徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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白鷺館アニメ棟

大阪フィルの定期演奏会に久しぶりに出向く

早めに出発したにもかかわらず、想定外の大渋滞で散々な目に

 しばらく外出自粛のような状態だったが、ワクチン接種も終了したし、ようやくコロナもとりあえず小康状態になったことから、3ヶ月ぶりぐらいに大阪フィルの定期演奏会を聴きに行くことにした。

 例によってホールまでは車だが、早めに出かけたにもかかわらず高速に乗った途端に大渋滞に出くわし進退窮まることに。なんていう車の多さだ。どうも世間は既に通常モードに戻っているんだろうか。ほとんど車が動かない状態が続いて時間だけが過ぎていく。結局は神戸を抜けるだけで1時間以上を要してしまい、西宮辺りでようやく車が流れ始めた時には6時をとっくに過ぎていた。もう一回渋滞に捕まったら終わりだなと思っていたら、中之島西IC渋滞との表示が。見切りをつけて手前の海老名ICで降りて大阪の町中を走るが、下に降りたら降りたでやっぱり車は無駄に多いし、信号も無駄に多い。結局は駐車場に飛びこんだのは7時前ぐらい。そこから慌ててホールに駆け込む。走ってきたので体温チェックで引っかからないか気になったが、私は平熱が異常に低い(35度台)ためか体温チェックは何とかクリア、結局は開場に飛びこんだのはMK3(マジで開演3分前)という始末。

 おかげで夕食を摂る暇もなく、空腹を抱えてコンサートを聴く羽目になってしまった。フェスティバルホールは結構入っているが、やはり会員席にパラパラと空席が目立つ。

 

 

大阪フィル第552回定期演奏会

指揮:秋山和慶

R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」
ストラヴィンスキー:3楽章の交響曲
ブラームス:交響曲 第4番

 いきなり金管を中心に大音響でバリバリと鳴らし始めるのでいささか戸惑う。いわゆる爆演と言うのとは少し違い、音量はでかいが煽っているわけでもないので、その中身は爆音である。音量変化をつけてメリハリが効いた演奏ではあるが、弱音部でも結構サクサクと音楽を進める印象で、その辺りは意外に淡泊である。もともと大阪フィルの音色はあまりネッチョリしたものはないので、基本はアッサリ風味。

 ストラヴィンスキーの交響曲は私には全く馴染みのない曲。所々で入る楽器の咆哮には「音楽の破壊」と言われた「春の祭典」辺りのイメージが被る。その一方で美しく奏でる部分もあって非常に変化の激しい音楽。この曲も強音部になったらこれでもかとばかりにバリバリやる。少々音が割れ気味になってもお構いなしである。

 最後はブラームスであるが、やはりこの曲についても爆音でサクサクと進めるという印象。この曲は冒頭からさざめくような弦で始まるのだが、強弱はつけても必要以上に歌わせることはしないというやや色気に欠けた演奏である。私としてはもう少しネッチョリしっとりした情緒があっても良いような気もしたのであるが、基本的にはバリバリサクサクである。

 このややアッサリ目で派手目の演奏は、ある意味で秋山流ではある。とにかく彼は良い意味でも悪い意味でも老成しない人物である。もう少し年輪を経た渋みのようなものが出てきても良いような気もするのであるが、どうやらそういう境地とは無縁のようだ。


 一番の印象は「金管の音が空っぽの腹にやたらに響く」というものだった(笑)。コンサートを終えると空腹を抱えて帰宅。途中でラーメンでも食べたかったのだが、このご時世のせいでラーメン屋まで8時や9時で閉店していて街は真っ暗。結局は帰宅まで何も食べることが出来なかったのである。