今回は東大院機械工学専攻平成22年熱力学IIを解説したいと思います。
ガバガバなところがあったり間違っているかもしれませんが解答の参考にしてください。
なお問題をそのまま載せるのは権利の都合上まずいと思うので載せません。
問題が欲しいという方はコメントするかtoriatama321@gmail.comに連絡してください。
問題を解くのに必要な知識
・フーリエの法則
・ニュートンの冷却法則
・ビオ数
・熱エネルギーバランス
解答本文
東大の伝熱はこの方程式を自分でエネルギーのバランスを考えて導く必要がありますが、この問題ではありがたいことに熱伝導方程式を書いてくれているので非常に解きやすいです。(5)の無次元数の問題が特に重要かなと思います。
(1)支配方程式を求める問題
定常状態なので
温度変化が周方向に一様なことから
軸方向の熱伝導が無視できるので
式(I)、(II)、(III)より支配方程式は
となります。境界条件は
(2)温度分布を求め、放熱量を求める問題
となります。ここで式(VII)がr=0で収束するためにはC1=0となる必要がありますね。また、式(V)よりC2は
これらよりT(r)は
これよりTcは式(VIII)でr=0として
となるのでΔT1は
Qwはフーリエの法則より
と求まります。C1を求めるための条件として放熱量=発熱量を用いて
からC1=0を求めても大丈夫です。
(3)対流熱伝達による伝熱量を求める問題
Qwはニュートンの冷却法則より
(4)温度差および温度比を求める問題
式(IX)と式(X)よりΔT2は
なので温度比αは
となります。
(5)ビオ数に関する問題
αはビオ数といいます。これは固体内部の熱伝導量に対する固体表面からの熱伝達量の比率を表す無次元数です。これは下の記事の問題でも出題されているのでしっかり抑えておきましょう。伝熱において無次元数は重要なので意味も含めて覚えておくといいと思います。
ビオ数が1より十分に小さいときは固体内部の温度分布を無視する集中熱容量法を適用できます。よってこの仮定のもとで細線内部の熱エネルギーバランスを考えれば求める微分方程式は
となります。
以上で解説は終わりです。最後まで読んでくれてありがとうございました。
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