番組内のジングル集です。

「ジングル」とは、映像のないラジオの世界ですので、CMの前後や、コーナーの最初などに、その切り替えのタイミングを、リスナーにしっかり伝えるために短く流すメロディのことです。
放送局名や、番組名をしっかり伝えるような時にも使いますね。
簡単な音響効果のようなものから、ある程度の長さの音楽のようなものまで、さまざまにあります。
時代が経過した今、こういうサウンドが、結構、耳に残っていますね。

ジングル集

 

* * *

上記の動画の53秒あたりに、耳に残る、非常に印象的なジングルがあります。
私の想像では、このジングルの原曲は、下記の曲だと思います。

この楽曲は1967年に、米国のミュージシャン「アーチー・ベル&ザ・ドレルズ」によって誕生し、1968年に大ヒットした曲です。
どうも、彼らはもともと、ラジオ番組のジングルをつくるミュージシャンだったようです。

しっかりとした長さにまとめられた、その楽曲の歌詞内容は、まさにラジオ番組の始まりで、DJが自己紹介し、ノリノリで番組をスタートする台詞そのものです。
何か通常のポップス曲と違う印象を抱くのは、もともとジングル使用を意図したためかもしれませんね。

とはいえ、ラジオ番組を聞いていて、このサウンドが聴こえてきたら、まさに耳が釘付けになりそうです。

♪タイトゥン・アップ

 

* * *

「タイトゥン・アップ(Tighten up)」という言葉は、 規制を厳しくする…、管理を厳しくする…、取り締まる…などの意味があります。

昭和の時代のラジオ深夜放送番組は、まさに規制や取り締まりを気にせず、むしろ、あらがう気持ちの若者たちに向けた番組でしたね。
まさに、ぴったりのジングルでした。

平成時代の若者向けラジオ深夜番組は、おそらく娯楽性やビジネス色が重視されていたと思いますが、これからの時代は、昭和時代のような若者の反骨精神がよみがえってくるかもしれませんね。
その時は、このジングル音楽が復活するかもしれません。

もともと、ラジオ放送の世界は、テレビ放送の世界よりも、自由で、反骨精神が強い性格を持っていますよね。
今は、深夜よりも、朝の大人向けのラジオ番組の反骨精神、批判精神のほうがチカラ強い気もしますが、反骨精神あふれる深夜ラジオ放送が復活するのかどうか…。

でも、昭和オヤジの私は、反骨や批判のない、のんびり「NHKラジオ深夜便」も嫌いじゃありません…。


◇走れ!深夜の口笛

さて、先ほど、楽曲「ビタースイートサンバ」が54年以上も使い続けられていることを書きましたが、先頃、同様に50年以上使い続けられていた楽曲と、その深夜ラジオ番組が終了しました。
文化放送の「走れ歌謡曲」という、深夜の午前3時から5時まで放送していたラジオ番組です。

昭和の時代は、深夜走行するトラックドライバーに人気の番組で、トラックやバスの製造メーカー「日野自動車」さんが一社提供していました。
インターネットやSNSが普及していない昭和時代に、深夜の時間帯にトラックドライバーが頼りするのは、無線と深夜ラジオ放送でしたね。
渋滞情報や降雨降雪情報は、無線か、深夜ラジオ放送の交通情報が頼りでした。

昭和の時代は、演歌やムード歌謡の全盛期…、この番組でも相当にそれらの楽曲を流していましたね。
番組では、今はほぼ絶滅した、国道沿いの「ドライブイン」からの生中継などもしていましたね。

ドライバーでなくとも、そのラジオ番組を聴いていると、昭和歌謡にどっぷり浸り、地方の言葉や情報から、旅情やふるさとを感じることもできました。
通信やトラック物流の環境が大きく変わった現代に、なかなか番組のスタイルが対応できなくなったのかもしれませんね。
1968年(昭和43)から、52年間 走り続けてきたこの番組は、今年2021年に終了しました。

