SAP 移動タイプを解説

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本記事ではSAPの移動タイプについて解説します。
移動タイプはロジスティクス系のモジュール(SD/PP/MM)では必ず理解しなければいけない内容になりますので、これからSAPを始める方や始めたばかりの方にも分かるように解説します。

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移動タイプとは

移動タイプは、品目の移動の種類を表現しており、入出庫処理で作成される入出庫伝票に必ず持っている項目になります。
入庫処理や出庫処理を行う際に、「在庫が増えるのか/減るのか」「会計伝票はどの仕訳で起票されるのか」を移動タイプによって制御します。

購買発注に対して入庫処理を行う場合を例にします。
購買発注に対してTr-cd:MIGOを使用し移動タイプ101を指定して入庫処理を行うと、以下のように動きします
・入庫数量分だけ在庫数量が増える
・入庫数量=発注数量の場合、購買発注伝票の納入完了フラグにチェックが入る
・購買発注伝票明細の「購買発注履歴」に入庫伝票番号が表示される
・入庫数量分の入出庫伝票が作成される
・購入品/入庫請求仮勘定の仕訳で会計伝票が作成される

SAP標準では発注や製造、出荷など様々な利用シーンごとに移動タイプが用意されていますが、ユーザによっては独自の移動タイプを作成することもあります。

発注関連の移動タイプ(MM)

購買関連の移動タイプ(一例)は以下の通りです。

移動タイプ
名称
用途/利用タイミング
101
 購買発注入庫
 発注伝票に対する入庫。仕入先からモノが届いたタイミング
102
 購買発注入庫取消し
 移動タイプ101の取消し
161
 仕入返品
 仕入先からモノが届いたが返品となったときに使用
162
 仕入返品取消し
 移動タイプ161の取消し
541
 外注先への支給品支給
 外注先へ支給品を支給する(モノは外注先にあるが、自社資産の品目を支給品として支給する)
542
 外注先への支給品支給取消
 移動タイプ542の取消し
501
 発注外入庫(利用可能)
 発注に紐づかない入庫、購入価格は0となる。利用可能在庫として在庫計上
502
 発注外入庫取消(利用可能)
 移動タイプ501の取消し
503
 発注外入庫(品質検査中)
 発注に紐づかない入庫、購入価格は0となる。品質検査中在庫として在庫計上
504
 発注外入庫取消(品質検査中)
 移動タイプ503の取消し
505
 発注外入庫(保留)
 発注に紐づかない入庫、購入価格は0となる。保留在庫として在庫計上
506
 発注外入庫取消し(保留)
 移動タイプ505の取消し

 

生産関連

生産関連の移動タイプ(一例)は以下の通りです。

移動タイプ
名称
用途/利用タイミング
101
 指図入庫
 生産品が出来上がり、在庫として入庫する
102
 指図入庫取消
 移動タイプ101(指図入庫)の取消し
261
 指図出庫
 生産に必要な仕掛品や原材料を工程等へ払い出す(出庫する)
262
 指図出庫取消
 移動タイプ261の取消し

 

在庫管理関連

在庫管理関連の移動タイプ(一例)は以下の通りです。

移動タイプ
名称
用途/利用タイミング
321  品質検査中→利用可能  在庫ステータスを品質検査中から利用可能在庫に変更
322  利用可能→品質検査中  在庫ステータスを利用可能在庫から品質検査中に変更
343  保留→利用可能  在庫ステータスを保留在庫から利用可能在庫に変更
344  利用可能→保留  在庫ステータスを利用可能在庫から保留在庫に変更 
349  保留→品質検査中  在庫ステータスを保留在庫から品質検査中に変更
350  品質検査中→保留  在庫ステータスを品質検査中から保留在庫に変更
309  品目振替  ある品目を別の品目コードに振替する場合に使用
310  品目振替取消  移動タイプ309の取消し
201  原価センタ出庫  資産を減らし(=費用)、その費用を特定の原価センタにつける
202  原価センタ出庫取消  移動タイプ201の取消し
701  棚卸増(利用可能)  利用可能在庫の品目の在庫を増加させる。棚卸差異を修正するために使用
702  棚卸減(利用可能)  利用可能在庫の品目の在庫を減少させる。棚卸差異を修正するために使用
703  棚卸増(品質検査中)  品質検査中在庫の品目の在庫を増加させる。棚卸差異を修正するために使用
704  棚卸減(品質検査中)  品質検査中在庫の品目の在庫を減少させる。棚卸差異を修正するために使用
707  棚卸増(保留)  保留在庫の品目の在庫を増加させる。棚卸差異を修正するために使用
708  棚卸減(保留)  保留在庫の品目の在庫を減少させる。棚卸差異を修正するために使用

