2021/11/03

Bobby "Blue" Bland / Sweet Vibrations ('80)

A1Sweet VibratorB1Hollywood Woman
A2You'd Be a MillionaireB2A Real Woman Is What It Takes
A3Soul With a FlavorB3Suspicious
A4Special Kind of FoolB4Merry Christmas Baby
A5Somewhere Over the Rainbow
 ブルースというジャンルは、私には縁遠い世界でした。ライトニン・ホプキンスとか、ジョン・リー・フッカーとか、名前くらいなら聞いたことあるよ、せいぜいそんな程度。
 ロックやジャズ、ソウル、あるいは歌謡曲などの各ジャンルに、骨格として、あるいは味付けとして内在するブルースを、とくだん意識することなく聴いてきただけなのです。

 いつか、まじりっけなしの、真のブルースってのに相対したいな、と思っていました。
 まさかそのチャンスが、エロジャケによって巡ってくることになろうとは。

 というわけで、手にしたのがボビー・ブルー・ブランドです。ブルースど真ん中の大歌手ときた。

 本作、聴いてみると意外とモダンで、多様でした。
 やはり時代がそうさせたのでしょう。B1など、ダンスフロアでかかることを狙っているんじゃないかって気がしなくもない。
 一本気なブルースマンが売れ線にすり寄った、となれば純粋主義のブルース・ファンからスカンを食うことになるかもしれません。しかし半チクなブルース入門者の私にとっちゃ、これくらいがちょうどいい。

 有名スタンダードのA5、長々と続くトロンボーン・ソロを聴いてみて下さい。どうですか、この夢見心地っぷり。
 過酷な農作業や肉体労働で、ヘトヘトになった黒人たち。きっと彼らは虹の彼方に、しんどい日々からの解放を夢見ていたのでしょう。陳腐な映画主題歌から、ブルースの真実がチラリと見えたぞ。
★★★

Produced by Monk Higgins & Al Bell
Engineer: Jimmy Hite
Art Direction / Design: Kathe Schreyer
Photography: Paul Gordon
Stylist: Antonia Vincent

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