昨日の職場でのことから
辞職者が現れたことで、急におかしな雰囲気になった。
というよりも、こみちを含めた別のスタッフもそれぞれの個人的な目的で働いているよな感じではある。
「変われない自分」
他人を非難したいのではなく、他人の嫌な部分を見て、それは自分自身の「変われない=嫌な部分」を連想してしまう。
なぜ介護施設は、ダメに思う部分を残そうとして、その周辺にばかり変化を強いるのか。
変化を余儀なくされたこみちは慌ただしく、そして踏ん張るしかないのに、それを続けても何かが得られるとは思えない。
新たな入所者に対し、ADLなどのアセスメントシートを作成するスタッフがいる。
介護歴の長いスタッフで、知識が豊富なスタッフとして評判だ。
しかし、こみちはそのスタッフの「裏の顔」を知っていて、以前も「誰にも言わないで欲しい」と懇願されたことがある。
だから、誠実とか仕事熱心という印象はなく、事実を知ったなら「解雇」さえ宣告されても不思議ではないこともできてしまう。
下手故に不十分というのは、プロの仕事として失格だ。
でも、ズルくて他人にばかり仕事を押し付ける性格は、人として見習いたくはない。
だからこそ、感情えお無視して、利用者本意に職場では精一杯頑張るようにしている。
そんな不器用な感性を理解し、「こみち、大丈夫か?」と気にしてくれるベテランスタッフもいる。
もっともそんなスタッフも過去に介護の仕事が行き詰まるほど、自身を追い込み苦しんだ人だ。
こみちが意図する介護にはまだまだ改善の余地があり、未熟な部分も多い。
ただ最近の利用者からの反応を見ると、こみちの介護スタイルで多くの利用者が心を開いてくれていると感じる。
というのも、先日、ある先輩スタッフが利用者を集めてレクリエーションをしていた。
こみちが未経験で職場に来た時、とても喋りの慣れた人だと思ったし、手慣れた雰囲気を確立させていた。
だから、利用者たちもそんな雰囲気に浸り、声掛けにも敏感に反応していると感じていたのだ。
しかし、ここ数ヶ月くらい前からこみちはその先輩が積極的にレクリエーションをしないことも気付いていた。
理由に関しては定かではないが、深掘りしない方が良さそうだと思っている。
昨日の様子を見て、こみちがサブを務めたことで、少しその理由を理解したようにも思った。
それは、こみちがエンパスという性格であり、他人の気持ちを察してしまうことが介護の現場では利点だということだ。
介護士にならなければ、こみちは自身をエンパスとは思わなかったし、ある意味で別の理解をしていた。
「なぜ、人は変われないのか?」
ここまで下準備すれば、察してくれるだろうと策略を練っても、全く人は反応してくれない。
でもそれはこみち自身は当たり前でも、他人にはまだまだ変化していないことと同じなのだ。
予兆を感じるのに、それをどうすることもできない。
その状況は、今後のこみち自身の未来や介護の職場環境に当てはまる。
昨日も触れたが、もう今の職場を改善させるつもりはなくて、できるならノルマをこなせば、騒がずに過ごしたい。
それよりも、自身の未来を考えて、踏み出すべき一歩を見間違えないようにしたい。
成功者の話を耳にして、その成功の理由を知り、「そうだろう」と思うことが多い。
一方で成功しても長続きしないのはゴリ押しだったから。
でも面白いのは、それさえも貫き通せば信念になり、成功を続けることができる。
ある利用者は、こちらからの指示をことごとく無視する。
「これから体操しましょう」と声掛けしても、「結構です!」を繰り返す。
それを見て、あの利用者は言うことを聞かないと評価してしまうのは間違いで、体操を進めた時に、その利用者は「体操なら自分でしている」とも言っていた。
そして、その利用者は介護施設に入る前まで、自身の立ち上げた会社の社長を務め、従業員たちを育てて来た。
そこには、一般常識よりも経営者としての覚悟の方が重視される。
それこそ、平社員の認識で思う「常識」を突きつけても動こうとはしないだろう。
思いつきで書いているので、話が前後してしまうが、レクリエーションが上手いと思っていた先輩スタッフの異変に気づいたのは、例えばそんな指示を受け付けないように見える利用者に対して、「体操も義務です!」と理由ではなく気迫で乗り越えてしまうことが増えた。
介護士も人間だから、疲れてくると段々と方法が単調になる。
そして、応じてくれないと強引に迫ることが増える。
でもそれを抑えていかないと施設の雰囲気は良くなっていかない。
何かで一変することは少なく、毎日少しずつ変化していくしか無い。
それはきっと介護ばかりではなく、自分自身の未来にも言える話だ。
できない自分。変われない自分に、苛立ちを感じる。
他人を見て、なぜもう一歩と思うのも、結局は自身の不甲斐なさに端を発している。
今日は介護ではない方の仕事。
気持ちを切り替えて、朝を迎えるようにしたい。