このシーズンに気になるむくみ
寒くなってきたら気になるのが身体のむくみ。特に足のむくみで困っている人が多い。またこのむくみは単に美容上の問題だけでなく、場合によると命に関わる病が潜んでいることもあるという。そこで今回は危険なむくみの見分け方とむくみ対策について。
まずむくみとは何であるかだが、静脈に水分や老廃物などが戻らずに、毛細血管から染み出して溜まってしまうことによる現象である。するとこの水が脂肪に蓄積され、脂肪が膨らむことでむくみ状態になるのだという。また寒い時期には血管が縮まることで血行が悪くなるので、静脈が水分を回収しにくくなるのだとのこと。
むくみのチェック法
番組ではむくみ外来を訪問して実際にむくむに悩む方々を診察。最初は一日中脚のむくみが気になるという30代の男性。脚がダルくて張っていると訴えている。ここで登場するのがむくみの判断基準。まずすねを指で5秒押してみて、凹みが10~15秒で戻れば正常なむくみ、しかしこれが戻らなかったら次は超音波エコー検査が必要になるという。ここで異常ななければ内臓疾患や生活習慣病の可能性、異常があれば下肢静脈瘤などであるという。
この男性の場合、凹みは全く戻る様子がなくこれは病院にかかる必要があるケース。次にエコー検査をして血管の音を聴く。ここで異音が起これば血管に異常があるのだが、彼の場合は血管は正常。内臓疾患は見たところありそうにない(若い上に特に太っていたりなどはない)ことから、生活習慣に問題があるのではとの推測。そこで彼の仕事を聞いたところキッチンカーの仕事で一日中立ちっぱなしで動いていないという。このような運動不足で動かない状態は、ふくらはぎの筋肉が動かないのでポンプが働かず、脚にとっては心臓が止まっているのと同じだという。そこで対策だが、かかと上げ運動を推奨。壁などに手をついて、ふくらはぎの筋肉を意識しながらかかとを上下させるのだという。これを1時間ごとに3分ほど行えば血流が促進してむくみが解消されるという。座り仕事の人は椅子に座ったままでも良い。
異常の無いむくみと危険なむくみ
次は顔のむくみと脚の血管が気になるという50代の女性。朝起きると顔がパンパンになっているという。しかし医師によるとこれは誰でも起こることだという。ただし痩せている人の場合、顔の脂肪量が少ないことから水分が脂肪の隙間に入って一気に膨らんでしまうんだという。朝だけ顔がむくむのは正常の範囲内のとこと。これが1日中むくんでいるとなると病院を受診とのこと。
脚の血管だが、血管が見えすぎているのが気になるとのこと。脚の血管の異常と言えば脚の静脈の逆流防止弁が壊れる下肢静脈瘤がある。これを発症すると血管がコブのように浮き出る。彼女の場合はむくみチェックは異常なし。ということで、医師の診断は脂肪が少ないことで脚の血管が直視出来る状態になってるだけだとのこと。下肢静脈瘤の場合、血管の上を押さえると上から降りてくる血液が止まるので、血管が見えなくなるという。彼女はチェックの結果も正常。つまりは彼女はすべて問題はなく、要は痩せ気味の体型が原因となっていたということ。なお下肢静脈瘤については保険適用で治療が可能であるという。
脚のむくみに他の症状が組み合わさった時には病気が隠れている可能性があるという。脚のむくみに動悸が加わると心臓病。脚のむくみに黄疸症状が加わると肝臓病の恐れがある。さらに足や顔など全体のむくみに尿が泡だつ症状が加わると腎臓病である。腎臓の機能が低下することで尿としての水分の排出が上手く行かず、身体全体がむくむのだという。
慢性的なむくみと解消方法
最後は高校生の頃から脚のむくみに悩んでいるという20代の女性。チェックをしてみたところ凹みはすぐに戻って問題なしという結果に。そこで医師のチェックが。足の甲があまりむくんでおらず、甲から上がゴム毬のような脂肪に置き換わっているとの観察。これは脂肪に起こるむくみで、脂肪性浮腫という状態だという。慢性的なむくみのせいで脂肪と水分が合体してしまって血液では水分が回収出来ない状態だという。女性に多い疾患で、この場合には凹みがすぐに戻ってしまう場合があるという。脂肪性浮腫は悪化すると脚がパンパンになって歩けなくなる可能性もあるが、彼女は最初期段階。今のうちに治療すべきだという。そして彼女が脂肪性浮腫を患った原因だが、運動は十分、しかし食生活が外食ばかりで塩分が多く、それがむくみの原因になっているという。なおお酒で顔がむくむというのも、アルコールよりも塩分の多いおつまみが原因とのこと。そこで彼女の場合は食生活改善が必要。
食生活の改善だが、まずはカリウムの摂取。水分を溜めるナトリウムを排出させるからで、カリウムを多く含む小松菜などの野菜、バナナやミカンなどの果物を摂るのがお勧めとのこと。さらにポリフェノールは血管を拡張する作用があるので、むくみ改善効果も期待出来るという。
番組最後は家庭で簡単に出来るむくみ改善法。一つ目はお風呂の中でつま先をバタ足のように動かすストレッチ。さらには深呼吸も血流改善につながるので1日3回ほどで効果があるという。三つ目がゴキブリ体操と呼ぶ床に仰向けに寝そべって、両手足を上に上げて3分バタバタさせるというもの。まさに殺虫剤をかけられたゴキブリ状態である。両手足の水分を心臓に帰そうということになる。なお顔のむくみに対しては耳を動かすというのが効果があるとか。
以上、むくみ対策について。私の場合も夜になると足にむくみが出ることはありますが、まあ10秒程度で凹みは戻ります。ただ最近になって脚の血管が一部ボコボコと浮き出してきているので、下肢静脈瘤はいくらかありそう。そもそも血流を悪化させるような病気には思いっきり心当たりがあるので要注意である。
忙しい方のための今回の要点
・寒い時期には血管が収縮することで血流悪化によるむくみが出やすい。
・むくみのセルフチェックとしては、すねを5秒押さえてみて、凹みが10~15秒で戻れば正常。これで戻らないとエコー検査をして、異常があれば下肢静脈瘤など、異常が無ければ内臓疾患や生活習慣の問題の場合があるという。
・脚のむくみに動悸が加われば心臓病、黄疸が加われば肝臓病の可能性がある。また全身のむくみに尿の泡立ちは腎臓病が考えられるので注意。
・立ち仕事や座り仕事は脚がむくみやすい。対策としてはかかと上げ運動を1時間に3分ほどすれば血流が改善してむくみ対策になる。
・また朝の顔のむくみを気にする人もいるが、やせ形の人の場合は脂肪細胞が少ないせいで水分で膨れが大きくなることがあるという。むくみが朝だけなら問題ないとのこと。
・脚の慢性的なむくみが続くと、脂肪と水分が結合して抜けにくくなった脂肪性浮腫の状態になることがある。これは運動不足や食生活に問題がある場合が多く、特に塩分の摂りすぎは要注意。カリウムを含む食品を摂取することが良い。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・脚のむくみは主に女性の美容の観点から語られることが多いですが、そこに危険な病が潜んでいる可能性もとなれば要注意です。
・まあ防止のためにはやはり運動と食生活ですか。私は塩分は特に多くはないが、その分糖分は多いし、運動は圧倒的に不足だからな・・・。
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