よろぶん あにょはせよ〜
ソウルのゲストハウス アジトゲストハウスです。

韓国演劇「その時も今日」
연극<그때도 오늘>
を見てきたよ!!

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【シアター】

演劇「その時も今日」

西京大学校公演芸術センタースコーン2館

2022.01.08〜02.20

西京大学校公演芸術センターは、惠化駅1番出口を出てすぐ目の前にある劇場
椅子が長時間座るにのちょうどいい硬さで大好き

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2館のチケットブースは、左サイドにありますよ。
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演劇「그때도오늘」は
2人の俳優が、4つの時代、別々の地域、4つの全く違う人物をオムニバス形式で表現する演劇です

이희준 배우님が、「心行くまで演技をしたい!」という思いから男二人が話しをする演劇を作ったそうです。
インタビュー動画


【キャスト】

男1 キムソルジン 김설진 배우님

男2 イフィジュン 이희준 배우님


キムソルジン 김설진 배우님は、世界的な舞踊家で最近俳優として活躍されています
ドラマ「スイートホーム」では、国語の先生に頭部を切られて音を頼りに人間を狙っていた怪物
ドラマ「ビンチェンツォ」では、クムカプラザのダンス教室の先生として登場します。

イフィジュン 이희준 배우님は、さまざまなドラマで活躍されています
最近ではドラマ「マウス」や「キマイラ」で話題になりましたよね。

このお二人の演技が最高に面白いんですよ!!
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【あらすじ】

歌が聞こえる

全ての争いを止めるために…

 

エピソード1

1920年代 京城 駐在所

学校の先輩後輩であるヨンジンとユンジェは、独立軍のお使いがバレて捕まってしまう。

駐在所で隣同士の官房に入れられた二人は、恐怖を紛らわせるように自然としりとりを始める。

地元にいる両親のことガールフレンドのこと他愛のない会話を交わす。

忠清道出身のヨンジンは、平壌出身のユンジェの言葉を歌のようだという。


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エピソード2

1940年代 済州島 中山間部

地主の息子であるユンサムとその土地で農業を生業にしているサソプ。

二人は幼い時からこの土地で生まれ育ってきた。

突然、土地を売るので立ち退けというユンサムに怒りをぶつけるサソプ。

ユンサムは、そんなことを言ってないで両親と兄弟を連れて一刻も早くここを離れろと言う。

ここ以外に居場所はないのにどこに行けっていうんだ。


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エピソード3

1980年代 釜山 留置場

へドンは、酔っ払って喧嘩をして留置所に入れられる

テレビでは、光州での民主化運動がひっきりなしに報道されている

刑事を相手にクダを巻いていたへドンは、留置所の隅っこで丸くなっている大学生を見つける

へドンは、知り合いの息子によく似たジュホに声をかける


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エピソード4

2020年代 近い未来 最前線

上のご機嫌とりをぜず軍隊の慣例に馴染まない新入り兵ムンソク

彼を心配した上官ウンギュは「根性をたたき直してやる!」と理由をつけて連れ出し息抜きに二人で最前線の見張りに立っている

二人はサッカーの話題からこの戦争を平和的に終わらせる様々な方法を考える

サッカーで内戦を終わらせた偉大な選手や音楽で一時休戦した第一次世界大戦中のエピソードなどを挙げつつおしゃべりを続けるが、急を知らせる内線が鳴り響く…

公演動画



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【レビュー】

見る前は、情報量が多すぎて、流れが途切れ途切れになったらどうしようと思ったけど、なんの心配も要らなかったw
自然に笑って、自然に涙が出るように作られてる
エピソードとエピソードの間に流れる歌謡曲みたいなのが、さらにいい!!
なんていう曲なのか知りたい!!

4つの全然違う方言を聞くのも面白いし、舞台装置の転換や衣装変更も舞台の上で行われるので舞台裏を覗く面白さもあります。

済州島の方言は、字幕が出るんですwwwww
↓2枚目の写真




釜山のシーンでは「니 아브지 남청동 살지?」など映画の名台詞が飛び出たり。

釜山の場面でよく出てくるセリフに「억울해」という言葉があるんだけど、
억울하다って辞書で引くと1.重苦しい2.悔しくて胸がふさがる なのね。
無力感というかなんというか
この感情って억울해としか言いようがないよなっておもえた。

他の俳優さんだったらどうなるんだろうって思わせてくれるところもいい。

特に、イシオン배우님は有名な釜山出身の俳優さんだから是非見たい。
 

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エピソード1は、言葉や文字、文化のことに言及するシーンや
サチコとの会話なんて( ;  ; )
エピソード1から2に場面転換するときに、暗闇のなかで二人が抱き合っているのが見えて
二人の子供たちの夢が叶って、平壌冷麺を一緒に食べれる日が来たらいいのにって思えた

パクウンソク 박은석 배우님の台本音読

(平壌出身のユンジェの独白)
僕は、たんぽぽの胞子になりたいです。
たんぽぽのわたぼうしになりたいです。
それが、先輩がみた酒がまです。
(サ)チコがここを離れる時に言ったんです。
「私たちがたんぽぽのわたぼうしのようにどこにでも自由に行けたらいいのに」
ここでも日本でも関係なく、どこにでも根を下ろすことができたらいいのにって
それができるのが文化じゃないかって

僕が京城へ来てからも時々横になって

お父さんが亡くなった時のことをふとおもいだしたりして

ふんまんやるかたないことがあっても

じっと座って本をながめていると

落ち着いてくるんですよ

 

(文化が)僕をたえさせるんですよ。

そういうことなんです

あー、この世界にはおしまいはないんだな


ほら、たんぽぽの種はふーっとすると散らばって世の中に根を下ろすように
「文字」と「知識」は文化で種だってことなんです
言葉も口から出てしまえば自分から離れてしまうじゃないですか
でも実は、読んで習った者たちに根を下ろすんですよ
土地を奪われて、馴染みのものまで全て奪われても言葉は残りますから
日帝の奴らがなんで「内鮮一体内鮮一体」としきりに言うと思いますか?
このような言葉や文字がどれだけ重要かわかっているからなんですよ
それが十分にわかっているから私たちの言葉も名前も使えないようにして
精神まですっかり奪おうとしているんですよ
だけど、私たちの言葉や文字は私たちが忘れない限り奪われないじゃないですか?

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このようにたんぽぽのように生きたいっていうユンジェに対して
たんぽぽ(민들레)くらいは韓国語で呼びたいってヨンジンが答えるんですよ( ;  ; )

エピソード2、済州島で赤狩り(済州四三事件)があったなんて知らなかった。

まだまだ、知らないことがたくさんあるな。

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あの時が今日だった人たちがいて、明日が来なかった人がいた。

最後の「この時」が「今日(現実)」にならないで欲しい。


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公演が終わって、ロビーに出たらキャスティングボードの写真が変わっててさらに泣けた。
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ヨンジンが、ユンジェが、
ユンサンとサソプが、
へドンが、ジュホが、
ムンソクとウンギュが笑ってるよーーーー( ;  ; )






再演シーズンのレビュー⇩




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