「仕事か?恋愛か?」
映画やドラマなどでも、よく話題になります。
仕事を取れば、恋愛がダメになる。
恋愛を取れば、仕事がダメになる。
“どちらも大切!”
そう思ったり、実際に言ったり、私たちはするのですが・・・、
実際にその現場に遭遇すると、コレが結構ムズカシイ。なかなか思うように事態は進んではくれないもの。このことも事実ではないかと思うのです。
でもこれは何も、仕事や恋愛に限ったことではなく、
「美容と健康」
どちらも大切と考える、そんな私たちにだって同じことが言えてしまう。
特に気温がグングン上昇していく、これからの時期は実に悩ましい。
“紫外線対策”
これへの対応を巡って、健康と美容とは対立状態に陥ってしまう。そんな季節を私たちはこれから迎えることになるのです。
日光照射によるシミや肌の老化が気になるのなら、可能な限りお日さまを避ける必要があります。どうしても避けられないときは、“日焼け止め”を塗って対処すれば良いと思われています。
この2つの対策により、シミのない白くて美しい肌を守ることができるようになる。私たちはそう思っているし、化粧品会社も、医者もメディアも口を揃えて、このことを繰り返しているのです。
確かに紫外線を徹底的に防御すれば、白くて透明な素肌は守られるのかもしれません。
でもその反面、避け続けているばかりでは、体内での
「ビタミンD」
が作られなくなってしまう。
それにより骨が脆くなったり、低体温による血行障害を招いてしまったり。さらには、ガンをはじめとした深刻な病気を発症しやすくなっていく。
こうした対立構造が生み出されてしまうのです。
これに対しては、ビタミンDを豊富に含んだ食材やサプリメントなどを積極的に摂れば良い。それで充分に補える。こうしたことが頻りに言われているのですが・・・。
なるべく自然でムリのない毎日を送っていきたい私たち。そして美容と健康、両方を同時に実現したいと願う私たち。
私たちは、日射しが強くなるこれからの時期をどのように過ごしていけば
“良いのでしょうか?”
そこで今回は、「紫外線」について考えることで、
医者を遠ざけクスリを拒む。
そんな生き方のヒントについて述べてみます。
■溶かすのはどこ?
私たちの血液。血液の中には、一定レベルの
「カルシウム」
が必要になります。
血液中のカルシウムが不足気味に傾くと、その不足分を体のどこかから調達する。この必要に迫られてしまうのです。
そうなると私たちの体は甲状腺からホルモンを分泌することで、骨を溶かそうとする。
骨を溶かすことで、血液中に必要量のカルシウムを補給しようとするのです。
これが私たちの体の仕組みなのですが、どんなに小魚や牛乳などからカルシウムを摂取しても、血液中のカルシウム濃度はあまり
“上がらない”
血液中に含まれるカルシウム濃度を上げるためには、カルシウムのみならず、ビタミンDが併せて必要になるから。
しかもそのビタミンDは不活性のモノでは役に立たない。活性化されたビタミンDでなければならない。
このように説明されるのです。
ならばサプリメントのビタミンDを摂取すれば良いのでは?とかく私たちは、こう安易に考えてしまいがち。でもサプリなどのビタミンDはすべて不活性のビタミンD・・・。
不活性のビタミンDを活性ビタミンDに変えるために不可欠となるのが、太陽からの
「紫外線」
いくら食べものからビタミンDを摂取してみたところで、お日さまに五体を晒さない限りは、ビタミンDは活性化しない。
特に男性よりも女性は、女性ホルモンの関係でより一層の紫外線を浴びなくてはならない。そうでない限り、『骨粗しょう症』を発症しやすくなってしまう。
それどころか、低体温症からの冷え性、血行障害、睡眠障害、そしてガンといったように、あらゆる不調の原因になってしまう。
こうしたことが指摘されているのです。
『体温を上げると健康になる』(サンマーク刊)の中で、齋藤真嗣医師は、
「女性は、成長期の子供と同じくらい、充分な紫外線が必要です」
と述べているのです。
太陽から逃げ続けた結果、仮に白くて美しいお肌を実現できたとする。でも、骨がスカスカで車イス生活を余儀なくされてしまう。
また低体温症による冷えに悩まされ続け、血流を鈍化させ続けてしまえば、全身に障害が及びやすくなってしまう。最悪のケースでは、ガンを発症するに至ってしまう。
そんなリスクを冒してまで、美白に励む意味が本当にあるのかどうか?
