ver.5 - 洋楽チャートをデータと共に

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過去と現在の洋楽シーンをチャートデータをもとに紹介するページ(週一更新予定)


Ver.5サイトが選ぶポップミュージック名曲選 80,90年代編 4


よくあるロックの名曲ではなくて、ポップミュージックの名曲を当サイトが厳選して紹介しています。選曲は全米Top5に入った曲はそれだけで名曲で、膨大なリストとなるため外しています。
70年代までの100曲編と80年代、90年代編は名曲としての意味合いが変わってきます。80年代頃からは幅広い音楽に触れる機会が増えたことで、様々な音楽を取り入れたり過去の音楽を再構築することが増えていきます。またシンセサイザーの普及で簡単に電子機器で音楽を作ることができるようになります。90年代頃には音楽の一部をサンプリングするラップミュージックが流行しました。
ということで今からだいぶ過去の音楽ですが、それでも色あせないポップミュージックの美しいメロディの世界をぜひお楽しみください。
80年代から90年代末までで100曲の3回目です。

Super Freak / Rick James 81

ニューヨーク州Buffalo出身のシンガーソングライターRick Jamesの81年に全米16位を記録したナンバーです。78年から毎年アルバムをリリースしてヒットさせる天才アーチストRick Jamesが最も成功したアルバム『Street Songs』からのシングルです。ディスコティックで耳なじみのよいメロディは時を超えて、89年にMC Hammerがこの曲をサンプリングした「U Can't Touch This」(全米8位)が大ヒットしヒップホップブームを牽引することになり、2022年にはNicki Minajが「Super Freaky Girl」で全米1位を獲得するなど、聞き継がれています。

Forget Me Nots / Patrice Rushen 82

 

カリフォルニア州ロサンゼルス出身のシンガーソングライターPatrice Rushenの82年に全米23位、全英8位を記録した曲です。Patrice RushenはTop40ヒットがこの曲だけで、アルバムも『Straight From The Heart』(全米14位)が目立った活躍ですが、インストゥルの名曲「Number One」を作曲するなど優れたソングライターでした。「Forget Me Not」はうねるようなベースラインが心地良いダンストラックで、Will Smithが「Men In Black」(1997年全英1位)、George Michaelが「Fast Love」(1996年全米8位)でサンプリングしています。

A Night To Remember / Shalamar 82

 

Jody Watleyが所属しているカリフォルニア州ロサンゼルスのR&BグループShalamarの82年に全米44位、全英5位を記録した曲です。Shalamarには「The Second Time Around」(全米8位)や「Dancing In The Sheets」(全米17位)といったヒットがありますが、チャート順位以上にクラッシックとして聞き継がれているのはこの曲です。バックのギターのリフのメロディが中毒性がある曲で、UKのボーイズグループ911(全英38位)やLiberty X(全英6位)によってカバーヒットされています。

Walkin Into Sunshine / Central Line 81

 

ロンドンで結成されたR&BバンドCentral Lineの82年に全米84位、全英42位を記録した曲です。チャートヒットでは目立った記録はありませんが、シンセサイザーの刻むファンキーなメロディラインはインパクトがあり、George Michaelの「Shoot The Dog」などや、LL Cool Jなどラップのサンプリングの定番として今もなお聞き継がれている隠れたポップスの名曲です。

Genius Of Love / Tom Tom Club 81

アメリカはニューヨークで結成されたTalking HeadsのサイドプロジェクトTom Tom Clubの81年に全米31位、全英65位を記録した曲です。邦題は「おしゃれ魔女」で、軽快なシンセサイザーのメロディとコーラスが独特です。80年代後半からのヒップホップラップでのサンプリングの定番で、有名なものとしてはMariah Careyの「Fantasy」(1995年全米1位)、Lattoの「Big Energy」(2021年全米3位)があります。

Be Alright / Zapp 81

 