* * *

この番組も、前述の「オールナイトニッポン」から1年遅れで始まったご長寿番組でしたね。
この番組の始まりと終わりのテーマ曲も、まさに「ビタースイートサンバ」と同じで、長寿曲でした。

この曲は、前述したラジオジングルのように、強烈な印象を残す洋楽曲です。
やはり、深夜の時間帯は、サウンドやメロディのインパクトは大事ですよね。

初めて聴く方には、ちょっと衝撃かも…。
「ホイッスリング・ジャック・スミス」さんが歌う(?)…いや、口笛を吹く…

♪アイ・ワズ・カイザー・ビルズ・バットマン

 

* * *

楽曲タイトルにある「カイザー・ビル」とは、英国ビクトリア王女の孫で、ドイツ帝国の皇帝だった人物の名前です。
第一次世界大戦の引き金をひいた人物で、アジア人の敵だった人物ですね。
まさに蔑視差別のかたまりのような人物で、そこらじゅうでトラブルを…。
この人物は、バットマンのような、両極端な二面性を持っていたのかもしれません。
「トランペット」と「口笛」よりも、もっと大きな…。

実は、この楽曲… 何かへの反骨精神、批判精神にあふれた楽曲なのかもしれませんね。

「ホイッスリング・ジャック・スミス」名で口笛を吹いたのが、ミュージシャンのジョン・オニールさんです。
ジョンさんは、トランぺッターですので、口笛はお手のもの!
音楽番組に出てきて、歌詞を発せず、口笛と「オイッ」という掛け声一発だけというのは、まさにインパクト抜群!

これ以降、他のトランぺッターが「口笛吹き」として登場してきた記憶が、私にはありません。
ちょっと恥ずかしいのか、楽器演奏者としての自負なのか…?

* * *

実は、この曲は1967年に日本の人気グループ「ザ・カーナビーツ」が日本語歌詞をつけ歌っています。
あの大ヒット曲「好きさ 好きさ 好きさ」のB面が、この口笛の曲。
ちなみに、このグループ名の由来は、ロンドンの商店街通り「カーナビー・ストリート」。

♪口笛天国

 

この楽曲の翌年にあの「深夜便トラック番組」の「走れ歌謡曲」が走り始め、今年2021年に、荷物を届け終わったというわけ…。
せっかく50年以上も使用していたのに、このご長寿曲を聴けなくなったのは、トラックドライバーならずも、ちょっとさみしい…。
次は、電気自動車輸送で、ぜひ文化放送の「深夜の口笛」の復活を…。


◇NHK「ラジオ深夜便」

今、若者世代のラジオ離れは、もはや心配な状況ではありますが、今現在でも、中高年層には、ラジオの深夜放送のファンは大勢いますよね。

かつて、「オールナイトニッポン」を聴いていた世代は、年齢を重ね、今、NHKの「ラジオ深夜便」を聴いているという方も多いと思います。
もはや、ラジオは自身の一部という昭和世代も少なくないと思います。

午後11時から番組が始まり、なんと翌日の朝5時まで…、毎日6時間の長時間放送です。
NHKのAMラジオの一日分の4分の1が、この番組なのです。
11時に番組を少し聞いて眠りにつき、朝5時前に起きたら、まだ同じアナウンサーがしゃべっている…、そんな番組は他にありませんね。

* * *

この番組内では、アナウンサーたちを「アンカー」と呼びますが、たいへんな高位の重鎮「最高責任者」という意味ではなく、単に、その日の放送の最終担当者である「アンカーパーソン」という意味だとは思います。
ちょっと気取った呼び方にも感じますが、そこがNHKの品位…、少し大げさに感じなくもありませんが、私は嫌いではありません。

