サインの2区分、3区分、4元素について

3区分(モダリティ)の説明がアバウトだったのでもう少し詳細に書いておきます。

というのも、3区分と4元素はチャート理解の土台となるので重要です。

 

ちなみに、2区分がさほど重要ではないのは、以前も書いたように

陽性(外向)サイン=火と風陰性(内向)サイン=地と水、ということで

結果的には、4元素のグループ分け(Hotか?Coldか?)と重なるからです。

 

 

最近書いている「アスペクト論」の記事を読めば分かるように

180度、120度、90度といったメジャーアスペクトの関係性が何に由来するのか?

というと、元々はサインとサインの関係性に由来するのです。(古典占星術の理論からも)

 

 

4つ離れたサイン(例:牡羊と獅子)は親和的というのが120度トラインです。

⇒ これは同じ4元素(同じエレメント)を共有している関係です。

 

 

3つ離れたサイン同士(例:牡羊と蟹座)は両立しにくいというのが90度スクエアです。

⇒ これは3区分(モダリティ)が被ってしまう現象です。

 

 

90度スクエアは、活動・不動・柔軟という3区分(モダリティ)

すなわち「行動パターンが同じ」にも関わらず

属する4元素(エレメント)=関心を向ける対象や方向性が大きくズレるという関係性です。

 

例えば、蟹座と天秤座で90度スクエアがある場合は

「活動宮」という点では同じなので、今すぐに行動しよう

自分からアクションを率先して起こそう、という行動パターンは同じです。

 

しかし、一方の蟹座は「水サイン」なので「気持ちレベルの深い共感」が最優先されます。

蟹座は限られた範囲内の少数名とだけ家族的な共感を温めたいという閉鎖性を持っています。

 

どころが、一方の天秤座は「風サイン」なので、

情報の交換というライトな付き合いしか望みません

しかも天秤座は不特定多数の他者一般と誰でも開けっぴろげに付き合える開放型です。

 

 

蟹座は、限られた狭い範囲の身内や少人数で「気持ちを温め合いたい」と思って

今すぐに自分から率先してアクションを起こしていく(=活動宮)のですが

 

一方の天秤座は、誰とでも開放的にライトな情報交換をして人脈を広げたいがゆえに

今すぐに自分から率先してアクションを起こそうとする(=活動宮)のです。

 

結果として、この2つの方向性はそう簡単には両立しません

 

「あちらを立てれば、こちらが立たず」という両立不能性に葛藤しやすいのです。

これが90度スクエアが不調和座相(ハードなアスペクト)と言われる理由です。

 

うまく2つの方向性を両立したり、折り合いを付けて「統合」していくには

最初は困難や葛藤が伴います努力とチャレンジが必要となるのです。

 

このように、メジャーアスペクトの本質を理解する上では

サインの3区分と4元素がどういう関係性にあるか?を理解できていなければなりません。

 

◆ 3区分(モダリティ)は 時間感覚や行動パターン

 

4つのエレメント(火地風水)は、どのような領域や方向性に関心が向かうか?

何を対象としてエネルギーが注がれていくか?という内的集中性を示します。

 

 

それに対して、3区分(モダリティ)の方は、時間感覚や行動パターンを示します。

 

・今すぐ何かをしなければ気が済まないのか?(短距離走型)

 

・時間を掛けてじっくり維持していこうとするのか?(長距離走型)

 

・あっちもこっちも行ったり来たりを繰り返し変化し続けることを好むのか?(変転型)

 

太陽、月、ASCといった3つの重要感受点(ビッグスリー)の3区分について

同じモダリティが重なっていれば、その行動パターン傾向が強くなります。

 

例えば、太陽=双子、月=射手、ASC=魚座 だとすれば

主要な感受点(ビッグスリー)が全て「柔軟宮」になります。

 

 

この人は、あれもこれも同時並行したり、行ったり来たり変転する行動パターンを好みますが

何か1つのことを明確に決断したり、率先してイニシアティブを発揮する決断力に欠けます。

優柔不断で、周囲の意見や環境ばかりに翻弄され混乱してさ迷う人生になりかねません。

 

なので、水星、金星、火星、統治星、MCなどの他の重要な感受点が

どの程度「活動宮」に入っているのかいないのか?をチェックすれば

その人の行動パターンや時間感覚における「偏り」が分析できるのです。

 

(もともと優柔不断で迷いやすい傾向がある人ですが、もし金星が天秤座にあったり、火星が牡羊座にあったりすれば、活動宮にあってディグニティが高いので、これらの天体が基軸となって「足りない決断力や突破力」を発揮することができるようになります)

 

ハードアスペクトの性質を理解する上でも重要なことですが

3区分(モダリティ)の各々には「欠け」「盲点」があります。

 

そして、そのモダリティの持っている

「欠点」を補ってくれるのは、順番的にその次に来るモダリティです。

 

 

「活動宮」は、何でも性急に「今すぐ」やらないと気が済みませんが

見切り発車・準備不足で勇んでアクションするために着実性が欠けます

率先して新しいことにチャレンジするのだけど、まともな成果や完成まで維持できない

という点で盲点や弱さがあります。

 

⇒ 活動宮のこの欠陥を補うのは、次の「不動宮」です。

 

 

「不動宮」は、時間感覚が「非常に長い」のが特徴です。

同じ1つのことをずっと過去から未来まで一貫して継続していこうとします。

しかし、頑固に1つのことだけに集中して安定してしまうので

他のことに目を向けたり、変化を受け入れることが盲点となります。

 

⇒ 不動宮のこの欠陥を補うのは、次の「柔軟宮」です。

 

「柔軟宮」は、複数のことを器用に同時進行する時間感覚を持っています。

あれもこれもと融通を利かせながら対応できる柔軟性と変化対応力に富みますが

ともすると、周囲の意見や環境に左右され振り回されて混乱するばかりで

自分から明確に決断して、率先してリードしていくための「強さ」に欠けます

 

⇒ 柔軟宮のこの欠陥を補うのは、次の「活動宮」です。

 

◆ 3区分とハードアスペクト(90度・180度)

 

3区分(モダリティ)が重要なのは、アスペクトを見る際に

90度や180度といったハードアスペクトは同じモダリティで起こるからです。

 

逆に言えば、90度や180度を理解する際に「モダリティの違い」によって

 

「活動宮」におけるスクエア・オポジションなのか?

「不動宮」におけるスクエア・オポジションなのか?

「柔軟宮」におけるスクエア・オポジションなのか?

 

という「3種類の性質の違い」が生じるということを意味しています。

 

同じ90度・180度に見えても、モダリティによって3種類の違いが出てきます。

⇒ 詳しくは アスペクト論 で説明します。