オハイオ州Daytonで結成されたFunkバンドZappの81年に全米R&Bチャートで26位を記録した曲です。チャート上では目立った記録は残っていないものの、切ないメロディラインにイントロのアレンジは90年代に入ると2Pacの「Keep Ya Head Up」(1993年全米12位)、H-Townの「Knockin Da Boots」(1993年全米3位)などにサンプリングされる定番ソングとなり存在感を出しています。今回は選に漏れた「Computer Love」などZappやそのボーカルRogerはボイスチェンジャーを使った初期のアーチストとして再評価されています。

Stay With Me / Debarge 83

 

ミシガン州Grand Rapidsで結成されたファミリーグループDeBargeの1983年のアルバム『In A Special Way』(全米36位)に収録されている曲です。Debargeはサンプリングの定番を数多く生み出していて「A Dream」や「I Like It」も有名ですが、なんと言っても「Stay With Me」はNotorious BIGが「One More Chance」(1995年全米2位)、Ashantiが「Foolish」(2002年全米1位)を始め数多くのヒットに使われていて有名です。切なくも美しいメロディラインのループが心地良い。

Rock It / Herbie Hancock 84

 

イリノイ州シカゴ出身のJazzミュージシャンHerbie Hancockは「Cantaloup Island」や「Watermelon Man」など数多くの名曲を生み出している伝説的なアーチスト。1984年にはレコードをこするHipHopの定番でもあるスクラッチノイズを使った「Rock It」で全米71位、全英8位のヒットを生み出しています。ロボットのような彫刻が人間の家庭を描いたPVもまた話題でした。日本のバラエティ番組でメロディが使われるなど一度は耳にしたことがある定番のヒップホップです。

Between The Sheets / Isley Brothers 83

 

オハイオ州Cincinnatiで結成された兄弟グループThe Isley Brothersは1959年から今もなお活躍する伝説的なアーチストです。60年代にはBeatlesのカバーで有名な「Twist & Shout」が全米17位のヒット、70年代には「That Lady」が全米6位のヒットを記録するなど活躍しています。80年代は「Between The Sheets」が全米101位、全英52位と目立ったチャート記録は残っていないものの、メロウなサウンドは90年代に入って脚光を浴びてR Kellyのダウンロウサウンドのオリジンとして注目を集めました。サンプリングの定番ですが、有名なものはDa Bratの「Funkdafied」(1994年全米6位)、Notorious BIGの「Big Poppa」(1994年全米6位)がヒットしています。

Through The Fire / Chaka Kahn 84

 

イリノイ州シカゴ出身のChaka KahnはファンクグループのRufusを含めて数多くのR&B名曲を生み出していますが、この曲は全米60位、全英77位という目立った記録は残っていないものの今では80年代を代表するR&B(当時はこのような曲をQuiet Stormと呼んだ)の名曲として知られてます。作曲プロデュースはDavid Foster。Chakaの熱唱に完璧なメロディと構成はまさしくいつ聞いても新鮮で感動的です。Kanye Westがデビュー曲にこの曲を選び「Through The Wire」は2003年に全米15位を記録しています。

Billboard Chart 4/20

Single Chart


1(1) : Like That / Future,Metro Boomin & Kendrick Lamar (3 Weeks)
2(4) : Too Sweet / Hozier
3(3) : Beautiful Things / Benson Boone
4(5) : Lose Control / Teddy Swims
5(2) : Texas Hold'em / Beyonce
6(-) : 7 Minitues Drill / J.Cole
7(8) : Lovin On Me / Jack Harlow
8(9) : We Can't Be Friends(Wait For Your Love) / Ariana Grande
9(10) : Type Shit / Future,Metro Boomin,Travis Scott & Playboi Carti
10(15) : Stick Season / Noah Kahn

Future、Metro BoominとKendrick Lamarの「Like That」が3週目の1位を獲得しています。この曲から始まったDiss合戦ですが、J.Coleからはアンサーソング「7 Minites Drill」が6位に登場しています。またDrakeからもアンサーソングのリリースがあり、再来週にはチャートに登場してくるでしょう。今週の「Like That」のStreamingsは40Mで1位、Digital Salesは3,000回で14位、Radio Airplayは14Mで41位でした。

