「それにしてもあんなタイトルになるとは思わなかったわ」
「そうね」
「あのタイトル、禁止ま太郎って事だと思うから、あの太郎、ちゃんとそのタイトルに従って行動してたわね」
「確かにまあちょっとミスっていたけどね」
「そうそうwそこが面白かったwでもそう考えるとこのデスブックシルフ、しっかりと考えてタイトル出すんだね」
「そう言われてみれば……モラしま太郎はモラルと漏らすと言う特徴があったキャラクターだったし、あかずきんとシンデレラの合わさったあかンデレラもあかンデが口癖の女の子だったよね」
「そうね。その辺をしっかりと考えているあたりは偉いと思う。うーんと今度はちょっと変化球かなあ」
「どうするの?」
「さっきは日本の話だったから、今度は海外で」
「そのローテーションで行くのね?」
「うん! しかも今回は動物で統一する! オオカミと七匹の子ヤギと、オオカミ男にしてみる!」
「へえ……幼い故の発想力ね。でもオオカミ男って動物?」
「もう大人だしwwwwオオカミ男は動物でいいじゃん? で、理由があるのよ」
「ん? なに?」 「あかンデレラの時の脇役のオオカミがちょっと可哀想だったからさあ。最後まで何も活躍出来ずじまいだったじゃない? だから今度はオオカミにフォーカスを当てる事にしたんだよ」
そういう事なんですねアリサちゃん。意外と優しいですね。
「へえ。しかしタイトル、どうなるのかしらねえ?」
「そこが楽しみなのよw」
「よし!! 入れて見ましょ」
「はいっ!」
パアー
「出てきた!! ん?」
「あらあら……子ヤギはどこへ……」
「こんなパターンってのもあるんだね。オオカミと七匹のオオカミ男かあwwでもこれじゃ意味が変わってこない? オオカミと【七匹の子ヤギ】になる筈の所が、オオカミ男に変わっちゃったわwちょっとカオスで好きwその映像を思い浮かべた瞬間笑っちゃったwアリサ、タイトル見て笑ったのは初めてかもw」
「うん。確かにタイトルはちょっと面白いわね。でもこれで内容がつまらなかったら発砲案件ね」
スチャッ キラーン⭐
ママは腰に提げていた拳銃を取り出し構えます。
お、お母さん? 刑事だからと言って拳銃を室内で撃たないで下さい……ラヴ&ピースですよ……
「デスブックシルフさん大ピーンチ! じゃあ読んで!」
「はいはい! ではオオカミと七匹のオオカミ男、始まり始まりい」
「楽しみい!」
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むかしむかし、子供のオオカミ男七匹と、そのお母さんオオカミ女が居ました。
彼女は子供達を分け隔てなく愛していました。
ある日、お母さんオオカミ女は森へ行き、食べ物を取ってきたいと思い、子供を呼んで言いました。
「お前たち、私は森へ獲物を狩りに行かなくてはいけないウルフ。私のいない間、オオカミに気をつけるウルフ? もし奴が入ってきたら、お前たちみんなを、髪も皮もみんな食べてしまウルフ。そいつは変装もするウルフ。だけどがらがら声と黒い足と獣の臭いですぐオオカミだと分かるウルフ」
「お母さん、そんなにオオカミなんて畜生以下の生物が怖いのガル? 僕達はその上を行くオオカミ男ガルよ?」
「まあ……勇ましい……もうそこまで戦士の心が育って……ですが、まだあなた達は幼いわ。確かにあなた達は誇り高きオオカミ男ウルフ。ですが、あなた達の牙をごらんなさい」
「牙ですか?」
「そうです。お互いに見合って確認してみてウルフ」
「結構鋭いガル?」
「おごり高ぶってはいけませんウルフ! そう見えるだけで、まだ乳歯なのです。戦闘用ではないウルフ。それに引き換えオオカミは弱肉強食の世界で戦闘を重ねた戦いのプロ。まだまだ歯が立たないわ? まだ乳歯でウルフ?」
「そ、そういえばまだほねっこすら嚙み切れません……不甲斐ないガル……分かりました。十分気を付けるガル。心配しないで行ってほしいんだガル」
「任せたウルフ……おお私の可愛い子共達……おそガル、からガル、
「行ってらっしゃーいガル」
おかあさんは安心して出掛けて行きました。
おそガル「さあみんな、気を引き締めて留守番するガル!」 からガル「分かったガオ」
十四ガル「でもずっと待っているだけなのは退屈ガウ」
