magisyaのブログ

小説となぞなぞを投稿してます

優勝者決定……?

「優勝は4番の白川さんです」

ダダダダダッ。バッ! ぬ? 何の音だ?

「あっ!」

「くそっ、たったの9京点差じゃない超悔しい!! (どうしよう……このままじゃ優勝を取られちゃう……フンガーとの約束も果たせないし、修ちゃんとも会えなくなる……そうだ!)分かったわ。もう許さない絶対に!!!」

マイクを司会から奪い取り怒鳴るアリサ。因みに白川の得点の9京4点は、漢字で表さないとこうなる→90000000000000004対4である。

たったと言える差に見えないのは私だけだろうか?

「…………(>_<)」

司会が何かを言っている。だがとても小さい声で、理解できない。そう、マイクがあったから何とか届いていた声だ。

最早誰も彼女の声は誰にも届かない……

「うるせえよマイクで怒鳴り散らすな!! だが運営のお遊びとは言え、9京点差なら大差だろwwふん、どう許さねえんだ? 言ってみろw」

「目にもの見せてくれるぅぅぅ」

野獣の様にうなるアリサ。司会の几帳面な性格のせいで9問目が引き分けになったり、蘇我子が出したお題で失敗したりと色々な怒りが今更になり込み上げて来たのだろう。子供故に制御が効かないのだろうな。確かに怒虎と玄武のネタは僅差ではあるがアリサに軍配が上がっていたかも知れない。10問目まで引き延ばされなければもしかしたら優勝は彼女だっただろう。だがルールはルール。引き際をわきまえるべきであるぞ? アリサ!!

「悔しいか? でもこれが結果だ。小学生にしては良くやったよ。もっとあっさり勝ち抜けると思っていたからな。5連続先取でな。だが現実は問題が足りなくなって観客から募集するなんてイレギュラーな事まで起こった。こんなのよお前代未聞だぜ? 10年やってるプロの俺がこんなにてこずるなんて思ってなかったぜ? 褒めてやるよ! お前ならちょっと頑張ればプロの芸人になれるんじゃねえか?」

白川の言葉に偽りはないであろう。実際アリサも健闘したのだからな。

-------------------------End of battle------------------------

Alisa los……? !???

Has Alisa started a runaway? Alisa out of control! did she change the course of fate? impossible Can't happen! Error occurred! Error occurred!!

「犯人は、白川修! あなたよ!!」

ビュッ!!!!

な? アリサがおかしな事を言いつつ何かを白川に投げつける……? そして、本来

【アリサ、敗北】

とリザルト画面に表示されるその寸前、謎のエラーが発生した……のか? こ、これは? 一体何が起こっているのだ? アリサが暴走したと記されている。そして、確か白川が犯人だと聞こえた気がするが……これはどういう事だ? そして、アリサは白川を睨む。おぞましい憎悪に満ちた瞳で。この瞬間彼女はこのお話のヒロインであるという事を一切自覚していない。

よく見ると、彼に投げつけていた物は、今まで装備していた芸人の三角帽子だった。そして、鞄から取り出した撥水ベレー帽をかぶり直す! これは芸人の役職を破棄すると言う気持ちの表れだろうか?

Alisa transformed into the most suitable figure to pursue the truth 

class change! comedian→detective and HP MP recovery!

-------------------------battle restart------------------------

アリサは、真実を追い求める為に最も相応しい姿に姿を変えた? と記されている。

成程。彼を追い詰めるその為に最も相応しい職業に戻った? と言う事なのかもしれない。

そう、今までは白川に渡された帽子で、芸人に一時的に変わってはいたが、それを捨て、探偵にクラスチェンジしHPMPが全回復し、白川の勝利で終了する筈の闘いが何故か再開されてしまった様だ。

そう、芸人VS芸人から探偵VS容疑者という変化が起こりな。全く……滅茶苦茶なんだよなあ……彼女は、白川に負けてしまったと言う悔しさと、賞品を渡したくないという強い気持ちから、頭の中ではうっすらとは感じていたが、言えなかったこの言葉を、本来は小さき疑いを、全て解決してから言わなくてはいけない筈の言葉を、何一つ解決せず、本能に従い叫んでしまった。まあ試合に勝ち進み、次第に疲弊しほとんど推理する時間も無かった訳だから仕方のない事だが。