Hozierの「Too Sweet」が2位に上昇して来週の1位獲得を狙います。Streamingsが36.7Mと好調で、Spotifyなどでは既に1位をキープしています。


3位のBenson Boone「Beautiful Things」はラジオエアプレイが57.4Mで2位と好調です。

6位J.Coleの「7 Minutes Drill」は23.4MのStreamingsを稼ぎ、通算13曲目のTop10ヒットとなっていますが、数日後J.Coleから謝罪があり4月12日にはStreamingsから削除されています。

■ Taylor Swiftのアルバム『The Tortured Poets Department』が発売されました。

 

11曲のオリジナルバージョンに15曲が追加されたAnthologyバージョンまでリリース。合計26曲(2時間)となりますが2週後にどのようなTaylor祭りとなるのでしょうか。まだ全部は聞ききれていませんが、『Midnight』の成功を受けたアルバムという感じで、メディアの評価は賛否両論といったところ。


Fortnight / Taylor Swift f.Post Malone

11(-) : Wanna Be / GloRilla & Megan Thee Stallion
15(19) : Saturn / Sza
16(23) : I Like The Way You Kiss Me / Artemas
19(-) : Crocodile Tearz / J.Cole
26(32) : Feather / Sabrina Carpenter
27(33) : Man Made A Bar / Morgan Wallen f. Erick Church
28(-) : Huntin Wabbitz / J.Cole
29(-) : Pricey / J.Cole f.Ari Lennox,Yojng Dro & Gucci Mane
32(57) : Austin / Dasha
35(-) : H.Y.B. / J.Cole f.Bas & Central Cee
38(-) : Ready 24 / J.Cole f.Cam'ron
39(56) : Yeah Glo! / GloRilla *
40(55) : Slow It Down / Benson Boone 
* Top40再登場

J.Coleのアルバムから19位「Crocodile Tearz」、28位「Huntin Wabbitz」、29位「Pricey」、35位「H.Y.B.」、38位「Ready 24」と「7 Minutes Drills」と合わせて6曲が入っています。

11位にはテネシー州Memphis出身のラッパーGlorillaの「Wanna Be」が入っています。Soulja Boyの「Pretty Boy Swag」とProject Patの「Don't Save Her」がサンプリングされていますが、2人のラッパーの迫力あるラッピンの掛け合いが魅力です。


Wanna Be / GloRilla & Megan Thee Stallion

32位にはカリフォルニア州San Luis Obispo出身のカントリーシンガーDashaの「Austin」が入っています。2023年11月のシングルですが、今年3月にTiktokで人気となり、Dashaがラインダンスをする動画を投稿したことでブレイクしました。切ないギターのメロディラインが良い感じです。


Austin / Dasha

40位には「Beautiful Things」がヒット中のBenson Booneのアルバムから「Slow It Down」が入っています。時々入るシャウトがそれらしいですが、サビは軽快なリズムのポップソングになっています。

Slow It Down / Benson Boone

Streamings Songs #1 : Like That / Future,Metro Boomin & Kendrick Lamar 40M
Digital Sales #1 : Wanna Be / GloRilla & Megan Thee Stallion
Radio Airplay #1 : Lose Control / Teddy Swims 69.7M

Album Chart(Units/Sales)


1(1) : Cowboy Carter / Beyonce (2 Weeks) 128,000/20,500 
2(-) : Might Delete Later / J.Cole 115,000/9,000
3(-) : Minisode 3 Tomorrow / Tomorrow × Together 107,500/103,500
4(2) : We Don't Trust Me / Future & Metro Boomin 99,000/?
5(3) : One Thing At A Time / Morgan Wallen 72,000/?
6(-) : Fireworks & Rollerblades / Benson Boone 58,000/4,000
7(4) : Eternal Sunshine / Ariana Grande 48,000/?
8(7) : Stick Season / Noah Kahan 45,000/?
9(6) : Guts / Olivia Rodrigo 43,000/?
10(9) : SOS / Sza 40,000/?

