流した汗は
“ウソをつかない!”
そんな言葉を聞くと、体育会系かつスポコン漫画で育ってきた私などは思わずジ~ンとしてしまいます。
私は長年、空手を嗜んできた者で、
「突いた分しか強くなれない」
「蹴った分しか上達することがない」
そんなことを胸に稽古に励んできた次第です。
努力に勝る天才はなし!、世の中全体も、そんな風潮がかつての日本には確かにあった。そんなことを思っているのですが・・・。
でも最近の世の中ときたら、コレとは真逆の方向に向かっているように思えてなりません。汗ダラダラは、
“エチケット違反!”
いつしかそんな風潮が作られてしまい、制汗スプレーなどで流れ出る汗を止めてしまう。
そんな反自然な振る舞いに、あまり違和感を覚えなくなっているように思うのです。
汗っかきは嫌われる、何と言うのか過剰な衛生信仰とでも言うべきか、言葉に困ってしまうわけなのです。
でも全身汗まみれになる生きものは、私たち
“人間”
以外にいないことがいわれています。犬や猫には汗腺がないし、それは他の動物だってほぼ同じ。
トラやライオンなどの肉食動物などはスバラシイ俊足を持っていますが、長く走り続けることはできないわけなのです。
汗をかけない作りのため、体中に熱が
「籠ってしまう」
このことも理由の1つといわれています。
汗は私たちの体を守る大切な機能といえます。水分なので蒸発していきますが、その際、周囲の熱を奪って消え去っていくからです。
家の周りに打ち水をするのと同じ理屈で、汗は体温の際限ない上昇を防いでくれている。
40℃にも達するような炎天下の真夏においても、体温が36.5℃に保たれている理由は
“汗をかいているから”
にも関わらず、制汗スプレーなどの薬剤で汗を止めてしまえば、どうなってしまうのか?
人体の自然に反した振舞いは、本当に慎まなければならないと思うのです。
これに限らず、最近は本当に不自由な世の中になり果ててしまいました。少し前なら、
「風邪を引いた」
といえば、温かくしてゆっくり休んでね。こんな会話が普通に行われていたわけなのです。
生きていれば、カゼくらい誰だって当たり前に引くもの。それが共通認識だったと思うのですが、それが今ではカゼだなんて迂闊に口走ってしまえば、
“コロナじゃないの?”
“検査を受けに行きなさいよ!”
“病院に行かないならもう離婚だ!”
こんな面倒かつ重大な局面へと発展しかねない。カゼひとつ引けない!あまりに
『非寛容』
そんな世の中になり果ててしまっていると思うのですが、どうでしょうか?
それは
「嗜好品」
に対する風当たりも同じように思っているのです。
夜の繁華街にはたくさんの若者が集って、飲めや歌えやのドンチャン騒ぎに興じている・・・。
砂糖の入った甘いモノは健康のカタキであるとして、さまざまな方面から糾弾され続けている・・・。
タバコなどは諸悪の根源!とでも言うべきもので、健康に悪いし、周囲にも大変な迷惑!
“発ガン性の問題”
“受動喫煙の問題”
こんな感じでメッタ打ちに遭い、タバコを嗜む方々は日々肩身の狭い思いを強いられ続けているのです。
少し前に、東京都では子どもを受動喫煙から守るといった名目で条例が制定されました。いかなる場所でも子供を受動喫煙から
「守る!」
そんな世相になっているのです。
でも発ガン性の高いものなら、他にいくらでも存在している。農薬や化学合成添加物だって日々摂取を続ければ、そのリスクは高まるばかりとなっていく。
このことだって否定は難しい事実ではないでしょうか。
受動喫煙にしても、根拠が薄く、議論そのもの自体が正直いって怪しいもの。政治的な意図を充分に含んだものともいえるのです。
(※参考:「たばこは有害であるという根拠は怪しい」)
私はシャンプーもリンスも石鹸も、整髪料、合成洗剤なども20年以上、一切使っていませんが、その立場からしてみればそれらのニオイだってかなり強烈なものがある。
女性の化粧に至っては、遠くから眺める程度に留めたい。それが正直なところになるのです。
受動喫煙を声高に非難し続ける、現東京都知事の厚化粧の方は果たして、
“どうなのか?”
化学合成洗剤、化粧品にタンマリと使われている各種の人工の化学物質。それらも人体にとっては完全なる「異物」に当たります。
当然皮膚から日々吸収していけば発ガン性のリスクは高まってしまうことが指摘されているのです。
タバコは悪いものなのかもしれませんが、そればかりに集中砲火を浴びせかけることは、本当にフェアな態度と言えるのかどうか?
