現役投資家FPが語る

20年以上の投資経験がある現役投資家FPが「人生100年時代」の資産運用や公的年金など「お金」の知恵について語ります

個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)加入前に確認すべき3つのデメリット


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老後2000万円問題」を契機に資産運用の大切さが認識され、資産運用の方法を色々と探している方も多いと思います。

 

その中で、個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)をすすめられることが少なくないでしょう。 


個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)は非常にメリットが大きい制度で、是非、活用して頂きたいのですが、押さえておくべきデメリットもあります。

 

コインの表と裏のように、メリットがあればデメリットがあるのが世の常。

 

今回は、イデコを始める前に知っておいて頂きたい3つのデメリットについて解説します。

 

メリットだけでなく、デメリットも押さえておかないと、後悔することになる可能性も。

 

今回は、個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)を始める前に確認すべき下記3つのデメリットと、デメリットの対処法についても解説します。

  • 途中解約不可!|掛け金は60歳まで引き出せない
  • 元本保証ではない!|元本割れの可能性あり
  • 手数料が毎月かかる

デメリット①:掛け金は60歳まで引き出せない|途中解約は不可

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個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)の最も大きなデメリットが、拠出した掛け金は60歳まで引き出せないという点です。

 

原則、途中解約による掛け金の引き出しはできませ

 

例えば、教育費がかさみどうしてもお金が必要となった時に、銀行預金や学資保険などであれば、引き出しが可能。

 

しかし、イデコは原則、途中解約ができず、60歳まで掛け金を引き出すことができません。

 

掛け金の途中引き出しができないことを知らずにイデコを始めてしまうと、どうしてもお金が必要となった際に教育ローンなどを借りることになってしまう可能性があります。

 

人生は何があるか分かりませんので、長期間自由に使えない資金を増やすのはリスクがあります。
 

よって、イデコは拠出した掛け金が60歳まで引き出せないということをしっかりと認識した上で毎月の拠出額を決めるべき。

 

拠出額は、月5,000円から1,000円単位で決められるので、余裕のある範囲で掛け金を決めることが重要です。

 

なお、私がイデコを始める際にも60歳まで掛け金を引き出せないという点は不安でした。

 

イデコの掛金拠出が不安な場合は下記記事のような対処法もありますので、参考にして頂ければと思います。

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途中解約は不可でも毎月の掛け金額は変更(減額)や停止が可能

掛け金拠出後も年に1回は拠出額を変更できます

 

よって、収入が減ったり支出が増えたりして、毎月の掛け金支払いが苦しくなった場合には拠出額を下げるといいでしょう。

 

なお、どうしても毎月の掛け金支払いが苦しい場合には、掛金拠出を止めて運用のみにすることも可能です。 

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強制的に「老後資金」準備が可能になるメリットもある

60歳まで拠出した掛け金が引き出せない点はデメリットである一方で、老後資金としてしっかりとお金が貯められるというメリットにもなります。

 

ついつい貯めているお金を使ってしまう方は、強制的に「老後資金準備」ができるイデコの仕組みを活用するといいかもしれません。 

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デメリット②:元本保証ではない|元本割れの可能性あり

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個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)は、老後の公的年金の上乗せとしての制度ですが、元本保証ではない点に注意が必要です。

 

「元本確保型商品」の保険や定期預金も選べますが、イデコは毎月、口座管理手数料が差し引かれますので、現在のような低金利の状況では保険や定期預金で付く金利よりも口座管理手数料の方が大きくなり、資産を減らしてしまうことになります。

 

一方、運用商品に「投資信託」を選ぶと、運用状況によっては大きく元本割れする可能性もあるでしょう。

 

その点をしっかりと理解して始める必要があります。

 

掛け金を拠出する際に掛け金全額が所得控除の対象となる税制上の優遇措置はありますが、それでは補えないくらいのマイナスを発生させてしまう可能性もゼロではありません。

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フリーランスはiDeCo(イデコ)と国民年金基金のどちらを活用すべき?

