拍どおり、音価どおりの練習から

こんばんは。今日もブログを読んでくださりありがとうございます。
今日は真面目に練習の話を書きます。

新しい曲に取り掛かる時って何から始めますか?
独りよがりの演奏にならないために、私が気をつけていることを書いてみます。

モレノ=トローバ作曲 ソナチネに手を付ける

いま、トローバのソナチネのⅠ Allegretto, Ⅱ Andante, Ⅲ Allegroを順番に練習しています。
Ⅰは暗譜しました。あくまで暗譜しただけです。
弾けるとは言ってません。覚えたのです。笑
Ⅱ, Ⅲはまだ音取り中ですが、できるだけ早く暗譜できるように繰り返し弾いています。

私の中では「Ⅲ Allegro」のような速いフレーズがある曲も難しいと感じるのですが、
それよりも「Ⅱ Andante」のような歌わなければならない曲は、
速さを求められる曲よりもずっと難しく感じます。

とはいえ、基本的にやることは変わらないので、最初何をするのか、何に気をつけるのか書きます。

あ、あくまでクラシック曲とか作曲者本人や編曲者が楽譜を書いている場合の話ですよ。
ポップスは作曲した人が楽譜を書いていない場合が多いので、この方法はとりません。

とにかくゆっくり、でも拍は守る 音価も守る

聞き覚えのある曲ほど、耳に馴染んだテンポで早く弾いてみたいという気持ちをグッとおさえて、
最初は確実に音を追えるテンポよりも、さらにゆっくりで、拍を意識しながら弾きます。
そして音価(音の長さ)もきっちり守りましょう。

これでもかっていうくらい楽譜通りに弾いてみてください。

こうすることで、伸ばさないといけない音、切らなければならない音がハッキリします。
さらに、拍を守ることで、「え、こんな間合いなの?」ていうことが頻繁にあります。

この過程を経ないと私の場合は、良い仕上がりになっていきません。

レッスンに通い始めた頃は
『そんな大演奏家みたいな弾き方をしちゃダメ」と師匠に言われました。
最近は全く言われていないので、直ったんでしょうね。

それでもわからなかったら、ソフトに打ち込む!

以前に書いた記事ですが、拍が取れなかったら楽譜ソフトに打ち込みましょう。
それも手間ですが、この作業もやっているうちに拍がとれるようになってきます。

楽譜の発想標語や速度標語に則って

ちょっとだけ解説
発想標語は、言葉で曲のイメージや表現方法を表すものです。発想記号ということもあります。
例えば「dolce」がついてたら、「柔らかく 甘く 優しく」のように。

同様に、曲の雰囲気や性格を表しながら速度を指示する速度標語もあります。
例えば「rall.」だったら、だんだん遅くしてみたり。

拍を守れるようになったり、音価を守れるようになったら、
これらの指示に従ってみましょう。

ごくごく当たり前のことを言ってますが、
ここでも聞き馴染んだ演奏と「実は違うっ!」てことがよくあります。

こういうのを一通り、感じてから、さあどうする?って話になってきます。
どのへんから遅くし始める? もうすこし歌ってみる? みたいな。
曲の成り立ちとか言われとかも加味していくのはこの後です。

拍やテンポが微妙に変わることはあるけれど

と、ここまで楽譜に忠実にみたいな感じで書いてきましたが、
それはあくまで土台の話です。

実際の音楽では、数小節の幅(フレーズ)の中でバランスをとってテンポが揺らぐことは、よくあることだと思います。
例えば、8小節間のフレーズでこれをメトロノームのように厳密に拍を守って弾くとどうなるか。

特にに、ゆったりとしたフレーズでは、インテンポ(指示通りのテンポ)の中で揺らぎがあって、初めて音楽らしくなってきます。(テンポが速い場合や、細かい音符が続く場合は、むしろ厳密に守らないとおかしなことになってしまいますね)

つまり、2拍目と3拍目とか、そのフレーズを構成している小さなパーツ毎に微妙に音から音に移るタイミングを変えたり、最初の音を弾き出すタイミングを多少前後させたりすることで、同じフレーズでも、いろいろなニュアンスを帯びてきます。

ですが、こういうのはきっちりと考えぬかれての話です。その作曲家が生きた時代の流行りもあるわけです。

「私が弾きやすい間」は練習不足

師匠が私に言いたかったのは、きっと↑こういうことなんだろうと思います。
楽譜は作曲家が「こんな風に弾いてね」と指示を出してくれている指示書なので、まずはその指示に従える土台をつくる。できたら従ってみる。その上で考えてみるってことなんでしょうね。

書き出してみて、今取り組んでいる曲がどの段階なのかっていうのが見えてきた気がします。
う〜ん、なんか自虐的な話になった・・・。
練習しよ。