この番組の中では、アンカーたちが、番組を聞いているリスナーに向けて、「眠い時には、無理せず、どうぞ眠ってください。起きてから、またどうぞ…」と言った発言を行ないます。
民間ラジオ放送局でしたら、まさに、アナウンサーがクビになるような、ビックリ発言ですね。
民間のラジオ番組でしたら、スポンサー企業が激怒する発言内容です。
さすが NHK…、深夜でも、聴取率でも、何でも どんと来いですね。

* * *

この番組「ラジオ深夜便」は、1990年(平成2)から不定期で放送が開始したそうですので、「昭和」を経験していない番組です。
当初は、放送局員の深夜帯過剰労働問題などもあったようですが、この落ち着いた雰囲気の深夜番組は、その時代の、深夜にどうにも眠れない…、何度も起きてしまう…という大人たちが渇望していた放送だとも感じます。

その声を長く聞きなじんだ有名アナウンサーたちが、節度や品位を保ちながら、それでも少しカジュアルに、ゆっくり語りかける深夜のラジオ番組は、それまで、あまりなかった気がします。

この番組では、6時間の放送内に、1時間の音楽コーナーが二つあります。
基本的には、邦楽と洋楽の二つで、クラシック音楽専門、テレビ主題歌などのメディア系の音楽専門などのコーナーも、時折あります。

この音楽コーナーは、この後に書きます昭和の名ラジオ番組「クロスオーナー・イレブン」や「ジェット・ストリーム」のような、凝った演出のある、専門性を追求した音楽コーナーではなく、まったくオーソドックスなスタイルです。
音楽紹介の内容や仕方も…、そこは局のアナウンサーです。

私は個人的には、NHKの膨大なアーカイブス(保存記録)の中から、昭和の名音楽番組の再放送を組み入れてもらえたら、うれしいなと感じています。
昼間の別のNHKラジオ番組の宣伝も、この「ラジオ深夜便」でよくしていますが、それなら、昼間の本物の放送内容を少しだけでも流したほうがいいようにも感じますが… そんなことはNHKにしかできませんよね。

この番組「ラジオ深夜便」は、開始から約30年あまりが経過しましたが、もちろん今でも毎晩 放送しています。
「オールナイトニッポン」とは対極にあるような番組にも感じてしまいますが、それは聞く人が年齢を重ねただけ…、番組の表現方法が異なるだけ…、両番組とも、本質は変わらないと私は感じます。

* * *

この6時間にもおよぶ長時間番組も、BGMやジングルの音楽には趣向を凝らしており、そのメロディやサウンドは、非常に耳に残ります。
この6時間を、大まかにブロックに分けて、音楽を使い分けしているところも、私は好きです。

この音楽が流れてきたから、今 深夜のどのくらいの時間帯かが、わかる仕組みです。
深夜帯という時間帯は、みな一様に同じ夜ではありませんね。
夜の深さにあわせて、BGM音楽の雰囲気を変えています。
こんなシステムは、NHKならではの長時間ラジオ番組でなければ実現できませんね。

大河ドラマのオープニングのように、ゆったりとした結構 壮大な音楽で、6時間の放送が、品行方正、礼儀正しくスタートします。
ちょっとだけ、郷愁と哀愁を込めて…。
♪ラジオ深夜便 / 11時のオープニング

 

午前1時から3時までの時間帯は「丑の刻(うしのこく)」…、いよいよ、わら人形に五寸釘を打ち込む「丑の刻参り」の時間帯…。
何となく、夜がひんやりとしてきます…。
♪ラジオ深夜便 / 1時台

 

午前2時から2時半までの時間帯は「丑三つ時(うしみつどき)」…、いよいよ幽霊さんのご登場時刻。
この時間帯に、「合わせ鏡」は絶対にいけません。
このギターの音色が、諸行無常の琵琶の音に聴こえないこともありません…。
♪ラジオ深夜便 / 2時台

 

放送関係、気象関係は、午前3時頃から6時頃までを、「明け方」と呼びます。
古くは、「あけぼの」、「あさぼらけ」とも呼びますね。
シンとした静寂の暗闇の中に、一筋の光が遠くに見えるような気がするサウンドですね。
どこまでも夜は静か…。
♪ラジオ深夜便 / 3時台