12(-) : Bryson Tiller / Bryson Tiller
14(-) : Found Heaven / Conan Gray
18(-) : Ehhthang Ethhthang / GloRilla
26(-) : Ohio Players / The Black Keys
27(-) : Only God Was Above Us / Vampire Weekend
38(-) : A La Sala / Khuruangbin 

Beyonceの『Cowboy Carter』が2週目の1位を獲得しています。

2位には突如発表されたJ.ColeのMixtape『Might Delete Later』が登場しています。アルバムタイトルではないですが、いかにも急遽出された感じで、タイトル通りに「Like That」のDissを受けた「7 Minutes Drills」は削除されています。

3位には韓国のボーイズグループTomorrow × Togetherの『Minisode 3 Tomorrow』EPが入っています。
6位にはワシントン州Monroe出身のシンガーソングライターBenson Booneのデビューアルバム『Fireworks & Rollerblades』が入りました。American Idolのオーディションを受けたりしていましたがTiktokで680万人のフォロワーを獲得し「Beautiful things」がシングルヒットとなっていました。

11位以下ではテキサス州HoustonのバンドKhruangbin『A La Sala』が38位に登場しています。前作『Mordechai』が31位と2枚連続でTop40入りとなっています。Laura Leeのベースはなかなか見られないほどのかっこよさですが、それを活かせる曲が待たれます。


A Love International / Khruangbin

 

UK Chart 4/19

Single Chart


1(1) : Too Sweet / Hozier (2 Weeks)
2(2) : Beautiful Things / Benson Boone
3(5) : I Like The Way You Kiss Me / Artemas
4(4) : Lose Control / Teddy Swims
5(3) : Texas Hold'em / Beyonce
6(-) : Espresso / Sabrina Carpenter
7(8) : Austin / Dasha
8(7) : We Can't Be Friends(Wait For Your Love) / Ariana Grande
9(-) : Illusion / Dua Lipa
10(-) : Forget About Us / Perrie

Hozierの「Too Sweet」が2週目の1位を獲得しています。

6位にはペンシルバニア州Quakertown出身の女優、シンガーSabrina Carpenterの「Espresso」が入っています。ギターで刻むリズムが心地良いディスコナンバーで、一気にブレイクしそうなパワーがあります。PV監督はDave Mayers。


Espresso / Sabrina Carpenter

9位にはロンドン出身のポップシンガーDua Lipaのアルバム『Radical Optimizm』から3曲目のヒットとなる「Illusion」が入っています。これまでの2曲よりもポップダンストラックという感じで、PVがまた力の入ったものになっています。


Illusion / Dua Lipa

10位にはLittle Mixのメンバーで、South Shields出身のシンガーソングライターPerri EdwardsことPerrieの「Forget About Us」が入っています。もともとEd Sheeranから送られてきたデモバージョンをもとにEvanessenceの「Bring Me To Life」の作曲をしたDavid Hodgesらと作曲したものです。


Forget About Us / Perrie

Album Chart
 

1(-) : Yummy / James
2(2) : Cowboy Carter / Beyonce
3(-) : One Deep River / Mark Knopfler
4(-) : Papercuts Single Collection 2000-2023 / Linkin Park
5(-) : Halo Effect / Kris Barras Band
6(6) : The Highlights / The Weeknd
7(5) : Guts / Olivia Rodrigo
8(-) : This Could Be Texas / English Teacher
9(10) : Stick Season / Noah Kahan
10(-) : Hombres / Gun

11(-) : We Still Don't Trust You / Future & Metro Boomin
12(-) : Don't Forget Me / Maggie Rogers
16(-) : Silence Is Loud / Nia Archives
37(-) : I'm Doing It Again Baby / Girl In Red

68(-) : The Rise And Fall Of A Midwest Princess / Chappell Roan
71(-) : San Vito / Feeling

マンチェスターで結成されたロックバンドJamesの18枚目のアルバム『Yummy』が1位を獲得しています。1986年のデビューアルバムから始まり、1998年にはベストアルバムが1位を獲得していますが、オリジナルアルバムでは初の1位獲得となりました。