 

在庫転送関連

在庫転送関連の移動タイプ(一例)は以下の通りです。

移動タイプ
名称
用途/利用タイミング
301  プラント間在庫転送(1step)
 プラントからプラントへ在庫移動を行うために使用。
 在庫転送オーダーは使用しない
302  プラント間在庫転送取消(1step)  移動タイプ301の取消し
303  プラント間在庫転送出庫(2step)
 他プラントへ在庫移動する際に供給元のプラントから出庫するために使用。
 在庫転送オーダーは使用しない。
304  プラント間在庫転送出庫取消(2step)  移動タイプ303の取消し
305  プラント間在庫転送入庫(2step)
 供給元プラントから出庫された品目を入庫するために使用。
 在庫転送オーダーは使用しない
306  プラント間在庫転送入庫取消(2step)  移動タイプ305の取消し
351  プラント間転送出庫(2step)
 他プラントへ在庫移動する際に供給元のプラントから出庫するために使用。
 在庫転送オーダーを使用する。
352  プラント間転送出庫取消(2step)  移動タイプ351の取消し
641  在庫転送オーダーの出庫
 他プラントへ在庫移動する際に供給元のプラントから出庫するために使用。
 在庫転送オーダーを使用し、かつ、出荷伝票(出荷指示)の登録が必要。 
642  在庫転送オーダーの出庫取消  移動タイプ641の取消し
101 プラント間転送入庫(2step)
 供給元プラントから出庫された品目を入庫するために使用。
 在庫転送オーダーを使用する
102 プラント間転送入庫取消  移動タイプ101の取消し
311 保管場所間在庫転送(1step)  保管場所から保管場所へ在庫移動を行うために使用
312 保管場所間在庫転送取消(1step)  移動タイプ311の取消し
323 保管場所間在庫転送-品質検査中在庫  品質検査中在庫の品目を別の保管場所へ在庫移動するために使用
324 保管場所間在庫転送取消-品質検査中在庫  移動タイプ324の取消し
325 保管場所間在庫転送-保留中在庫  保留在庫の品目を別の保管場所へ在庫移動するために使用
326 保管場所間在庫転送取消-保留中在庫  移動タイプ325の取消し

プラント間転送や保管場所間転送を行う方法として、大きく1stepと2stepの2種類存在します。
1step(移動タイプ301や311)の場合は、1回の操作で在庫移動をすることが可能です。
2stepの場合は、供給元となるプラントで出庫処理(移動タイプ303や305、641、351)を行い、供給先のプラントにモノが届いたら入庫処理(移動タイプ101)を行うという2回の操作が必要になります。出庫処理後に入庫処理を行うまでの間は積層中在庫として管理されます。

出荷関連

出荷関連の移動タイプ(一例)は以下の通りです。

移動タイプ
名称
用途/利用タイミング
 601  出庫確認  受注伝票に対して出庫処理を行う際に利用(得意先への出庫)
 602  出庫確認取消し  移動タイプ602の取消し
 653  得意先返品から利用可能在庫へ  得意先から返品された際に利用。返品された品目を利用可能在庫として計上
 655  得意先返品から品質検査中在庫へ  得意先から返品された際に利用。返品された品目を品質検査中在庫として計上
 657  得意先返品から保留在庫へ  得意先から返品された際に利用。返品された品目を保留在庫として計上

 

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