GKコーチとして大切にしていること

GKコーチとして、私が特に大切にしていることがあります。

「選手と平等に接する」

という部分です。

 

サッカーの「ゴールキーパー」というポジションは非常に特殊なポジションで・・・

まず、試合に出れる枠が1つに決まっています。

 

フィールドプレーヤーは、例えば

「普段はサイドバック(守備)だけど、サイドハーフ(中盤)にチャレンジしてみよう(させてみよう)か」

ということが可能性としてありますが、GKは専門職であり、

基本的に1枠を数名のGKで争っていく

ことになります。

 

また、近年では “レギュラー” (試合に出続ける選手、毎試合スタートから試合に出る)という概念が以前ほど強くなくなってきているので、以前に比べると、試合に出る選手のチョイスもフレキシブルになりつつありますが

それでもGKは、一度スタメンを奪われると、中々試合に出ることが出来なくなってしまうという側面もあります。

1stチョイスのGKが、大量失点や、試合中に大きなミスをしたり、怪我などがない限り、中々チャンスが巡ってこないとが多いです。

かと言って、ライバルではありますが、チームメイトの上記のようなことを願ってしまうのも心苦しい。

でも、試合には出たい・・・

 

試合に出れない時期には、そんな気持ちを自分の中で処理しながら、

チームの活動中は、そういった個人的な感情を表に出さずに、試合やトレーニングに取り組まなければなりません。

 

そしてGKは、ボールを手を扱うこともあり、試合で求めらる身体の動かし方や、技術も全く違うため、トレーニングもフィールドプレーヤーとは違い、専門的なメニューを行うことが多いです。

そして、GKだけに組まれたトレーニングメニューのため、GKだけでグラウンドの一角の、違う場所に集まってトレーニングを行うことが多いんです。

 

 

GKを取り巻く環境についての前置きが長くなりましたが・・・

上記のような理由から、GKコーチは

ただGKの専門的なメニューを組み立てて、トレーニングを行なっていればよいということはなく、

試合に出ていない選手のメンタルケアや、モチベーションコントロールのスキルを高いレベルで求められます。

 

大学生や、高校生を指導していて

近年の選手たちは、真面目な子が多く

一見、トレーニング中も仲良くやってるように見えますが、必ずしもそうとは限りません。

個人の感情を抑えて、チームのためにそういう振る舞いをすることも、良いGKの素質の1つ。

そう理解していて「自分」を押し殺している選手も中にはいます。

 

GKコーチは、選手の些細な行動言動や、表情。

オフ・ザ・ピッチ(プライベートの部分、サッカーの活動中以外の時間)で、誰と仲良くしているのか。一緒に帰ったり、遠征の食事の席で一緒に食事を摂っているかなどを観察し、選手の心情を汲み取る必要があると思っています。

 

そして、最初に挙げた

「選手と平等に接する」

こと。

 

例えば、トレーニング時の

誰から一番最初にトレーニングを始めるか。

(誰が、最初にGKからボールを受けるか)

※レギュラーの選手や、年齢が上の選手から順番にトレーニングでボールを受けることが多い傾向にあります

この辺も、例えば

「昨日は〇〇からトレーニングスタートだったから、今日は△△からスタートな」

というように、こちらから言ってあげないと、選手自ら順番を覆すことは、よほど自己主張のしっかりしている選手でない限り、中々してきません。

 

また、トレーニングでGKコーチから受けるシュートの本数も

「レギュラーの選手や、有望だと考えられている選手は10本で、サブの選手は8本」

などということは、絶対にしてはいけないと思っています。

 

むしろ、レギュラーポジションを獲得している選手は、メンタル的に安定している可能性が高いため、サブの選手により注意を払って丁度よいくらいだと思います。

 

トレーニングのスタート時、時間が押している時、トレーニングを中断しないといけない時、フィールドプレーヤーの練習に合流しないといけない時・・・

そんな時に、どうのように選手に対して声をかけ、アプローチ出来るか。

トレーニングが終わってから、選手とコミュニケーションを取るか。

取るなら全GKと。

順番は・・・?

 

こういった細部に拘ることで、よい「GKチーム」を作り、GKの選手全員でチームのゴールマウスを守るという考え方を培っていく。

GK同士の人間関係の構築をサポートしていくことを最重要視しながら、GKコーチとしてチームをサポートしています。

 

フィールドプレーヤーも、同様にチームにとって大切な1人です。

しかし、GKは本当に特殊なポジションで、だからこそ『GKコーチ』という役割が存在し、必要とされているのだと思います。

 

1人でも多く良いGKを育成し、チームやチーム名とが困難な状況に陥った時こそ力を発揮するような人材を育てて、次のステージに送り出していきたいと思います。

 

今日が、幕張総合高校サッカー部2023年の、トレーニング初日。

今日も、選手たちと汗を流してきました。

今年1年の、チーム、選手たちの成長が楽しみです^^

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