旧資料備忘摘録 2020-8-9 Up

▼廣瀬豊『山鹿素行兵學全集第四巻 武教全書講義 上』S19-8
 明暦2年、素行が35歳のときに書かれた。

 足軽大将は足軽だけの指揮官。侍大将は、「兵士」=足軽より身分の高い武士 の指揮官。先に足軽が行き、それに兵士が続行する。

 旗奉行は、信号担当。烽火、鐘、太鼓も管理する。
 太鼓は野原に出して打て。陣屋内からだと聞こえないから。
 貝は3町きこえる。太鼓は5町。

 対さしもの というのは、指し物を他と間違われないように、おなじものを2本立てるのである。
 尾花、白熊(はくま)、黒熊(こくま)、赤熊(しゃくま)などがある。

 合図するときだけに焔を使うと、敵も何か察するから、ふだんから何の用もないときでも灯火信号を使うようにしておく。

 篝火による迅速通信を「飛脚かがり」という。
 首のかわりに鼻をそいだときは、具足の胸板に入れる。

 賞は、小身者を表彰するようにする。罰は、高位高官といえども必ず殺す。これは『六韜』の教えである。

 常時には喧嘩両成敗はしない。しかし軍営中では、喧嘩した者は、両方ともに死罪にする。堪忍した側は、褒めてやる。

 敵がこちらの城に夜襲をしかけてきたときにこっちで灯火を城壁上に用いるのは阿呆である。逆に、暗く、静かに、敵を待つべし。投げ松明は、よい。敵側を明るくし、こちら側は見えなくすること。

 物見して、帰り道には敵となり、味方そなえの良し悪しを見よ。

 違い土居とは、千鳥配列の土手障害。
 人の身長ほどの糸の一端に小石、一端に木片を結んだものを複数用意しておき、それを投げ込んでみて、堀の浅瀬を測る。

 深田は、稲の列が直線にならず乱れているので、分かる。
 長い槍だけ揃っている集団は、弱い。長短が混じっている集団は、強い。

 甲冑の組討。相手がどこを攻撃してこようが気にせず、うつむいて、踏み込んで、刀で刺せ。組打ちは、敵の具足の前の「ほつて」の先に手を掛けて、突き上げるように撥ねる。どんな大男でも、あおのけに転んでしまう。

 馬上から敵騎兵を鎗で突くときは、敵を左に見て、敵の草摺=腰より下を突け。外れたら馬に刺さるくらいの低いところを狙え。敵より先にじぶんの馬から降りるな。

 味方が密集しているときは鎗を横たえるな。あぶないし、気勢が足りないように見えてしまう。

 具足のうち、小手は最後に着装する。さもないと手の動きが不自由になるので。
 敵の首は簡単には切断できない。足で峰を踏む方法や、「すり切り」にする方法がある。

 下着。襟首を「ぼたん」で締める。絹は汗をかいたときに気持ち悪い。
 腰桶はまげもので、俗にめんつう という。
 水筒には、銅製のものもある。脇差の鞘のように腰にさしておける。

 わらじがけ(足袋のようなもの)は、縫い目を外にすること。
 馬の沓は、麻ではよくない。擦れるので。

 陣中では具足を着ているからひざまづくことはできない。だから、右の膝を立てて、左の膝を敷くのである。
 柵を「さく」と呼ぶときは「作る」という。柵を「しゃく」と呼ぶときは「ふる」という(p.449)。

 屋内に突入するときは、棒の先を十文字にした道具に羽織をかけて行くとよろしい。
 籠城犯人を捕縛するときは、紙を濡らして丸めた玉を、鉄砲で撃ちかけるのもアリ。

 浮き沓というのは、要するに浮き嚢で、じっさいには、二個の木製の筒。太い方を背中に、細い方を右乳にあてて縛着する。

 旗本には、9寸の小鉄砲を腰に指した歩卒を60人、置け――という人がいるが、素行に言わせると、そんな鉄砲は役に立たない(p.549)。

 鉄砲を放ち、そのあとに矢声をあげて弓を射ると、こちらに勢いがつく。
 長柄鎗は、敵を突くのではなく、叩き立てて行く(p.553)。

▼Mark fitzpatrick 『Asia’s Latent Nuclear Powers: Japan, South Korea and Taiwan』2016
 ※訳刊が草思社から出ている。