Our World / James

3位にはDire StraitsのMark Knopflerのソロ10枚目『One Deep River』が入っています。


4位にはLinkin Parkのベストアルバムが入っています。
 

5位にはKris BarrasをフロントマンとするUKのバンドKris Barras Bandの5枚目のアルバム『Halo Effect』が入っています。
 

8位にはイングランドはリーズ出身のインディバンドEnglish Teacherのデビューアルバム『This Could Be Texas』が入っています。ボーカルの存在感とギターポップの楽しさが魅力で、NMEが★5を出すなどメディアでも高い評価があります。


The World's Biggest Paving Slab / English Tearcher
Nearly Daffodils / English Tearcher
R&B / English Teacher

10位にはスコットランドはグラスゴーで結成されたメタルバンドGunの9枚目のアルバム『Hombres』が入っています。1994年の『Swagger』以来となるTop10入りですが、勢いのあるロックが心地良いです。


Take Me Back Home / Gun

Ver.5サイトが選ぶポップミュージック名曲選 80,90年代編 3


よくあるロックの名曲ではなくて、ポップミュージックの名曲を当サイトが厳選して紹介しています。選曲は全米Top5に入った曲はそれだけで名曲で、膨大なリストとなるため外しています。
70年代までの100曲編と80年代、90年代編は名曲としての意味合いが変わってきます。80年代頃からは幅広い音楽に触れる機会が増えたことで、様々な音楽を取り入れたり過去の音楽を再構築することが増えていきます。またシンセサイザーの普及で簡単に電子機器で音楽を作ることができるようになります。90年代頃には音楽の一部をサンプリングするラップミュージックが流行しました。
ということで今からだいぶ過去の音楽ですが、それでも色あせないポップミュージックの美しいメロディの世界をぜひお楽しみください。
 

80年代から90年代末までで100曲の2回目です。

Modern Girl / Sheena Easton 82

 

スコットランドはBellshill出身のポップシンガー、Sheena EastonはBBCが製作した『The Big Time』オーディションから登場した女性ポップシンガーの元祖的な存在でした。デビューシングルの「Modern Girl」は当初ヒットしませんでしがた、続く「9 to 5」のヒットから再浮上して全米18位、全英6位のヒットを記録しています。PVや歌詞もそうですが、80年代以降に進む女性の社会進出を象徴する曲です。


While You See A Chance / Steve Winwood 81


イングランドはHandsworth出身のシンガーソングライターSteve Winwoodは60年代からThe Spencer Davis Group、Traffic、Blind Faithと名だたるバンドに所属していますが、ソロキャリアとしては81年に全米7位、全英45位を記録したこの曲からでした。シンセサイザーの軽快なメロディに元気がでる歌詞が良いです。


Under Pressure / David Bowie & Queen 82

 

70年代にオペラ風ロック組曲「Bohemian Rhapsody」をヒットさせるなどUKを代表するバンドだったQueenは80年に入ると全米でも2曲を1位に送り込みます。そんなQueenが81年に全英1位を2週間(全米29位)のヒットとなったのがこの曲で、グルーブ感たっぷりのリズムとイントロのメロディが特徴的です。90年にはアメリカ人ラッパーのVanila Iceがこの曲をサンプリングした「Ice Ice Baby」が全米1位を記録しました。

Favorite Shirts / Haricut 100 82

 

ロンドンで結成されたNick Heywardを中心とする6人組ポップバンドHaircut 100の全英4位を記録した曲です。ファンキーなギターとラテンのリズムが癖になるダンスナンバーです。80年代はUKのバンドが世界的に活躍していますが、ジャンルのこだわり無く良い音楽を貪欲に取り入れていたのがこの時代という感じです。


My Ever Changing Moods / Style Council 84

 

