令和2年12月4日役員の役割と決め方
このカテゴリーでは、住民自治組織(自治協議会、町内会、自治会等)の運営のうち、役員の役割と決め方について紹介していく。
東広島市 重見(篠原)裕次郎
役員の引継
各役員の人選は常に組織の悩みどころであるが、仮に次の役員が決まったとして、引き継ぎという作業を忘れないようにしたい。
引き継ぎには、その役員が担当する役割を網羅した引き継ぎ書や、細かい作業に分解したマニュアル等を作成してほしい。詳しければ詳しいほど、次の役員が助かるし、活動の改善に繋がっていく。
引き継ぎ書例
引き継ぎ書(例) 本部事務局長 ・役員事務局会議運営(毎月第3水曜日19時~21時下見福祉会館) 会場予約、開催案内(メール)、資料作成(全員分)、司会、記録作成(次回添付) 議題は昨年の同じ時期の資料を参考に挙げてください。 議題がなくても、無理やり作ってでも毎回開催してください。顔を合わせることが、繋がりを作り、活動を前に進めるために、とても大事です。 ・事業報告書、収支決算書、事業計画書、収支予算書の作成(毎年2~3月) 事業報告書は役員事務局会議の記録から作成、収支決算書は各支部・各部会から決算資料一式を提出させて作成、事業計画書は一旦事業報告書と同じ事業内容で作成してから各支部・各部会に諮る、収支予算書は事業計画書に沿って事務局長が一旦各支部・各部会の予算枠を設定してから各支部・各部会に諮る。 ・総会運営(毎年4月下旬 下見福祉会館) 会場予約、評議委員(総会出席者)の確認、案内(往復はがき)、資料作成、司会、議事録作成 案内(往復はがき)は〇〇事務員へ頼んでいます。 来年度の議題は通常の議題の他に、防災部会を防犯防災部会に改編しますので、防災部会の規約改正案を議題とします。 役員は二年おきに改選ですが、できればあまり変わらずに引き続き再任をお願いしたいです。もし役を降りられる場合は後任を連れて来てもらってください。 ・交付金実績報告・交付申請(毎年5月末までに 地域づくり推進課に提出) 実績報告及び交付申請資料作成、提出。 ・市民協働のまちづくり応援補助金(2月~4月 地域づくり推進課)⇒内容次第 一昨年は光の宴、昨年は三ツ城メール普及事業として補助金を受けました。 来年ももし何かお金の必要なものがあれば、申請してください。パワーポイントを作成して公開審査でプレゼンを行います。 ・宝くじコミュニティ助成(10月 地域づくり推進課)⇒内容次第 以前に光の宴用の縁台や照明を申請しましたが、落選しました。倍率高いのであまり期待できません。 ・市への生活関連要望のとりまとめ提出(随時 地域づくり推進課) 昨年までは6月までに取りまとめて市に提出する必要がありましたが、来年からは随時になりました。よって、役員事務局会議で声掛けして、要望が出てき次第、1件ずつ市に提出してください。 その際、必ず市が作成している専用の様式を使ってください。 ・市民活動情報サイトの管理(随時) 現在更新しているのは、光の宴の中間報告と完了報告のみです。光の宴代表(〇〇さん)から情報を得てサイトを更新してください。 ・三ツ城メール(随時) 来年から地域メールの導入を予定しています。「ブレインメール」というサービスに登録、運用規定(ルール、マニュアル)を策定、周知チラシ作成、全戸配布、普及グッズの作成、三ツ城マークの作成、各イベントでの普及啓発活動。 3支部から情報担当が集まって、プロジェクトチーム(実行委員会)を作って運営していきます。 リーダーを西条中央支部情報部会長の〇〇さんにお願いしています。
