magisyaのブログ

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決勝二回戦?

「さあ二回戦は、虫食い大喜利だぜぇ? 写真の虫食い部分に面白い言葉を入れるんだ!」

「虫食い? 一体何が来るのかしら……」

挿絵(By みてみん)

 ぬ、これは眼鏡を掛けた大柄の男性が、何かを我々に教えてくれている様な写真である。

む? 良く見ると台詞の一部分が消されている。

 ここから察するに、虫食いと言うのは、恐らく本来喋っている台詞の一部分を空白にして、代わりに何か面白い言葉を入れて笑いに変えると言った問題なのかもしれない。

 しかし、元は何を言っているかは私は分からない。元の画像は何を言っているのだろうか?

彼曰く、強い竜巻が来た時に、彼が何かをしてくれると話している様だが……一体どんなセリフを言えば笑いに繋がるのであろうか?

彼の言っている台詞に関連性のある言葉を選択しなくては笑いには繋がりにくい気がするかなりの難問。

私は皆目見当がつかぬ。選手の皆は、一体どんな答えを思い付くのであろうか……

「さあ! このファッティボーイが、何かをしてくれると言っているぜ? どうするんだい?」

「はい」

「3番の君!」

『これは僕が……ちょっといいですか? 聞こえましたよ? 司会さん? 今僕の事をファッティボーイと言いましたね? 近い内に抹殺します』

ドッ

「ちょw私自身が良い前振りを気付かない内に出していたあぁw しかし怖い事言わないで欲しいぜえ!! さあポインツは?」

6000と表示

「あれ? 意外と上手いじゃない鎌瀬さん!」

「次居るかい?」

「はい」

「2番の梓さん? どうぞ!」

『僕が伸び太のモノマネをして、銅鑼衛門に泣きつき、14次元ポケットを盗み、極秘道具でやっつけます』

ドッ

「中々の知能犯だぁ。でもぉおどっちかと言ったら彼は伸び太と言うより銅鑼衛門側の体格じゃないかあ? ポインツは? 6000!! いいねえ! 他には?」

「はい!」

「5番の金賀さんどうぞ!!」

『僕がキングビンボーを召喚し、列車に乗って日本各地の物件を買収しまわっている悪徳社長に向けて放つ様に依頼しました』

ドッ

木兆きちょう鉄のキングビンボーか、もあいつは何でも出来るからねー。でもそいつを召喚するって……この青年何者なんだああ? まあいいや。さあ、ポインツは? 6500か」

「はい」

4番の白川が、落ち着き払った声でゆっくりと手を挙げる。しかし、瞳を閉じ集中している様に見える。

「おっ? 4番どうぞ! ……ん? まだ目を閉じてる? 眠くなっちゃった? まあいいか。さあ、この眠れる獅子のネタだァ! 一体どんな物なんだ?」

そして目を閉じたままゆっくりと語りだす……

『僕が……増えすぎてしまった人類を、削減する為に生み出した自然兵器です』

ドッ

「ああ、あっち側の人間でしたか……って怖いよ! 無表情で言ってるよ? そこが不気味だぜえ?! お笑いの大会なんだから平和に行こうぜえ? ブラックなネタが続くなあ……まあいい、ポインツを表示してほしい」

 7000と表示

「おっ? 中々のポインツだ、次は?」

「はい」

「また4番? 連続だァいけぇええ!」

『僕が醤油とわさびでペロッと食べちゃうので安心して下さい』

ドドドッ

「すごい! そんな事できるならノーヘル賞ものだよ。でもワサビと醤油が無いと駄目なのか……そうだよな

あれは何にでも合うもんね。で……ポインツは?」

 スクリーンには7000と表示

「中々の高ポインツだ。どんどん6番に近づいてるね」

(うー、やっぱり強いわ。何か考えないとうーんうーん。そうだ! 彼に自己紹介させてみようかしら?)

