えっ!?茎も食べるの?八頭の干しずいき(芋がら)山形郷土料理レシピ

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芋がらの作り方 野菜・果物
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夏野菜の収穫も終盤に差し掛かった9月中旬、畑にはグングン育ち続けている野菜があります。

それが、コレ!

9月のヤツガシラ

 

サトイモの仲間たちです。

トウモロコシと同じくらいの背丈にまでなるサトイモは、11月頃に収穫期を迎えるため、

今まさに絶賛生育中です。

根菜野菜の代表のような里芋ですが、私たちがいつも食べているのは「根」ではなく、

塊茎(かいけい)と呼ばれる、「地下茎」が肥大化したものだったのです!

(ずっと根っ子だと思ってた…子供にもそう教えてたかも…)

ジャガイモやレンコンも、同じく地下茎を食べる野菜です。

地中で育った根や茎を食べる野菜=根菜野菜という分類なのは間違いありません。

大人になって初めて知ることって、意外と多いですよね。

 

さて、4月に畑を借りたわが家。

ちょうど里芋の植え付けには、ベストなタイミングでした!

ほぼ種芋の販売も終わる時期でしたが、道の駅や近くのホームセンターで、

何とか数種類ゲットできました。

袋に「里芋」とだけ書かれた詳しい品種の分からないもの、ちょっと珍しい「セレベス(赤芽芋)」、

それと昨年パパの実家でも収穫した「ヤツガシラ」を植えました。

 

サトイモは子芋だけですが、セレベスは親芋と子芋の両方を食べる品種です。

一方のヤツガシラは、親芋と子芋がまとまって大きくなります。

ヤツガシラ

 

そのため、大きさも両手にずっしりとのるくらい大きくなります。

 

八頭の親芋に子芋がたくさんついている様子から、子孫繁栄を願ったり、

八という数が末広がりで縁起がよかったりするので、関東ではおせち料理にも使われています。

お正月近くになると、デパートの地下の野菜売り場では、

1個1,000円オーバーで並びます。

 

パパの実家でも、おばあちゃんが煮しめにしてくれていたようです。

ちなみに孫芋も、他の里芋と同じように料理に使うことができます。

八頭の孫芋

 

とはいえ、山形育ちの私には、

八頭はあまり馴染みがありません。

山形の秋の食べ物と言えば「芋煮」!

ソールフードとも言える芋煮には、コロコロとした小振りの里芋(土垂・どたれ)を使います。

「地元の人はあまり食べない名物」って結構あるようですが、芋煮は別!

家でも学校の給食でも地域の行事でも、本当によく食べます。

もう少ししたら、畑の里芋を使って芋煮ができる!と首を長ーーくして待っています。

 

里芋と八頭は、よく見ると地上部にも結構違いがあります。

里芋が緑色の茎をして背が高いのに対し、八頭は茎が赤く、

背丈も里芋ほど大きくありません。

ヤツガシラの茎

 

畑仕事を始める前は、どっちがどっちが見分けがつきませんでしたが、

もう一目瞭然ですね。

 

昨年の11月末の収穫の時には、

茎を切り、土の中から掘り起こし、

何度も水を替えて土を落とし、乾燥させて…

と、結構手間が掛かりました。

それでもホクホクとした煮物を食べると、苦労も忘れちゃうんですけどね。

八頭の煮物

 

その日は、切った茎(=芋茎)も一緒に頂きました。

ずいき

 

芋茎は、ずいきと読みます。

スーパーなどで見かけることはほとんどありませんが、食材としても優秀なんです。

 

ずいきは、火を通しておひたしにしても美味しいようです。

色も薄ピンクできれいですしね。

 

また、乾燥させて「干しずいき」に加工することもできます。

干しずいきは、水で戻して炒め物にすることが多いようです。

 

私が育った山形では、伝統野菜の「からとり芋」などの茎を使って、

干しずいきが作られています。

芋がら」と呼ばれることの方が多いですね。

豪雪地帯の多い山形では、冬の大切な保存食とされてきました。

 

何の料理に入れるか?

もちろん「納豆汁」です!

納豆汁

 

とはいっても、芋がらはいつでもどこでも買える食材ではなく、

私も母にお願いした時は、わざわざ道の駅や直売所まで足を運んでもらっていました。

結構な希少な食材なんですよ!

それでも、芋がらが入っていない納豆汁は、

大根の入っていないおでんを食べているようで、ものすごーく物足りない…

あの独特な食感がたまらなく美味しいんです。

「あっ、芋がら入ってたー!」と、わざわざ芋がらを探しながら食べるくらい、

わが家の子供たちにも絶大な人気を誇ります。

 

先日畑に行ったら、私たちの畑の師匠でもある隣の畑のおとうさんに、

「八頭そろそろだよ。」と言われたんです。

「えっ、収穫まだですよね?」と答えたら、

「違う違う、茎の方。芋がら作りたいなら今の時期がちょうどいいよ。」と。

 

んん…?

