鎌刃城
別名:ー
城地種類: 山城。
築城年代: 1472年(文明4年)以前か?。
築城者: 土肥氏または堀氏。
主な関連施設:Cafe&Gallery「源右衛門」スタンプ。番場資料館:パンフレット・御城印等。
文化財史跡区分: 国指定史跡
西郭・畝状竪堀群
2017年4月6日の「城の日」に財団法人日本城郭協会が続日本100名城を発表しました、滋賀県からは 八幡山城と" 鎌刃城 " が選ばれました。
スタンプを押したうえで登城数をカウントしたいと思います。
今回の ” 鎌刃城 ”をもって続日本100名城、登城36城目とします。
2021.5.4登城。
鎌刃城概要:
近江の江南と江北の境目にあり、標高は384m比高は250mで南北と西側の尾根筋に無数の郭や堀切・竪堀をもつ大きい山城で、京極家と六角家、また織田家と浅井家の争いの舞台にもなったまさに重要拠点の山城でした。
国人の堀氏は浅井家を裏切り、織田方に寝返り城主に返り咲きますが、その後改易となり、鎌刃城も廃城(正確な廃城年は不明)となりました。
鎌刃城縄張図
以下記事において、こちらのパンフレットの縄張図を参考に鎌刃城を紹介していきます。
今回、其の弐では主郭~南Ⅰ、Ⅱ、~西の尾根(畝状竪堀群)~南の尾根(7つの堀切)~切通し。とレポートしていきます。
尚、前回(其の壱)の記事はこちら↓
主郭虎口
場所は縄張図の④となります。
其の壱でも紹介しましたが、この虎口は発掘調査の結果で鏡柱と控柱の礎石が見つかっており、薬医門があった事がわかっています。
主郭南・囲み石積
かつて主郭の南側に囲み土塁があると思われていましたが、発掘調査の結果土塁ではなく、内側も郭の外側にも石が積まれている石塁である事がわかったそうです。
これで主郭の散策は終了、南側へと移動していきます↓
南Ⅰの郭
主郭の南側にある郭で、堀切を挟んで南Ⅱの郭があります。
その間に堀切があるので見てみましょう↓
かなり劣化している模様…。
ここで西の尾根筋へ行こうとしたところ、あれっ!尾根が無いっ!縄張図には書いてあるのに…。
よく見たら、ほぼ直降ともいえる急斜面にロープが1本あるではないですかっ!ここを下るの?うそでしょ!でも、畝状竪堀群は絶対に見たいので下りていきました。
因みに場所は縄張図の⑤となります。
西Ⅱの郭と西Ⅲの郭間の堀切
直降ともいうべき急斜面を下りて、最初に現れる堀切となります。
西の尾根には4条程の堀切が確認されています。
こちらは西Ⅲの郭と西Ⅳの郭との間にある堀切です、この辺りは岩盤ではなく土なのでやはり劣化が激しいですね。
西Ⅵの郭ですね、この南側斜面に畝状竪堀群があるので早速見に行きます↓
西郭・畝状竪堀群
場所は縄張図の⑥となります。
出ましたっ!近江の山城では珍しいと言われてる ” 畝状竪堀群 ” 近江の山城はあまり行っていないので本当かどうか知りませんが…。
これを見たかったんですよっ!
