リュウ庵

９月２８日（水）８時５０分に起きて、雨戸を開けると薄曇り。雨の心配はなさそ

うで、少し蒸し暑い。今年の秋は残暑が長引くらしいが、いつまで続くのだろう。

夕食後、何気なくテレビのWOWOWを見たら、小林 研一郎指揮でベートーヴェン

の第9交響曲「合唱付き」を演奏していた。年末のコンサートでおなじみの「第9」

だ。「コバケンさんも年取ったなあ」と懐かしく観て（聴いて）いたら、最終第4

楽章の有名な「合唱」になって目がテンになった。男女の合唱団は全員マスクをし

ているはないか！4人のソリストは、さすがに素で歌っていたが。

学校の音楽会やママさんコーラスだったらマスク姿でもどうってことないが、「プ

ロの一流コンサートだよ、こんなんでええんかいな」と、ツッコミながら聴き入っ

た。マスク越しの声は生の声よりくぐもって聞こえ、合唱の響きも損なわれるだろ

うに。第一合唱する人は、息苦しくて十分に声を出せないのではないか。素人考え

かもしれないが、おおいに心配をした。まあ、人気抜群の実力指揮者のコバケンさ

んのことだから、ド素人の懸念には及ばないよ、ということだろうけど。

それにしてもコロナ禍とはいえ、有名な第9合唱にもマスク着用とは、なんとも恐

ろしい世の中になったもんだ。これでは「合唱付き」ならぬ第9交響曲「マスク付

き」だね。

２９日（木）７時半ごろ目が覚めたが、カナがやってきてうだうだしていたらまた

寝入って、起きたのは９時。寒くもなく暑くもない、ちょうど朝寝に気持ちの良い

気候、外は薄曇りで風はさわやか。

購読している新聞の夕刊１面に「ドラマロケ地　尼崎は熱い」と大きく出ている。

尼崎の商店街、銭湯の人情味と昭和レトロ感が漂う街が見直され、テレビドラマ

のロケ地として脚光を浴び、２０２０年はゼロだったのに、２０２１年には６本

に急増したという。日記（５月１５日「わが街にロケ隊が来た」）にも書いたよ

うに、ご近所がNHKドラマに登場したことがあった。

昔は南部の工業地帯から吐き出される煤煙で「黒い雨」が降り、洗濯物が汚され

たり、汚染空気でぜんそく患者が続出した公害の街、ひったくりや暴力団の抗争

も多く、何かと評判の悪かった尼崎が、今ではロケ地に望まれ、阪神間で一番住

みよい街の一つと言われるようになった。

人情暖かい町の雰囲気が買われてNHKや民放から「撮りたい」とご指名が相次

ぎ、ドラマのほかドキュメンタリー、バラエティー番組を含めるとこの１年で

２０件に急増した、という。

尼崎市民は自分の街を「アマ」と親しみを込めて呼ぶ。アマの特産品の一つに庶

民的な「湯たんぽ」があり、ふるさと納税の返礼品にも指定されている。私も当

地に移り住んで６０年、「アマは熱い」を日々実感している。

　　　＜我が街「アマ」の風景（蔵出し写真から）＞

  　　「昭和」レトロの香りする商店街のシャッター

　　開幕前に早くもタイガース優勝へのマジック看板が出る商店街

　　道路にはみ出すように陳列した商店街

　　「今年のタイガースはどーでっしゃろ」

　　タイガース応援看板の店を見ていたら、話しかけてきたおばちゃん。カメラ向けたら

　　快く収まってくれた