「次はいるのかい? どうなんだ?」

「はい」

「8番の火村君だね? どうぞ!」

『僕が……あ、紹介が遅れましたが、僕こそが【あの】前坂 剛です』

ドドッ

「あっ、言われたー」

アリサは、正に今言おうと思った答えを先に言われてしまい、更に焦る。

「突然の自己紹介! 意表を突かれたね。でも【あの】って言われてもそこまで有名人なのかなあ?」

スクリーンには6800と表示。

「くー、タッチの差だったのに……」

「いいね! 次は誰だい?」

(まずい、私だけ答えられてないわ……難しいよ……8番のパクっちゃおうかな…… 

だって私も同じの思い付いたんだし、ちょっと遅れはしましたけれどもいいですよね? って言えば許して貰えるかも? こんな天使の産み落とした美妖艶少女のお願いなんだから聞いてくれない訳ないし……それに……天丼は まだ誰もやっていないから行けると思うけど……あっ、天丼じゃなくてちょっと変えて、あれでいってみよ)

「はい」

「6番どうぞ!」

『僕が……あ、その前に自己紹介します♡僕が、前坂 剛の双子の妹の前坂 剛子ですうっふん♡』

ドドッ

「え? この人女の子で、しかも僕っ娘なの? でも字幕には前坂剛って書いてある気もするが気のせいかぁ? それにしてもうーん気持ち悪……おっと口がすべった。ポインツは? 8000だ! いいよいいよ!! 次居ますかぁ?」

「はい」

「また4番?」

『僕が逆回転し、ぶつかる事で、あの程度見事中和させます!』

ドドドドドッ

「おお会場が沸いたよ! ポインツを見せてくれ」

9500と表示

「おお? もうすぐ10000だ! 凄いよ4番!!」

「駄目だわ……もう何も思いつかないわ。うーんうーん」

「はい!」

容赦ない追撃。

「ゲゲゲェまた4番かよぉ。なんて引き出しだあ!」

『僕が出すおならで吹き飛ばすから安心して下さい!!』

ドドドドドドドッ

「彼はおなら凄そうだけど凄すぎるぜえ? 竜巻の恐怖は消えるけど、おならの臭いの二次災害も酷そうだあ。さあ、ポインツは? 13000ポインツゥ? かなりの高ポインツ!!」

「フッ、俺は1回戦目は遊んだのさ。でも今は少し力を解放しただけだぜ? これが覆し様のない実力差だ!」

白川が、アリサに厳しい現実を叩き付ける!

「うームカつく! 少しとか嘘突くな! どう見ても本気だろ! 子供相手に本気出すな! 大人げないぞ!」

「まあ少しってのは冗談さ、本気でやってるよ。俺も優勝狙ってるからな。

だから、子ども相手に本気を出すな! って怒るのは筋違いだぜ? お前も小学生だからって手加減して貰いたいなんてこれっぽっちも思っていねえ筈だぜ? それにお前は駆け出しだがれっきとした芸人だ! これは芸人同士の真剣勝負なんだよ! チビ!!」

「ううう、でも、どうしよう……こんなんじゃフンガーに合わせる顔がない……閃けーー! アリサ!」

ゴンゴン

自分の頭を叩き、閃こうとするが……出てこない。

「ゴンゴン? ん? 何の音だ? もしかしてお前地面に頭でもぶつけてるのか? とうとう壊れちまったか?」 

「何だあ? 6番が自分の頭を叩き始めたぞ?」

「アリサちゃんお願い! 止めて!!」

悲しそうな顔で悲痛な叫びを上げるケイト。止めてくれケイト様……美しい顔が……だが……涙にぬれた表情もまた美しい……

「はっ!!」

頭を打った影響か? アリサは遂にひらめく!!