私たちはこの点をより深く認識する必要を感じるのです。
■分けることが分かること
一口に紫外線と言いますが、実際は3種類の異なる光線に分けられています。
それが、
・紫外線A波(UVA)
・紫外線B波(UVB)
・紫外線C波(UVC)
この3つの違いを理解して、適切な対策を施す必要があるのです。
紫外線C波は地上に降り注ぐことがないといわれているので、これを考える必要は目下のところなさそうです。
問題となるの残りのA波とB波。この2つの紫外線を意識して、対策を施す。この必要があるのです。
A波もB波も、どちらも日焼けの原因になることが言われています。でも人体に与える影響には違いがあって、
UVAの方は皮膚の深いところにまで到達してしまう。それにより、皮膚の基底層に存在するコラーゲンやエラスチンといった美容に欠かせない成分に傷をつけ、
「シワや老化」
の原因になっていく。さらには皮膚ガンを発症するリスクがあることも指摘されているのです。
紫外線B波・UVBの方はといえば、コチラも日焼けの原因になり、シミや肌の老化を促進することが言われています。
でもUVAと違って、皮膚の深いところまでには入り込まない。皮膚の表面、もしくは浅いところを焼いてしまう。
日に当たると次第にヒリヒリして赤くなるのは、B波の影響によるものと解説されるのです。
以前はUVAは比較的安全なものと考えられていたのですが、最近の研究では、
“そうではない”
ことが分かってきました。しかもUVAはUVBに比べて、地上に降り注ぐ紫外線の90~95%を占めると指摘されるのです。
UVBの方は波長が短い分、地上に降り注ぐ量は少なく、全体の5~10%程度。そして紫外線対策における多くの関連商品は、B波の方。
『UVB対策』
にばかり重きが置かれ、焦点が当たっている。これが今の紫外線対策の現状、こういうことになるのです。
■SPFってナニ!?
日焼け止めを選ぶ際に、多くの人が判断基準にするのが、
「SPF数値」
になります。
これはUVBをカットする能力の指標となるものですが、UVAに対しては何の効果も一切ない。あくまでUVBカットのためのもの。このように言えるのです。
「SPF50とSPF10」の日焼け止めがあるのなら、多くの人はSPF50の方を選ぶと思われます。
でもこれにはカラクリがあって、SPF値は紫外線から肌を守ってくれる防御力の高さや強さ。これを示す指標。
そう思われがちなのですが、実際はそうではない。防御力の高さではなく、
“持続時間”
を表す指標。どれだけ長く効果が持続するのか?このことを示した数値といえるのです。
いわばスマホの充電池のようなもので、何時間持つのか?
SPF値とは誤解されやすい面が強くあるのですが、実際はこうしたものというわけです。
■SPFの真相は?
すっぴんで紫外線を浴びた場合、肌が赤くなるまで。
そこに要する時間は
「20分」
SPFの数値設定においては、このように算定されているのです。
そのためSPF1とは、20分間効果が持続するよ。このような意味になるのです。
SPF20だと、20分×20で400分。平たくすると、効果が6.7時間は持続するよという意味。
SPF50ならば、20分×50で1000分。要は16時間の持続力があるよという意味。
SPF50の方がSPF10よりも防御力が高いのではなく、効き目が長い。コレだけのことに過ぎない。
でも16時間も効果が持続してみたところで、お日サマはとっくに水平線の彼方に沈んでしまっている。白夜の国でもない限り、
“何の意味もない”
こういうことになるのです。
東京の場合、最も紫外線が強くなるのは“5月~9月”の約4か月間といわれています。
1日の中で、強い紫外線に注意が必要となるのは、その中のせいぜい7~8時間。このことからSPF値は
「15~20」
で充分コトが足りてしまう。こういうことになるのです。
たとえ真夏であっても、午後4時には紫外線は弱くなり、赤外線優位の時間帯に入っていく。
このためSPF値をわざわざ高くする必要は一切ないというわけです。
ちなみに11月から2月の間は、対策はほとんど必要ないことがいわれます。
有機野菜の宅配業者や自然食品店などでも、
“SPF50!”