そう言う所も子供過ぎる故に引き起こされた事だよなぁ……これは要するに我慢は出来るけど今は誰も居ないから屁をしてしまえ! と、大きい音を立てて放屁するあの時の気分と同じなのか? 良く分からないが……当然アリサのそんな意図を理解出来ない観客もスタッフも全員【ポカーン】である。そして読者の皆さんもポカーンとしていると思う。

言い訳になるかもしれないが聞いて欲しい……私は、反射神経なら同世代の男性の中でも一際優れていると自負している。だが、この突然の解答編突入は反応、対応が出来なかった……申し訳ない。

まあ彼女もフンガーと交した約束が果たせない事知った事で、このままにしては居られなかったのかもしれない。

これは空前絶後の事態である。しかも、舞台上は録画もされている。これ以上に無い証拠が残る。そしてマイクで会場全体に伝わってしまった。アリサがマイクを奪ったのはこれが狙いだったのだろう。そう、突然の解答編に突入してしまった。

しかし、早乙女の時から常々表示されていて今はもう慣れてきてしまったが、何故クラスチェンジする度に完全回復するのだ? うーむ……ハッ! 分かったぞ! まさかそんな事が……だがこれ以外考えられぬ……皆さんも驚くとは思うだろうが心して聞いてほしい……これはRPGのラスボスがよく使う、第二形態に移行したという事なのかもしれない。

そう、ヒロインのアリサがだ! 例えばトラクエでも始めは魔導士の様な風貌のボスが倒れた後に、巨大な竜に変身する場合もある。その時起こった現象は、紛れもなくクラスチェンジであろう。

魔法で攻撃してきた第一形態は恐らく魔導士。そして、クラスチェンジして竜になり完全回復。

その瞬間先程使えていた呪文は全て忘れている。全く同じだな。アリサはヒロインなのにラスボスの特性を持っていたという事か?  恐るべき執念……彼女は白川に負けHPが無くなった瞬間に、探偵にクラスチェンジし白川を追い詰める! それは、身勝手なクラスチェンジ。だが、思いの力が強ければ成立するクラスチェンジだ。そして、第2ラウンドが始まったのだ。

