「お城EXPO 2021」!最強の城の条件は?信玄はなぜ小田原を攻めたのか?

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、歴史好き・お城好きにはたまらないイベント、「お城EXPO 2021」です。

■お城EXPO

至福の2日間でした…。
日本全国から城の関連団体が横浜に集まる「お城EXPO 2021」がパシフィコ横浜で開催(12/18・19)。

お城にまつわる貴重な資料展示やスペシャリストによる講演会など、お城ファン必見のプログラムが盛りだくさん。
今年で6回目となるこのイベントに、歴史好き・お城好きが多数参城しました。

両日とも、会場前に行列ができる盛況ぶり…。もしかして城ブーム来てる?
鎧兜の仮装をした女性だったり、城クイズにすらすら答える子供の姿を見ると、なんかファン層が広がっている感じがします。

これはイイ流れです。城には、ニッポンの文化、歴史、芸術がギュっと詰め込まれています。
たくさんのひとに城の魅力を知って、ニッポンの魅力を体感してほしいと思います。

皆さん、もっと城を好きになりましょう!…ということで、今日は、その興奮の2日間を追体験。
「お城EXPO 2021」の見どころをピックアップしましょう。

■展示ブース

まずは、「城めぐり観光情報ゾーン」へ。
ここは、城郭の関連団体が、お城めぐりに役立つ情報や周辺の観光情報を発信する展示ブースです。

これ、自分のお気に入りの城や行ってみたい城と出会うと、つい長居しちゃうんですよね。
パンフレットをもらって、城郭団体のひとからおススメを聞いて、次の城ぶらを妄想する…。至福です…。

その観光情報ゾーンの脇には、公式お城グッズ売り場やイベントステージがあります。
イベントステージでは、ご当地武将隊の演舞やご当地キャラのショーが繰り広げられました。
個人的には、千田先生が登壇して発表した「日本最強で不滅の城ライブ」の告知に胸躍りました。参加します!

さらに、各フロアの展示ブースをぶら歩き。
お城EXPO恒例の「日本100名城&続日本100名城パネル展」は、何度見ても飽きません。
ここは行った、ここはまだ行ってない、こんな城あるの?などなど。まだまだ城ぶらは続きます。

「小中学生 城の自由研究コンテスト優秀作品」の展示ブースもありました。
どれもこれも素晴らしい…。「城」愛に満ちています。こうしたピュアな好奇心が新たな発見を見つけたりするんだよね。少年少女よ、大志を抱け!

■厳選プログラム

そして、このイベントの最大の見どころと言えるのが、お城のスペシャリストたちが登壇する「厳選プログラム」
ここでしか聞けない貴重な講演会、フォーラム、トークショーなどを繰り広げます。

小和田哲男先生の「関ヶ原の戦いと城」や春風亭昇太師匠の「最強の城の条件は」など、いずれもマニアックだけど貴重な城情報満載で、城ファンにはたまりません。
まさに「厳選プログラム」。登壇されたスペシャリストの皆さんも、聴講しているのが城好きばかりだから、気兼ねなく凝った話をできたのではないでしょうか。至福でした…。

歴史家と噺家の城歩き/中井均・春風亭昇太・齋藤慎一

たとえば、春風亭昇太師匠と加藤理文先生による「最強の城の条件は」
堀切、竪堀(たてぼり)、横堀と、写真を交えながらマニアックなトークが続きます。
なんてったって、天正18年(1590)のことを「ちょっと前」と言うくらい、歴史の遠く彼方に飛んでいる方々です(苦笑)。

さらに、土塁、石垣と、コアな話しは続きますが、ようやく思い出したかのように「最強の城の条件」の話しになりました。
結論、2人が一致したのは「切岸」(きりぎし)。山腹を垂直に削り人工の崖としたものです。確かに、堀や石垣は人が近づけるけど、切岸は人を寄せ付けない…。これは最強…。
※動画は2人が例で挙げていた「河村新城跡」(神奈川県山北町)。

さらに、平山優先生「三増合戦と北条方の諸城」
三増合戦(みませがっせん)とは、永禄16年(1569)に行われた武田信玄と北条氏との合戦です。
信玄はこの年、2万の兵を動員して関東に侵入、小田原城を包囲して北条方を挑発。城下に火を放ち引き上げました。

この三増合戦は、その信玄が甲斐に撤退する途上を北条方が待ち伏せして襲うという戦いでした。
北条側の圧倒的有利…。しかし、戦国最強の信玄軍は止まりません。緒戦こそ苦戦しますが、あとは戦上手ぶりを発揮して、氏照・氏邦が率いる北条軍を撃破。悠々と甲斐帰国を果たしました。

では、なぜ信玄は小田原を攻撃したのでしょうか?平山先生は言います。
「小田原攻めは、小田原城を攻略することが目的ではない。小田原城を脅かして、関東の守りを固めなければいけないと思わせることだった」。
実際に、三増合戦の1か月後、信玄は手薄になった駿河に攻め込んで制圧します。これを見据えた小田原攻めなら、信玄すごすぎです…。

(武田信玄像)

小和田哲男先生「関ヶ原の戦いと城」で、過去の書状などから、西軍・石田三成の考えてた関ヶ原の戦術を紐解きます。
曰く、三成は大垣城籠城戦を考えていた。さらに、その向かい側となる松尾山城に毛利輝元を配置する後詰決戦を構想していた…。これが実現していたら、もしかして…。

さらに、中井均先生「安土城研究三題」で、近年の研究から、城域の北限や勝家献上の切石、摠見寺(そうけんじ)の謎について自説を展開します。
これは知らなんだ…。マニアックだけど、謎多き安土城に絡むネタだから、戦国ファンにはたまりません。会場初出しの情報もあり、まさに至福でした。

(安土城跡石段)

それにしても、観衆のみならず、登壇者の皆さんも楽しそう。ほんとお城が好きなんだなぁ。
城のトリビアを話したくてしょうがない感じ。そんな登壇者のワクワク話す姿を見るだけで幸せな気持ちになります。

もちろん、話される内容もすこぶる一級品だから、満足度は半端ありません。
気づけば、あっという間の2日間。まさに、城熱の祭典至福の「お城EXPO 2021」でした。

ありがとう、お城EXPO 2021!

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