大阪石材社長ブログ

「商人の道」を心に

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イトーヨーカドーはだれでも知っているでしょう。伊藤雅俊氏が社長時代に愛唱していたのが「商人の道」で、社長室に掲げておられたそうだ。

江戸時代は「士農工商」の身分社会で武士は身分が安定して、農民は生存が保守されていたが、五公五民とか六公四民と言って税がとられていた時代だ。
身分的にも経済的にも不安定であったのは商人で、必死に生きるしかない。
だからこそチャンスがあれば必死に挑戦する、その在り方を描いた詩である。

「商人の道」

農民は連帯感に生きる
商人は孤独を生きがいにしなければならぬ
すべてが競争者である
農民は安定を求める
商人は不安定こそ利潤の源泉として喜ばねばならぬ
農民は安全を欲する
商人は冒険を望まねばならぬ
絶えず危険な世界を求め、そこに飛び込まね商人は利し生活者であり
隠居であるにすぎない
農民は土着を喜ぶ 大地に深く根を下ろそうとする
商人はどこからでも養分を吸い上げる浮草でなければならぬ
その故郷は住むところすべてである
自分の墓所はこの全世界である
先祖伝来の土地などという商人は一刻も早く
算盤を捨てて鍬をとるべきである
石橋をたたいて歩いてはならぬ
人の作った道を用心用心して通るのは女子供と老人の仕事である
吾が歩む処そのものが道である
他人の道は自分御P道でないという事が商人の道である

商人道の本分は石田梅岩の石門神学にあるように、倹約、正直、勤勉、感謝を本気で貫かないと、信用という人間と人間のつながりができないと商いにならないのである。
十年一昔という言葉があるように、信用を蓄積するにはそれなりの実績がなければ他人は信用してくれません。

創業間もないころ、飛び込みで取引を願いに行ったが、実績を持ってこいと言われ門前払い、公の入札にも、実績がないと参加できなかった悔しさがあった。
時代は変われども、商人では長続きしないと小さな機械を入れ工場を作り、自社生産できるようにした。
今後はさらに原石の丁場も運営して自分で掘った石を供給したい。

戦後、モノづくりがしっかりして、ダイエーをはじめイズミヤ、イトーヨーカドーなどが、流通革命と銘打ってアメリカ型の大型スーパーの経営に乗り出し、日本の車社会化とともに、急成長を遂げていったのである。
そのたゆまぬ努力の精神の柱に「商人の道」という詩を心の支えに頑張られたのだと察する。

皆さんは自分を支えることわざや、詩をお持ちですか?

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