「え?」

「なんだ? なんだ?」

「ママー犯人って何? ママー?」

「一体7にを言っているのアリサちゃん?」

「こんな時におかしいよ」

七瀬や鎌瀬も舞台袖からアリサ駆け寄り抗議する。そして。

「ちょ……アリサさん? 何言ってるんですか!!」

ダダダダダッドタドタドタ

一旦、署に戻ろうとしていた竜牙が、アリサの言葉に反応し、舞台まで上がってくる。

「私の逆歯刀の竜牙刑事さんも来たのね? 丁度いいわ! 根拠があるの」

そんなものは無い。真っ赤な嘘、ハッタリである。

「何て子なの? 全く……予備のマイク一本だけ残っていました。良かった良かったって……ああー!」

 司会が予備のマイクを持ってくるが、それも白川に奪われる。

「…………(#^ω^)」

マイクを奪われた司会が何かを言っている様だ。しかし、全く聞こえない。

「はあ?? 何言ってんだこいつ? 気でも狂っちまったか? この場面で言う事じゃねえぞ!! それにこの帽子……お前の物だろ? もういらねえよ!」 

白川もマイクで反論する。もうお笑いの戦いの舞台から、一気に容疑者VSアリサに変わってしまった。もう後へは引けない。

「本当にかぶって欲しい人は、私じゃ……ないんでしょ?」

「クッ……知らねえよ! 何の事だ? これはおめえにやったんだ。他にそんな奴いねえよ……」

「そうかしら? 私は見当付いているけどね」

「う、うるせえ……黙れ!!! それによ、今言うべきは

【白川さんおめでとう! 私なんかゴミムシ過ぎて全く歯が立ちませんでした♡】

だろ? 何なんだよ一体。それにお前自身が持ち物検査して俺の身の潔白は証明されただろ?」

「残念だけど、その持ち物の中に、犯行に使える物を持っていたじゃない? 思い出しちゃったんだ」

「ん? 何の事だ?」

「あんたの持っていたリモコンよ!」

「はぁ?」

「もしかしたらあれは、マルチリモコンなんじゃないかって思ってね。

今ではスマートフォンでも設定すれば出来るみたいだけどね。

で、何でリモコン持ってるんだろう? って思ったけど、それがマルチリモコンなら納得が行くわ」

「ただのリモコンだぜ? 俺の部屋のテレビのな。さっきも言ったけど、うっかりポケットに入れてここに来ちまっただけだ」

「どうかしらね? 調べればすぐに分かる事よ」

「それでどうすればあいつをリモコンで落とす事が出来るんだ? まさか実は人間じゃなくてロボットだから、リモコン操作で落とせたってかw」

「停電よ」

「停電?」

「そう、今日何回か起こっていたわね? それはそのリモコンでこっそり色々な機械を起動させたり……後は、エアコンの設定温度とかも下げられるだけ下げ、風速も最強にして、このビッグエッグのブレーカーを落ちる寸前までにしていた訳よ」

「それがどうした? 全く見えて来ねえぜ?」

「それプラスあの音量を計って点数にする機械が作動すれば、停電する様に調整したんだわ。多分ね、舞台上で司会を落とす為にね。あの機械、高得点になればなる程にランプが多く点灯する。その分消費電力は大きい筈よ」

「停電で落とす? まだ分からんな。適当な事言っていちゃもん付けるな!」

「それに、あの人興奮すると舞台の最前線にまで走って行ったわよね? そういう癖なのかって思ったの。現に白川さんのネタで会場内が盛り上がってた時、前まで走っていたわ」

「偶然だ」

「でも白川さんは司会と知り合いってのは知っているから、その癖を知っていた可能性もある」

「言いがかりだわ。そんな癖があるなんて全く知らん」 

「そう? まあいいわ。で、その時、疲れて息を切らしていたし、そのタイミングで急に暗くなれば、後はもう一つ位何かが起こればバランスを崩して落ちていく筈」

「何かって何だ? 曖昧過ぎるぜ」

「それは……音とか? そうよ! 会場の歓声や拍手」

「……何にせよそんな推理じゃ納得できねえぜ? それに仮に上手い事落ちても、予備電源で30秒位で復旧してただろ?」

「その短い間に犯行に及んだのよ」

「はあ? お前の推理は穴だらけだぜ? 急に暗闇になりゃ普通だれもが動揺するだろ? そんな中で、冷静に真っ直ぐ司会の元に行くなんて誰も出来ねえぜ?」

「でもあんた、ネタ披露始まってから急に目を閉じ始めたじゃない? まるで予め暗闇が来ると分かっていたみたいにね! 暗闇になってもすぐに動けるために!!」

「うっ、よく見てやがるな……だがそういう癖だ。あれはメディテーションだ。ああするといいアイディアが出る。笑いの為だよ、仕方ねえだろ? それに会場の電力はどれ位あるかなんて分からんだろ? 狙って停電させるなんざ、雲を掴む様な話だぜ?」

「うるさい! 黙って聞け! で、あんたは停電になったら目を開き、闇に乗じ近づき、何か動揺させる様な事をやって落とした。これが私の考えね」

「何かじゃなあw適当な事言ってんじゃねえぜ? 俺はあいつを突き落とす理由もないし証拠もねえ。

それに停電がそんな都合よく起こる訳ねえんだ」

「いいえ?」

「ん?」

「悔しいし信じられないけど、あんたのあのネタの直後の笑いで停電が起こった」

「あっ! そう言えば確かにそうです! 停電になったのは白川さんのネタの後に機械が点数を表示しようとした瞬間だった筈ですよ! ランプが徐々に点き始めて暫くしてから停電が起きたんです! 確かイッタックラちゃんってネタですよ」

鎌瀬はその時の事を覚えていた様だ。

「ま、まさか……あんた……予めエアコンの温度を最低温度にして、停電する寸前まで調整しておいて、試合中に自分のタイミングで笑いを起こし、その時作動した機械のランプを点灯させて停電をさせたって事か?」