 

午前4時は、江戸時代には「後夜(ごや)」と呼ばれ、夜明け前の勤行(ごんぎょう / 仏前の朝のお勤め))開始!
午前5時から7時は「卯の刻(うのこく)」… 江戸時代までのたいていの日本人は、「後夜」のあたりで起き、卯の刻には、ウサギさんのように、ぴょんぴょんと行動を開始しないと、日暮れまでに仕事を終えられませんね。

「徹夜の深夜便たあ…ご苦労なこってす!」by 江戸民

朝もやの中、ウサギさんたちが、街のそこここで、ぴょんぴょん とび跳ね始めるようなサウンドですね。
♪ラジオ深夜便 / 朝のエンディング

 

* * *

今、本コラムは「昭和の香り」をタイトルに、昭和のイージーリスニング音楽について連載していますが、このNHKのラジオ番組「ラジオ深夜便」で使用されている数々の音楽も、今現代のイージーリスニング音楽であるのは間違いないのでしょうね。
このBGM音楽だけを耳にする機会はあまりないと思いますが、深夜の素晴らしいイージーリスニング音楽だと思います。

ラジオ放送は、まさに「イージーリスニング音楽とともにある」と言っても過言ではないかもしれませんね。

* * *

ちなみに、この「ラジオ深夜便」が放送されていなかった時代は、朝のラジオ本放送開始前のNHKラジオで、下記の音楽を、私は時折 聴いていました。
ご記憶の方も多いと思います。

これは「インターバル・シグナル」と呼ばれていたもので、ラジオの本放送開始前に、ラジオチューニングのために周波数を整えるための音声です。
当時のまだ未熟なラジオ機器にも対応したものです。
こうした音楽は、ラジオ局によって、みな違っていましたね。

NHKラジオのそれは、そこはかとない、何か哀愁がただよう、やさしい響きでしたよね。
この後に「君が代」が流れ、本放送が開始するのです。
今は、こうした音声が流されているのか、よく知りませんが、あるとしたら、月に一度くらいの放送中断明けの本放送開始前かもしれません。

24時間放送があたり前になった現在からすれば、 アナログ時代のなつかしい「昭和の音」ですね。
この音を聴きながら、朝の身支度をされた方も多かったでしょう。
でも、このやさしい音で、二度寝に入ってしまった方もいたでしょうね…。

♪NHKラジオ・インターバル シグナル

 


◇夜の11時…「クロスオーバー」する?

NHKの夜間番組といえば、洋楽好き、FMラジオ放送好きの昭和世代の方々には忘れらないラジオ番組がありました。
1978年から2001年までNHKのFMで放送していた番組「クロスオーバー・イレブン」です。

その番組タイトルどおり、夜11時から始まる、さまざまな分野のセンスのいい楽曲と、気の利いた短い語りが組み合わされた、まさに大人の夜の番組でした。
今の時代に、こんな品のいいラジオ音楽番組は、そうそうありませんね。

音楽グループ「アジムス」の1980年の曲…1981年からの番組オープニング曲
♪フライ・オーバー・ザ・ホライズン

 

1978年の番組開始当初は、この曲の前身のような楽曲がテーマ曲でした。
番組オープニング曲では、茂木由多加さんの楽曲「スカイ・ラブ」を使っていた時代もありました。

番組エンディング曲は、やはりアジムスの楽曲「オクトーバー」。
♪オクトーバー

 

昭和世代は、これらのテーマ曲を聴くと、品のいい、落ち着いた深い夜を思い出しますね。

* * *

さまざまな分野や物事が組み合わされ、融合し、新しい何かが生まれてくるような状態を意味する言葉「クロスオーバー」は、70~80年代の世界で流行した言葉でした。
特に音楽分野で多く使われていた言葉でしたね。
今、日本で、「クロスオーバー」という言葉が通じるのは、昭和世代だけかもしれませんね。
ちょっとオーバーな表現かな…。


