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ミモザのアメリカ言いたい放題!

米国情勢下のダブルエコライフ

コロラド州での襲撃事件

apnews.com

(ニュースの要約)

11月19日土曜日の夜中12時前にコロラド州のコロラドスプリング市で悲しい事件が起きた。

22歳の犯人Anderson Lee Aldrichは、ゲイ用のナイトクラブ、クラブQに入った途端、発砲しその結果5人が死亡し17人が負傷した。犯人は殺人と憎悪犯罪容疑で取り押さえられた。

殺人の動機はLGBTQコミュニテイが自分達の立場の向上に熱心で声を張り上げて擁護しており、また政治がらみも多いので怒りを抑えきれなかったということだ。

犯人を押さえつけたのは、二人の客でそのうちの一人は陸軍退役軍人のRichard Fierro氏だった。彼は犯人から拳銃を横取りし、もう一人の客の助けを借り即座に犯人を殴り床に押さえつけた。

事件が起きたのは、彼が家族と一緒にここで誕生日を祝っていたときだった。

この事件で、フィエロ氏の娘は逃げる際に膝を怪我したが、彼女の恋人は犠牲者となり亡くなった。フィエロ氏も犯人を押さえつけようとしている際に手と膝と足首に怪我を負った。

 

このナイトクラブは長年にわたりLGBTQコミュニテイの安らぎの場所と呼ばれていた。

どんなに社会がオープンになってきたと言えど、マイノリティの立場は弱いし、偏見を持っている人はそこらじゅうにいる。だからこのような集まれる場所が必要なのだ。

まさにこのナイトクラブはLGBTQコミュニテイにとっての聖地だった。

その聖地でこんな事件が起きてしまった。

 

月曜日には200人ほどの人が寒い中集まり、この場所でコミュニテイ通夜が行われた。

参加者は、それぞれロウソクを手にし、互いに抱擁し、台の上の話者による怒りと悲しみの混じった話に聞き入っていた。

また参加者の一人はこのように語っていた。

「確かにこの街は保守的な街だけれど、LGBTQコミュニテイは最初の住民がここに移ってきた時からずっとこの街にあったんだ。

だからその存在に反対したい人に言うつもりだ。

誰がどんなに反対しても敵対しても俺たちは断固としてここから出て行かない!

今よりもっと大きな声で自分達の立場と権利を擁護し、対抗していくつもりだ!」と。

 

・・・・・・・・😰

 

こういうところがアメリカだと思わせられる。

自由の国アメリカ。

多くの異なる意識や思想が入りみだれる国。

多様性の国。

そのような社会には当然摩擦も伴う。

「それって常識でしょ?」というフレーズはここでは通用しない。

その常識とは皆異なるからだ。

 

確かに誰しもが平和を望んでいる。

しかし、平和を維持するために、大多数に甘んじ悔しい思いを余儀なくしながら

自分の口を封じるほど彼らはおとなしくはない。

人としての尊厳を失い苦渋を味わうくらいなら、

自分の理想を追求するためなら、戦いをもいとわない。

戦わなければ、大多数に押しつぶされ淘汰されしまう。

それが嫌なら戦うしかないのだ。

アメリカでは自分の意見を打ち出さない人間は「それでいいと思っているか」

「自分の考えがない馬鹿な人間」と思われている。

間違っていると思うならそれをはっきりと提示することも美徳だと思われている。

 

それが一般的なアメリカ人の意識なのだ。

だから摩擦が絶えない。

 

こういう事件がなくなることを願うばかりだが、アメリカという国の性質上、簡単には消えないだろう。だからせめて今回の事件に巻き込まれた被害者とその家族の上に慰めがあるようにと祈ろう。

 

 

 

 

イラスト:MCL