西条中央支部防犯防災部会副部会長 ・部会の運営(年4回 コミュニティハウスもしくは市民協働センター) 会場予約、開催案内(メール)、資料作成(全員分)、司会、記録作成(次回添付)。 最初の部会で、年間の活動計画と各活動のリーダーと参加者を決めてください。残りの3回は各活動の進捗状況の報告や、協力体制の協議など行ってください。 活動は、合同防犯パトロール&防犯教室、防犯灯等設置・維持、総合防災訓練参加、自主防災訓練、災害時要援護者計画、自主防災用品調達があり、来年からは防災活動計画の推進(組織体制の構築、防災マニュアルの作成等)が始まります。 ・合同防犯パトロール&防犯教室(8月 見晴らし公園) 当活動のリーダーは〇〇部会長が行っています。講演で警察署から防犯に関する講演を聞いた後、各自自宅までパトロール(暗がりなど危ないところはないかチェック)しながら帰宅します。 ・防犯灯等設置・維持(随時) 当活動のリーダーは〇〇部会員が行っています。もうなかなか新しく防犯灯をつける場所がないですが、もしあれば、市の危機管理課の半額助成をもらいながら設置してください。 ・総合防災訓練参加(8月) 当活動のリーダーは〇〇部会員が行っています。本部防犯防災部会から参加者選任の要請がありますので、数名参加してもらってください。リーダーは、本部防犯防災部会長とともに説明会にも参加してください。 ・自主防災訓練(3月 各公園・三ツ城小学校・コミュニティハウス) 当活動のリーダーは〇〇が行っていました。避難訓練と炊き出しが主です。区長、女性会、民生委員のご協力をいただきながら実施します。 昨年は11月くらいから隔週で担当者が集まって会議を行いました。(会場予約、開催案内(メール)、資料作成(全員分)、司会、記録作成(次回添付)) ・災害時要援護者計画(随時) 市から提供を受けた該当者一覧に基づき、各要支援者の個別計画を作ります。昨年は取り組みかけましたが、時間が足りず、1件も作成していません。まずは該当者との面談が必要と思います。 個別計画を作成したら、本部防犯防災部会長(名簿管理者)への報告と、市の危機管理課へ提出します。 発災時は、支援者→担当区長または担当部会員→支部防犯防災部会長→本部防犯防災部会長まで連絡が届くよう連携してください。 ・自主防災用品調達(随時) 当活動のリーダーは〇〇部会員が行っています。昨年度中に三ツ城小学校グラウンドへ防災倉庫と防災資器材の貸与を受けました。鍵の管理をどうするか検討が必要です。 ・防災活動計画の推進(随時) 昨年に策定した防災活動計画(3カ年)に沿って、各事業を推進します。来年は、任務分担組織表の作成、発災時対応マニュアル等の作成、パンフレットの作成、他団体との連携などを行います。数名のプロジェクトチームを作り、会議を開催してください。
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マニュアル・引き継ぎ書作り、それらの毎年の見直しは、どの役員においても重要な役割のひとつとして認識してもらい、年度末には更新したものを必ず会長もしくは事務局に提出してもらうとよい。
また、引き継ぎにおいて大事なのは、次の役員の負担感を和らげるよう努めることである。
引き継ぎ書やマニュアルに沿って丁寧に説明することは当然だが、譲った後の1年間は、手伝ったり、アドバイスすることとし、事前にその旨を伝えておくと、次の役員の負担感を和らげることができ、活動が活発になる。
また、それくらいのフォローをすることにしないと、後任探しが難しいという面もある。
私が後任へ引き継いだなかの事務のひとつに、引き継ぎ書を作成して、後任をお願いしたい人に渡したことがあったが、年度の変わり目で詳しい説明やお願いをするタイミングが遅れてしまい、無責任だと激怒されたことがあった。この方にはそれ以来、住民自治組織を手伝ってもらえなくなり、大変な痛手となっている。自戒の意味を込めて、ここに書かせていただいた。
R021228役員の引継
東広島市 重見(篠原)裕次郎
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