一ガル「そうだワオーン」 チョロガル「何かして遊びたいガルン」 トドガル「そうだねえ……おそガル! 絵本でも読んでほしいレジェンドウルフ」 後始ガル「わー聞きたいバブガル」 おそガル「良いガルよ? 何を読むガル?」
ち、ちょっと待って下さい。ここまでで私、3つ程気付いた事があるんです。それを報告してもよろしいでしょうか? ありがとうございます。では行きます。 まず、7匹の子供オオカミ男達。皆語尾が異なっているようです。これにより誰が喋っているのかが一目瞭然ですね。 そしてもう一つは、外見が同じ兄弟とは思えない程に異なっています。そして最後に6番目の子ですが、
【レジェンドウルフ】
と言うオオカミ男にしては珍しい語尾を使用していました。 皆さんはモラしま太郎に登場したボスオニの語尾は覚えていますか? 確か【ボスオニ】と言う語尾だった筈ですよね? このパターンで言えば、この、6番目のオオカミ男のトドガルは、レジェンドウルフ。つまり伝説のオオカミと何か関係があると言う事なのでしょうか? でもこの子、オオカミ男でしょ? 何故伝説のオオカミが、オオカミ男と関係があるのでしょう? もしや先祖が伝説のオオカミで、6番目の子だけその血を色濃く受け継ぎ、突然変異的にそんな語尾になったのでしょうか? 仮にそうだとしても現在はオオカミ男なのだから、レジェンドウルフではなく【レジェンドウェアウルフ】と、付けるのが妥当じゃないでしょうかねえ?
「じゃあ人間少年を読んでほしいレジェンドウルフ」
人間少年? そんなタイトルのお話初めて耳にしますね。
「分かったガル。では、人間少年始まり始まりー」
「やったガオ」
あらあ? お話の中で別のお話が始まってしまいましたねえ……まあ成り行きを見守りましょう。
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昔々、羊🐏の番をしていた子供オオカミがいました。
彼は時々まるで、人間が羊を捕まえに来たかのように叫び、村の大人オオカミ達に伝えます。
「助けて! 人間が羊をさらいに来たレジェンドウルフ!」
え? レジェ? 6番目の子?
「な? 何だガルゥ? 人間? ようし! お前は逃げるガルゥ! ここは大人のオイラ達に任せるガルゥ」
ダダダダダ
村のオオカミ達がいつ人間に出会ってもすぐさまシッポパンチで迎撃する事が出来るようにしっぽを構えながら子供オオカミの声の元に駆けつけてみると……
「あ、あれ? どこにもいないガルゥ?」
しかし、人間はどこにもいなくて子供オオカミが嘘をついた事が後に判明します。
「なんだ……嘘だったのかガルゥ……まあ子供オオカミのやる事だし、今回は許してあげようガルゥ」
「そうギャルね」
村の大人オオカミ達は寛大な心で接していました。それでも、少年オオカミは喜んで
「おーい、人間が来たレジェンドウルフ!」
と嘘を突くのです。もうそれが楽しくてやみつきになってしまったのかもしれませんね。 ですから、いつしかあの子は、嘘突き子供オオカミと言うイメージが定着つつありました。 しかし、そんな事を全く気付いていない少年オオカミ。そして、その嘘が現実に……本当に人間が現れてしまいます。
「あーーーーっ! 来て下さい、人間が人間が来たあああ! 本当に本当なんです! 人間が来たああああレジェンドウルフ」
と叫びます。ですが、
「また君か……君は嘘ばっかりだもの……どうせまた嘘なんだガルゥ?」
「早く大人になりなさいギャルw」
村のオオカミ達は少年オオカミを全く信じません。 結局いくら叫べど誰も助けには来ず……人間は全部のひつじを捕まえてトラックに載せて去っていってしまいました。
おしまい
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あ……れ? 短めのお話でしたがちょっと釈然としません……うーん……何かがおかしい……私、これによく似たお話を聞いた事があるんですよねえ……ですが……うーん、思い出せません……
「面白かったワオーン」
「嘘はやっぱりいけないと思うんだレジェンドウルフ」
「分かったバブガル。私、絶対嘘突かないバブガル」
みんなその朗読に満足な顔をしています。
「まだ他にも聞きたいガウ。おそガル読んでガウ」
「いいガルよ? じゃあ一匹のオオカミはどうだガル?」
はあ、そういうお話があるのですね? どんな物語なのでしょう?
