5年生時代 その⑤ まとめ魔

子リスが、イベントなどの前に必ず詳しく計画を立て、ものすごく細かい“時間割”を作っていたことは以前お話しました。実は子リスは、計画魔であるとと同時に、「まとめ魔」でもあり、そのピークが4―5年生の頃でした。

まとめ魔とは…子リスには、自分の好きなことや気になることについて、何でもすぐ紙やノートに情報をまとめておくという癖がありました。

例えば、家族で毎週見ていた動物の番組がいくつかあったのですが、それに登場した動物を、子リスはこんな風に全て紙に記録していました。

〇月×日(△曜日)ダーウィンが来た!
「百獣の王ライオン 最強の秘密」 
ライオン・アミメキリン・サバンナシマウマ・アフリカゾウ…

〇月第△週ハローアニマル
今週のテーマ:マダガスカル
〇日(月): ワオキツネザル・エリマキキツネザル
△日(火): ベローシファカ・インドリ・トマトガエル
◇日(水): フォッサ・ブラウンキツネザル・パンサーカメレオン
……………..

実は、この癖は私にもちょっとあります。かなり小さい頃から、好きなこと、欲しい物、気になることがあると、頭の中に置いておけなくなって、紙に書いておきたくなる…というか、書いておかないと落ち着かないのです。漠然と「沢山ある」とか「色々ある」という風に思っておくことが出来ないので、目に見える形に表して安心する、というわけです。

内容はくだらないことが多く、「今食べたいと思っているもの」「週末に何をして遊ぼうと思っているか」「大晦日に用意しておきたいおやつ」「今までに思い出に残った曲一覧」などなど…。子リスのまとめの方が、ナンボかマシだったかもしれません。ちなみにこの癖は今に至るまでずっと続いていて、私のパソコンの「私用」ファイルには、一体いつ何の役に立つのか分からないまとめのページがいくつか入っています。

…子リスの話に戻ります。家族でディズニーランドなどに出かけると、今度は乗ったアトラクション、食べたもの、見たショーなどについて記録しておかなければなりません。

乗った乗り物:
1. ビッグサンダーマウンテン
2. カントリーベアシアター
3. スプラッシュマウンテン………

食べたもの&お店の名前:
ソフトクリーム (トルバドールタバン)
カレー(ベアーズレストラン)
ターキーレッグ(ワゴン)
ポップコーンチョコレート味(ワゴン)………

この「まとめる」という作業、子リスが自分の意志で勝手にやっているわけですが、必ずと言っていいほど周りを巻き込みます。
「あれ?先に乗ったのはどっちだっけ?」と言われると、何故かこちらもドキッとして、一生懸命思い出そうとしてしまうのは、子リスが小さい頃からの、「思い出さないとタイヘンなことになる」という擦り込みによるもの。

「あれ?わかんなくなっちゃった」の後、「まあいいや」となるなら問題はないのですが、
思い出すまで次の行動に移れなかったり、時間の関係で無理やり先に進んだとしても、気になって機嫌が悪かったり…と、それが困るわけです。

小さかった頃のように、だからといって泣き叫んだりはさすがにしませんが、持って生まれた気質というのは、そうカンタンには変わらないもので、やはり納得のいかない雰囲気を盛大に振りまくため、周りが振り回されるという公式の名残はあるのでした。

でも慣れというのは恐ろしいもので、「子リスはこういうことをする子」と認識してしまえば、「ドキッ」も含めて日常になって行きます。
動物番組を見ている時だって、子リスがちょっとよそ見をした時や、トイレに行ったりしている間に出て来た動物を夫が見つけて、
「今ちょっとマントヒヒが出て来たぞ」と教えてあげたりして、私達ってとても協力的な親だったんじゃない?…と、今になって時折夫と苦労を労い合うわけですが…。

家族によって、独特の風景があるというのは面白いことだと思います。
子供の個性は時として強烈ですが、それはその子の内側から溢れて来る、生きるエネルギーのようなものではないかと私は思います。だからできるだけ、取り組んでいることを一生懸命にやろうとする気持ちは大切にしてやりたいと思っていました。

でも、子供の健全な成長を願えば、同時に大切にしなければならないこともあります。
集団行動の中で、自分のペースを調整すること。
時には自分の望んでいることが全く叶わないこともある、と学ぶこと。
それらはとても大事なことで、少しずつ、経験の中で身に着けて行って欲しいとも思っていました。一般的な年齢相応に、というのは難しかったけれど(すでにそのスタートは大幅に遅れていたわけですから)それでも、少しずつ、少しずつ、出来るように導いていかなければ。

…ということを、冷静に、穏やかに、余裕を持ってできたら理想的なのですが、何しろ、こちらの気分や忍耐力・体力には限界があり、そしてその限界を気軽に超えて来る子リスのパワーに圧倒されて、
「考えてみなさいよ!そんなことどうでもいいことでしょ!」などと怒鳴ったり(私)、
「気に入らないならもう帰るぞ!」などとキレたり(夫)…そんなことも多々ありました。

…ま、それも、子リスが「理不尽に耐える」力とか、「あんまりしつこく言ってるとロクなことにならないんだなと学ぶ糧」になったであろうと祈るばかりです。

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