以前書いたクレカ積立に短期債券ファンドを利用する記事では、少しでもリターンがマイナスになりにくいよう、マイナス金利でマイナスリターンな国債よりも社債がメインの投資信託を選んだのですが、実際にやってみると信託財産留保額が引かれるのが気になっちゃって…
というわけで信託財産留保額のない投資信託と比較してどちらがお得か検討していきたいと思います
検討方法
条件:毎月積立てた翌日に解約。ポイント還元率1%
この場合にどの投資信託が一番有利か、ポイント還元を考慮した実質のシャープレシオを計算しましょう。候補は証券会社の投資信託ランキングで標準偏差の小さいこのファンド達
- 日興 2023年満期日本公共債ファンド『愛称:ふるさと紀行』
- 日興 年金積立日本短期債券オープン
- One DLIBJ 公社債オープン(短期コース)
- ニッセイ 国内債券アルファ『愛称:Jアルファ』
- ノムラ・ボンド・インカム・オープン
- 三菱UFJ国際 ジャパン・ソブリン・オープン
- ニッセイ 日本インカムオープン『愛称:Jボンド』
これらについてリターン、リスク、信託財産留保額、実質シャープレシオをまとめました
リターンは直近1年、リスクは『ふるさと紀行』だけ直近1年、他は直近3年での年率換算の数値を元に、日次での数値とそれを12回分の数値を計算しました。ちなみにリターンが1年なのにリスクが3年なのは今後を想定するに多少厳しめの数字を利用するのが妥当と考えたため。ただし、『ふるさと紀行』は満期が近づくにつれてリスクが減少していくので1年のリスクを使用しました。また、営業日は2017~2021年の5年で1221営業日なことから、年間の営業日を244.2日として計算しました
考察
はい、『ふるさと紀行』がシャープレシオ約492とかいう数字を叩き出してダントツですね。ファンドの満期に保有する債券の満期を合わせるというコンセプトなので、満期が近づくと急速にリスクが低下していくため他と比べて圧倒的な低リスクを誇るのです
問題は2023年末が満期なので積立できるのもあと1年半しかないというところ。同様のコンセプトの投資信託は他に無いため、その後はもうちょっと普通の低リスクなファンドに乗換えなければいけません。となると次点は年金積立日本短期債券オープンですね。信託財産留保額が0.1%と大きめですが、シャープレシオはそれをものともしない約180!
…それでもやっぱり解約するときに確定で引かれるのはちょっと良い気分はしませんね。実質シャープレシオの隣にポイント還元を含めたリターンの期待値を載せましたが、信託財産留保額で年1.2%も引かれるわけです。月5万円の積立なら年間リターンが600円減ってしまう
そこでDLIBJ 公社債オープン(短期コース)にすると信託財産留保額が年0.6%に減る一方、リスクは3σで年0.18%から0.25%に増加。って普通に信託財産留保額が減る方がリスク増加より大きくて割に合うじゃねーか! それじゃあ信託財産留保額なしの『Jアルファ』ならリスクは3σで年0.47%なので、これでも全然リスク増に対して見合ってますね(まさか条件が特殊すぎて、シャープレシオで比較・評価するのが適切でないとは)
結論
というわけで、クレカ積立でポイント稼ぎに最適な投資信託は『ふるさと紀行』、それが満期になった後、もしくは取扱のない証券会社*1では『Jアルファ』が最適という結論になりました
ちなみに楽天証券の楽天カードでの積立だとこれらは還元率が低下するので、この前株日記に書いた通り『みらいのミノリ』*2が最適となります。楽天キャッシュでの積立だとどれでも還元率0.5%なので『ふるさと紀行』や『Jアルファ』で良いんですが
せっかくなので、『みらいのミノリ』についてもシャープレシオなどを計算してみました。ついでにtsumiki証券でまるごとひふみ15を積立てる場合や、楽天証券で『ふるさと紀行』や『Jアルファ』の還元率が0.2%の場合も載せておきます(ちなみにまるごとひふみ15は設定から3年経ってないのでリスクは直近1年の値を採用)
『ふるさと紀行』なら還元率0.2%でも全然シャープレシオ高くて笑ってしまうw(リターンが激減なのでやりませんが)。年率リスクが3σで『みらいのミノリ』は1.18%、まるごとひふみ15は2.73%とやっぱり大きくなってきますね。まあリターンの方が全然大きいのでいいんですが、tsumiki証券×エポスカードは5年続けて還元率上げたうえでゴールドカードのボーナスポイント貰わないとなんで中々厳しい…*3