懐かしのマイナー馬たち

懐かしの競走馬たち

あまり取り上げられることのない思い出の競走馬をきままに語ります。

スポンサーリンク

ブラジルでリーディングサイアー~アグネスゴールド

スポンサーリンク

 

プロフィール

アグネスゴールド

1998年4月10日 牡馬

父  サンデーサイレンス

母  エリザベスローズ

母父 ノーザンテースト

厩舎 長浜博之(栗)

7戦4勝

主な勝鞍 スプリングS(G2)、きさらぎ賞(G3)

 

競走生活

JRA

2歳:1戦1勝 新馬

3歳:6戦3勝 スプリングS(G2)、きさらぎ賞(G3)、若駒S(OP)

※年齢は当時は旧年齢ですが、現在の表記に合わせています。 

 

2歳暮れの新馬戦でデビューすると4角8番手から33秒9の末脚で初勝利を飾ります。

2戦目には格上挑戦で若駒S(OP)に参戦すると鞍上の河内洋騎手はイマイチの内容と言いながらも先行したダイイチダンヒルをきっちりと捕らえて連勝となります。

続くきさらぎ賞(G3)では、この後に皐月賞、ダービーでも2着となり、古馬になってから宝塚記念を勝つダンツフレームが先行して抜け出したものの、1頭だけ違う脚色で追い込んで初重賞制覇を飾ります。

さらにスプリングS(G2)はいつもよりも前目で競馬をしますが、秋にセントライト記念を勝つシンコウカリドを捉えて、重賞連勝、4戦無敗で皐月賞に向かうことになります。同一厩舎、同一馬主であるアグネスタキオンもここまで3戦無敗と話題を集めたものの右前脚の骨折が判明し、秋まで休養することになります。

神戸新聞杯(G2)で復帰しますが、後方のままエアエミネムの8着に敗れ、初黒星を喫します。続けて菊花賞(G1)に挑戦しますが、距離が長くマンハッタンカフェの8着に敗れます。

中距離路線に戻り、古馬と初対決となった鳴尾記念(G2)は先行してクビ、アタマ差の3着と結果を出し、復調を見せたものの再びケガで長期休養することになります。5歳の夏の札幌記念で復帰という話もありましたが、屈腱炎を発症し、引退となりました。

 

血統構成

サンデーサイレンスは現役時代はケンタッキーダービープリークネスSの2冠を制し、BCクラシックも制しています。引退後は日本で種牡馬入りし、日本の血統図を塗り替えてしまうほどの大種牡馬となります。3冠馬ディープインパクトをはじめ、多数のG1馬、重賞勝ち馬を輩出し、勝利数は現時点で歴代1位となっています。

エリザベスローズは現役時代は引退レースとなったセントウルS(当時はG3)を勝つなど5勝を挙げています。繁殖入り後は、本馬の他に弥生賞を勝ったフサイチゼノン、ダート重賞8勝のリミットレスビッドなど活躍馬を輩出しました。

母の父ノーザンテーストは日本の競馬史を変えた名種牡馬です。競走馬としてはフォレ賞などを制覇しています。種牡馬入り後は通算10回のリーディングサイアー、17年連続リーディングブルードメアサイアーに輝いています。主な産駒としてはダービー馬ダイナガリバー天皇賞アンバーシャダイシンボリルドルフを破ったギャロップダイナなど枚挙にいとまがありません。

 

私の注目ポイント

なぜ私がアグネスゴールドを取り上げたかをご紹介します。

1.皐月賞アグネスタキオンと甲乙つけがたい素質

無敗で皐月賞を制覇したアグネスタキオンとは厩舎、馬主、生産者、父、主戦騎手が同じでした。デビューもほぼ同じでアグネスタキオン新馬戦を勝った翌日に同馬も新馬戦を勝っています。

アグネスタキオンが次走でラジオたんぱ杯3歳S(G3)を制覇すると、同馬も若駒Sきさらぎ賞(G3)と連勝、さらにアグネスタキオン弥生賞(G2)を快勝したことで皐月賞(G1)では2頭の無敗対決となる予定でした。

主戦騎手だった河内洋騎手も甲乙つけがたい素質と評価したように、河内洋騎手がどちらの馬を選択するのかは注目されていましたが、残念ながら骨折により同馬が春のクラシックに参戦できず、過去に例を見ないであろう厩舎、馬主、生産者、父、主戦騎手が同じ無敗対決は夢と消えてしまいました。

 

2.強かったアグネス軍団

同馬の活躍した2000、2001年は馬主である渡辺孝男氏の馬が非常に走った時期でした。日本ダービーアグネスフライト皐月賞アグネスタキオン兄弟、海外G1を2勝したアグネスワールド、G1を6勝したアグネスデジタルとG1馬も複数登場し、他にも2歳OPを勝ったアグネスソニックや長距離で活躍したアグネスパートナーなど芝ダート、短距離・長距離問わず様々な条件で活躍馬がいました。

それぞれの馬が強い印象を与える勝利を挙げていたこともあり、レース内容とともに黄・赤袖・水色二本輪であるアグネスの勝負服が躍動していたことを思い出します。

また、常に活躍馬がいる金子真人氏を除けば、ここまで活躍馬が固まって登場したオーナーブリーダーではない個人馬主はあまり記憶がなく、馬運の強さに対して非常に驚きをもって見ていた記憶もあります。

 

3.ブラジルでリーディングサイアー

種牡馬入り後当初は日本にいましたが、4年目からは兄のフサイチゼノンもいるアメリカで、5年目からはブラジルで種牡馬生活を送っています。

日本でも兵庫ダービーを勝ったバンバンバンクなどを輩出していましたが、 ブラジルでは初年度産駒から重賞勝ち馬を出すなど活躍を続け、アメリカのG1シャドウェルターフマイルSを勝ったIvarをはじめ、ブラジル2冠牝馬マイスキーボニータ、ブラジルダービー馬アブダビなどG1を10勝以上勝利しています。直近でも19/20シーズンのリーディングサイアー、2歳リーディングサイアーに輝くなどブラジルで有力な種牡馬の一頭として活躍を続けています。

同馬の血脈が広がり、いつか日本でも同馬の血を継いだ馬が走る日が来てほしいと思っています。

 

 

 


競馬ランキング