カナダでATになろう

このブログはカナダでCertified Athletic Therapist として働く者による留学情報を綴ったものです。

有給インターン始まって一週間

どうも前田です。

前回の投稿のように自分は9月下旬からSUVウィニペグからバンクーバーまで西カナダ横断をして無事到着しました!

そして土曜日にバンクーバー到着して、月曜からチームに合流でした。そこから1週間が過ぎ、振り返るとこの一週間は本当に嵐のようでした。

まずは挨拶の連続。選手だけでなく、チームのビジネススタッフや上層部の人達への自己紹介、現場以外とのコミュニケーションが絶えず求められるという経験が初めてでまず圧倒されました。

 

 

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どういう選手層?

今回自分が所属するチームはBritish Columbia Hockey League というブリティッシュコロンビア州内のジュニアAホッケーリーグのチームで、どういう選手が所属しているかというと、高校生もしくは高校を卒業した20歳以下の若い年齢ででカレッジホッケーチームへの進学を希望する選手が基本だそうです。だから彼らの目標はアメリNCAAやカナダのカレッジチームからスカウトされることです。大学進学を希望する選手向けのジュニアホッケーリーグとしてはBCHLが一番カナダでレベルが高いそうです。

じゃあ他の有名なOHL(Ontario Hockey League)や QMJHL (Quebec Major Junior Hockey League) はというと、一気にプロを目指す若い選手の集まりということでした。つまりホッケーの実力がずば抜けていてすぐにでもNHLに行きたいのであれば、この2つのリーグで腕を磨くのが最短距離とのことでした。その代わりもしプロ行きがうまく行かなかったら何の保証もない。

カレッジを選択してもNHLにドラフトされる可能性は十分あるので、要は時間をかけてNHLへの道に少しの教育面での保険をつけておくか、ホッケー一本の勝負かけるかということですね。日本のプロ野球に似ていますね。高卒ドラフト、大卒ドラフトといったような。

インターンじゃないね、これ

月曜日の初合流時の説明で段々と気づいたのですが、このポジションはインターンとは名ばかりのフルタイムATの仕事内容で、責任もプロチームのチームヘッドATと変わりません。

  • メディカル備品の注文、リクエスト、管理
  • 全選手の健康管理
  • チームにパートタイムで手伝いに来てくれるマッサージセラピスト、カイロプラクター、フィジオセラピストへの指示
  • 怪我の報告(現場、チーム上層部、リーグ、渉外を通じて選手の保護者)
  • 応急措置
  • 試合のEAPの確認
  • リーグ指定の健康管理アプリの活用

実際にヘッドコーチからは「YOU ARE THE BOSS」と言われました。チームのメディカルの最終決定はお前だと。他のセラピストの報告も聞くけど、最後はお前だと。

内心「ひぇ〜〜〜〜〜やっば」と思ってました。

このポジションは平常時はフルタイムのAT扱いなんですが、このコロナで観客収入が0で、スポンサー収入が見込めないということで、予算の都合で出来上がったなんちゃってインターンなんですね。だからお金は雀の涙程度ですが、経験はどこのプロチームでインターンするよりも積めると思いますインターン扱いでなくフルタイムヘッドATなので、常にみんなが自分に答えを求めてくるという状況が新鮮でしょうがないです。そして、指示をしてくれる人がいないんです。。。当たり前ですが。

ヘッドATってこうなのかな?

一週間だけのヘッドAT経験ですが、気づいたことがあります。それはマネジメント系の業務量がかなり多いということです。そして、他のプロのセラピスト達が助けに来てくれる分自分がトリートメントする回数が少ない上に、自分よりも他のセラピストの方が提供するトリートメントのレベルや引き出しが多いなと。自分が多くの時間を割くのは、報告、管理、怪我の評価やリハビリといったところですね。やっぱり今の時点では他のプロのセラピストの手技やテクニックには勝てないなとつくづく思います。

その分メディカルチーム内でのマネジメント&コミュニケーションスキルが求められているな〜と毎日思います。

他のプロのセラピストとのコラボレーションなんて初めての経験ですし、ウィニペグ大学のクリニックも基本ATだけなのでこれは学ぶことがかなりあるなと思います。本当にプロチームみたいです。そしてうちのチームに手伝いに来てくれるセラピスト達もゆくゆくはNHLのバンクーバーカナックスのチームセラピストになるという野望があるため、かなり意識高いです。結構本当に彼らの情熱には驚かされます。ボランティアなのにここまで積極的に助けてくれるのは感謝しかない。

目標のAT像

はっきりとはなかったのですが、ぼんやりと思っていたのはウィニペグ大学でお世話になった二人の大御所ATマスターですね。CATカリキュラムでのクリニック実習を経て、セラピストとして一流になりたいという思いが大きくなったのは事実です。日本ではスポーツの現場で活躍するのだ!という感じでしたが、カナダに来てガラッと変わりました。

でも、今の現状は明らかに日本にいた頃のAT像に近くなってるな〜と思います。今はそれでもいい、今得ている経験はとても貴重なのだからと割り切ってやっているのが現状です。これから少しずつ手技や治療テクニックやリハビリテクニックを学んでいくしかないなと!ヘッドATが一番トリートメントヘッポコというのは、専門性の違いを含めて考えても嫌なので。

QOL (Quality of Life) はない

どこのプロチームやセミプロチームならそうだと思いますが、基本的にATは Equipment Manager と毎日協力し合う関係です。というか普通のジュニアホッケーチームならATとEquipment Manager は兼任がほとんどです。このEquipment Manager の仕事というのが本当に時間を食う仕事で、自分もヘルプしてますが時間がかかります。このサポートに加えてAT業務となると帰る時間はやばいですね。特に試合後とかは夜中に洗濯機回してます。それに何か大きな怪我等起きたら。。。エグいな。

1週間にして(2試合経験済み)実感しました。

チームスタッフに聞いたのですが、NHLなら〜こんな話があるよ〜とかなりリアルな労働環境を知ってちょびっと絶望しました。。。深夜にスケートしたい選手とか迷惑。。。

これからの目標

既に始まったエキシビションゲームからの12月のシーズン開幕、そして最長5月まであるシーズンを無事全力でやりぬくことです。そのうえで最近発表された1月末のCATAの資格試験に合格して CAT(C) になることです。

やるぞ〜。マジで。

今回は仕事始めて1週間で分かったことでした。

ではでは。