◇深夜のラジオは「昭和に戻る時間」

ラジオのFM放送ファンの多くが、前述の夜11時台の「クロスオーバー・イレブン」を聞いた後に、周波数をあわせた番組があります。
イージーリスニング音楽の申し子のような深夜ラジオ番組「ジェット・ストリーム」です。
今でも、民間放送局「TOKYO FM」が平日の毎深夜に放送している番組ですね。

近年は、昭和時代のイージーリスニング音楽色を少し離れ、さまざまな音楽を流すように変化してきましたが、昭和の時代は、まさにイージーリスニング音楽の王道の番組でしたね。

* * *

東海大学のFMラジオ放送研究機関が、1958年に実験放送局「FM東海」となり、1970年(昭和45)に民間ラジオ放送局「FM東京」として開局しました。
今の局名は「TOKYO FM」です。

今でこそ、FM放送番組は、AM放送番組のようなバラエティ色が強い内容になりましたが、昭和の時代は、カジュアルなAM放送…、エレガントなFM放送…、というはっきりとした放送内容の識別がありましたね。
そもそも音質がかなり違っていましたし、その放送で流れるCMの雰囲気も違っていましたね。

今はフリーアナウンサーになっておられる大橋俊夫さんは、元「FM東京」アナウンサーですが、今も時折「TOKYO FM」の放送でその甘い声を耳にすることがあります。
彼の甘い美声を聞くと、昭和時代の「エレガント FM」がよみがえってくるような気がしますね。

前述のNHK「ラジオ深夜便」のベテランのアンカーたちの声もそうですが、彼らの美声を耳にしたとたん、昭和の時代に戻れる気がしてきます。
今、深夜のラジオ放送は、昭和に戻ることのできる貴重な時間なのかもしれませんね。

* * *

2028年には、NHK、北海道地域、秋田県地域を除き、AMラジオ放送が停波・廃止の予定で、既存のAM放送は、それまでにFM放送に切り替わります。
今の「wifi(ワイファイ)時代」にあわせた電波行政運用の整理、FMとAMという電波特性、山間地の地形、現状の地域性を考慮した結果です。
さらに、FM放送設備は、AM放送設備よりも、かなり関連経費を減らせるそうです。

これからは、NHKの「らじるらじる」や、民間ラジオ放送を含む、タイムフリー、エリアフリー機能を持つ「ラジコ」などのインターネット経由、そしてFM電波によるラジオ放送の聴取が中心になりますね。
音楽ファンには、インターネット専門ラジオ局の存在も見逃せません。

今は過渡期ですので、同じラジオ放送番組をAM放送とFM放送を選んで聞くことができます。
もちろんFM放送のほうがクリアな音質で鮮明に聞こえてはくるのですが、どっぷり昭和オヤジの私は、場合によっては、AM放送の、あのこもったモコモコ音質のほうが、やわらかく耳に入ってくることも少なくありません。
何か郷愁を感じる、温かい音に聞こえてきます。
昭和オヤジの私は、前述のNHKの「ラジオ深夜便」を、あえてAM放送で聞くことも少なくありません。

昭和時代のAM放送は、時にうねりのある波のような音声もありましたね。
それもいい思い出です。
何百キロも遠く離れた地域のAM放送電波を、かろうじて拾って楽しんだ昭和世代も少なくないと思います。
昭和のAM放送がいよいよ消えていくのかと、感慨深いものがありますね。

2028年はもう少し先ですが、AM放送受信のみのラジオ機器をお持ちの方は、頭に入れて置いたほうがよさそうです。
亡き父親から遺品で受け取った、古い昭和のAMラジオ…、どうぞ いつか置き物として飾ってください。