70年代終わり頃に成功を収めていたロンドンのパンクバンドThe Jamの一員であったPaul WellerがDexy Midnight RunnersのMick Talbotたちと組んだThe Style CouncilはJazzやヒップホップやソウルを取り入れたお洒落なポップサウンドで人気となりました。アルバム『Cafe Bleu』ではパワーバラードだった曲がソウルなダンストラックにリミックスされたシングルは全米29位、全英5位を記録しています。曲は60年代のソウルの雰囲気たっぷりのメロディにStyle Councilらしい当時の政治に対するメッセージも込められています。

There Must Be An Angel / Eurhythmics 85

 

ロンドンで結成されたEurythmicsは80年代にイギリスのバンドが世界的に活躍するブリティッシュインベイジョンを担ったアーチストの一つでした。全米1位を記録した「Sweet Dreams」を始め数多くのヒットを残しましたが、その中でも85年に全米22位、全英1位を記録したこの曲はチャート順位以上に高く評価をされています。パワフルで独特のボーカルを見せるAnnie LenoxとStevie Wonderのハーモニカのコンビネーションが魅力です。

You Spin Me Around / Dead Or Alive 85

 

リバプールで結成されたポップバンドDead Or Aliveの全米11位、全英1位を記録した曲です。80年代に一大ブームとなる売れっ子プロデューサーStock Aitken Watermanが初めて名前を上げた曲としても知られています。Dead Or Aliveはニューウェーブバンドとしては独特で、特にボーカルのピートバーンズの怪しい魅力によってダンスだけど、グラムロック的にも扱われています。後にラッパーのFlo Ridaがサンプリングした「Right Round」が全米1位を記録しています

Relax / Frankie Goes To Hollywood 84

 

リバプールで結成されたHolly Johnsonを中心とするポップグループFrankie Goes To Hollywoodが84年に全米10位、全英1位を記録したナンバーです。プロデューサーがBugglesのTrevor Hornで、英国だけで200万枚を売り上げる記録的な大ヒットでした。怪しげなPVや過激な歌詞はBBCが放送禁止にするほど物議を醸し出しますが、キャッチーなサビメロなどは今でも耳にすることが多い80年代ポップスを代表する曲です。

Digging Your Scene /  Blow Monkeys 86

ロンドンで結成されたニューウェーブバンドThe Blow Monkeysの全米14位、全英12位のヒットです。Blow MonkeysはなんといってもBeatlesの曲から名前が取られたDoctor Robert(Robert Howard)のかっこよさが魅力で、この曲のPVでもよく出ています。曲はJazz、Soulのフィーリングがミックスした優雅なメロディで、歌詞はHIVやエイズ感染者に対する憎しみや憎悪について歌われています。


Save A Prayer / Duran Duran 82

 

80年代に起こったブリティッシュインベイジョン(UKのアーチストが世界的な成功を収めた現象)の中心的存在はBirminghamで結成されたDuran Duranでした。ヒット曲もさることながら、メンバーのルックスのよさは日本でも高い人気がありました。そんなDuran Duranが世界的な成功を収めるのは2ndアルバム『Rio』からですが、その3番目にカットされた「Save A Prayer」はライブバージョンとして全米16位、全英2位を記録しています。曲はDuran Duranのシングルヒットには珍しいスローなナンバーで、サビの歌詞は他の曲にも引用されるほど有名な歌詞です。PVはスリランカ3部作と言われ、当時としては破格の高額で撮影されたビデオの名作になっています。

Billboard Chart 4/13

Single Chart


1(1) : Like That / Future,Metro Boomin & Kendrick Lamar (2 Weeks)
2(11) : Texas Hold'em / Beyonce
3(3) : Beautiful Things / Benoson Boone
4(5) : Too Sweet / Hozier
5(4) : Lose Control / Teddy Swims
6(-) : Ⅱ Most Wanted / Beyonce & Miley Cyrus
7(-) : Jolene / Beyonce
8(7) : Lovin On Me / Jack Harlow
9(10) : We Can't Be Friends(Wait For Your Love) / Ariana Grande
10(2) : Type Shit / Future,Metro Boomin,Travis Scott & Playboi Carti