「はいっ!!」

「おお? 6番きたぞ! さあ、どんなワードを入れるんだ?」

『僕が全力疾走した時に相当するSPEEDです』

ドドドドドドドッ

「意外と動けるファッティーマンだった? いや、速すぎだろ! 1秒で100メートルって……まあいいや! かなりの盛り上がりだぜえ!! ポインツを見せてくれぇ」

10000と表示

「うおお! やはりこの少女は強い! だが本職の芸人が負けてらんねえよなあ? 次は居るかい!?」

「はい!」

「また6番? いいねどうぞ!」

『僕が三年前に造り上げたおならが、意志を持ち、あそこまでに成長してしまいました……こればかりは僕の責任です……すいません(´・ω・`)」

ドッ

8000と表示

「何!? 俺のさっきの死ぬほど面白いオナラネタにかぶせやがっただとぉ?」

狼狽える白川。

「みてくれ! 6番の合計ポインツが71700ポインツだ!! 4番の71200ポインツを抜き返した!」

「やった、まだ舞える!! まだ終わっていない! 絶対に諦めない! 待ってろフンガー!!」

瞳に再び光が灯るアリサ。

「他に居るかい? いないみたいだな。よし、では第2問行くぜぇ! 今度は文章問題だ。スクルィーンを見てくれぇ」

【日本肉体美大学が独自で出している珍しい入試試験とは?】

そんな文字がスクリーンに映し出される。しかし、お題の肉体美大学とは一体? まあ架空の大学だろうな。

そこでしか行われていない試験を言えと言うのだ。大喜利とは奥が深いな……

「はい!」

「3番どうぞ!」

『ボディビルで、一番オイルのテカリが美しい人が合格』

ドッ

「肉体美大学だし、ありそうだねぇ! オイル持参で入学試験に行くなんて珍しい大学だぁぁ。ではポインツは? 5500! いいじゃないか! 次は?」

「はい!」

「2番どうぞ!」

『美味しいプロテインを使ったレシピを考えた人が合格』

ドッ

「筋肉に効き美味しいレシピを受験生に考えて貰うって事だね? まあ若くて柔らかい頭で考えれば、凄いレシピが生まれるかもしれないねえ! ポインツは? 5800か! いいぞお! 次は?」

「はい!」

「5番どうぞ!」

『解答用紙が、石板で、マークシートのチェックを鉛筆の代りに殴って砕いて解答する』

ドドッ

「石板を砕けないと回答する権利すらないのかああ? ハードル高いなあ! ポインツは? 7000か、よしいいぞお! 他にはいるのかい?」

「はい!」

「8番どうぞ!」

『プライベートで面接官に近づき、タンパク含有量が高いプロテインを渡しておく』

ドドッ

「おっとぉ?? 試験の前から戦いは始まっていたあ? でも、裏口入学はいけないぜえ? ポインツは?」

6500と表示

「うんうんいいよいいよ! 次は居るのかい?」

「はい!」

「お? 4番どうぞ! また抜き返す事は出来るのか? しかし、何故目を閉じたままなんだああ? 一つの感覚を遮断する事で感覚を研ぎ澄ますと言ったところかあ?」

『3人でチームを組み、1時間以内にゴリラを倒す試験がある』

ドッ

「厳しい試験だぜえ! しかも初対面で3人のチームを作るって相当なコミュニケーション能力が必要だなあ。それにそのメンバーにゴリラを倒す能力があるか見極める観察眼も必要だし、息が合うかも難しそうだ! それを含めて制限時間が一時間かあ、ちょっと短い気がするぜえ? さあ、ポインツはどうなっている? 4番のポインツ表示をして欲しい!」

10000

「いいねえ他にいるかい?」

「……」

「いないみたいだねえ。次は再び穴埋めのお題だ」

「コロコロ変わるわねえ。統一しなさいよあのハゲ!」

「次は、これだ!」

挿絵(By みてみん)

何だこれは? 上の女性は、確か……日曜の終わりを告げるアニメ、サザメさんの主人公のサザメさんだった筈。

グラサンがトレードマークだったな確か。

そして、その下に書かれているイックラとは? ウム、確かサザメさんに登場する明太子さんと糊助さんの一人息子の名前の筈。しかし、それ以外空白で、更に2つ空白があるのも気になるな……そしてこの画面構成……ぬ! これは見覚えがある。そう、これは次回予告の画面だ。恐らく次回の3話分のタイトルを、イックラと言う言葉を生かして埋めて行けという事なのか? フム、これは未だかつてない程の難問ではないだろうか? 一体どんな答えが正しいのだ?