火村が驚きの顔で白川を見る。

「そうなのよ……この人天才なのよ。私の20000点でも起こらなかった停電を、彼のあのネタは引き起こした……表示される前に停電しちゃったけど、恐らくそのポインツは私の上を行っていた筈……悔しいけど……停電が起こった事で、ポインツ差が正確に測られちゃったって事ね……私がナンバーワンじゃなかったと思う……思い出して? 今日何回か起こっていた停電あったでしょ?」

「そういえばさっきので3回目でしたね。で、何が天才なんですか?」

「そう、あれは実験だったの」

「実……験?」

「うん。その本番前の2回。1回目は予選の受付の時。2回目は私達が控室で休んでいた時ね。

それと昨日も2回あったらしいの。

その4回で、大体何台のエアコンの設定温度を最大にしておけば、会場のブレーカーが落ちるかを把握し、それよりも少ないエアコン台数をフル稼働状態にして調節して、最後の最後は自分のネタで停電する様にした」

「おいおい、昨日来た前提で話してるけどそんな根拠はどこにあるんだよ?」

「これは推論よ! もし4回じゃないとしても今日実際起きた2回だけでも、把握は可能だと思うし」

「確かに2回よりは4回やれば確実ですけど、最低2回でも何とかなりそうですよね……でもそれでも確実に停電を起こす寸前に持って行けるかまではわかりませんよね……」

「まあそうだけど。控室に備えてあるエアコンをいじるのは簡単だと思う。それだけでもかなりの電力を稼げる筈だし」

「まあ実際落ちましたからね」

「それに、お昼ご飯食べていた時は普通だったのに司会が落ちた後戻ってきたら、室温が18℃まで下がっていた。おかしいと思わない? でも思い出して? これは、2回戦前に部屋を出ていく時、白川さんがエアコンを止めようって言っていたのを覚えてる?」

「言ってましたね。それで僕が「余裕ですねえ」って感心していた記憶があります」

「そうそう。鎌瀬さん記憶力いいわね!」

「僕なんてそれ位しか出来ませんから……」

ネガティブ芸人鎌瀬

「そうね……そして、リモコン操作して消す様な感じだったけど、実際は温度を下げる操作をしていたんだと思う」

「あれも推論、これも推論。いい加減にしろよな?」

「でもそれが本当だとしても自分のタイミングでそんな事……」

「そう。勿論お客さんに彼のネタが受けなければ、この計画はここで終わりよ。

自分の笑いに絶対の自信がなければ出来ない計画。

当然ここに来たのは初めてって言っていたから、事前に計画していたとしてもこんな大舞台でやる事には抵抗があった筈よ? なのに……信じられないわよ……この行動力、そして自信。

あの厳しい予選も初見で勝ち抜けるか分からない。逃げ回る体力もあり、笑いのセンスまでも……で、全てを乗り越えて彼は司会を落とし切ったのよ。こんな奴……見た事ないわよ……」

畏怖の目で白川を見ながら言うアリサ。

「ちょっと待って下さいよ!! 僕達はあの時、笑いの事だけを考えて、本気で全身全霊で戦っていたんです。本当に! 本当に!! そんな中白川さんだけは司会を落とす事を第一に考え、会場の使用電力の事とか色々考えつつも、僕達よりも多くの笑いを取ったって事ですか? こんな……こんな事って……」

鎌瀬は涙を流しつつ、悔しそうに話す。

「ちょっと待ってくれwなんか悔し涙を流している所悪いが、勝手にお前が考えたストーリーを納得して、勝手に尊敬の目で見られても困るってwしかし、聞けば聞く程穴だらけで行き当たりばったり過ぎる計画だろ。そんな事を信じる奴なんていないわwもっと確実な方法を選ぶ筈だがなあ? そこまで計画立てられる天才ならさあ? こんなリスクの高い方法なんか選ばずに、もっと堅実な別の方法も考えられる筈。

そんなリスクがある計画をわざわざ実行した理由って何だよ?」

「教えてあげるわ」

何故かアリサの目に輝きが増している。そう、彼女は白川を適当に犯人扱いしたが、その瞬間に思い出しつつ出していったピースを話しながら繋げていく内に、犯人が本当に白川であると言う疑念が、確信へと変わりつつあったのだ! もちろんはっきりとまでは言い切れてはいないが、確実に真実に近づいて行っているのだ。

 

私の書いている小説です

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