時空を超えて Beyond Time and Space

人生の断片から Fragmentary Notes in My Life 
   桑原靖夫のブログ

水晶球占いより確か?:2020年の世界を予測する 

2022年01月18日 | 午後のティールーム




例年、年末年始になると、さまざまな回顧や予想が行われる。この2年余りcovit-19のパンデミックを過ごしてみて、世界の人々は近未来であっても、この社会に起きる事象の変化を予想することがいかに難しく、不確かであるかを肌身に感じることになった。世の中には限りなく多くの未来予想に関わる言説が横行している。しかし、3年前、誰がコロナ禍の発生とその拡大を予想していただろうか。

予想、とりわけ未来についての予測は難しい。頻繁に起きる事象については統計的モデルを作ることは比較的可能であり、実用に耐える予測も不可能ではない。しかし、それも統計的計測に耐える歴史的(時系列)データが存在しない場合はかなり困難だ。

そうした場合に、手がかりとなるのは 「多数の知恵」”wisdom of crowd”とも言うべき手段で、一例としては株式市場における投資家たちの行動を集計した株価予想が挙げられる。

将来の政治的あるいはニュース上の事象について、イギリス、アメリカなどに多い職業的予想屋の力を借りることも可能だ。The Economistは、賭博取引、予想会社、賭け屋であるBetfair, Metaculus, PredictIt, Smarketsの力を借りて、次のような領域についての予想を行っている。

予想は2022年1月1日号(print edition)と1月4日号に掲載されている。具体的には、ワールド・ニュース、Covit-19、政治、ビジネスと経済、スポーツとカルチュアの分類で行われている。いくつかの例を挙げてみよう。

1月1日号によると、 次のような問題について、どのくらいの確率で起こりそうかを示している。来るべき新年に問題となる点のいわば断片だ。数値が高いほど、当該事象が「起こりそう」likely なことになる。

「少なくも65億人分のcovid-19ワクチン接種が世界で2020年中に実施される」(63%)、「アメリカで共和党が下院の過半数を占める」(82%)、「ノルウエー・チームは冬のオリンピックで金メダルのほとんどを獲得する」(78%)、「エマニュエル・マクロンはフランスの大統領選で勝つ」(63%)、「ロシアがウクライナに侵攻する」(43%)、「オミクロン株は年末でも猛威をふるっている」(44%)、「ボリス・ジョンソンはダウニング街にいられなくなる」(46%)、「2022年、アメリカのインフレ率は4%を越える」、「アメリカで民主党は下院で過半数を維持」(30%)、「ウエスト・サイド・ストーリーは、映画でオスカーのベスト映画となる」(24%)。「原油価格は年末にはバレル当たり$60以下になる(21%)、「世界の航空機旅客数は6月までにパンデミック前までに復活する」(10%)、「中国と台湾の間で武力衝突が起きる」(10%)・・・・・・。

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N.B.
IT edition (January 4th 2020 edition)は、デジタル版もあり、上述のプリント版とは別の事象を取り上げている。そのいくつかを挙げてみよう:
「英国がEUを離脱(exit)する」(99%)、「石油価格は年末にはバレルあたり$70以下となる」、「ドナルド・トランプはアメリカ大統領としての最初の任期を達成する」、「ビットコイン価格は年末には$7,500以下となる」、「スコットランド議会は国民投票で独立に投票する」(45%)、「ジョー・バイデンは民主党の大統領指名を受ける」(38%)、「グレタ・トゥーンベルははノーベル平和賞を受賞」(31%)、「’パラサイト’はオスカーの最優秀映画賞を受ける」(28%)、「英語圏の富裕な諸国で住宅価格が低落」(28%)、「英国は新しい君主をいただく」(30%)、「アメリカは次の12ヶ月の間に不況に陥る」(20%)、「世界の最高平均気温がNASAによって記録される」(25%)、「イングランドはEURO2020の男子サッカートーナメントで優勝」(18%)、「中国はオリンピックで金メダルのほとんどを獲得」(9%)、「S&P 500株式指数は年末には少なくも10%は下落」(11%)、「アメリカはNATO脱退の通告をする」(6%)・・・・・・。
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さて、現実にはどんなことになるでしょう。プロの予想がどれだけのものか、この1年、注目してみたい。

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