* * *

さらに、そのうち、単体としてのラジオ機器も消滅するのかもしれません。
昭和オヤジの私は、単体のラジオ機器がなくなるのは、何かさみしいものがありますね。

他方、会社や商店ならともかく、個人宅に、電話機能だけの固定電話が、今、どのくらい残っているのでしょうね。
ラジオ、電話器…、きっとテレビも…、昭和は遠くなりにけり…。

ラジオたちは、いつか言うかしれません…
「オレたちも、レコードプレーヤーみたいに、細々とではあっても、生き残ってやる!」。


◇夢と願いへのテイク・オフ「ジェット・ストリーム」

さて、昭和の機器のさみしいお話しの後は、別の「さみしさ」のお話しを…。

前述しましたご長寿ラジオ番組「ジェット・ストリーム」は、今でも、昭和時代のFM放送番組のエレガントな色あいを残している、数少ない番組のひとつになりました。
せめて昭和生まれが絶えるまで、放送を続けてほしい気もしています。
でも、時代の「ジェット・ストリーム(ジェット気流)」には逆らえないかもしれませんね。

* * *

1967年に始まった、この番組のテーマ曲が、楽曲「ミスター・ロンリー」です。
直訳すると、「さみしさ さん」、「孤独でさみしい紳士」あたりでしょうか。

この番組での使用曲は、歌詞のない、楽団演奏のもので、演奏者は、時折 替わっていきました。

原曲は、1964年(昭和39)にボビー・ヴィントンさんが歌った歌詞有りバージョンで、当時 大ヒットしました。
当初はシングル発売曲ではなく、ラジオで流したらリクエストが殺到し、大ヒットにつながった曲です。

僕は孤独な さみしい男…
電話も手紙も来ない…
僕は忘れ去られてしまった…
僕は家から遠く離された兵士…
早く家に帰れたらいいのに…

そんな内容の歌詞です。

実は、この楽曲は、反戦、さみしい孤独感、帰還したいという願いなどが込められた楽曲でした。
この言い知れぬ哀愁とさみしさが、このラジオ番組の世界観を形づくっていたのかもしれませんね。

昭和時代の「ジェット・ストリーム」では、イージーリスニング音楽楽団「フランク・プゥルセル・グランド・オーケストラ」の、歌詞のないインストバージョンが使われていました。

まずは、原曲のボビー・ヴィントンさんの歌唱で…。
♪ミスター・ロンリー

 

フランク・プゥルセル・グランド・オーケストラの演奏…
♪ミスター・ロンリー

 

* * *

個人的な印象ではありますが、昭和時代のこの番組は、音楽番組のようでいて、実は音楽番組ではなかったのかもしれません。

音楽をしっかり聴いているようで、実は聴いていない…
旅情いっぱいではあっても、何かさみしさがただよう…
昭和時代の海外旅行は、まさに、あこがれ、夢…

午前0時のその時間帯…、一日の心身の疲れの中で、小さな「あこがれ」「願い」と、言い知れぬ「孤独感」「さみしさ」が、交錯する…。
そんな大人たちを、なぐさめ、癒してくれる存在が、この番組だったのかもしれません。
夜の眠りの夢に向かって「テイク・オフ」… それがこの番組だったような気もします。
リスナーはみな、何かから、何かに向かって「テイク・オフ」することを願っていたのかもしれません…。

私は、この楽曲「ミスター・ロンリー」の中にある世界観こそが、この番組の放送スタートの重要なテーマだったのでないかと思っています。
今の「ジェット・ストリーム」は、今の時代にあわせた内容に変化したのかもしれませんね。

いずれにしても、今でも、平日の毎深夜の12時ちょうどに、JAL航空機が「テイク・オフ(離陸)」しています。
多くのリスナーの夢とあこがれをのせて…。

* * *

昭和時代の、城 達也(じょう たつや)さんの名ナレーションで…。
この台詞は文章として読んでは興ざめ…、やはり渋く甘い男性の声がよく似合う。

番組「ジェット・ストリーム」

 

* * *

1994年(平成6)12月30日の城達也さんの「ラストフライト」の音声です。
1967年(昭和42)の番組スタートからナレーションをされてきた 城さんは、1995年2月に人生のフライトを終えました。

番組「ジェット・ストリーム」城達也さん最終回 / 最後の約5分

 

昭和世代は、今夜も昭和に向かって、テイク・オフ!