農薬や添加物たっぷりの食材を毎日子供に食べさせることは一向に問題視される気配が見られない。
大人気のサプリメントにだって、あの1錠には驚くほどの人工の化学物質が使われているのです。
それらにも受動喫煙と同程度に注意喚起があって良いはずなのに、ほとんど触れられることがありません。
田舎に住む私の周囲では田畑に農薬が散々に使われ続けていますが、それは全く問題がないこと。そんな感じで、当たり前のように撒き散らされ続けています。
事前予告も一切されることなく、その周りを普通に児童たちが通学し、遊び回っている。タバコばかりをヤリ玉に挙げること自体が
「断然おかしい!」
そのように思ってしまうのです。
もちろんタバコの煙を迷惑に思う人の前で吸うのはマナー違反。それは当然、非難されるべきなのでしょう。
そしてまたタバコそのものに使われる農薬や添加物についても、指摘がもっと強くあっても良いのでしょう。
でもマナーを守って嗜好品を楽しむことに対して社会はもっと
“寛容であるべき!”
嗜好品への風当たりの強さを思うにつけ、コロナ騒動と全く同じで地続きだな。そう思ってしまうのは私だけなのでしょうか?
ウイルスが悪い、ウイルスは諸悪の根源、ウイルスさえ皆殺しにしてしまえば、この世に平和と安全とがもたらされていく。
衣食住の自然を棚上げにした状態のまま、全てをウイルスのせいにして責任転嫁を続けている。
これと全く同じニオイを覚えてしまうのです。
そこで今回は、「嗜好品」について考えてみることで、
医者を遠ざけ、クスリを拒む。
そんな生き方のヒントについて述べてみます。
■最強の解毒機関は?
「酒は百薬の長」
こうしたことがいわれています。でもその反面、お酒は百害あって
“一利なし”
このように指摘する声も少なくないのです。
最近では百薬の長であるとする見方は少々劣勢・・・。酒は毒である、こうした主張の方が優勢であるかのように思えます。
その根拠となるのは、研究調査の結果。全国12地域、14万人を対象とした調査において、
「週1回未満飲酒している人」に比べて、「1日当たり日本酒換算で2合」あるいは「同、3合以上飲む人」の発ガンリスクは、
前者は1.4倍。後者は1.6倍。
この調査結果を根拠に、お酒は毒である説が優位になっているのではと思っているのです。
なぜお酒は発ガン性を引き上げてしまうのか?
その理由は、諸悪の根源、万病の元といわれている
“活性酸素”
に原因がある。そしてそれは体内での消化酵素との関係によって解説されているのです。
私たちの体にはさまざまな解毒機関が備わっています。色々とあるのですが、その中核を為しているのが
「肝臓と腎臓」
肝腎カナメなんていったりもするように、日々口から入れる食べもの、飲みもの、そして各種薬剤は肝臓と腎臓の働きによって無害化されている。
このようにもいえるのです。
特に肝臓の解毒力は強力そのもので、口から入る毒物の約9割を無毒化してしまうほどの力があるといわれています。
異物が入ってくると、肝臓で待ち構えている消化酵素が
「チトクロームP450(CYP)」
になります。この酵素の性能の素晴らしさについては、以前の記事で述べさせて頂きました。
※参考:『毒の吸収・異物侵入の経路のヒミツに迫る!蓄積回避のナチュラル健康美容学』
薬剤などの異物、ニコチンやアルコールなどの無害化処理を担当する、実にありがたい酵素がチトクロームP450。別名
“薬剤分解酵素”
とも呼ばれているのです。
■切り札となるのは?
このチトクロームP450の一部で、CYP2E1と呼ばれる酵素が、
「アルコール分解酵素」
と呼ばれているものになります。
アルコールは人体にとっては毒物ではあるものの、この酵素の働きによって無害化されている。
体を毒から守ってくれているありがたい酵素なのですが、アルコールを分解する過程において、
“活性酸素”
も同時に作り出してしまいます。
アルコールを体内に入れる量と頻度が多いほど、体の中の活性酸素が増大していく。活性酸素はガンやアレルギーなどの原因になることがいわれている物質。
本来活性酸素は体内に入った異物を攻撃し、無害化してくれるありがたい物質なのですが、過剰になると、勢い余って、体の中の正常な細胞にまで攻撃を仕掛けてしまうのです。
アルコールを分解する際の付属物として発生する活性酸素が、
“脂肪肝や肝硬変“
などの肝臓病を引き起こす原因になってしまう。
脂肪肝から肝硬変に至る流れは、酒飲みの宿痾とされていますが、最近は、お酒を飲まない人でも、
「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」
を発症する人が急増していることも問題になっているのです。
飲む・飲まないに関わらず、現代人は肝臓に大きな負担をかけ続けているのが現状です。
肝臓の解毒力がいくら強力であるとはいえ、四六時中毒物を入れ込んでしまえば、さすがの肝臓だって疲弊し、機能不全に陥っていく。