どうやら私は大きな勘違いをしていたみたいです。

 

昨年は八頭を収穫した時に刈り取った茎を使って作ったのですが、

本来芋がらは、初秋(9、10月)の生育中の茎を間引きして作られるものだったのです。

 

昨年作ったのが11月末、

そう言われてみると、ちょっとしなっとした茎だったなぁ…

11月末のヤツガシラの茎

 

まぁ、それなりに上手にできたので、満足していたのですが、

干しずいき

 

中には細い(細すぎる)のもあったような…

細い干しずいき

 

送ってもらう芋がらはいつも太いものが多く、品種が違うからかなぁーと勝手に思っていたんですが、

タイミングの問題でした!

 

早速畑で採ってきて、正真正銘のレシピで作ってみようと思います。

 

この記事では、

✔ 収穫時期は初秋がおすすめ!納豆汁に欠かせない芋がらの作り方

についてご紹介します。

 

収穫時期は初秋がおすすめ!納豆汁に欠かせない芋がらの作り方

わが家が借りている千葉の畑では、八頭を植えていない区画がないくらいメジャーな野菜です。

なので、みんなずいき加工のプロ!

早速師匠に「どこ辺から採ればいいですか?」と聞いたところ、

「どれでも大丈夫だよ。」との、予想外の答えが。

9月のヤツガシラ

 

太いのも細いのも、色々あるよーと思いながら、とりあえず数本採ってみました。

ここは抜くというより、カッターなどで根元を切るのがいいです。

 

今度は「どのくらい採っていいんですか?」と聞くと、

「もっと採っても大丈夫だよ。」と、これまたざっくりとした答えが!

採ったヤツガシラの茎

 

1株から数本ずつ採りましたが、もっと採ってもいいらしい…

もっとってどのくらい?

株の大きさによっても変わるので、正確な数は分かりません。

 

葉で作られた栄養が地下茎まで届くとすると、親芋と子芋と孫芋の茎をそれぞれバランスよく残すか、

親芋を大きくしたいから、小さな葉を中心にカットするのか、

そもそもその考え自体が合っているかどうかも不明です。

 

要は、どのくらい採るかというより、どのくらい残すかが大事かなと勝手に理解しました。

 

師匠の作業を見ていると、採る茎も、

おそらく長年の経験で選んでいる感じです。

 

経験ゼロなわが家。

「うぅーん、他のと比べて元気のなさそうな茎から採ってみればいいんじゃない?」とパパ。

よく見ると、根元にはこれから大きくなりそうな小さな茎たちがありました。

(これが大きくなると孫芋が増えるか、それとも親芋の栄養になるのか…?)

 

まっ、色々試してみるしかないですね。

「失敗も勉強!」と、私たちにしてはかなり大胆な量を採って帰りました。

 

帰宅後、早速干しずいきを作ることに。

作ると言っても、皮を剥いて干すだけです。

(昨年は私が眠い目こすって一人で剥いたなぁ…)

師匠から実際に剥き方を教わった末っ子が、やる気満々で剥きはじめました。

はじめだけちょっと剥きにくいみたい…

ヤツガシラの皮むき

 

でもすぐにコツを掴んで、スーっと…

ヤツガシラの皮むき

 

残った部分は反対側から剥くと、グルっときれいに剥けます。

ヤツガシラの皮むき

 

この太さ、食感も期待できます。

あっ、もれなく手は真っ黒になりますのでご注意を!

 

このまま1週間程干すと、カラカラに乾燥します。

乾燥が不十分だと、カビが発生してしまうことがあるので、

わが家では干し網から出した後も、吊るした状態で保存しています。

これで1年以上もちました。

 

これでいつでも美味しい納豆汁が食べられますね。

納豆も、もちろん作ります!

 

ヤツガシラの収穫は、11月頃です。

その時も、使えそうな茎は干しずいきにしちゃおっと!

今年は納豆汁だけでなく、お雑煮分も確保しますよー。

 


 

なかなか手に入らない野菜は、食べチョクで探すのがおすすめです。

「ずいき」で検索したところ、貴重な生のずいきが出品されていました!

甘酢漬けや佃煮も美味しいらしい…

生のずいきの漬物作りにもチャレンジしたいですね。

 


 

サポート付きのプランもある「シェア畑」は、ほとんどが都心から1時間圏内のところにあります。

農具も揃っているので、持っていくものは長靴と軍手くらい。

シェア畑は肥料は化学肥料ではなく有機質肥料のみを使い、殺虫剤などの化学農薬は一切使いません。

安心して食べられる無農薬野菜を手に入れたいと思ったら、「食べチョク」で生産者の方から直接送ってもらうのがいいと思います。

私も育てていない野菜や果物は、よく食べチョクで購入します。

 

こだわりの野菜は買うことができます。

ただ「こだわりの野菜を作る体験」は買うことができません。

理科の教科書では学べない本物の学習や、採れたての野菜を食べる喜び(=食育)は、

今の畑がわが家に与えてくれたものです。

最近では「休日どこ行く?」の夫婦の密談は激減し、「畑いつ(何時に)行くの?」と子供たちから聞かれることが増えました。

 

野菜を育ててみたいなと思った方は、まずは説明会に参加してみるのはいかがでしょうか?

子供と畑仕事、発見の連続で楽しいですよ!

 


 

この記事が少しでもお役に立てたら嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

参考文献
石倉ヒロユキ・真木文絵/2015『調べる学習百科 日本の伝統野菜』岩崎書店
木村正典/2014『二十四節気の暮らしを味わう 日本の伝統野菜』ジー・ビー

 

 

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