・漢方Chinese medicine かんぽう
17世紀頃に日本に紹介の西洋医学としている蘭方(オランダ医学)に対し、それと区別するために漢方(中医学)と名づけられたことを始まりとしている。
漢方の言葉自体、日本でのみ言われている、いい方で、 5~6世紀頃から伝えられた中国数千年の歴史より古代中国に発する経験医学が、長い歳月をかけ風土や気候、体質に合わせて発展を遂げたもので今や現代の西洋医学とともに注目が集っている。
広大な 中国大陸の各地方で発祥した医療方式が集成されたもので、インド、アラビアなど外来の医学の影響も受けている。漢方の医学の集積として、現存する最古の古典書は、紀元前には書かれている「黄帝内経(こうていだいけい)」「傷寒雑病論(しょうかんざつびょうろん)」「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」などがある。伝説の書「黄帝内経」に 陰陽五行を説明している。
その後の中国では、特に漢の時代に文化、学術が高度に発展し中医学もこの頃に、ひと通りの体系が整えられていった。中国から伝えられた医学を、日本では漢方(中医学)と呼ぶようになった。漢方薬とは生薬(しょうやく)と呼ばれる天然物由来の物質を二つ以上組み合わせた医薬品を指す。これら生薬を決められた割合で組み合わせることにより漢方薬としている。
『中薬大辞典』(上海科学技術出版社 小学館編 小学館 1990.6)には植物薬Herbal medicines4,773点、動物薬Aanimal drug 740点、鉱物薬Mineral-medicine(drug) 82点、古くから単独に薬として用いられてきた加工製造品172 点の計5,767点の中薬を収載している。日本の厚生労働省が認めているものはだいたい210種類くらいであるが、中国では13,260種類、772科目に及ぶ。漢方薬の主なものに葛根湯かっこんとう(風邪)、芍薬甘草湯しゃくやくかんぞうとう(筋肉のけいれん)、五苓散ごれいさん(二日酔い)、加味逍遥散かみしょうようさん(更年期障害改善)などがある。
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