◇がんばれ、昭和のラジカセ!

冒頭写真は、1977年(昭和52)に発売され、当時から長く大人気だったソニー製の名ラジカセ「ジルバップ」の初代機器です。
「ジルバップ」とは、音楽の「ジルバ」をもじった、ソニーの造語で、ジルバのように軽やかにという意味かな…?
そのわりには、テレビCMでは、ロックンロール音楽でした。
ジルバップCM

 

昭和時代のソニー商品のCMは、洋楽ヒット曲、昭和アイドルのオンパレードでしたね。
そういえば、女性バンドのプリプリ(プリンセス・プリンセス)は、ソニーのCMに出まくっていましたね。(下記動画後半部)
昭和のソニーは、今現代とは違う、まさに、このCM集のような商品群の会社イメージでしたが、いつの時代においても、若者世代の先を行くのは変わっていませんね。
ソニーCM集(1973~2005年 オーディオ編)

 

* * *

冒頭写真のラジカセ「ジルバップ」は、若干の修理はしましたが、わが家では44年間、現役!
FM放送も、AM放送も、バッチリ!
この頑丈さ… すごいな 昭和の機器!

あなたの家にも、想い出が残る、昭和のラジオやラジカセが、家のどこかに眠っていませんか…。
きっと、彼らは、ご主人様が戻ってくるのを待っていますよ。

さて、今夜は、クリームたっぷりの「マリちゃん」といっしょに、昭和のラジカセで、「NHKラジオ深夜便」でも聞くとしますか…。
なかなかの クロスオーバー…?


◇ラジオに愛を込めて…

最後は、ラジオに愛を込めて歌った洋楽を少しだけ…。

まずは、1979年(昭和54)の世界的大ヒット曲「ラジオスターの悲劇(Video Killed the Radio Star)」。
タイトルを直訳すれば、「テレビはラジオスターを葬り去った」でしょうか。

歌ったのは英国のバンド「ザ・バグルス」です。
メンバーは、トレヴァー・ホーンさん(元イエス)、ジェフリー・ダウンズさん(元イエス、元エイジア)、ブルース・ウーリィさんです。
みな、プロデュ―サーとして、さまざまなバンドの大ヒットアルバムを作った人たちですね。
そしてこの三人をサウンド面で支えたのが、今は映画音楽の巨匠のハンス・ジマーさんです。

* * *

この楽曲の歌詞の中で、それを語る人物は、1952年には、おそらくは青年期で、ラジオに夢中になったと歌っています。
そして、映画の時代がやってきて、ラジオたちのハートを打ち破ったと歌っています。

おそらくは、1950年代末期あたりから60年代にかけての、フランスのヌーベルバーグや、ヒッチコックのサスペンス、アメリカのハリウッド映画、ミュージカル映画、SF映画、アメリカン・ニューシネマなどの、次々に生まれる映画文化の新しい大波の中で、ラジオの影響力が低下していくことを歌っているように感じます。
そして、久しぶりに、ラジオスタジオに集まった人間たちは、昔のラジオジングルをけっして忘れてはいなかったと歌います。

やっぱりラジオは最高さ!かけがえのない存在さ!
でも、あの時代に、もう戻ることはできない。

… そんな内容の歌詞です。

1981年、米国で、音楽ビデオを専門に流すテレビ番組「MTV」の放送が開始されました。
80年代、世界は音楽ビデオの時代…「MTVの時代」となります。
この番組放送開始の、記念すべき第一曲目の音楽ビデオが、この楽曲「ラジオスターの悲劇」でした。
技術的に、映像のある「音楽ビデオ」を流すことのできない「ラジオ」の悲劇を歌った歌詞の曲でスタートしたのです。