それにしてもやけに綺麗だな、草がまったく生えていなくて地肌がでている…。
俺は見てしまった、軍手と草刈り機が置いてあるのを…。
そうです、誰かがあの地獄の急斜面を草刈り機を担いで下り、この場所を手入れしているのです!驚きを通り越して感激してしまいました。(有難う御座います)
西側からも見てみます。
凄い、草がまったく生えていない…。
作業が終わったあとにあの斜面を登るのか、草刈り機を担いで……。
この作業者こそ、真の ” 山城マスター ” だな、そう思いました。
西端の堀切
西の尾根にある西端の堀切となります。(ほぼ埋まっています)
これで西の尾根の散策は終了、いったん南Ⅱの郭まで戻ります↓
再び南Ⅱの郭へ
戻って来ました、先程の急斜面を直登して。
この南Ⅱの郭の南(正確には南東)には南側と西側に土塁があり、この両方向からの攻撃を意識した造りとなっています。
近くで見てみましょう↓
なるほど、南の尾根筋を警戒して造られていますね。
ここに鎌刃城の案内看板があったので見てみましょう↓
鎌刃城の見所ポイントが網羅されており、分かりやすいですね。
ここである事に気が付く、先程の西尾根について「このコースは上級者向けです」と書いてあります。(やっぱり…)
ここから南の尾根へと進んで行き、” 7つの堀切 ” を見に行きます↓
南Ⅱの郭南側(南東)の大堀切
この南側の尾根筋は、ここ鎌刃城において唯一の尾根続きとなります、しかもこのまま城外へと上りになっており、守備側が低くなる地形のため7条以上の堀切を設け防御の要としています。
南尾根2条目の堀切
先程の大堀切からカウントすると2条目になります。
(この後、堀切の数が合わなくなり、悩みました)
鎌刃形状の尾根
この城の名前の由来となったと言われている、「鎌刃形状の尾根」をご覧ください。
現地を歩くと、写真以上に鋭く鋭利な感じの尾根だと感じます。
大堀切から数えて3条目と4条目の堀切となります。
堀切自体はかなり劣化しているので、現在ではこんな感じです。
そしてこちらが、大堀切から数えて5条目の堀切となります。
この細い尾根筋に堀切があると、攻め手の侵攻速度は著しく低下するでしょうね。
大堀切から数えて6条目の堀切となります、堀切5と6の間隔は近いです。
向かって左側はそんなに危険ではないのですが、右側は崖のようになっており、落ちると下まで滑落する感じの急斜面となっております。
(左側はともかく、右側には絶対に落ちないように…)
こちらが大堀切から数えて7条目の堀切となります。
でもこのすぐ先にもう一つ切通し(大堀切)が見えるではありませんかっ?
早速見に行きます↓
8条目の堀切!
場所は縄張図の⑦となります。
何処から見ても堀切ですね、そうです7つの堀切ではなく ” 8つの堀切 ” でした。
尚、「鎌刃城トレッキングマップ」の案内図には堀切が9つ書いてあります。
米原市教育委員会作成の鎌刃城パンフレットには8つ書いてあり、城内の案内看板には7つの堀切と表記があります。(混乱するので統一してほしいな)
以上で鎌刃城の散策は終了、麓で昼食をとり帰路につきました。
昼食
朝、昼、晩、と三食これでいいです。
御城印
御城印販売場所:番場資料館
御城印のサイズ:通常サイズ。(日付は入りません)
御城印の値段¥:一枚300円。
スタンプ押印
スタンプ設置場所:Cafe&Gallery「源右衛門」の箱の中。
スタンプの状態: " やや悪い " 試し押しをしたのにご覧の通り。
スタンプの印影:主郭の枡形虎口か。
近江・鎌刃城
見所ポイント:大堀切、大石垣、枡形虎口、連続堀切、畝状竪堀群、大櫓跡、竪堀等。
駐車場:① 滝谷林道の広くなった所(35.2938669,136.3175577)。
② 番場にある登城口看板の反対側に無料Pあり。
総評:近江の江南と江北の境目に築かれた巨大な山城、" 鎌刃城 " 北尾根、南尾根、西尾根の3つの尾根にそれぞれ展開する郭、堀切、石積等、どれも目を見張るほどの素晴らしい遺構の数々で、時間が経つのを忘れついつい見入ってしまいました。特に印象に残ったのは西尾根の ” 畝状竪堀群 ” と南尾根の " 8つの堀切 " で、山城マニアにはたまらない一品となっております。こんな見所超満載の山城 ” 鎌刃城 ” に週末辺り訪れてはいかがでしょうか。