フリーランスなどの自営業者(第1号被保険者)の方は、個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)国民年金基金のどちらを活用するかを吟味した方がいいでしょう。

 

個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)と国民年金基金は拠出枠が同枠で、両制度合わせて月6.8万円までしか拠出できません。 

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国民年金基金は、掛け金を拠出した時点で受け取る年金額が決まっている確定給付の制度です。

 

イデコのように運用次第で受け取る給付額が変動する確定拠出の制度ではありません。

 

であれば、イデコよりも国民年金基金にすべてきではないかと思うかもしれませんが、国民年金基金には物価スライドの制度がありません

 

物価が上がるインフレが発生した場合、受け取る年金額が実質的に目減りしてしまう可能性があります。 

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元本保証は額面の保証であって価値の保証ではない

日本人は特に元本保証が好きですが、元本保証は額面の保証であって、価値の保証ではありません

 

額面が保証されてもお金の価値は変動します。

 

今後の日本は人口減や少子高齢化などにより国力が下がることが予想され、緩やかな円安からインフレが進む可能性があります。

 

日本で現在のようなインフレが続けば、通貨(日本円)の価値は相対的に下がり、元本保証は意味をなしません。  

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これからは資産の大部分が現金(日本円)だけということが、大きなリスクになる可能性があります。

 

「元本保証=安全」という幻想を捨て、まずはiDeCo(イデコ)だけでも投資信託で運用してみてはいかがでしょうか。

 

  

デメリット③:手数料が毎月かかる

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個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)は、拠出時、運用時、給付時に手数料がかかります。

 

よって、運用商品に元本保証の定期預金や保険を選んだ場合、運用益よりも手数料の方が多くなってしまうことがあります。

 

特に現在のような低金利時代には、定期預金や保険では手数料以上の運用益を稼ぐことはできません。

 

iDeCo(イデコ)で必要となる主な手数料は下記の通りです。

加入時手数料
口座管理手数料
移換時手数料
給付事務手数料

 

手数料を最小限に抑える方法

イデコを始める際には、口座を開設する銀行や証券会社などの金融機関を選ぶ必要があるのですが、どこの金融機関でイデコを始めるかによって上記の手数料額が異なります。

 

加入時手数料は、ほとんどの金融機関で2,829円となっていますが、毎月差し引かれる口座管理手数料は金融機関によってバラバラ

 

口座管理手数料が高い金融機関のサービスの方が手厚いということはありませんので、イデコを始める前にしっかりと金融機関ごとの手数料について比較しておくべき。 

 

イデコ加入前に金融機関ごとの手数料を比較しておけば、手数料がかかるというデメリットを最小限に抑えることができます。

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口座管理手数料は掛け金を毎月支払っている場合だけでなく、拠出を止めて運用のみを行う場合にも必要となります。

 

手数料は掛け金から差し引かれるので、拠出時には痛みを感じません。

 

しかし、拠出額から差し引かれているので運用される金額が減る分、運用効率が下がります。

 

例えば、掛け金拠出時の口座管理手数料は、一番手数料が安い金融機関で月171円、一番手数料が高い金融機関では月589円で、その差は418円

 

毎月では小さい差も長期間となれば、大きな差となります。

 

仮に、30歳の方が60歳までの30年間、掛け金を拠出するとなると、毎月418円の差も30年間では150,480円もの差となってしまします。  

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まとめ

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個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)のデメリットをまとめましたが、イデコにはデメリットを上回る下記のメリットがあります。

  • 掛け金が全額所得控除となる
  • 運用益は全額非課税
  • 給付金の受け取り時にも税制上の優遇処置がある

 

そもそもデメリットのない制度などありません。メリットがあれば、何かしらのデメリットがあるものです。

 

大切なことは、イデコを始める前にどのようなデメリットがあるのかを認識し、デメリットの部分を最小限に抑えて始めることでしょう。

 

iDeCo(イデコ)を始めてみようと思っている方は、下記の記事も参考にしてください。 

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