夫婦仲が最悪であるにも関わらず、離婚するという選択肢を選べない場合、本心を隠した仮面夫婦生活を送ることになります。
周囲に気づかれないようにする為、都合の良い仮面を被る。子供に感づかれないようにする為、仲の良い夫婦を演じている・・・。
離婚せずに仮面を被る理由は様々です(金銭面、世間体、子供の将来を不安視)しかし、これらの悩みは夫婦間で抱えた問題である為、子供は何も悪くありません。
子育てにおいては、当然ながら夫婦仲が良いのがベスト。しかし不仲であった場合には、仮面夫婦を演じ続けるよりも、早々に離婚を決断した方が、子供に悪影響を及ぼさない場合があります。
「つまりは仮面夫婦を続けるよりも、離婚した方がまだマシであるということ」
それでは今回、仮面夫婦で育った子供達が、将来的にどのような悪影響が出るのかを紹介していきます。
仮面夫婦が子供に与える悪影響
本音を言えなくなる
子供は親の行動を常に見ています。
よく観察している為、直ぐには気付かなくても、親が不仲であることをいつかは見抜きます。
そして、両親が互いに本心を言わずにいることに対して、大きな嫌悪感を抱くと共に、自分自身は他者に対して、本音を言うことができない大人になる傾向が高まります。
敢えて本音を言わない選択を取っていた、親の生き方とは異なり、本音を言わない環境が当たり前であったことから、自分一人でストレスを抱え込んでしまうようになるのです。
これにより、大きなストレスに悩まされてしまう可能性が高まり、とても生きづらい人生を送ることになるのです。
離婚によるストレスは避けられない
誰もが生涯に渡り、仮面を被り続けることは到底不可能であり、仮面夫婦家庭の多くが、いつかは離婚することになります。
離婚せずに仮面夫婦を演じる理由は、自分にとって都合が良いからこそ。
長年、仮面を被り続けていても被る理由が無くなれば、簡単に離婚を決断するでしょう。
たとえ何十年と積み重ねて来た、結婚生活であっても、そこに気持ちが存在しなければ、簡単に終わりを迎えます。遅かれ早かれ、訪れる親の離婚に対して、子供が受ける影響は計り知れないものとなります。
しかし「離婚せずに結婚生活を送る」選択肢を取ったとしても、夫婦が円満でいられなければ無意味であり、我慢から既に仮面夫婦になっているケースもあります。
これにより、子供達は愛情を感じられなくなってしまうのです。
緊張感が心を壊す
既に夫婦関係が破綻しているにも関わらず、子供が大人になるまでの期間を限定し、離婚を決断せずに仮面夫婦でいることを選択する家庭もあります。
しかしながら、どんな名役者であっても365日、違う自分を演じ続けることは不可能。子供には夫婦不仲であることは、必ず伝わります。
いつ壊れてもおかしくない緊張状態に身を置いていることから、子供の精神状態は不安定となり、心は擦り減ってしまい、精神を限りなく蝕むことでしょう。
仮面夫婦を演じようとする場合、生涯に渡り上手く演じる覚悟があるかを自分に問いかけてみてください。後々、大切な自分の子供達が、大きな代償を支払うことになるかもしれません。
人間不信になる
仮面夫婦でいることを選択した家庭は少数派であることから、生まれ育った家庭環境がかなり特殊であり、離婚することを選択した家庭よりも、結果的に家庭環境が複雑化する傾向が高まります。
本来、夫婦関係とはわかりやすいものです。やや極端ではありますが、人を好きになったことで、愛情が生まれ結婚することを決断。その反面、嫌悪感を抱いたことで、愛情が無くなり、離婚を判断するというシンプルなもの。
しかし、夫婦間に一切の愛情が既に無いにも関わらず、仮面夫婦としての関係性を継続したことが引き金となり、子供が大人になるにつれて、心が歪んでしまい、人を信用することができなくなります。
通常であれば、全面的に信頼を寄せて良い親に対して、不信感を募らせることから、人付き合いにおいては、とてつもない弊害が生まれるのです。
