【衆議院選挙】開票後の徒労感とどう向き合うか

2021年衆議院選挙の開票から1日が過ぎた。

事前の期待を大きく裏切った自公の現状維持と、思いもしなかった維新の躍進に、どっと疲れる想いがしている。

他責感情を和らげるために、学習性無気力に陥らないために、文章を書く。

 

これまでの自分の投票行動

まず、自分の投票行動について。

最初に投票を行ったのは実家に住んでいた頃。あの時は20歳くらいだったように思う。まだ政治的信条などなかったけれど、大学で在籍していたLGBTサークルの影響を受けて、ゲイとして自民党に投票すべきではない、という淡い確信のようなものはあった。

 

それから10年の時が流れたけれど、自分はずっと野党に投票し続けている。

その間も、自民党系議員のゲイ差別的な発言があったりして、この政党に投票すべきではないという想いは強固になっていったと思う。

 

それと、今回の衆院選を迎えるにあたって、自分は某野党の党員になっていた。選挙期間中には、党員やサポーター向けに情報が連日公開されていた。

 

投票以前の気持ちの高まりについて

そんなこともあり、自分はかつてないほどに選挙前に多くの情報を浴びていた。

ネット上では政権交代を求める声が多く見られたし、ジェンダーギャップの解消や夫婦別姓の是非などの新しい論点が生まれていて、希望が湧く想いがした。

各メディアの事前予測では、野党の躍進を感じさせる報道などもあって気持ちが高まった。

 

今にして思えば、典型的なエコーチェンバーだったのかもしれないけど、ポジションを取る以上、ある程度は仕方ないと思っている。

 

開票後の大きすぎる徒労感

そしていざ開票。

結果は自民党が過半数をキープ。公明党は議席増。維新が3倍に増やした。その一方で、立憲・共産が議席減。

 

mainichi.jp

 

どっと疲れる想いがした。

事前の予測や期待と異なるゆえの疲労感はある。それにも増して、こうも変わらないのか、という徒労感は半端なかった。

(維新は議席を増やしたけれど、新自由主義的な風潮が強まるならば、世の中が良くなるとは思えない)

 

理解と納得

徒労感の後には疑問がやってきた。一体なぜ、という思考。

 

公正選挙なので、結果は結果。この現実を受け入れるしかない。この結果になったことを、きっと自分は理解できる。事後検証みたいな記事をたくさん読んで、理解していくんだと思う。

 

ただし、理解はできてもまだ納得は難しい。

なぜ自民党が過半数を取ったのか、なぜ維新が議席を増やしたのか。

 

失われた○○年なんて言う言葉を聞く機会も減ってきた。

株価は上がったというけれど、トリクルダウンが起きなかった以上、それを庶民が喜ぶのは不思議に思える。

雇用が改善されたというけれど、増えたのは非正規雇用で、コロナ禍で切られたのはそういう人たちだった。

 

ネット上では、「貧しくなっていく日本」みたいな話題が良くバズる。iPhone が高いのではなく日本人の給料が上がっていないのだ、みたいな。

つまり、多くの人が危機感を共有しているはず。

 

経済だけではなく、同性婚についても全く進展はなかった。進展どころか逆行の気配すらある。

自民党政治で僕らの生活は良くなったんだろうか。自分にはそうは思えない。

 

そのことが分かっているのに、なぜこんなにも自公維新に票が集まるのか、自分には納得できずにいる。

 

沸きそうになる他責感情

そうして1人で考えていると、他責感情が沸きそうになる。「なんでそんな投票行動なんだよ!」みたいな。

そういう感情は「自分の思い通りに他人が行動してほしい」の延長線上にあるのかもしれない、とも思った。

 

先にも書いた通り、現実を理解をする必要がある。他責感情から何も生まれない。

頭ではそう分かっているけれど、努力しないと他責感情は抑えられない。自分の人格はまだまだだと感じる。

 

次に取るべき行動

さて、次に取るべき行動を考える必要がある。でないと、学習性無気力というやつに陥って、本当に酷いことになる。

 

まずは自分の中に現実を織り込んでいくことだと思う。

きっと選挙の振り返りみたいな記事やコラムが出るだろうから、それにはしっかり目を通そうと思う。

なぜこんな結果になったのか、事後検証しないといけない。

 

さらに、知らないことも学んでいく。自分は国民民主や維新について、正直あまり詳しくない。それでも、今回の選挙結果を受けて、学ぶ必要があると感じた。

知らないと判断できない。もっとファクトベースに生きるべきだと思う。

右と左、富裕層と貧困層など、社会的な断絶が深刻になってきている。断絶への処方箋の1つがファクトベースの対話を行うこと。

 

それから、諦めないこと。

自分なんてまだ投票行動を始めて10年しか経っていない。もう何年も前から投票し、そして開票のたびに失望している人を、自分は何人も知っている。

人格の優れた人はとても目的志向的。それでも今回の選挙には良い点がいくつもあったと思う。香川1区の小川さんの当選とか。そういうことをきちんと知っている。次の選挙にどう活かすべきか考えている。

自分もまた、感情に流されずに常にベターな政治行動を取っていける人間でありたい。

 

 

選挙は終わってしまったけど、また日常が始まる。

諦めずに善い行動を積み重ねていきたい。ああ、少しは気持ちが落ち着いた。