ぱな

第二次世界大戦時、大きな時代の変化が訪れました。

 

1904年の日露戦争では戦艦の主砲による遠距離砲爆撃が海戦の要とされ、この流れは1914年の第一次世界大戦以降も続きます。

ところが1941年、日本海軍の航空機が停泊中のアメリカ太平洋艦隊の戦艦8隻を撃沈・損傷させました。これが真珠湾攻撃です。

 

それまで戦闘において補助的な役割を果たしていた航空機は一気に海戦の主流となる。

しかし皮肉なことに・・・

 

時代の先を行く航空機(ゼロ戦など)で成果を上げた日本軍は、時代遅れの戦艦に固執してしまい、特に最大級の大和は、戦力として十分に使うことが出来なかったそうです。

 

結果としてほとんど活躍しなかったものの、大和は世界最強の戦艦でした。

爆撃を受けても左右のバランスを保つ注排水装置。

敵艦に届かなかった場合でも魚雷のように海中を進む九一式徹甲弾。

 

特に有名なのは46センチ3連主砲。射程距離は40キロ・・・・長っ!

この主砲は世界最大。数ではアメリカに勝てないことから、最強の主砲を搭載する必要があったわけです。

 

そこで私は思いました。

「アメリカが46センチ砲を搭載したら意味ないじゃん」

・・・ところが、アメリカは46センチ砲を搭載した戦艦を作りませんでした。

作っている最中に戦争が終わってしまった・・・・わけではなく、作れない事情があったのです。。。

 

 

中米パナマ。

1989年にパナマ侵攻という事件がありました。

これはノリエガ将軍が敷いていた軍事独裁化のもとで、パナマが麻薬取引の温床になっていると当時のブッシュ大統領が判断し軍事侵攻した事件。

 

大義名分は麻薬撲滅。

しかし、その本音は・・・

 

CIA長官時代のブッシュはノリエガ将軍にパナマにおける麻薬取引の便宜を図っていたとのこと。

この背景には社会主義撹乱という目的があったようで、ノリエガ将軍はブッシュの望みどおり中南米を撹乱し、その見返りとして麻薬取引の便宜を図ってもらっていたそうです。

ところが、ブッシュが出世して大統領になったため共に悪事(?)を働いたノリエガ将軍の口を封じるべく侵攻したとも言われています。

 

また、アメリカが租借していたパナマ運河の租借期限が迫ってきたため条約改定交渉を有利に進めるという意図もあったとされています。

借りたものを返し渋っているといったところでしょうか。

 

2002年の実績ですが、パナマ運河の年間通航船舶数は13185隻。

現在は重要性が薄れているといわれますが、当時は軍事的にも経済的にもパナマ運河は要所でした。

 

ところが、パナマ運河というのは実に不思議な運河なのです。

 

 

パナマ運河というのは実に不思議な運河なのです。

この運河によって大西洋と太平洋がつながるのですが、潮の関係(?)で両端の海面高さが24センチも違う。

 

大西洋と太平洋は結局つながっているのに、水位が違うなんて・・・。

 

そして、場所によっては運河自体の水面高さが違います。

おそらく運河を作るにあたって途中標高がある場所が存在したからだと思いますが・・・

 

海面が低い大西洋側と海面の高い太平洋側の間には水位を調整する設備が必要です。

このため、閘門と呼ばれる堰のようなものをいくつか作って船が通過することになります。

船の幅は33メートル以下でなくては通ることが出来ず、船舶の世界でこのサイズはパナマックスサイズと呼ばれています。

 

アメリカ海軍は大西洋と太平洋に軍艦を行き来させる必要がある。

しかし46センチ3連砲は、パナマックスサイズの戦艦が搭載するには大きすぎるのです。

パナマ運河を利用できない戦艦なんて、カゴちゃんのいないモームスみたいなものです(?)

 

アメリカが46センチ砲を搭載した戦艦を製造できなかった理由はこんなところにあったのです。

そして、日本海軍はこのことを読んで46センチ砲を作ったといわれています。