「ちょうどそれ聞きたかったガウ😊」
「読んでバブガル」
「やったガルン!」
「嬉しいレジェンドウルフ♪」
「じゃあ一匹のオオカミ始まり始まり!」
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昔々、一匹で暮らしているオオカミが居ました。彼はお腹が減っていたので餌を捜し歩いていました。 おなかが減っているなら、そこら辺に生えている野草を食べればいいのに、彼の体がたんぱく質を欲していた為、ほぼ食物繊維と各種ビタミン、カリウム、クロロフィル、カルシウム、マグネシウムβカロテンの塊の野草なんかには目に入らないようです。
「うーん、とてもお腹が減ったレジェンドウルフ……ブタ🐖とかフグ🐡とか美味しい餌を一切噛まずに丸飲みしたいレジェンドウルフゥ……食材の感覚や味を舌で味わうのではなく、のどごしのみで感じ取りたいんだレジェンドウルフ……そして超弱酸性の胃液でゆっくりと溶かして消化したいんだレジェンドウルフ……おや? あれは何だレジェンドウルフ?」
とぼとぼ歩いていると、平原に三つの家が並んでいる光景を目にします。それらは材質が全く異なる家でした。 一つは
3匹のブタ🐖🐖🐖とオオカミ🐺と三種類の家🏠。これってまさか……しかしタイトルが……あれ? おかしいですよね? ……このお話のタイトルは恐らく3匹の……ああ、そんな事を言っている場合ではありませんね。話を進めましょう。 オオカミはまず、その中でも一番耐久性が低そうな藁の家を襲おうと考えます。
「フム。どうして建築技術はこんなにも素晴らしいのに、この材質を選んでしまったんだレジェンドウルフ? まあ馬鹿と天才は紙一重と言う事レジェンドウルフね……こんな脆い家、こうしてやるレジェンドウルフ!」
すううううううう……はああああああ
パラパラパラ
オオカミは軽く深呼吸を家に向かって行います。すると……藁が綺麗に吹き飛び、中に居たブタが姿を現します。
「え? う、うわあ! な、なんだレジェンドピッグゥ? お、お前は……オオカミ? に、にっげろおおお」
ダダダダダ
家を失ったブタが、物凄い速さで隣の木の家に逃げ込みます。
「次は木の家……か。まあこの材質はよく見られる典型的な家だレジェンドウルフ……よし、次は少しpowerを上げてっと」
オオカミは今度はろうそくの炎を消す位の感覚まで力を上げます。
ふううううううー バキバキバッキイ
「わああここも駄目だあああ。し、仕方ないレジェンドピッグ、末弟のレンガの家に逃げるレジェンドピッグ」
「折角頑張って建てた家だったレジェンドピッグ……短すぎるレジェンドピッグ……」
二匹揃ってレンガの家に駆け込みます。
「フム……レンガか……これは手強いレジェンドウルフ……久しぶりに最大出力が必要レジェンドウルフねえ。ふん!」
すうううううううううううううううう……ビュギョオオオオオオオオオオオオオ
こ、この力……まるで肺の中に風神様を飼っているのか? と錯覚させられる程の力が……最早一個体から出せるレベルとは思えない程の突風が……この風に名前を付けるとすればオオカミだけに
普通レンガ=いわタイプに大神風=ひこうタイプは半減の筈です。そんな耐性を完全無視し、粉々になってしまう……それ程までに凄まじい風だったと言いう事でしょう。 あ……れ? ちょっと待って下さい? 私の記憶と違う様な……あれれえ? まあいいでしょう。
「うわああここも駄目だったレジェンドピッグ? にげろおおおお」
「もう諦めるレジェンドウルフ……お前達は良くやったレジェンドウルフ……だが、もう逃げ場はないレジェンドウルフ」
「あわわレジェンドピッグ……」