なんてものが、さも良さげな印象で売られているのを見かけますが、業界OBとしては非常に残念に思う次第です。
SPF値にはこのような誤解があるのです。
■日焼け止めのリスク
SPF数値の高いものや、この後で述べるPA値の高い日焼け止め剤には、
「紫外線吸収剤」
が多く使われる傾向があります。
紫外線吸収剤にはアレルギーや炎症、発ガン性をもたらすといった数々のデメリットがあることがいわれているのです。
さらに日焼け止めには、防腐剤、酸化防止剤、界面活性剤などの添加物が含まれているので、これが肌の
“シワや老化”
を促進してしまう。また汗で流れ落ちない!ことをウリにした日焼け止め剤には、合成ポリマーが使われています。
汗で落ちないことは、塗り直す面倒がなく、便利な面もありますが、それは同時に洗顔してもなかなか落ちない。このことを意味しています。
強力な合成界面活性剤入りのクレンジングフォームなどを使って、塗るたびに強く洗い落とすことになる。
それは角質層への大きなダメージを与え、皮膚から水分を失わせてしまうといった
「乾燥肌促進」
の原因にもなってしまうのです。
どうしても日焼け止めを使わざるを得ないのならば、紫外線吸収剤を使ったものを避けることが大切。
『紫外線吸収剤不使用』のものを選んだ方が、肌への負担が少ないことが指摘されるのです。
この方が洗顔の際も石鹸程度で洗い落とすことができるので、アフターにおいてもなお良しというわけです。
止むを得ず、日焼け止めを使うのならば、紫外線吸収剤ではなく、
“紫外線散乱剤”
の方を選ぶこと。その方がベターな選択と言えるのです。
紫外線A波、UVAへの対策も基本的にSPFと同じです。UVAを防ぐ力は「PA値」で示され、PA値が高いほどUVAをカットできるとされているのです。
以前は3段階でしたが、現在は4段階に変更されています。
・PA+ (効果がある)
・PA++ (かなり効果がある)
・PA+++ (非常に高い効果がある)
・PA++++(極めて高い効果がある)
UVA対策として、PA値で日焼け止め剤を選ぶなら、
「PA+かPA++」
程度に留めることが大切。
それらはSPF値と同じで、効果が高ければ高いほど、皮膚を傷める結果を招く。
紫外線ケア商品を、選ぶ際の参考になればと思います。
■肌の色とは?
そもそも紫外線対策とは、
「欧米人」
のためのものであって、私たちには直接あまり関係がない。
こう指摘する声も少なくないのです。
肌の黒さ・白さはその地域に降り注ぐ、紫外線の量によって決まってくるもの。
白人の肌が白いのは、紫外線が
“弱いエリア”
に住んでいた人々だから。
それが大航海時代を経て、紫外線の強いオーストラリアや南米などに進出していった結果、現地の強い太陽光線に晒されることになってしまった。
そこで初めて、紫外線対策が必要になったというわけです。
紫外線の強いエリアに住み続けてきた人々は、肌の色を黒くしたり、茶褐色にしたり、私たち日本人のように黄色といわれるような色にしたり。
このように紫外線のデメリットから皮膚を守るための工夫が自然に備わっているものなのです。
でも欧米人にはこの機能がないか、もしくは弱いため、紫外線の強いエリアで生きていくには、それへの対策を施す必要に迫られた。
こうしたものと説明されるのです。
私たちには本来、欧米人のような紫外線対策をする必要などはほとんどない。真夏の一時期を上手にやり過ごせば、それで良いはずのもの。
それどころか紫外線を嫌がり、敵視すればするほど、心身の
「弱体化」
を進める結果ばかりを招きやすい。特に、「UVB対策」には、大きな問題と致命的な欠陥がある。
このことを知っておく必要を感じるのです。
太陽光線を受け、紫外線を皮膚から吸収することで、体内のビタミンDは初めて活性化していきます。
