たまおの星便り-星海原の航海日誌。  

日毎夜毎、船橋から房総九十九里へと繰り出し、星空を駆け巡る観測日誌。

・2022/9/1、9/7 雷雨と秋雨の隙間に広がる快晴夜。

2022-09-16 | たまおの星便り

 8月は満月期をのぞく上旬下旬ともにきっちり晴れた日は一日もなかった。ここ10年間で2012年の8月だけ7日間どうにか星見ができたが、例年、8月の夜は晴れないのがごく普通のことでもある。
 そして9月に入って最初の日は雲一つない快晴夜となった。
遥か南方にある猛烈台風による強い南西風が吹き、海岸には激しい波が押し寄せている。車を風除けの壁にして海岸から離れた駐車場の一番奥に機材をセットした。気温25度、だが空は真冬のように澄んでいて荒れた海の上におおいぬ座のシリウスがまばゆく銀色に輝く。明け方の地平にシリウスが輝くとナイル川が氾濫し肥沃な土が大地を覆い豊穣をもたらすという古代エジプトの逸話をふと思い出した。
 7日は大気が不安定で夜半前まで海岸に行こうかどうかと迷っていた。6月の雹被害でボコボコになった車の保険金が満額おりて新しい車に乗り換えたばかりでドライブ操作に慣れておらず、海岸までの夜道の移動に少し不安もあった(画像上右 納車したばかりのホンダ フリード・ハイブリッド)。
 気象衛星画像を刻々とチェックしながら、結局、夜半過ぎに海岸に向かった。観測地に着くと遠く西側に雲が見えるもののほぼ快晴だった。やや強い南風が吹いおり、車高が高い新しい車を風除けの壁にして海から離れた駐車場に機材をセットした。
 
東の洋上にオリオンの全身が昇っていた。透明度もよく頭上にはペガスス、アンドロメダの微光星まで見える。南天のくじら座を11等級で移動するC/2022P1ネオワイズ彗星の大きな青いコマも写っていた(画像上左)。
 午前3時を過ぎた頃から南から端切れ雲が次々と来ては
北東に去って行く。雲の切れ間を見計らいながら、薄明開始の時間を大きく過ぎた午前4時過ぎまで星空撮影を続けた。帰り道、陸地側の遠くの空には入道雲が沸き上がって時おり稲光も走っていたが、海岸は波音だけの静かな夜明けを迎えていた。

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