PR

第26章:復活の兆し?あても無いのになんとなくバイク探し

第26章:バイク選び メンテ・カスタム

レンタルバイク立ちごけの足の凹みの痛みは、ほぼ1年後に癒え、同時にバイクへの不安感も消えた。

私は懲りることなく、買うあてもないのに、何となく中古バイク探しを始めた。

大抵の夢や希望は、何気ないささやかな行動から始まる。

あてがなくとも、一歩踏み出した時から実現への道は既に始まっている。

という、啓蒙本などにありがちな話は、まんざら嘘ではない。





あても無いのになんとなくバイク探し

あても無いのになんとなくバイク探し

資金ゼロ。

何時という目標も、計画も無し。

しかし、薄給で生活をしている自分には、資金を貯めている隙もない。

バイクに乗る肉体的精神的可能性は、日に日に衰えていくばかり。

還暦を既にいくつか過ぎ、10年後、5年後、来年の自分がどうなっているかすらわからない。

焦りを感じる。

いまこの時を逃したら、もう2度とバイクに乗る可能性など無いだろう。



そして思う、何となく生きた末、死を目の前にした時に、ぜったい後悔するだろう。

いや、1年なら待っても大丈夫か?

せめて頭金くらい用意しないと現実的ではない。10万円くらい貯められるだろう。

それに何より、某占い師によると大ラッキー年が始まるのは来年、そこから3年間が幸運期だそうだから、チャンスは今ではないのかもしれない。


実は、2024年の低所得世帯10万円給付金というのを、すっかり当てにしていた。10万円が入ったら、中古を買うつもりでネットで探していた。

もう待てない。桜の時期も迫っている。

1年後、幸運期が始まった頃には、準備万端で走り回れるようになっていたい。そう思った。



候補は4つに絞られた。いずれも生産が終了しているから、当然中古だ。

値段が高いのもあるが、新車の中には惹かれるバイクが見つからなかった。





候補1.YAMAHA SR400

YAMAHA SR400

一番心が惹かれたのは、見た目も性能も評判も良いYAMAHA SR400。

しかし、プレミアがついたのか、新車の時より価格が高い。

言ってしまえばバカバカしい価格帯になっている。

そして何より、レンタルセローでコケた自分には、乗りこなせる自信が無かった。また、車検等々の諸費用も払える気がしなかった。



なので、却下。





候補2.YAMAHAセロー250

YAMAHAセロー250

YAMAHAセロー250中古。

レンタルして3回乗ったこと、過去に乗っていたことで、馴染みが深い。

評判もすこぶる良い。チョイ乗りからロングツーリングまで卒無くこなす。一番現実的な選択だ。



しかし、人気車の中古は、やっぱり高い。そして、何かがなんとなく違う。


候補3.KAWASAKI 250TR

KAWASAKI 250TR

KAWASAKI 250TR中古。

ネットで見つけた時には、衝撃を覚えた。

なぜ、このバイクがヒットしている頃に出会わなかったのか。とにかく見た目に惹かれた。

バイク女子になった頃、オンロードを目標にしながらもオフロードしか乗らなかった自分に、どちらの要素ももっている250TRは違和感なく受け入れられた。

ちょうどいい、そう思えた。


しかし、安くはない。そしてどことなく、安っぽい?

自分には若すぎる?




候補4.KAWASAKIのエストレヤ、SUZUKIのST250

KAWASAKIのエストレヤ、SUZUKIのST250

サブ候補として、古き良き時代を思わせてくれる2台。

KAWASAKIのエストレヤ、SUZUKIのST250。



この2台も捨てきれない。

価格だけで考えれば、スズキが最強だ。

見た目にも引けを取らない。



だけど、何かがなんだか、しっくりこない。






道は険しく遠い

給付金はダメだった。ほんのわずかだけ、支給対象から外れる所得だった。

何の努力もしていないが、絶望感に襲われた。

ちなみに、絶望とは、できうる限りの努力をした人間にしか当てはまらないらしい。


しかし、運の前倒しか、SNSで嘆きの投稿を繰り返すうちに、ひょんなことから副収入の話が飛び込んできた。

中古バイク購入の頭金、そして諸費用、もしかしたら初ツーリングする費用も残りそうな、十分な金額だった。





困難が次々と

困難が次々と

時を同じくして、再びバイクに乗るには1人では無理だという考えに囚われていた。

なによりも、肝心なバイク置き場が無いではないか。

中古を買ったとして、自力でたった一人で乗り始めることができるのか?公道のルールさえ覚えていない自分に、ツーリングなど行けるのか?

レンタルで3回ツーリングしても、まったく自信がもてなかった。また立ちごけしたら、起こせる自信も全くない。





きっと、バイク仲間がいたほうがいいに違いない。できればガレージも貸してもらえるとすべてがうまくいく。

中古バイクを買うなら、実車を必ず見てからにしなさい、SNSを通じてそういうアドバイスをいただいた。

自分もそう思った。だから、中古バイク探しをネットだけでなく、地元のバイク店へ足を運ぶことに切り替えた。


しかし、またひとつ問題があった。バイク店は遠い。しかも公共交通機関で簡単に行ける場所ではない。

もちろん、街中にもバイクショップはいくつかあって、中古を展示している店もある。そういう店から自転車で行ってみることにした。

圧倒的に中古バイクの台数が少ない。私が欲しいタイプのバイクは、ほぼ見つからなかった。

そういう店でも、欲しいバイクがあったら取り寄せますよ!とホームページには案内されている。

しかし、例えば250TRなんて言うと、いい顔をされたためしがない。





諦めたときが、終わりのとき

諦めたときが、終わりのとき

個人のバイクショップでは、正直な言葉を聞けた。

儲けが無いんですよね、中古は手がかかるばかりで。

中古はすぐ壊れるし、新車よりかえってお金もかかりますよ。

それに、取り寄せたらほぼ購入決定となり、キャンセルすると取り寄せの費用が発生しますよ。


と、大手地元ショップのお姉さんが電話の向こうで言った。



自転車で行ける範囲のバイクショップでは、もう無理だと感じた。

これはもう、自分一人では先に進めない、そう思ってしまった。

と、こんなどこにでもある、当たり前の困難を乗り越えて、結果的には目出度くバイクに乗ることになるのだが。

バイク探しには、ちょっとしたアホな話があって、それはまた次の機会に。



併せてよみたい

タイトルとURLをコピーしました