 核武装は日本なら4年でできる。
 日韓どちらが先にやっても、もう片方が続行する。日韓が核武装すれば、台湾も続く。

 韓国人の三分の二は核武装賛成。2013時点。
 1973から6年で核武装する気だった。
 パクは思った。米は台湾を捨てたように韓国も捨てると。
 CAUNDO炉を買った。再処理工場はフランスから。
 キッシンジャーは韓国を脅した。
 パクは1975に諦めた。
 しかし馬鹿カーター登場で、秘密プロジェクト再開。
 パク暗殺1979-10。
 レーガンは韓国にミサイル開発も禁じた。
 韓国はイスラエルのように許されると思っていた。
 KCIAは今はNSPという。
 ノテウの非核五原則。濃縮も再処理もしない。
 在韓米軍は冷戦中は核弾頭950発抱えていた。
 開発メッカのKAERIは、蒸気をレーザーで分離する方法により、2000年までにU235を10%から77%まで濃縮。ただしトータルで200ミリグラムだが。
 韓国の暴走は米国により認容された。
 2022までに電力の三分の二を原発から得るつもり。2016時点では29%である。
 カザフ、カナダ、豪州からウランを買っているが、濃縮はフランス頼みである。
 ヨルダンに5メガワットの研究炉を売っている。
 UAEに建設しようとしているのは、米国設計の商業炉である。

 ナイキを改造したSSMは径54センチしかなく、初歩原爆は載せられない。
 MTCRに入るのとひきかえに、300kmレンジのSSMが認められた。

 スイスですらフランスにプルトニウム精製を頼んで製品をストックしている。
 日本はアメリカが不拡散に舵を切る前にその技術に手を掛けていた。そこが韓国との違い。
 濃縮と再処理の大施設をもっている非核国は日本だけ。

 バイプロセシングとは、化学的にプルトニウムを分離する方法と違い、アメリシウムやネプチュニウムといっしょにプルトニウムが出てくるので、原爆に使えない……はずだった。
 しかしさらに工程を加えれば、爆弾になってしまう。

 米韓核条約。米の提供した燃料を濃縮したり再処理したりしてはならぬ。これは米国内法に基づく。韓国を例外として認めれば、世界に拡散してしまう。
 再処理を仏に頼むのはOKだが、製品は、ミックスされている。
 韓国は再処理をやりたくてたまらない。

 米は韓国ミサイルの射程延伸は許しているが、核燃料については厳しく対応している。

 北鮮はSSMは1000発しかない。ランチャーは100台しかない。
 北鮮がもし核ミサイルを100発も持ったなら、あきらかにMDは無意味で、こっちから先制攻撃しかけるしかない。これを韓国は「キル・チェーン」と称する。

 韓国国会議員たちが堂々と核武装を唱えている。
 もし南北が統一されれば米軍は立ち去る。これは確実である。
 韓国がNPTを抜ければ米国はもう兵器を売らないし、信用も供与しない。
 23基の韓国の原発用の燃料は、来なくなる。

 韓国はインドよりも貿易依存度が高い。だからインドの真似はできかねる。
 結論。日本が核武装しない限り韓国もできない。※だから日本を宥めることが大切。それがMD。

 ※この著者は儒教圏人の嫉妬がわかっていない。日本が核武装しようがしまいが、日本や周辺国の上に立つために連中は核を持とうとする。口実として日本を出しているだけだということが。

 IAEAは、プルトニウム8kgで爆弾1個になると見る。
 Pu-240が少ないのが爆弾用になり、多いのは発電用にしかならない。
 FBRからはスーパーグレードが取り出せる。

 もしアメリカが台湾を見棄てるなら、日本は核武装するだろう。
 台湾には米国は1958に戦術核を持ち込んだがニクソンが1974に撤去させた。
 台湾は南アと組んだ。
 1988-1に開発キーパーソンが米国亡命。
 李登輝が迫られて計画を捨てた。米国は台湾国内の重水もキッチリ回収した。

 1988-1の南アはるか沖の核爆発に、台湾が一枚噛んでいた。
 台湾電力の原発依存度は16.5%である。

 台湾が核武装すれば米国は法によって手を引く。The end.

 米国は韓国に核を再展開することはない。弾頭管理リスクがべらぼうなので。
 米軍が中共のA2/ADに負ければ、日本は核武装を決める。

 アメリカは日本の核武装の話を対支や対北鮮のカードに使うな。