歴史の交差点、トスカーナ大公国で解説したように
トスカーナは都市フィレンツェ(フローレンス)を中心に発展したイタリア半島北部地方で
16世紀後半、コジモ1世・デ・メディチが大公位に付くことでトスカーナ大公国となりました。
18世紀前半、7代目のジャン・ガストーネ・デ・メディチに跡継ぎがなく
ハプスブルク家当主マリア・テレジアと結婚するためロレーヌを放棄したフランツが継承しました。
後の神聖ローマ帝国皇帝フランツ1世(在位1745〜1765年)です。
トスカーナの銀貨では彼の曾孫にあたる
Leopoldo II(1797〜1870年、在位1824〜1859年)が
1856年に発行した銀貨を紹介しましたが
1826年に発行した銀貨を今回紹介します。
(左)Tuscany, 1856, Francescone, 27.5g (Ag 0.916), C75b, NRI 90, MS62
(右)Tuscany, 1826, 4 Fiorini, 27.5g (Ag 0.917), C74, NRI 100
肖像が若い!そして、かなりの美男子!
前回の銀貨が1845〜1859年に渡り発行されたのに対して
今回の銀貨は1826年の単年発行でした。
発行数は不明ですが、Numista Rarity Index 100ですから非常に稀少な銀貨です。
Numista membersの誰一人も持っていないことになります。
Heritage Auctionsで検索しても、今回の銀貨そのものしか見つかりません!
さて、今回の銀貨の鑑定は?
UNC Details Rev Cleanedでした。
UNC:未使用は分かりますが、Rev:(肖像の)反対面がCleaned:洗浄済?
実物をよ〜く見ると、反対面の背景に薄らと細い線らしきものが見えるのですが
これで洗浄済と判定するのは厳しすぎると思います。
売却時にはPCGSに再鑑定を依頼した方が良いでしょう。