さっきから何なんですかこの語尾……確かにこの内容の物語は世界中で読まれている本でしょうし……有名なブタと言えるでしょう。ですからこのブタ達も伝説のブタと言っても過言ではないとは思いますが……だからと言ってレジェンドピッグレジェンドピッグ言われても困るんですよ……しかも文字数も数えてみたら一回に付き8文字もあります。これでは物語をかなり圧迫してしまい、本当に伝えたい事が、その8文字が使われる度に削らなくてはいけなくなってしまいます。出来れば短めの語尾でお願い出来ませんでしょうか? そしてオオカミは、3匹を一切歯型の一つも付ける事無く慎重に丸飲みして、ブタ達が喉を通る感覚を楽しんでしまいましたとさ。
めでたし めでたし
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え? ええええ? な、なんですかこれ? さっきからおかしい絶対に……
「わーいガウwやっぱり正義は勝つんだガウ!」
「いつ見ても爽快だワオーン」
うーん……彼らのリアクションは至って普通です。ですが私達が見た場合ちょっと違和感を感じますがねえ……ちょっと待って下さい? 多分ですが分かったかもしれません。この、 【一匹の狼】 と言うお話は、もしかして童話 【3匹のこぶた】 の別視点……そうです! アナザーストーリー? いいえ。ちょっと違いますね。そうなると……そうです!
【オオカミ側視点で尚且つオオカミが大活躍するお話】
……じゃないですか? そうですよね? だってオオカミは本来レンガの家の壁は吹き飛ばせずに煙突から侵入し、あっつあつのお湯の入った鍋に落ちて死んでしまう結末でした。 ですがこの話では、本来死ぬ筈のオオカミが全ての家を吹き飛ばし、最終的にブタが一度も
同人誌とは、ある作品を心から愛してしまい、それ故にその作品に登場する人物を自分の手で自由に動かしたいと考える絵心のある人たちが生み出した、歪んだ思いから生まれた本。 そして、その結末がその人にとって気に食わない場合、自分で書き変えてしまえ! と、作者の思いを自分のエゴで踏みにじって上書きする事もいとわないのです。故に同人誌を作成すると言う事は原作を凌辱する行為と言っても過言ではないのです。ですが一部の人間にはその行為から来る背徳感をも併せて楽しむという残念な輩も多いと言われています。そういえばさっきの人間少年も同じような感じでしたね?
……いいえ。これは同人誌ではなかったのかもしれません。そもそもこのお話、オオカミ男のおうちに置いてある本です。ですからここにある絵本や書籍全てがこういう内容なのでしょう。 そして絵本になっている物も原作は小説が多く、最近は有名な小説投稿サイトから発足したものが絵本や漫画になる場合がほとんどなのです。それが一般オオカミ男の家庭に届く。そして特に、
【小説家に
と言う超大型小説投稿サイトが今のオオカミ男の世界には存在しており、そこで有名な
【餓狼小説】
と言うのがありまして、日々餓狼作家が新たなる餓狼小説。そう、これは、主に飢えた狼にとってどうすればいい餌にありつけるかのノウハウを、小説として投稿しているのです。 どういう事かと言うと、この小説の主役は、お腹が減ったオオカミが多いのです。そうです! 飢えた狼=餓狼なのですから! そう言った餓狼達が餌を獲得する際にどういった工夫をすれば難なく獲得出来るかを書き記した小説の事を言うのです。 考えて見れば、餌の獲得方法の学習はオオカミ男に取っては死活問題。