とはいえ、映画やテレビ、ビデオなどの映像文化が、音声だけのラジオ文化を、完全に葬り去ったかというと、けっして そうではありませんね。
ラジオ放送から世に出る音楽、ラジオ放送からスターになる人物は、今でもしっかり存在します。
私は、いつか「ラジオスターの大どんでん返し」、「ラジオスターの大逆襲」なんてタイトルの楽曲が出てきてほしいと思っています。

ともあれ、いい曲ですね。
昭和の日本らしい、日本語タイトルです。
♪ラジオスターの悲劇

 

* * *

次は、70年代に「ディスコの女王」と呼ばれた歌手ドナ・サマーさんが、1979年に大ヒットさせた楽曲「オン・ザ・レディオ」。

この楽曲の歌詞は、解釈や和訳がいろいろあって、相当に面白い…。

大まかな歌詞内容は…、
別れた元彼が、ラジオ番組に手紙を書いて、それが読まれます。
書いた主の名前はふせられていましたが、元彼女はそれが誰たちのことか、すぐにわかります。
元彼はラジオを通じて、元彼女に、その愛を…後悔を伝えます。
それを聞いたその元彼女が、いろいろな思いをめぐらせるという歌詞内容です。

元彼女は、元彼が戻ってくるのを待っているのか…?
それとも、ラジオ電波にのせて告白かよと あきれたのか…?

ラジオに投稿したわね…
ラジオで告白したのね…
ラジオで本心がわかったわ…
ラジオが愛を送ってくれたのね…
まさかラジオで…
さて、どんなラジオ…

いずれにしても、オン・ザ・レディオ!
愛がラジオ電波にのるのかどうか… あなたの耳で確かめてみてください。

彼女の1999年のライブステージから…
♪オン・ザ・レディオ

 

日本のコンサート前日にアクシデントで喉を少しつぶした彼女が、翌日に短縮コンサートを行ない、その日本公演の客に全額返還したり、別のコンサートチケットに完全引換えした話しも残っていますね。
とにかく豪快で太っ腹、多くの人にパワーを贈り続けた、さすがの貫禄の「女王」でしたね。
2012年、煙草を吸わなかった彼女は、まだまだパワーいっぱいの60歳台で、肺がんで亡くなりました。

彼女のたくさんのヒット曲は、本当に多くの日本のラジオ番組で流れていましたね。

* * *

最後はやっぱり、昭和のラジオ世代が歓喜した、1984年(昭和59)のこの曲で…。
今のラジオを聴かない若い世代に、この歌詞のニュアンスが伝わってくれているのか、昭和世代は少し心配…。
女性歌手「レディ・ガガ」さんのお名前は、もちろんこの曲から…。

ラジオたちに、愛を込めて、パワーを込めて…。

♪ラジオさんたち… 最近どう? いけてる?
♪あなたたちには、かつてビッグな「いち時代」があり、絶大なパワーを誇っていたよね。
♪ラジオさんたち…、多くの人はみな、あなたたちを、今でも愛しているよ!

…そんな歌詞内容の楽曲です。

クィーンの楽曲…
♪レディオ・ガガ

 

ラジオの絶叫…ガガガガガ!
もう一度、聴いてみたい「昭和の音」ですね。

現代の今…、多くの音楽曲と、ラジオ番組は、本当に相思相愛なのか…、私にはよくわかりません ガガガガガガ…!

今の、「周波数デジタルプリセット時代」の若者たちは、ガガ音を聞いたことがないのかも… 昭和は遠くなりにけり。

* * *

次回コラムは、今回 書けませんでした、別のFMラジオ番組のことを、もうひとつ書きます。
フロイド・クレ―マーや、リチャード・クレイダーマンなどの、イージーリスニング系のピアニストのことも書く予定です。

コラム「音路(62)昭和の香り【6】音即のピアノの貴公子」につづく

2021.11.27 天乃みそ汁

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