結婚に興味が湧かなくなる
仮面夫婦環境下で育った子供達は、生まれ育った家庭環境が歪であったことから、理想の家庭像を強く抱くようになります。
しかしながら、強い憧れを持つ反面、自分が築くことができる自信と経験が無いことがネックとなり、早い段階で自分が結婚することに対しては、過度な期待を持たないようになって行きます。
ただ単に将来を悲観するのではなく「一般的な家庭を知らないという経験不足」から結婚することが、現実的に難しいと判断してしまうのです。
反抗期が終わらない
普通の家庭環境とは掛け離れていたことで、子供は苦労して育つ場合がほとんど。その為、親に対して感謝の気持ちを持ちづらく、必要以上に迷惑を掛けられたとさえ感じるようになります。
これにより、大人になってからも親の生き様を認めることが出来ずに、一人苦しみを背負い葛藤することになります。
親との確執が生まれる
たとえ親が子供のことを思い、仮面夫婦を演じていたとしても、子供視点では気持ちが伝わりにくいのが現実となります。
むしろ子供の目には、親が経済面や世間体を気にして、離婚することを躊躇い、ただ甘んじているだけのように映る場合があるのです。
その結果、親と子供の関係性は歪なものとなり、互いに歩み寄ることができなくなってしまうのです。大人になるにつれて溝は深まり、到底埋まりようの無い隔たりが生まれるのです。
人生で成功するチャンスを逃す
仮面夫婦でいることで、例外なく子供は劣悪な環境下に晒されることになります。
これにより、正しい愛情を親から受けることなく育つ為、普通の環境下で生まれ育った子供と比べると、とても自己肯定感が低く、将来について希望を抱きにくい傾向が強まります。
その為、本来であれば才能に満ち溢れていたとしても、自分自身を信じることができない為、才能に蓋をしてしまうようになります。
これにより、人生で成功を掴み取る機会を大きく逃してしまうようになるのです。
仕事が続かない
特殊な環境下で育ったことが原因となり、人付き合いにおいては、好き嫌いがハッキリ別れてしまうようになります。
社会に出てからは、とても顕著であり、上司や同僚との良好な人間関係を持続させることに対して難しさを感じる傾向が高まります。
さらに他人の目には「良い人過ぎる」ように映っていることもあります。
または寡黙でストレスを感じないように見えている場合もありますが、本人にとっては行き過ぎた我慢をしている場合もある為、自己主張できないことが弊害となり、結果的に仕事を抱え込んでしまうことになります。
仕事で求められる能力には支障が無くとも、無理をし過ぎる性格から同じ仕事を続けるのが困難になってしまうのです。
顔色を伺い過ぎて自分を見失う
幼少時代には、不仲である親の関係性を少しでも良くしようと行動する傾向が高い為、日常的に顔色を伺うようになります。
その為、洞察力が磨かれることから、人の心情や気持ちによく気付くことができる大人へと成長しますが、人の顔色を気にするあまり、自分自身を出さなくなり、「行き過ぎた我慢」をしてしまう傾向があります。
我慢し過ぎることで、自分が何を成し遂げたいのか、何が楽しいのかさえもわからなくなる程にストレスを感じてしまう為、結果的に自分を見失ってしまうのです。
生まれ育った家庭環境が原因となり、自己肯定感の低さから自分を傷つけてしまい、都合の良い人物として、誰かの犠牲になってしまうことがあるのです。
まとめ
現実として、離婚するという選択肢が子供に与える影響は計り知れません。
ただし、離婚せずに不仲の状態であるまま、夫婦生活を送り続けるという選択肢も同様に、とてつもない悪影響を及ぼしています。
自分のことではなく、真剣に子供のことを想い将来を考えた時に、どちらの選択肢を取るのが良いかを、今一度、考えてみるきっかけになれば幸いです。
以上
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