それを沢山の餓狼作家が切磋琢磨し、ありとあらゆるアイディアを出し合い、最適解に近づく為にランキング入りを争っているのでしょうね。 もし、そのサイトのオオカミ作家があかずきんを見た場合ならどうなるのでしょう? 恐らくあかずきんという女の子が主人公にはなれない筈で、例えば少女とおばあさんを丸飲みしたオオカミでしょうか? それともおばあさんに変装したオオカミ? そこまでは分かりませんが……そんなタイトルに変わる筈です。そんな本を読み育った彼らは、お腹がすいた時どういう手段で美味しい餌を獲得出来るか? と言う事をこの本達から知る訳です。そうです。先達の餌捕獲における成功体験を餓狼作家は面白おかしく誰にでも実践できて分かりやすく描いているのです。オオカミ男の世界では、その飢狼作家が作り出した世界が常識となっているのでしょう。故に人間主体の本が置いてある筈がないですね。
成程。オオカミ男達の住む家の本は、こんな内容の物が多いのでしょうね。あくまで主役は彼らなのだから。
「ああ、面白かったバブガル」
「もう絵本は良いガルン。他にも何かして遊ぼうガルン?」
「何が良いレジェンドウルフ?」
「そうだ! 狼人ゲームでもしようガル」
「なんだっけガオ?」
「オオカミの村に紛れ込んだ悪い人間と、オオカミ陣営に分かれ、隠れている人間を話し合いの場で見抜いて追放するゲームガル」
「言葉だけじゃよく分からないガオ」
「実際やってみるガル。役職は村オオカミ、残忍な人間、占い師、
「複雑だガルン」
「それぞれの役職の説明をしよう! まずは村オオカミ。これは一般オオカミの事。特に能力はないガル。 次に、残忍な人間。これは、毎晩村オオカミ陣営の一匹を減らす事が出来るんだガル。 占い師は、任意の一匹の役職を見抜くことが出来、それを朝の話し合いの時に任意で報告する事が出来るガル。まあ報告しなかったら人間だと間違われて投票されてしまうかもしれないから占い師になったらほぼ確実に占い先を報告した方がいいと思うガル。 で、具体的に占うと、村オオカミだよ? と嘘を突いて正体を隠している人間が居たとしても、そいつを夜に占えば、一発で人間だと分かってしまうガル。占い師を欺く事は絶対に出来ないガル。故に占い師に疑われないようなクリーンな発言が必要ガル」
「成程レジェンドウルフ」
「狂狼は狼にして人間の味方だガル。占いでも見抜けないんだガル。もし狂狼を占ったとしても村オオカミと同じように白と出てしまうガル。そして、狂狼からは人間が誰かは分かるガルが、人間側からは狂狼が誰なのかは分からないガル。主な仕事は、仲間の人間が村オオカミに見抜かれないように村オオカミの振りをして人間側をアシストするのが仕事ガル。具体的には占い師の振りをして本当の人間を村オオカミだよって嘘を突いたりとか」
「へえ、狂人楽しそうだガルン」
「騎士は毎晩一匹を守る事が出来るガル。その守られたオオカミは、人間に攻撃されても死なずに済むガル」
「ほう、それは面白そうガオ」
「そして、朝の部では話し合いを行うガル。持ち時間は一匹40秒。その間に自分の事を紹介したり、2匹目以降は怪しいオオカミが居たなら考察を述べたりするガル」
「時間制限があるのワオーン?」
「そうガル。この砂時計を喋る前に逆さにし、砂が落ち切ったら40秒ガル」
「40秒に言いたい事をまとめるのは大変そうガルン」
「はじめの内はね。でも、慣れてくれば喋れるからね?」
「分かったバブガル。じゃあ人間なんかは自分が村オオカミだと嘘を言ってもいいって事バブガル?」
「そうガル。むしろそうしなければあっさりゲームは終わってしまうガル。人間になったオオカミは嘘を突く必要性があるガル。何せ人間側のチームは狂狼と人間の二人しかいないからね」
「成程ガオ。じゃあ村オオカミは人間っぽいオオカミを協力して探して、人間はそれがバレない様に嘘を突く戦いって事ガオね?」
「そうガル。で、全員発言が終わると夜になるガル。その間に人間は任意で村オオカミ一匹を処刑する事が出来るガル」
「可哀想レジェンドウルフ」
「だけど夜になった時に騎士が任意でかばう事が出来るガル。だから、騎士は誰が人間に狙われるかをしっかり朝の会話の時に考えておいて、本物の村オオカミ側のオオカミを守っていれば、その処刑は無効になるガル」