FutureとMetro Boomin、Kendrick Lamarの「Like That」が2週目の1位を獲得しています。Streamingsは46.1Mで1位、Digital Salesは6,000回で8位、Radio Airplayは10.1Mでした。

今週Beyonceのアルバムが発売されたことで、「Texas Hold'em」が2位に急上昇した他に、「Ⅱ Most Wanted」が6位、「Jolene」が7位に登場しています。この3曲は全英チャートも同様でした。
「Texas Hold'em」はStreamingsが26.9M。Digital Salesは15,000回で1位、Radio Airplayは47.9Mで11位から2位と1位とは僅差だったようです。「Ⅱ Most Wanted」はMiley Cyrusとのカントリーバラード。「Jolene」はDolly Partonのカバーで、数多くのアーチストにカバーされているクラッシック。これでBeyonceはTop10ヒットが24曲目となっています。


Ⅱ Most Wanted / Beyonce & Miley Cyrus
Jolene / Beyonce

16(-) : Levil's Jeans / Beyonce & Post Malone
19(26) : Saturn / Sza
20(28) : Get It Sexy / Sexyy Red
23(70) : I Like The Way You Kiss Me / Artemas
26(-) : Bodyguard / Beyonce
27(-) : Blackbird / Beyonce,Tanner Adel,Brittney Spencer,Tiera Kennedy & Reyna Roberts
30(-) : Ameriican Requiem / Beyonce
31(-) : Spaghettii / Beyonce
33(37) : Man Made A Bar / Morgan Wallen f. Eric Church
37(-) : Daughter / Beyonce
38(Re) : 16 Carriages / Beyonce
39(-) : Ya Ya / Beyonce

BeyonceがTop40内で11曲がランクインさせています。それ以外では30位にイングランドはOxfordshire出身のシンガーソングライターArtemasの「I Like The Way You Kiss Me」が入ってきています。曲は80年代風シンセポップな曲で、クセあるサビのフレーズがインパクトがあります。


I Like The Way You Kiss Me / Artemas

Streamings Songs #1 : Like That / Future , Metro Boomin & Kendrick Lamar 46.1M
Digital Sales #1 : Texas Hold'em / Beyonce 15,000
Radio Airplay #1 : Lovin On Me / Jack Harlow 66M

Album Chart (Units/Sales)
 

1(-) : Cowboy Carter / Beyonce 407,000/168,000
2(1) : We Don't Trust You / Future & Metro Boomin 131,000/?
3(4) : One Thin At A Time / Morgan Wallen 69,000/?
4(3) : Eternal Sunshine / Ariana Grande 58,000/?
5(-) : Hope On The Street Vol.1 EP / J-Hope 50,000/44,000
6(2) : Guts / Olivia Rodrigo 49,000/?
7(5) : Stick Season / Noah Kahan 44,000/?
8(7) : Lover / Taylor Swift 40,000/?
9(6) : SOS / Sza 39,000/?
10(8) : Zach Bryan / Zach Bryan 39,000/?

30(-) : Genre Sadboy EP / Mgk & Trippie Redd

Beyonceの『Cowboy Carter』が1位に輝きました。これでBeyonceはデビューアルバムから8枚連続での全米1位獲得となりました。女性アーチストとしてはTaylor Swiftの13枚、Barbra Streisand    の11枚、Madonnaの9枚、に次いでBeyonceの8枚、Janet Jacksonの7枚ということなりました。アルバムはまだCDが届いていないので全体は聞けていませんが、Beatlesの「Blackbird」のカバーがあったり、Miley Cyrusとのデュエットがあったりと思ったよりもカントリーという印象はありませんでした。

Beyonce US No.1 Album


1: Dangerously In Love 2003
2: B'day 2006
3: I Am...Sasha Fierce 2008
4: 4 2011
5: Beyonce 2013
6: Lemonade 2016
7: Renaissance 2022
8: Cowboy Carter 2024

5位にはBTSのJ-Hopeの『Hope On The Street Vol.1 EP 』が登場しています。