そしてこのビタミンDを体内で作り出すために必要となるのは、紫外線B波の方。
“UVB”
の方になるのです。
UVB対策に懸命になり、紫外線を遮断することばかりに励んでしまえば、ビタミンDは不活性のままの状態であり続けます。
疫学研究者のフランク・ガーランドとセドリック・ガーランド兄弟は、UVBを浴びることにより、体内で活性化していくビタミンDが悪性黒色腫をはじめとした
「深刻なガン」
から体を守っている。このように指摘しているのです。
また体内でのビタミンDが不足すると、皮膚の奥にまで届いてしまうA波、UVAによる皮膚ガンを発症する確率を引き上げてしまう。
このように説明しているのです。
UVBを体に浴びることで、皮膚ガン発症リスクを抑えることに繋がっていく。
UVAのリスクはUVBを浴びることで、あたかも
“相殺”
されるかのような結果をもたらすに至る。
そして日光、UVBによるビタミンDの合成は、皮膚ガンのみならず、大腸ガン、乳ガン、前立腺ガン、卵巣ガン、内臓ガンなどのさまざまなガンの予防に
「効果がある」
と『1日15分ひなたぼっこをするだけで健康になれる』の中で、リチャード・ボブディ博士は強調しているのです。
欧米人のマネをして、紫外線を避け続けてしまえば、ガンの発症確率を高めてしまうばかりとなります。
ガンのみならず、“骨粗しょう症”までをも引き起こしやすくしてしまうのです。
最近は子供への紫外線を考慮して、外で遊ぶ際に日焼け止めを塗って遊ばせることも多いようです。
でも、1998年のイギリス『国立ガン研究所ジャーナル』においては、日焼け止めを頻繁に使用していた子供は、そうでない子に比べて
明らかに
「ホクロとシミができやすい」
と報告しています。
それは将来の皮膚ガン発症確率を高めてしまうと警告しているのです。
ボブディ博士は、肌を若々しく保ちたいなら、日焼け止め剤などに頼るのではなく、
「外では帽子をかぶる方がずっと効果的」
と述べ、薬剤の危険性を繰り返し強調しているのです。
■物理的に守る!
以前もこのブログで紹介しましたが、それは
結核、インフル、コロナウイルスなどの感染症を含めた
「万病予防」
のカギになるものと言えるのです。
※参考:『幸せな結婚に隠された陰謀!?健康で快活に生きるための免疫力アップ法!』
イギリスの海軍医学研究所が行った実験において、
若い男性を太陽光の入らない屋内だけで、充分な食事を与えて生活させてみたところ、6週間で体内のビタミンD貯蔵量が
“激減”
し、カルシウムの吸収率が低下したことが分かりました。
さらに8週間が経過すると、体内のビタミンD貯蔵量は実験開始前の半分にまで下がったと報告されているのです。
体がビタミンDを使えるような形にするには、太陽光を浴びる以外に方法がないのが現状です。
ただし夏場は、午前9時を過ぎると強烈な紫外線が降り注ぎ始めます。
あまりに強力な紫外線は、シミや老化を促進する原因にもなるので、9時~16時の間は、なるべく強い日差しを避けることが大切。
できるだけ早起きをして、5分でも10分でも良いから、早朝のマイルドな紫外線を体に浴びることが大切になるのです。
そして紫外線が強い時間帯に外出する際は、安易に日焼け止めなどの薬剤に頼るのではなく、
「日傘・帽子・手袋・長袖」
これらの物理的な方法で皮膚を覆った方が、より効果的で害を低減させるがことできる。
それが日焼け止め剤から身を守る最大の防御策になるので、参考にしてもらえればと思います。
また、また真夏の炎天下に、どうしても野外に長時間出ざるを得ない場合は、SPF値・PA値ができるだけ
“低い”
ものを選ぶこと。そして紫外線吸収剤は有害なので、酸化チタンなどの
「紫外線散乱剤」
を使った方が体にもお肌にもダメージが少ないので、コチラも参考にしてもらえればと思います。
■参考文献