食は毎食のことだから、日々口にする食材は厳選する。この必要を思う次第です。
肝臓がアルコールを分解処理する過程で必然として発生してしまうまう活性酸素。
お酒を愛する私たちはこれを減らしていく必要があると思うのですが、実はそれを減らすことを可能にする食材が存在している。
それが何であるかというと、
“糖質・炭水化物”
を豊富に含んだ食材、こういうことになるのです。
■切実な要求
お酒は糖質を原料にしたものが多いことから、糖質の仲間であるかのように思われています。
日本酒は米から作られているワケだし、ビールも焼酎もウイスキーも麦を原材料にして作られている。
このことからお酒は糖質・炭水化物の仲間として考えられているのです。
糖質とは読んで字の如く、糖のカタマリで、酵母菌たちが糖を食べることで
‟アルコールと二酸化炭素”
に分解してできるのがお酒。
お酒とは糖質を飲んでいるようなものだから、バランスを保つ上で、焼き鳥、焼き肉、ウインナー魚介、チーズ、レバ刺しなどの
「タンパク質や脂質系」
のものがおつまみになりやすい。実際に糖質カットを前面に打ち出したビールなんかも売られているのです。
でもそれは大いなる誤解といわねばなりません。お酒は糖質飲料ではなく、
“脂質”
の仲間。原材料は糖質をたくさん含んだ炭水化物であっても、発酵プロセスを辿ることで、脂質の仲間へと変化していく。
私たちの体はアルコールを飲むと、肝臓で酢酸に解毒され、その後、水と炭酸ガスとに分解され無害化に至ります。
酢酸は炭素数が1つの最短鎖脂肪酸になるので、つまり酢酸のもとになるアルコールは炭水化物ではなくて脂肪の仲間といえるのです。
1995年のアメリカ糖尿病学会の発表も
「アルコールのカロリーは脂肪として計算せよ」
こう述べられているのです。
脂質のお酒をたくさん飲んで、タンパク質や脂肪の多いつまみをたらふく食べる。それが続けば、体から糖分は喪失するばかりとなってしまいます。
それは一種の糖質欠乏・・・、そんな状態に陥ってしまうのです。
お酒を飲んだ後には、シメの
「ラーメンやお茶漬け」
を食べたくなるのが常ですが、これは体が糖を今スグ、素早く速く補給して!こうした体からの悲痛な叫びであると解釈できるのです。
脳や体のエネルギー源は「糖質」で、体はその不足を切実に訴えている。シメのラーメンやお茶漬けは、糖分切れを回避するための自然現象。
このようにいうことができるのです。
■〆を飾るのは?
脂質の仲間のお酒を飲むと、体内の活性酸素が増加していきます。
さらに高タンパク・高脂質の食材をおつまみに多飲をすると、腸内に
アミン、アンモニア、インドール、スカトールなどの有害物質を発生しやすくなっていきます。
こうした有害物質は肝臓にダメージを与えるのと同時に、機能不全を起こしやすくする。このように説明されるのです。
でも、お酒と同時に糖質を多く摂るほどに、活性酸素の発生は抑えられていく。アルコールと高糖質食の併用は、活性酸素の
“無害化”
を促進する大切な切り札になることが分かっているのです。
この事実は、山梨医科大学・名誉教授の佐藤章夫氏の研究によって明らかにされました。
糖質制限・炭水化物制限をしている人がアルコールをたくさん飲むと、アルコール性脂肪肝炎から
「肝硬変」
を発症して、死亡に至る。この確率が高くなることを佐藤氏は指摘しています。
でも、アルコールを飲む際に、お米や小麦などの糖質を同時に接種すると、このリスクを低減させることができると解説しているのです。
お米や小麦でなくとも、『甘いもの』も非常に良いと佐藤教授は述べているのです。
低糖質、糖質不足の状態でお酒を飲むことは、
“肝臓破壊”
を引き起こす確率を高めてしまう。
実験と研究の結果から、このように強調しているのです。
◆参考: 『日本人の食と健康』
糖質をカットするのではなく、むしろ積極的に摂ることの方が大切。だからシメにラーメンやお茶漬けを食べるのは良いこと.。鍋料理のあとは、雑炊やうどんでシメる。
楽しい宴の最後はお茶漬けを食べて、オヒラキとなる。
それは脂質攻め・タンパク攻めから大切な体を守る、日本人の
「暮らしの知恵」
というわけです。
ちなみにお酒の後の糖質は“太る!”なんて思われがちですが、その心配は一切ないことも指摘しています。
太るのは、あくまで脂質であって、その過剰摂取によるものと説明されるのです。
飲んだ後のラーメンは確かに魅力的だけど、いまのラーメンは農薬・添加物まみれであることも事実といわねばなりません。日本人のシメを飾るのはやっぱり
“お茶漬け”
もちろん肥料も農薬も一切なしの
「自然栽培米」
がオススメです。
お酒を飲むなら飲むで、その大切なパートナーの糖質・炭水化物を忘れないように心がける。
嗜好品を楽しむ際の参考になればと思います。
■参考文献
■無肥料無農薬米・自然栽培と天然菌の味噌・発酵食品の通販&店舗リスト
■自然食業界キャリア15年のOBが綴る