ハワード・マークス 市場サイクルを極める | 株をめぐる冒険

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 本日2稿目。年末年始の余暇を使って株式投資の名著を読み返すと先日のブログに書きましたが、今読んでいるのはハワード・マークスの「市場サイクルを極める」です。

 

 空いた時間に途切れ途切れに読んでいて、しかも読むスピードが遅いので、はじめは年末年始に3冊ぐらい読めるかなと思っていましたが、2冊で終わりそうです。

 

 「市場サイクルを極める」はほぼ読み終えそうなところですが、やはり読んでよかったなと思っています。前著の「投資で1番大切な20の教え」は自分の中ではトップ3に入る投資の教科書的な存在ですが、それを市場サイクルという観点から一度分解して深堀りしているような内容になっています。全般を通して重複する表現や内容が続きますが、そのくどさがこの本のとてもいいところだと思います。

 

 いつもゴルフの話に被せて恐縮ですが、この本はスイング作りに例えるとハーフスイングなどのショートスイングのドリルに通ずるところがあります。ゴルフがある一定以上のレベルになると、ショートスイングの練習の重要性はとても高くなります。ゴルフのスイングで大事なことは何といっても再現性だからです。再現性を高めるには、毎日のように反復練習で同じ動きを身に染み込ませることが必要になります。フルスイングの練習だけだとその場の思い付きでいろいろ新しいことに挑戦しがちで、ほとんどの場合堂々巡りで終わります。ショートスイング練習で始動やインパクトゾーンの中のクラブの動きや体の動き、力を入れるタイミングを確認しながらスイングの基礎を固めて、それからスイングを大きくしていくのが一番の近道になります。見た目には地味で運動量的にも楽そうに見えますが、そんなことは決してありません。ほぼ全部の必要なチェックポイントが詰まっていますし、そのポイントを全部繋げていくことはショートスイングの幅の中でも相当難しいです。ショートスイングのドリルの確認作業から、スイングを固め作っていくことがスイング作りでは腰椎となります。

 

 他の事柄でもそうですが、言葉で表現するのは簡単ですが、それを実現するのはとても難しいものです。株式投資のコツを簡単に言うなら「安く買って、高く売る。」ですが、これを継続的かつ永続的にできなくて苦労します。一つの理知を、頭に入れることと、自分のものにすることは別のことです。

 

 この「市場サイクルを極める」という本は市場のサイクル(株価の上げ下げ)というものの因子をカテゴリーに分けてまた繋げ直すように説明してくれています。ほとんどは、ある程度の投資経験者であれば、みんなわかってるよという内容だとは思います。ただ、株価を目の前にして投資を実践している人や損益を追っている人にとって、だれもがお金を儲けたい強欲の渦の中で冷静でいることは難しいのは事実です。だいたいにおいて自分を見失います。意識的には冷静ですが、行動が冷静ではなくなることが多いです。言葉や論理といったもので頭の中ではわかっていてもです。この本には投資に身を置いている人が読むと、その端々にその時にしかわからない新しい発見や気づきもちりばめられていると思います。

 

 この本を含めてですが、株式投資について書かれた偉人の名著は定期的かつ反復的に読むのが必要だと再確認しました。

 

 次は何を読み返すかまだ決めていませんが、次が楽しみになってきています。

 

 

 


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