「やったーガウ!!」
「どうしたガル?」
「嬉しくなったガウ!!」
「そうなの? そして騎士は自分から名乗ったり、発言のほころびでバレてしまったら優先的に人間に狙われやすくなるガル。出来れば名乗らない方がいいガル」
「成程ガオ。騎士自身は自分を守れないって事ガオか」
「そうガル。しかし、そこを逆手にとる戦法があるガル」
「なんだガウ?」
「ただの村オオカミが騎士だよって名乗る方法ガル」
「どうしてガウ?」
「人間がそれに釣られてただの村オオカミを騎士だと勘違いして攻撃し、本物の騎士を守れるガル。これはアーマーと言う騎士を守る事の出来る唯一のテクニックガル。村オオカミの何にもなさを逆に生かして囮になり、能力のある役職を生かす方法ガルね」
「へえ……それは高等テクニックガウ。でもそんな事聞いても多分俺っちには使えなさそうガウ」
「そうだね。初心者に説明する内容では無かったガルね。でも、頭の片隅には入れて置いてほしいガル」
「大体分かったワオーン」
「よし、そろそろ始めるガル! で、これから役職をくじで決めるガル。クジは予め作っておいたガル。内訳は人間、占い師、狂狼、騎士はそれぞれ一枚。村オオカミ3枚ガル。さあ引いてくれガル。僕は最後に残った役職ガル。じゃあ……からガルからどうぞ!」
「よし人間以外人間以外ガオ……(あ……に、人間……ど、どうしようガオ……や、やるしかないガオ!)」
「次は俺っちガウ……(村オオカミガウか……)」
「じゃあ次は私が引くバブガル……(騎士か……難しそうバブガル)」
「次はオラワオーン……(狂狼だワオーン)」
「じゃあ俺ガルン……(村オオカミガルン)」
「じゃあ次は拙者だレジェンドウルフ……(占い師か……頑張るレジェンドウルフ!)」
「残ったのは……(これは……村オオカミガルね)みんな決まったガルね?
「うん。ねえおそガル。勝ったら何か賞品を出そうバブガル」
「うーん何が良いかな? 誰か良いアイデアはあるガル?」
「じゃあ勝った陣営にアイスのガルガル君一本をプレゼントするレジェンドウルフ!」
「なんだって? それは負けられないガオ!」
「全力で行くワオーン」
「待ってガルン? これは人陣営は有利ガルン。人間と狂狼の2匹で山分けだガル? 村オオカミ陣営は5匹で1本ガルンよ?」
「確かに。だけど勝負は勝負ガル? おや? そんな事を気にするとはチョロガルはもしや村オオカミ陣営なのかガル?」
「さ、さあそれはどうガルンかねえ? と言うかまだ戦いは始まっていないガルン? 余計な詮索はしないでほしいガルン」
「そうだったガルね。まあそこでシッポを出す程チョロガルも馬鹿ではないガルね」
「そうガルン」
「アイスアイス楽しいアイスガウ♪」
「最年少ですが、負けないバブガル」
「アイスは一つ、拙者達は7匹……もう、後戻りは出来ないレジェンドウルフ……」
あらあら……体をクールにしてくれて甘くておいしいアイスが、皮肉な事に兄弟全員の心に炎を点してしまいましたねえ……これは……アイスも溶けて蒸発してしまう程に熱い戦いが繰り広げられるのではないでしょうか?
「じゃあそのクジは誰にも見えない様にして暖炉に捨ててくれガル!」
「了解!」
ボウッ……🔥 あっさりと燃え尽きるクジ達。しかし、その【
ゴゥゴゥゴゥ🔥🔥
グォオオオオオオ🔥🔥🔥
ギャオオオオオオオオオン🔥🔥🔥🔥🔥🔥
では! 狼人ゲーム…… スタート!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ふう。一区切りついたガル。ちょっと塩水を飲ませて頂くガルね」
「そうすればいいレジェンドウルフね」
「プハー美味しいガル」
「ねえママ? 何でガルガル言ってるの?」
「急に冷静にならないでほしいわ。じゃあ続き行くわよ!!」
「はいっ!!」