2022年3月28日月曜日

〜世界チャンピオンJack Carthyにあってきた話前編〜2022年3月23日ー25日

〜世界チャンピオンJack Carthyにあってきた話前編〜2022年3月23日ー25日

こんにちはぽんたです。

先日、夫がホリデーをとったので、夫がやっているスポーツ、自転車トライアルの伝説的な世界チャンピオン、Jack Carthyと一緒に2日間だけトレーニングさせてもらいに行ってきました。そのときの記録を少し長いので2回に分けて載せたいと思います。後編はこちら


Jack Carthyの練習風景



それでは前編です。どうぞ!


もし、自分の息子が小学校へ行っては友達とケンカし、しばらく学校へは来ないでください、としばしば言われるような子だったら、私は一体どうするだろう。


学校へ行っても勉強する気など全くなく、ろくに本も読めない子だったら、親として私はどうするだろうか。 


 しかりつけるのだろうか、怒鳴りつけるのだろうか、無理やり矯正させようとするのだろうか、精神科へ連れて行くのだろうか、カウンセリングに連れて行くのだろうか、ホメオパスに相談するのだろうか、、、。


何れの行動選択も子供の今ある状態を異常ととらえ、改善しようと試みているのに相違はない。

実際に、予防接種、薬害、添加物、の影響で医学的になんとか障害とか言われる症状が出ている場合があり、重金属デトックスなどでそれが改善した、という症例報告もあるらしい。

しかし、単にその子が持って生まれた素質かもしれない。その子の才能かもしれない。最終的にその子がそのような状態になるように宇宙が仕向けたのかもしれない。



今ある子供の特性を丸ごと受け入れてその子にあった道をとことん探し、そして見つけ出せる親は一体どれくらいいるのだろうか、そして実際に私が親だったらそうできるのだろうか。。。




なぜ、そんなことを考えたのかというと、先日、夫にくっついて自転車トライアルの世界チャンピオンJack Carthyに会ってきたからだ。


彼はまだ、25歳にして現在9回世界一(ジュニア時代も含めて)になっており、そしてまだまだ彼は高みを目指してモチベーション高く毎日トレーニングに励んでいる。


彼は15歳のときのジュニア戦で、自転車のハンドル部分のバーが独特なポジションでチャンピオンの座をかっさらっていったのを鮮明に覚えている人も多いだろう。


そのときまだ彼は競技を始めて2年か3年かの頃だったから、この時すでにいろいろ考えながら練習していたことが見て取れる。


そして当時、多くのライダーが彼のようにバーのポジションを真似したようだが、キッカー(より高くジャンプできるようにしたもの)の部分でJackはそのバーのポジションで飛べるが、他のライダーはできないといった状況が多発したというのも夫から聞いて、面白いエピソードだと思った。


 我々は、2日間、Jackとトレーニングする機会を得た。もちろん無料ではない。


しかし、チャンピオンの車に乗って、映像でしか見たことのないあの岩たちのところまで行けて、チャンピオンのライドを間近で見れて、チャンピオンに稽古もつけてもらえて、チャンピオンと会話できて、


チャンピオンに紅茶を淹れてもらったり、チャンピオンのご家族と夕食を共にしたり、挙げ句の果てにチャンピオンに駅まで送ってもらってしまったのだから、全く損はしていない、むしろ、少し申し訳なく感じるくらいだった。


他のライダーは1週間とか、1ヶ月とかの共同トレーニングをお願いしているようだ。しかし、我々はホリデーでしかも夫はコンペティションを目指しているライダーではないため、2日くらいが私も夫も楽しめるちょうど良い時間であったと感じている。


そして彼らの生活圏Howarthという村が、小説で有名で観光客もよく来るところなのだが、とっても素敵なところで本当に小説の中に入った気分になる場所なのだからまた行こうと思っている。



Howarthにて。


さて、話を元に戻すと、前述した、学校でケンカして来ないでくださいと言われるような子供、本が読めない、読もうとしない子供、の様子は、Jack自身の幼少期だ。


この話は彼自身から、そして、彼のお父さんから直接聞けた。Jackのお父さんは、彼ができるようになるように、と一緒に音読をし始めるのだが、ちゃんと読めるようになったと思ってふと見たら、Jackはただ暗唱していたらしい。


お父さんが読んでいるのを何回も聞いているうちに覚えてしまったようだ。
彼の両親は、息子が学校以外の何か打ち込めるもの、違う道を探そうと考えた。


そして、お父さんは息子とみっちりいて彼の面倒を見たい、と言い、お母さんは、それなら、私は外で働く、と決めたそうだ。


今まで働いてこなかった女性が外ではたらくことを決定するのは、個人的にはかなり心を打たれたが、もしかしたら彼女はもともとそっちの方があっていたのかもしれない。


そして、しばらくご両親はJackに合うものをあれこれと探したらしい。そしてある日、市場かどこかで見つけた自転車を見てJackが自転車が欲しい、と言った。


買ってみると、Jackはすぐに乗れてしまい、乗れるどころか飛んだり跳ねたりしたので、あ、この子は自転車が得意なんだな、となり、自転車トライアルというスポーツに行き着いていったらしい。


この話は、shindig podcastや他の媒体のインタビューにもあるかもしれないから、ご存知の方も多いだろうが、私も私の耳でJackから、そして彼のお父さんから聞けた話なので、ここに記録しておく。




こうやってみると、親の影響でそのスポーツを始めた子とは違い、全く自転車トライアルとは無縁であったところから、自分の特性にあったものに巡り会わせられ、なおかつそれに気付く大人が存在し、そしてそれができるようにバックアップしてくれる大人がいる環境であったということが見て取れる。


恵まれた環境にあった、という人がいるかもしれないが、私は、彼は自転車トライアルのチャンピオンになるために、なれる環境のところを選んで生まれてきたのだろうと思う。


だから、彼はチャンピオンになることを早々に決意するし、周りはそれを支える動きをするのである。もうこれは宇宙レベルで設定されていたことなのだろう。





私は、トレーニング場所へ向かう車の中や、トレーニングの合間に息をついている間に彼にいろいろ質問をした。


かねてより、彼のライドを映像資料で見ていて、この人は一番効率の良い身体の動きを見出したに違いない!と思っていたが、案の定、いや予想をはるかに超えた身体の使い方のスペシャリストだった。


自分の身体どころか、自転車の特性、特徴、タイヤの特徴、石の状態、木の状態、地面の状態、靴の状態についてかなりの観察、分析をしており、工夫次第で改善できるところは改善し、自分の力ではどうにもできなことには、どれだけ適応できるかを焦点としていたところには本当に驚いた。


 そして、意思が強い。自転車トライアルを始めた時、彼にとってのヒーローはその当時のチャンピオン、ジルだった。


そして彼は決めた、自分はジル以上のライダーになるんだ、と。多くの人は、何かに憧れた時、その人に近づきたい、とは思うかもしれないが、その人を越えようとはあまり思わないだろう。


自分には無理だ、と考えたりするのがほとんどだ。しかし、Jackはジルに打ち勝つ、と早々に決めてしまったのだ。意思決定を下したものに対して、宇宙は全力で手助けをする。


Jackもその決定のもとに、毎日練習する。しかも、ただやみくもに練習するだけではない、どうしたらもっと、を常に考え、分析し、研究し、試行錯誤しながらトレーニングする。最強ライダーはこうして形成されていったようだ。



お読みいただきありがとうございました。次回は、後編をお送りします。

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