羽田空港第3ターミナルの自動運転バスに乗ってみた

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NAVYAのARMA

2021年12月11日から、羽田空港第3ターミナルと羽田イノベーションシティを結ぶ自動運転バスの運行が開始された。今回はそれに乗車してみた。

実証実験である

今回乗車した自動運転バスは、以下の企業による公道での実証実験である。実証実験を一般公開しているといった位置づけのようだ。

羽田みらい開発株式会社(羽田イノベーションシティを開発中)
BOLDLY 株式会社(ソフトバンクの子会社)
株式会社マクニカ
日本交通株式会社
鹿島建設株式会社

実施期間は2021年12月30日まで

期間限定の運行であり、期間は2021年12月11日から2021年12月30日までである。

ルートは羽田イノベーションシティとの往復

ルートは羽田空港第3ターミナルと羽田イノベーションシティ(大規模複合施設)との往復である。

実証実験のルート
出典:羽田イノベーションシティ 2021年12月8日プレス発表資料

羽田空港第3ターミナルの乗り場

以下の場所である。既存のバス停のさらに先にあり、看板はない場所で乗り降りする。

羽田イノベーションシティの乗り場

以下の場所である。予約サイトには案内看板ありとされているが、筆者が確認した限りでは実証実験用バス停の看板は見当たらなかった。

料金は無料

乗車料金は無料である。

運行時間は10時から15時30分の間

運行時間は10時から15時30分の間である。バスの時刻は後述する予約サイトで予約時に確認できる。

今回、筆者は羽田空港から羽田イノベーションシティへ、羽田イノベーションシティから羽田空港へ向かうバスに乗車したが、その2回だけでいうと、出発時刻の10分前にはバスは乗車場所に来ていた。

予約が必要

乗車にはWebからの予約が必要である。空きがあれば当日でも予約可能である。

予約サイト
> https://reserva.be/boldly

車両は電気自動車

車両はフランスのNAVYA(ナビヤ)社のARMA(アルマ)という車種である。

マクニカ社による紹介ページ
> https://www.macnica.co.jp/business/maas/products/133978/

乗車方法

バスが乗車場所に到着し、前の乗客が全員降りたら、バスに同乗しているスタッフが降りてきて予約者の名前を呼ぶ。呼ばれたら返事をしてバスに乗り込む。バスは前方席以外はシートベルトがあり、走行中はシートベルトを付ける必要がある。走行中には同乗しているスタッフから自動運転に関する説明が簡単にある。ドアの開け閉めはスタッフが行う。

目的地の到着し、降車する際もスタッフがドアを開ける。車両から降りて終わりである。

乗り心地は?

見通しが良く、交通量も多くない道路であるにも関わらず頻繁に減速や停止をしてしまい、あまりスムーズな走行ではなかった。これは車道に落ちているものを敏感に検知することと、追い越されたときに元の通行帯に戻った車両との車間距離が近いと判断するからのようである。

最高速度は20km/hで他の車の流れには明らかに合っておらず、ほとんどの車両に追い越されていた。

技術的には、予めインプットしておいたGPSのルートと現在のGPSのルートで走行位置を補正し、信号・交差点や一時停止位置も予めインプットしてあり、障害物は赤外線で検知しているとのことだ。

完全な自動運転ではない

スタッフとは別に運転手が乗っている(つまり、乗務員が2名いる)。これは現状の日本の法律では運転手が必要という理由以外に、実は、完全な自動運転は実現できていないという理由もある。例えば、信号の手前で停止後の発進は運転手が手動で行う。また、信号機の色も読み取っていないため、青であっても停まってしまう。路上駐車を避けることもできず、駐車車両の後ろで停まってしまうため、手動で避けるのである。落ち葉などの小さいものも検知して停まってしまうとのこと。操作は、タッチパネルやコントローラを使用して操作するようだが、運転手は頻繁にこれらを操作をしていた。ちなみに、コントローラはゲーム機XBOXと同じものとのこと。

まさに実験段階といったところだ。

総評

羽田イノベーションシティ

羽田イノベーションシティ自体、現状ではあまりアミューズメント性がなく、半分程度はオフィスが入居しているので、羽田イノベーションシティが目的で乗る人は少ないように思える。筆者が乗ったバスの乗客は往復ともほぼ自動運転に興味を持ったからであろう方々であった。というのも、スタッフに今回の自動運転に関する質問をしたり、写真を撮っている人が大半であったためだ。

前述の通り、自動運転なのに乗務員が2名もいる。1名は乗客の予約確認や実証実験の説明といった実証実験特有の事情で居ることを差し引いても、運転手がいろいろ操作しないといけない状況だと自動運転の本格運用は技術面だけ見てもまだまだといったところだろう。

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