「はい!」

「はい3番の鎌瀬さん」

『イックラ、空を飛ぶ』

『明太子さんイックラを追いかける』

『イックラ墜落』

ドッ

「空を飛んでも着陸方法が分からなかったかあ。見切り発車は危険だなあ。気を付けて欲しいぜえ? ではポインツは?」

7000

「ほうほういいぞお! 次は居るかい?」

「難しいわねえ。でも、はい!」

「2番の梓さん!」

『イックラ妖精と出会う』

『イックラ妖精の国で暮らす』

『イックラ妖精王になる』

ドドッ

「支配しちゃったかああ。一体何があったんだぁ? 凄い3歳児だあ。ポインツは?」

8700

「おお! いいぞいいぞ! 次は居るのかああ?」

「はい」

「5番の金賀さん!」

『イックラ、タッラちゃんと出会う』

『二人の友情チーム結成』

『イックラ初めての泥棒』

ドドッ

「チームってタッラちゃんと泥棒のチームを組んだって事かい? ダメダメ! ポインツは」

8200

「いいね盛り上がってるよ! 他にいるかい?」

「はい!」

「8番の火村さん! どうぞ」

『イックラ異世界転生』

『初めてのチートスキル』

『230個目のチートスキル』

ドドドッ

「多い!! 2話と3話丸々使っても終わらない程の大漁スキルを授けてくれたんだねえ? 太っ腹な女神だねえ! でも流石に供給過多だよ! 女神も気合入り過ぎでしょ! 女神差にもよるけどさ、普通2~3個だよね? くれるチートスキルって? そんなに貰っても覚えきれないし使いこなせないよ! しかし、ずっと女神がスキルの内容を説明しているシーンはシュールだなあ。220位で視聴者も離れていくかもしれないぞ? で、ポインツは?」

9900

「いいじゃないか! 次居るかい!」

「はいっ!」

「6番のアリサ選手どうぞ!」

『イックラ寒空の下誓う』

『バブー』

『ハイー』

ドドドッ

「そうだったね! 誓うと言っても彼はそれしか喋れなかったなあ。一体何を誓っているのか気になるぜえ? ポインツは?」

10000

「おお! いいぞぉ! 次は居るかい?」

「はい」

「4番どうぞ!」

『イックラ、タッラと2人ぼっちの最終防衛線』

『大ピンチ……残された最後の切り札フョージョンとは?』

『静かなる怒りを胸に抱く世界の命運背負いし奇跡の戦士、イッタックラちゃん誕生』

ドドドドドドドドドドドドッ

「お、これはドラゴンキューブで登場する、同じ位の体格の人同士が一つに合体出来る技のフョージョンか。

サザメさんとドラゴンキューブのコラボじゃないか!! いいぞお! 地球に二人だけ残されたイックラちゃんとタッラちゃんは、地球を侵略しようとする脅威とたった二人で戦っていたんだね? でもピンチになり、そんな時フョージョンと言う融合特技を神様に教えて貰ったんだね? そして、何度も失敗するが、遂に奇跡の戦士イッタックラちゃんに変身し、地球を救うと言う流れなんだね? ……でも、イッタックラちゃんって言いにくいなあ。ところでこの続き凄い興味があるぜえ! 続きを早く聞かせてくれええ! って、今はそんな場合じゃないね。この盛り上がりは6番の選手を上回る可能性もあり得る!」

「早く点数見せてー」

「気になるよー」

ワーワー

「おおぉ会場の熱気が……ひゃああああああああ」

ダダダダダッ

司会は興奮して走り出す。そして、カツラをばらされて落ち込んで伸ばせなかった筈が、かつての良い語尾伸ばしをしてくれるようになる。まあ一時的な物であろうが……そして、舞台の縁付近に立つと、マイクを客席に向けるポーズをする。お漏らししたくせに。

「ハァハァ……さあ、ポインツを表示して欲しい!」

汗をぬぐいつつスクリーンに注目する司会。

ピピピ……

…… 

……ピカピカ

ピカピカピカピカピカピカ……?

舞台両脇の装置のライトが見た事の無い様な激しい光り方をした後……ポスン

バツン!

!?

停電が起こる。これで3度目だ。

「え? こ、壊れた? うわああ」

戸惑う司会。

「うわーまたまた停電だー怖いよー」

 そして、お決まりの様に、受付付近のメガホン男も慌ててメガホンの電源を入れ叫び回る。もうメガホンは使わぬ筈であろう? 何故離さないのだ!! 迷惑をかけているだけであるぞ! 早くそれを捨てるのだ!!

その暗さの中、アリサは冷静だった。そして目を凝らす。すると、その暗闇の中で人影が動いている? その人影は……

 闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

 闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

 闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

 闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

 闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇人闇闇闇闇闇闇

 闇闇闇闇闇闇闇闇闇人闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

 闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

 闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

 闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

 闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

 闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

 闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

 闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

 闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

 闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

 闇闇闇闇闇闇闇闇闇人人闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

 闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

 闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

 闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

 闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

……? 

 闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

 闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

 闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

 闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

 闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

 闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇人闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

 闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

 闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

 闇闇闇闇闇闇ー<闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

 闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇

「え?」

 アリサは、薄暗くなったステージ上から。かすかに光る何かが落ちていく様な物を見た。

そして

 ドサッ

何かが落ちる。その嫌な音が、マイクに拾われ会場内に響く。

「ざわざわ ざわざわ」

「どうした?」

「今凄い音が……」

会場内の観客も息をのむ。

「……」

「……」

「……」

そして暫くして明かりが点く……?

 特に変わりは無い様だ。……む! 違うぞ? そうでも無い様だ。壇上にいた筈の司会が居ない。

皆明るくなって目を慣らすのに時間はかかっているが、次第に慣れてきて異変に気付く。

「あれ? 門太さん……?」

「そう言えば居ない?」

「下だ!!」

 その声に皆、壇上のへりに移動し、下を見る。

すると……先程までハイテンションで司会をしていた男が、舞台下の地面で倒れていた。そして、彼の股間からは何やら染みの様な物が染み出し床に広がっていた。

その液体。どうやら赤色ではない。そこから推測するに、血液ではない様だが……一体何の染みなのだろうか? 私には皆目見当が付かない。そして、客席からでは司会が倒れている事は確認できないせいか殆どの観客は何が起こっているか分かっていない。

「なんてこった」

火村が顔を手で覆う。

「きゃあ」

「うわっ」

梓、金賀も舞台下を見るなり驚く。

「まだ死んでいるとは限りませんよ。すいませーん」

鎌瀬がスタッフを呼びに行く

「今の今まで元気だったのに……どうなるか分からないもんだな……滑って落ちちまったのか?」

白川も暗い表情で言う。

「またか……全く『私の行く先々で事件が起こる件について』だわ。いい加減にしてほしいわ」

「え? アリサちゃんはそんなに頻繁に事件に遭うの?」

「うん、昨日もホテルで起こってさあ。それを私一人で解決したんだよ!」

「本当に? 道理で……若い割には賢い訳だ……」

【若い割に】

鎌瀬はこう言った。本来の鎌瀬なら、小さい割にと言っても良いタイミングだった筈だ。

そして、これから先何度そのタイミングが訪れても鎌瀬は2度と言う事はないだろう。

一体なぜか? それはもう、変わってしまったのだ。アリサの潜在能力を目の当たりにし、肌で感じ取り、彼の中では大きな変化が起こった。

アリサが、先輩どころか師匠クラスの威厳を放っている大物だという事を、本能的に感じてしまった。

縦を重んじる芸人の世界。例えその対象の年齢が若くても、芸歴が長ければ【兄さん】と呼ばれる不思議な世界。

そう、アリサはもう鎌瀬にとって【兄さん】なのだ。兄さんに失礼な事を言える筈もない。

そして、普通そんな

「昨日事件を解決した」

等と言う嘘の様な話すら完全に信じ込んでいる。

「ど、どうしましょう?」

「と、ととりあえず病院と、警察署を呼んで来い!」

動揺した火村はおかしな事を言っている。

「救急車と警察に連絡するんですね? 了解です!」

鎌瀬が携帯を取り出す。

「どうなったんだー? 誰か説明してくれよ!」

「早くネタみたいよー」

司会が倒れた事で大会は一旦中断する事になる。

しかし、ずっと大会が進まずに会場内のざわめきは一層強まる。

「アリサ大丈夫かしら……」

「大丈夫ですよアリサちゃんなら!!」

「フンガー? フンガー?? 」

「先程の停電で、司会が視界不良による転落で意識不明です。

今、代わりの進行役を探しているとの事なので暫くお待ち下さい」

 その騒ぎを収める為にスタッフの一人が事情を説明した。

何故か上手い事を説明に入れている。流石お笑いのコンテストのスタッフをやっているだけの事はある。

だが、今は緊急事態なのだから、必要な事だけを言えばいいと思うのは私だけであろうか?

 

私の書いている小説です

リンク先はブログより4話ほど進んでいます。先が気になる方はご覧下さい。

https://estar.jp/novels/25771966

 

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